明 細 書 イ ンボリ ユー ト捕間方式 技 術 分 野
本発明は回転軸と直線軸を持つ数値制御装置等ィ ンボリ ュ ー ト補間方式に関し、 特に 3軸旋盤、 研削盤等に使用するィ ンボリ ュー ト補間方式に関する。 背 景 技 術
数値制御装置等の曲線補間でィ ンボリ ユ ー ト曲線の補間は 歯車、 ポンプの羽根等の加工のために必要性が高い。 このた めに、 一般にはィ ンボリ ユ ー ト曲線を数値制御装置と別の計 算機あるいは N Cプログラム作成装置等で補間して、 直線デ ータに分解して、 このテープで数値制御加工を行うのが一般 的であった。
これに対して、 本願出願人は特願昭 6 2 — 1 5 7 3 0 3号 において、 直交座標系での指令を数値制御装置 ( C N C ) 内 で簡単にィ ンボリ ュー ト曲線の補間を行う こ とのできるィ ン ボリ ユ ー ト補間方式を提案している。
しかし、 C軸を有する 3軸旋盤或いは力ム研削盤等では機 械の座標系は極座標で構成されており、 上記の直交座標系だ けのィ ンボリ ユ ー ト捕間方式では、 これらの機域に適用する ことはできない。
発 明 の 開 示
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、 3軸 旋盤、 研削盤等に使-用するイ ンボリ ユー ト捕閬方式を提供す ることを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、
回転軸と直線軸をもつ数値制御装置のィ ンボリ ユー ト捕藺 方式において、 イ ンボリ ユー ト曲線の面転方向、 基礎円の中 心位置、 該基礎円の半径 ( R ) を指令し、 該指令によってィ ンボリ ュー ト曲線の捕間を行い、 前記画転敏と直線軸を制御 することを特徵とするィ ンボリ ュー ト捕間方式が、
提供される。
ィ ンボリ ュ一 ト曲線の所定の指令を数値制御装置 ( C N C ) 内で捕間し、 この捕間量をそれぞれの画転軸及び直線軸 に変換して、 工作機械を制御する。 図 面 の 簡 単 な 説 明 ' 第 1図は本発明の一実施例のィ ンボリ ュー ト曲線を示す図、 第 2図は本発明の一実施例の数値制御装置の概略図、 第 3図は直交座標系と極座標系との関係を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第 3図に 3軸旋盤等の直線軸と回転軸を有する機狨の直交 座標系と極座標系との関係を示す。 図において、 X軸ばク α ススライ ドの方向であり、 Ζ は主軸の歸方向と一致する。
こ こで、 機械は半径方向の直線軸、 Z軸、 Z軸に対する回転 軸である C軸で構成されている。'
これに対して、 プログラムは X軸、 Y軸を使用し.て、 X Y 平面上のィ ンボリ ユ ー ト曲線として指令する。 Z軸は指令も 機械の移動も同じである。 従って、 プログラムは X Y平面上 で指令し、 これを X Y平面上の座標系で補間して、 この補間 パルスを極座標、 すなわち r — c平面上のパルスに変換して、 このパルスでサーボモータを駆動して機械を制御する。
次に実際の指令と、 イ ンボリ ユー ト曲線の補間について述 ベる。 第 1図に本発明の実施例のィ ンボリ ユ ー ト曲線の例を 示す。 こ こでは、 先に説明したように、 イ ンボリ ユー ト曲線 は X Y平面上の曲線として指令されているものとする。 図に おいて、 B Cはイ ンボリ ユー ト曲線の基礎円であり、 中心の 座標は 0 ( X 。 , Y。 ;) であり、 半径は Rである。
I Cは補間すべきイ ンボリ ユー ト曲線であり、 点 P t ( X
! , Y! ) はイ ンボリ ユー ト曲線 I Cの曲線開始点であり、 点 と点 0を結ぶ線が X軸となす角を Θ。 とする。
必要なイ ンボリ ユー ト補間曲線は、 イ ンボリ ユー ト曲線 I Cの点 P S ( X s , Y S ) を補間の開始点とし、 点 P e ( X e , Y e ) を終点とするイ ンボリ ユー ト曲線である。
こ こで、 P s ( X s , Y s ) から、 基礎円 B Cに接線を弓 1 き、 接点を P s c とし、 点 P s c と点◦を結び、 その線が X 軸となす角を Θ s とする。 同様に点 P e ( X e , Y e ) から 基礎円 B Cに接線を引きその接'点を P e c として、 点 P e c と円の中心 0を結ぶ線が X軸となす角を Θ e とする。 捕間中
の点 P ( X , Y ) から基礎円 B Cに接線を引きその接点を P c ( X c , Y c ) とする。 点 P c と円の中心 0を結ぶ線が X 軸となす角を Θとする。
ここで、 イ ンボリ ユー ト補間の指令は
G 1 2 1 ;
G 0 3 2 X—— C—— I —— J—— R—— F—— ; G 1 3 1 ;
で与える ここで G 1 2 . 1 は極座標補間モー ド指令であり、 モーダルな指令である。 従って、 この Gコードが指令された 後はキヤ ンセルされるまで極座標捕間が有効である。
G 0 3 . 2 は左まわりのイ ンボリ ユ ー ト曲線指令であり、 右まわりのときは G O 2 . 2で指令する。 基礎円へ近づくか、 離れるかばィ ンボリ ュー ト曲線の始点と終点の座標値によつ て決まる。
Xは直交座標系 ( X , C ) における終点の座標値であり、 Cは直交座標系の終点の座標値であり、 図では P e ( X e , Y e ) の値である。 ここでは、 ァブソ リ ュー ト値で指令する < 勿論、 ここでは Cに続く数値は X Y平面上の Yの値として指 令されている。 従って、 Cに続く数値は実際の C liの面転量 とは異なる。 勿論ィ ンボリ ュー ト曲線の補間後にこれらの値 は極座標系の値に変換される。
I —— J — —は始点 P s ( X s , Y s ) から見た、 基礎円 Cの中心の値であり、 ここではイ ンク リ メ ンタル値で指令す る。
R — —ば基礎円 B Cの半径であり、 F — —は送り速度であ
る。 ·
G 1 3 . 1 は極座標補間モー ドのキャ ンセル指令であり、 極座標補間モー ドがキャ ンセルされ、 通常の直交座標捕間に 戻る。 ; はエ ン ド ' ォブ ' ブロ ックである。
次にこの指令からィ ンボリ ユ ー ト曲線に必要な値を求める 計箕手段について述べる。
( 1 ) 基礎円の中心座標 0
イ ンボリ ユー ト曲線の始点 P s ( X s , Y s ) の座標は指 令値にはないが、 数値制御装置内部に現在位置として記憶さ れている。 この始点 P s ( X' s , Y s ) と始点から見たイ ン ボリ ユー ト曲線の基礎円の中心迄の距離 ( I , J ) より、 基 礎円の中心座標 0 ( X。 , Y。 ) を次式で求める。
X 0 = X s + I
Υ 0 = Y s + J
( 2 ) イ ンボリ ユー ト曲線の始点の角度 Θ s
P s ( X s , Y s ) から、 基礎円 Cに接線を引き、 接点を P s c とし、 点 P s c と点 0を結び、 その線が X軸となす角 を ® s とする。
( 3 ) イ ンボリ ユー ト曲線の終点の角度 Θ e
点 P e ( X e , Y e ) から基礎円 Cに接線を引きその接点 を P e c として、 点 P e c と円の中心 0を結ぶ線が X軸とな す角を Θ e とする。
( 4 ) ィ ンボリ ユ ー ト曲線の曲線開始点角度 Θ s
点 P s c と点 P s 間の距離を £ s とすると、 点' P s c と P! 間の弧の長さはィ ンボリ ユ ー ト曲線の定義から、 直線 s の
長さに等しい。 従って直線 £ s の長さを Lとすると、
© s = 0 s - L /R (単位はラ ジア ン)
でィ ンボリ ユー 卜曲線の曲線開始点角度 Θ 1が求められる。 ( 5 ) 以上の値から、 イ ンポリ ュー ト曲線上の点の座標は、 X = R {cos Θ + ( Θ— Θ。 ) sin Θ } + Χ。
Υ = R {sin Θ— ( Θ— Θ。 ) cos Θ } + Υ。
で与えられる。
ここで、 Θを © sから まで一定角度づっ増分させ、 上 記の式からイ ンボリ ユー ト曲線 I C上の点を順次求めて、 直 線捕間して行けば求めるイ ンポリ ュー ト曲線を補間すること ができる。
また、 上式から Θを一定角度ずつ増分させて、 3点を求め てこれを円弧補間することで、 所望のィ ンボリュー ト曲線の 補間を行う こ と もでき る。
上記の説明では、 具体的な指令及び褙間の式について逑べ たが、 基本的にはィ ンボリ ユー ト曲線の回転方向、 移動距離、 基礎円の半径と中心座標が指令されればよ く、 また、 補間の 式も指令の形式に応じて種々の式が使用可能である。 さらに、 移動量ば基礎円の中心からみた移動角度等で指令することも できる。
上記の例でばィ ンボ リ ユー ト曲線が左回り (反時計回り ) で基礎円から離れる場合を示したが、 これ以外にも、 イ ンボ リ ュー ト曲線が左回り (反時計面り ) で基礎 Rに近づく場合、 ィ ンボリ ュー ト曲線が右回り (時計回り) で基礎円に近づく 場合及びイ ンボリ ユー ト曲線が右回り (時計回り ) で基礎 R
から離れる場合の 3種類の場合がある'が、 式はこの 3つの場 合もそのまま適用することができる。
このようにして、 X Y平面上で得られた捕間パルスを r一 c平面上の値に変換する。 その変換は次の式で行われる。 r X 2 + Y 2
c = c 0 s — 1 ( X / /"X 2 + Y 2 ) ± 2 η ττ ( ηは整数) 次にこのィ ンボリ ユー ト曲線の補間を実施するための数値 制御装置の概略の構成について述べる。 第 2図に本実施例の 数値制御装置の概略図を示す。 図において、 テープ指令 1 は、 先に述べた指令をパンチしたテープである。 テープリーダ 2 は、 このテープ 1 を読み取る。 前処理手段 3 は、 イ ンボリ ュ 一 ト補間指令があるかを Gコ ー ドから判断する。 ィ ンボリ ュ ー ト補間データ作成手段 4 は、 上記に説明したィ ンボリ ユー ト補間に必要なデータを指令値から作成する。 パルス分配手 段 5 は、 イ ンボリ ユー ト補間データ作成手段 4で作成された 直交座標系でのデータから上記の式に基づいて、 Θを一定角 度増分させてィ ンボリ ユー ト曲線の各点を求め、 直線補間或 いは円弧補間を行い、 補間パルスを出力する。 座標変換手段 6 は、 直交座標系での補間パルス ( Χ、 Υ ) を極座標系の補 間パルス ( r 、 c ) に変換する。 サーボ制御回路 7 は、 指令 によってサーボモータを駆動する。 サーボモータ 8 は、 ボー ルネ ジ等を介して機械 9 を移動させる。
以上説明したように本発明では、 イ ンボリ ユー ト曲線の所 定の指令を数値制御装置 ( C N C ) 内で補間し、 この補間量 をそれぞれの回転軸及び直線軸に変換して、 工作機狨を制御
するように構成したので、 3鼬旋盤、 カム研削盤等でのイ ン ボリ ュ一 ト曲線の加工を簡単に行う ことができる。