WO1990014115A1

WO1990014115A1 - Balloon-carrying instrument for use in continuously injecting medical fluid

Info

Publication number: WO1990014115A1
Application number: PCT/JP1989/000515
Authority: WO
Inventors: Osamu Tsukada
Original assignee: Tsukada Medical Research Co., Ltd.
Priority date: 1989-05-24
Filing date: 1989-05-24
Publication date: 1990-11-29
Also published as: KR0141688B1; EP0427852A1; KR920700051A; US5219334A; EP0427852B1; DE68916960D1; EP0427852A4; DE68916960T2

Description

明細書バルーン付き薬液持続注入器〔技術分野〕

本発明は、バルーン内に薬液を注入し、所定量の薬液を所定時間内に人体内に注入するために用いるバルーン付き薬液持続注入器に関するものである。

〔背景技術〕

従来、人体に薬液を比較的長時間注入する方法としては、注射針またはカテーテルに薬液を入れた注射器を接続し、その注射器を手動、パネ、電動によって作動して薬液を流出するか、あるいは点滴ビンまたは容器内に薬液を入れ、自然滴下または電動により薬液を流出していた。

薬液を数分から数時間かけて人体内に注入する場合には、その時間だけ薬液供給源としての注射器または点滴ビンを注射針またはカテーテルに接続していなければならないので、患者および施術者にとって多くの不都合を強いていた。

例えば、手動による持続注入の場合には、患者および施術者がー定時間人体を拘束固定されるので、肉体的にも精神的にも大きな苦痛をともなう。実際には、 1〜2分が限度であるとされている。電動またはバネを利用したとしても、電源の確保、注射器の設置などが必要であり、患者の行動が制限される。点滴による薬液の持続注入の場合には、薬液にくらベて大量の補液を入れることになり、また、補液を必要としない患者でも不必要な液を入れることになる。点滴ビンまたは容器を患者よりも高い位置に設置しなければならず、また、注射針またはカテーテルと点滴ビンとを結ぶ複雑で長い管路を必要とするので、患者の体動を制約するとともに、施術者も適宜点検する必要があつた。

人体に薬液を注入するさいの流量調整装置として、特公昭 55 - 45799号公報に開示されているものがある。この装置は、螺旋状に溝を設けたコアをスリ一ブ内に挿入し、スリーブを外部からリングで挟み付けることによって流量を調節する。しかし、この装置は、長時間薬液を持続して注入することはできない。

また、薬液の持続注入器として、米国特許第 4, 318, 400号に開示されているものがある。この注入器は、シリンダ内に薬液を入れたバルーンを揷入し、バルーンの収縮力によって、ノくルーン内から薬液を流出させながら、、シリンダ内を軸方向に縮んで行く。しかし、この注入器はバルーン内から完全に薬液を排出できない欠点がある。

そこで、本出願人等は、薬液を比較的長時間持続して人体内に注入するさいに、構造が簡単で取扱が簡便で、安全性の高い薬液持続注入器を得るために、先に「バルーン付き薬液持続注入器」（日本国特許第 1384289号）を提案した。

この特許のバル一ン付き薬液持続注入器は、長手方向軸心にそつて形成された薬液流路を有する管状本体を設け、該管状本体の一端に逆止弁を有する薬液注入部を設け、前記管状本体の他端に薬液流出部を設け、前記管状本体の中間に前記薬液流路を遮断する部材を設け、該遮断部材の付近で前記薬液注入部側に流入穴をまた前記薬液流出部側に流出穴または微細多孔質膜を貼り付けた流出穴をそれぞれ前記管状本体の管壁を貫通して形成し、弾性材料からなるバルーンによつて前記流入穴および流出穴を包囲し、前記バルーンの周縁を前記管状本体の外周に気密状に固定した構造になっている。

また、本出願人は、前記特許の注入器の薬液流出部に血管内留置器具を接続した「血管用バル一ン付き薬液持続注入器」 (特開昭 62-11465号公報）を先に開示した。

さらに、本出願人は、薬液を比較的長時間持続して人体内に注入するさいに、構造が簡単で取扱が簡便で、安全性の高い「膀胱用薬液持続注入カテーテル」（特開昭 62-11464号公報）を先に開示した。

このカテ一テルは、従来の一般的な膀胱用カテーテルを使用し、カテーテルの基端側外周の一部に凹所を設け、弾性材料からなるバルーンによって前記凹所を包囲し、該バルーンの周縁を前記カテーテルの外周に気密状に固定し、前記長手方向軸心にそって前記カテーテルの管壁に細管を設け、該細管の基端側を開口して薬液流出口を形成し、該細管の基端側を前記凹所に連通させ、前記バルーンの中央部分に薬液注入部を気密状に固定し、該薬液注入部の中央部分に中央通路を設け、該中央通路の入側に弁を設けかつ出側を前記凹所に連通した構成になっている。

上述した注入器またはカテーテルには、薬液の流出時間を制御するために細孔または細管を設けている。し力、し、これら細孔または細管を実際に形成することは非常に困難であり、また、微細なごみ等によって簡単に詰ってしまうことがある。

そこで、本出願人は、薬液の流出時問を制御するための細管を比較的容易に形成できるようにするとともに、細管の詰りを防止できる構造を備えたバル一ン付き薬液持続注入器を先に開示した（PCT - JP - 88 - 01055)。

この薬液持続注入器は、長手方向軸心にそって形成された薬液流路を有する管状本体を設け、該管状本体の一端に逆止弁を有する薬液注入部を設け、前記管状本体の他端に薬液流出部を設け、前記管状本体の他端に特定の材料に対してのみ接着能力のない常温または熱硬化型流動性樹脂を所定量充塡し、該流動性樹脂内に特定材料からなる所定直径の細線材を直線状、螺旋状、または蛇行状に埋設し、該細線材の一端を前記管状本体内に貫通させ、該細線材の他端を前記薬液流出部を通して外部に誘導し、前記管状本体の管壁を貫通して穴を形成し、弾性材料からなるバル一ンによって前記穴を包囲し、前記バルーンの周緣を前記管状本体の外周に気密状に固定した構造になっている。前記細線材を前記管状本体の外部に弓 Iき抜いて前記流動性樹脂に細孔を形成し、前記薬液流出部に人体留置器具を取り付けることができる。

し力、し、この薬液持続注入器においては、細線材を引き抜いた後の細孔の内面に微細なバリを生じ、安定した細孔を形成しにくい。

〔発明の開示〕

したがって、本発明の目的は、薬液の流出時間を必要に応じて種々に変更できるとともに、安定した薬液流出細孔を有するバルーン付き薬液持続注入器を得ることにある。

本発明の薬液持続注入器は、長手方向軸心にそつて形成された薬液流路を有する管状本体を設け、該管状本体の一端に逆止弁または一方コックを有する薬液注入部を設け、前記管状本体の他端に薬液流出部を設け、該薬液流出部に隣接して前記他端に薬液流出制御部を設け、前記管状本体の管壁を貫通して複数の穴を形成し、弾性材料からなるバル一ンによつて前記穴を包囲し、前記バルーンの周縁を前記管状本体の外周に気密状に固定した構造になっている。

前記薬液流出制御部は、細孔を有する樹脂製チューブ、金属管、セラミックス管等の細管を合成樹脂中に埋設した構造かまたは多孔質または浸透拡散性のある材料を充塡した構造になつている。

前記チューブは、合成樹脂中に直線状、蛇行状または螺旋状に埋設されることが好ましい。

前記薬液流出制御部は、細孔を有する樹脂製チューブ、金属管、セラミックス管等の細管内に細線を出入自在に挿入し、これらを合成樹脂中に埋設した構造にするか、または細孔を有する樹脂製チューブ、金属管、セラミックス管等の細管を小径チューブの中間部まで挿入し、これらを合成樹脂中に埋設した構造でもよい。

〔図面の簡単な説明〕

第 1図は本発明の薬液持統注入器の縦断面図。第 2図は第 1 図の Π - Π線からみた横断面図。第 3図は第 1図の m - III線からみた横断面図。第 4図は本発明の薬液持続注入器に接続される人体留置器具の例を示す側面図。第 5図は本発明の薬液持続注入器の薬液流出制御部の各種変形例を示す部分拡大縦断面図。第 6図および第 7図は本発明の薬液持続注入器の操作説明図。第 8図は本発明の薬液持続注入器の各種使用例を示す説明図。〔発明を実施するための最良の形態〕

第 1図から第 3図までを参照して本発明の薬液持続注入器の基本的構造について説明する。本発明の薬液持続注入器は、管状本体 1とバルーン 2とからできている。

管状本体 1は長手方向軸心にそって薬液流路 11が形成されている。管状本体 1の一端（図示例では右端）には薬液注入部 12 が、また、他端（図示例では左端）には薬液流出部 13がそれぞれ設けられる。薬液注入部 12および薬液流出部 13は管状本体 1 と一体に成形されてもよいが、製造および取扱いの便宜を考慮して図示例のように別個の部品を接続することが好ましい。薬液注入部 12には慣用の逆止弁または一方コック 121 を設ける。逆止弁または一方コック 121 は矢印方向 122 への薬液の注入を許すがその逆の流れを許さない機能または薬液の流通路を開閉する機能を有しているものでよい。

管状本体 1の中間には、その管壁を貫通して薬液流路 11に連通した複数の穴 111 を設ける。バルーン 2は、穴 111 を包囲し、バルーン 2の周縁 21が管状本体 1の外周に気密状に固定される。

ルーン 2は伸縮制に富み、外部からの作用に対しても容易に搔傷のしない耐摩耗性、高靭性の材料からつくられることが好ましい。特に、透明または半透明材料のものが好ましい。このような材料としては例えば、市販のシリコンゴムまたはラテツクスゴム等のものが最適である。

バルーン 2は、第 1図に示すように、薬液を注入する前の常態時においては、管状本体 1の外周に密着し、また、薬液注入後の作動時においては第 6図に示すように周縁 21を残して他の部分が管状本体 1の外周から離れて膨張する。

薬液流出部 13より内側の薬液通路 11内に薬液流出制御部 3を設ける。薬液流出制御部 3の各種変更例を第 5図に示す。第 5 図（A)〜（E) は、細孔を有する樹脂製チューブ、金属管、セラミックス管等の細管 31を合成樹脂 32中に埋設した薬液流出制御部 3を示す。チューブ 31を合成樹脂 32中に直線状（A) 、蛇行状 (B) 、螺旋状 (C) に埋設してもよい。直線状細管 31に代えて、合成樹脂 32中にレーザ等によって穿孔してもよい。

(D) 図はチューブ 31内に細線 34を出入自在に揷入した構造を、また、（E)図はチューブ 31内にさらに小径のチューブ 35を揷入した構造をそれぞれ示す。

(F) 図は、薬液流路 11内に多孔質材料 33を充塡した薬液流出制御部 3を構成したものを示す。多孔質または浸透拡散性のある材料としては、活性炭、軽石、樹脂粒子、シリコーンゲル、ウレタンゲル等を用いることができる。

チューブ 31の細孔の長さまたは多孔質または浸透拡散性の材料 33の細孔容積は、薬液の流出時間を決定する重要な因子にな o

次に、第 6図および第 7図を参照して、本発明の薬液持続注入器の操作例について説明する。薬液は薬液持続注入器の薬液注入部 12から所定量注入される。薬液は管状本体 1の薬液流路 11、穴 111 を通ってバルーン 2内に流入し、バルーン 2を膨張させながら、バルーン 2内に充満される。バルーン 2内に充満された薬液は逆止弁または一方コック 121 によって逆流することはない。

バルーン 2または薬液流路 11内にエアの混入を防止する必要がある場合には、流路 11内に予め同種の薬液もしくは生理食塩水を注入しておく力、、または薬液注入部 12を上方位置にして直立させれば、バルーン 2内の気泡は複数の穴 111 を通って薬液流路 11内に入り、また、流路 11内の気泡はそのまま注入部 12付近に自然に集まる。注入部 12に空気抜細管（図示せず）を差し込めば、エアは容易に排出される。

所定量の薬液が注入された後に、流出部 13の先端に取り付けておいたキャップ 131 を取り外し、別に用意してある必要な人体留置器具、例えば注射針 6を取り付ける（第 7図）。

バル一ン 2内に充塡された薬液は、バル一ン自体の収縮力により、穴 111 、薬液流路 1 1、細孔を有する細管 31、薬液流出部 13を通って注射針 6に流入する。

最後に、必要に応じて、通常のエア抜きを行う。エア抜きを確認するために、各要素はすべて透明または半透明になっていることが好ましい。

薬液の注出時間は、薬液の注入量および粘性、バルーン 2の収縮特性、細孔の横断面積および長さ、注入箇所の体内の圧力等によって定まる。実際には、各薬液持続注入器について標準の薬液で注出時間を突測すればよい。第 4図は、本発明の薬液持続注入器の薬液流出部 13に接続される人体留置器具の代表例を示す。（A)は通常の注射針を、 (B) は可撓性管路を有する注射針を、（C)は通常のカテーテルをそれぞれ示す。

バルーン 2は、基本的には球形のものであるが、人体の使用箇所の形状に合せて任意の形状に成形することができる。例えば、扁平の長円体形状のものでもよい。

バル一ンが万が一外部の鋭利な物体に触れて破裂するようなことのないように、バルーン外部を覆う透明なカバー 7 (第 8 図（A) )を管状本体 1に着脱自在に取り付けてもよい。このとき、人体への取り付けを容易にするために、ベルト 71を設けることが好ましい。

第 8図（B) は、泌尿器または消化器用カテーテル 61の薬液注入部 611 に本発明の薬液持続注入器 100 を接続した例を示す。第 8図（C) は、静脈用カテーテル 62の薬液注入部 621 に本発明の注入器 100 を接続した例を示す。

第 8図（D) は、産婦人科用カテーテル 63の薬液注入部 631 に本発明の注入器 100 を接続した例を示す。

第 8図（E) は、脳外科用カテーテル 64の薬液注入部 641 に本発明の注入器 100 を接続した例を示す。

本発明の薬液持続注入器は、薬液の容器として、また薬液の注入器具として一体に機能するので、構造が簡単で取扱いが簡便になる。したがって、患者の行動および体動を制限せず、施術者の労力および拘束時間を軽減する。また、一度エア抜きをしておけば、バルーンが完全に収縮してしまうまでエアの混入は起らない。

さらに、本発明の薬液持続注入器は、注入時間に大きな影響を与える細孔の形成が非常に簡単にでき、また、その細孔の形成が使用直前に行われるので、細孔の詰りの問題も生じない。〔産業上の利用可能性〕

人間または動物の医療用器具として広く利用できる。

Claims

請求の範囲

1. 長手方向軸心にそつて形成された薬液流路（11)を有する管状本体（1) を設け、該管状本体の一端に逆止弁または一方コック（121) を有する薬液注入部（12)を設け、前記管状本体の他端に藥液流出部（13)を設け、該薬液流出部に隣接して前記他端に薬液流出制御部（3) を設け、前記管状本体の管壁を貫通して複数の穴（111) を形成し、弾性材料からなるバルーン（2) によつて前記穴を包囲し、前記バル一ンの周縁（21)を前記管状本体の外周に気密状に固定してなるバルーン付き薬液持続注入器。

2. 前記薬液流出制御部（3〉は、細孔を有する細管（31)を合成榭脂（32)中に埋設した構造になっていることを特徴とした請求項 1記載の薬液持続注入器。

3. 前記細管（31)を合成樹脂（32)中に直線上に埋設したことを特徴とする請求項 2記載の薬液持続注入器。

4. 前記細管（31)を合成樹脂（32)中に蛇行状に埋設したことを特徴とする請求項 2記載の薬液持続注入器。

5. 前記細管（31)を合成樹脂（32)中に螺旋状に埋設したことを特徴とする請求項 2記載の薬液持続注入器。

6. 前記薬液流出制御部（3) は、多孔質または浸透拡散性の材料（33)を充塡した構造になっていることを特徴とした請求項 1記載の薬液持続注入器。

Ί, 前記薬液流出制御部（3) は、細孔を有する細管（31)内に細線（34〉を出入自在に挿入し、これらを合成樹脂（32)中に埋設した構造になっていることを特徴とした請求項 1記載の薬液持続注入器。

8. 前記薬液流出制御部（3) は、細孔を有する細管（31)を小径チューブ（35)の中間部まで揷入し、これらを合成樹脂（32)中に埋設した構造になっていることを特徵とした請求項 1記載の薬液持続注入器。