WO1991005897A1 - Tissu presentant une structure specifique, son procede de production et differents articles composes dudit tissu, par exemple des vetements - Google Patents

Description

明 細 書

特殊な構造を有する布帛およびその布帛の製造方法 およびその特殊な構造を有する布帛を用いて構成さ れる衣料などの各種の物品

技術分野

本発明は、 特殊な構造を有する布帛と、 その布帛を製 造する方法、 さ らに、 その特殊な構造を有する布帛から 構成される衣服などの各種の物品に関するものである。

本発明にかかる特殊な構造を有する布帛は、 例えば、 衣服に用いられた際には、 日光や雨などが、 直接に着用 者の肌に当たるのを防ぎ、 しかも非常に風通し性の良好 な通気性能を有しかつファ ッ ショ ン性も豊かであるとい う従来にはない特徴的な機能を有する衣服を構成し得る ものであり、 例えば、 衣服の場合、 具体的には、 アウ ト ドアゥヱァ用布帛、 特にゴルフ、 野球のユニホームまた はア ンダーシャ ツ、 テニスなどのスポーツウエア用や、 あるいは T シャ ツ、 ポロ シャ ツなどのカジュアルウエア 用や、 さ らにはレイ ンコー トなどの雨具用の布帛と して 好適な、 新規な構造を有する布帛に関するものである。

また、 本発明にかかる布帛は、 上述のような衣服用途 以外にも、 その特徴的な構造に基づく機能特性をうま く 活用して、 各種の特徵的な物品を構成し得るものである , かかる本発明の布帛を用いて構成される各種の特徵的 な物品はまた、 それぞれの当該分野において従来は存在 しなかった、 新規な物品をそれぞれ実現するものであつ て、 具体的にそれら物品とは、 上述した衣服以外の各種 衣料、 あるいは寝装具類であり、 あるいは土砂止めシー トであり、 あるいは農業もしく は園芸用ハウスであり、 あるいは履物類であり、 あるいは生鮮物用梱包ケースで あり、 さ らにあるいはビーチパラソルであり、 あるいは テン ト類であり、 あるいは衝立であり、 あるいは炉過材 であり、 あるいは椅子張り材であり、 あるいはカーテン 類などである。

背景技術

本発明にかかる布帛が持つ新規な機能特性について、 具体的にわかりやすく説明するために、 以下、 衣服の分 野を例にとり説明する。

従来、 例えばゴルフウェアもしく はテニスウェアなど のアウ ト ドアを主体とするスポーツゥヱァの商品設計の 傾向と して、 色、 デザイ ン等のフ ァ ッ シ ョ ン性、 あるい はブラ ン ド名が優先されることが多く、 通気性、 防水性 等の機能面については、 単にその繊維素材自身が 1次的 に有する特性 （例えば、 綿使いにおける吸水性） にゆだ ねられているのが現状である。

しかしながら、 夏期など直射日光が強く、 暑く て多量 に汗をかく時期においては、 単なる繊維素材自身の持つ 機能特性のみでは不十分である。 特に、 女性にあっては 日焼けを防ぐために長袖を着用する人も多く、 なおのこ と、 高い通気性、 快適性などの機能性が要求される。 ま た、 高い通気性を得るためにメ ッ シュ状にした布帛も見 られるが、 そのような布帛は肌ゃァンダーゥヱァが透け て見えたり、 メ ッ シュ状の日焼けあとが残ったりするの で一般には敬遠されている。

また、 最近、 スポーツゥヱァ、 レイ ンコー ト地、 傘地 用などと して、 透湿性と撥水性とが付与された高密度に 織編された織編物布帛が市場に多く見受けられるが、 こ れら布帛はどちらかと言えば低通気性 （防風性） 素材で あり、 本発明の高い通気性を有する布帛とは全く相反す るものといってよかろう。 すなわち、 低通気性素材では、 防風性は実現できても、 高い通気性に基づく快適性は得 られないのである。

上述のように、 高い通気性と、 遮光性や防水性という 一般には相反する双方の機能を兼備して、 しかもフア ツ シヨ ン性においても豊かである布帛は、 いまだかって見 られていないのが現状である。

以上の説明は、 衣服の場合を例にとり説明したが、 上 述のように高い通気性を有していて、 かつ一方では、 遮 光性や防水性を兼ね備えている布帛は、 も しも実現され ると、 上述のような衣服の他にも、 その適用用途、 分野 は非常に広いと考えられる。

発明の開示

本発明の目的は、 上述のような従来技術の問題点に鑑 み、 高い通気性を有するとともに良好な遮光性、 防水性 をも有する新規な布帛を提供せんとするものであり、 た とえば衣料分野においては、 直射日光をさえぎることに より肌の日焼けを防ぎ、 しかも高い通気性を有すること により夏期においては非常に涼しく、 快適であり、 かつ 雨滴の内部浸入を防ぐことができ、 さ らには新規で斬新 なフ ァ ッ シ ョ ン感覚に富んだ外観特性をも有するという 機能性とフア ツ ショ ン性の豊かな衣服、 衣料を実現する ことができるという新規な布帛を提供せんとするもので ある。

また、 本発明の他の目的は、 上述の本発明の布帛を製 造する方法を提供せんとするものである。

また、 本発明の他の目的は、 本発明にかかる布帛の特 徵的な構造に基づく特異な機能性をうま く活用して、 衣 服、 衣料以外の分野においても、 従来には見られない新 規な各種の物品を提供せんとするものである。

本発明は、 上述した目的を達成するために、 次の構成 からなる。

すなわち、 本発明の特殊な構造を有する布帛は、 細幅 シー ト片の多数が重畳構造を形成し、 かつ該細幅シー ト 片どう しの重畳部が該細幅シー ト片の幅方向に開口した 状態を形成しつつ前記多数の細幅シー ト片が連繋されて 布帛が形成されてなることを特徵とする特殊な構造を有 する布帛である。

また、 本発明の特殊な構造を有する布帛の製造方法は 細幅シー ト片を位置をずらせながら順次重ねて重畳構造 状態を形成せしめ、 その状態を維持したまま、 隣接する 細幅シー ト片どう しを連繋せしめることを特徵とする特 殊な構造を有する布帛の製造方法である。

また、 本発明の各種の物品は、 上述の本発明にかかる ところの布帛が特に用いられて構成されていることを特 徴とする衣服、 あるいは衣服以外の各種衣料、 あるいは 寝装具類であり、 あるいは土砂止めシー トであり、 ある いは農業も しく は園芸用ハウスであり、 あるいは履物類 であり、 あるいは生鮮物用梱包ケースであり、 さ らにあ るいはビーチパラソルであり、 あるいはテン ト類であり、 あるいは衝立であり、 あるいは炉過材であり、 あるいは 椅子張り材であり、 あるいはカーテン類などである。

本発明にかかる細幅シー ト片からなる重畳構造を有す る布帛は、 上述した構成と したことにより、 次のような 優れた作用、 効果を奏するものである。

(1 ) 直射日光の侵入が防止されるので、 衣服にした場 合、 着用者の日焼け、 肌荒れが防止できる。

(2) 衣服にした場合、 着用者の肌が透けて見えること がなく、 高い通気性を有する快適な衣服が得られる。

(3) 高い通気性を有するとともに、 遮光性、 防水性、 透湿性を兼備している布帛である。

(4) 布帛の表面が凹凸形態を呈しているこ とにより、 立体感、 シャ リ感が得られ、 また、 衣服にした場合、 着 用者の肌へのベ トツキ感のない布帛、 衣服が得られる。

(5) 異素材、 異色相との多様な組合せをすることによ り、 複合機能を持つとともにフ ァ ッ シ ョ ン性も非常に豊 かであるという、 従来には全く見られない布帛である。 本発明にかかる布帛は、 以上のような数多く の効果を 有し、 ゴルフウエア、 テニスウェア、 野球のユニホーム またはアンダーシャ ツなどのスポーツ分野の他、 レイ ン コー トなどの雨具用分野、 サマーセ一夕、 T シャ ツ、 ポ 口シャツなどのカジユアル分野などの衣服をはじめ、 帽 子分野、 手袋分野等の衣料分野にも幅広く用いることが できる。

また、 かかる用途以外にも、 上述の如き、 寝装具類、 土砂止めシー ト、 農業も しく は園芸用ハウス、 履物類、 生鮮物用梱包ケース、 ビーチパラソル、 テン ト類、 衝立 炉過材、 椅子張り材、 カーテン類などにも効果的に用い る こ とができるのである。

図面の簡単な説明

第 1図 （A ) は、 本発明の細幅シー ト片からなる重畳 構造布帛の細幅シー ト片縫合部における横断面図であり 細幅シー ト片が幾重にも重なった、 ちょ うど瓦ぶきの屋 根も しく は蓑の如き構造をモデル的に示した布帛断面図 であり、 第 1図 （ B ) は、 本発明の細幅シー ト片からな る重畳構造布帛の細幅シー ト片非縫合部における横断面 図であり、 細幅シー ト片どう しが適宜の空隙 （開口した 状態） を持ちつつ幾重にも重なって存在する構造をモデ ル的に示した布帛断面図である。

第 2図は、 第 1図 （A ) 、 ( B ) に示した本発明の重 畳構造を持つ特殊布帛の構造をモデル的に示した平面図 であり、 細幅シー ト片の幅方向下に等間隔にミ シンがけ により縫合されてなる布帛の平面図である。

第 3図は、 本発明の特殊な構造を有する布帛を用いた 製品の 1例と して、 後述する実施例 2において縫製をし たレイ ンコ一 トをモデル的に示した外観概略図である。

第 4図 （A) 、 (B) は、 複数素材または複数色の組 合わせ下で細幅シー ト片を構成させるときの、 構造上の 組合わせ方のバリエーショ ンを例示した斜視図である。

第 5図は、 本発明の物との構造の差異を比較説明する ために、 本発明によらない布帛構造をモデル的に示した 横断面図である。

第 6図 （A) 、 （B ) 、 （C) 、 （D) 、 （E) は、 本発明の特殊な構造を有する布帛の各種の応用バリエ一 ショ ンを例示した細幅シ一 ト片非縫合部における横断面 図である。

第 7図 （A) 、 (B) 、 (C) は、 本発明の特殊な構 造を有する布帛においての、 さ らに他の各種の応用バリ エーショ ンを例示した細幅シー ト片非縫合部における横 断面図である。

第 8図は、 本発明にかかる特殊な構造を有する布帛を 製造する方法において、 仮固定された重畳構造状態を得 る方法の一実施態様例を示した概略図である。

第 9図〜第 1 3図は、 いずれも本発明にかかる特殊な 構造を有する布帛を特に用いて構成された各種の物品を 例示したものであり、 第 9図は寝装具類、 第 1 0図は土 砂止めシー ト、 第 1 1図は農業もしく は園芸用ハウス、 第 1 2図は履物類、 第 1 3図は生鮮物用梱包ケースにお ける実施態様例をそれぞれ示したものである。

発明を実施するための最良の形態 以下、 図面等に基づいて本発明にかかる特殊な構造を 有する布帛に関して、 さ らに詳しく説明する。

本発明にかかる布帛は、 細幅シー ト片の多数が重畳構 造を形成し、 かつ該細幅シー ト片どう しの重畳部が該細 幅シー ト片の幅方向に開口した状態を形成しつつ前記多 数の細幅シー ト片が連繋されて布帛が形成されてなるも のである。

本発明において、 かかる細幅シー ト片とは、 長さに比 較して幅が細いシー ト片状のものであればよく、 その幅 と しては特に限定されるものではないが、 一般的に好ま しく は l m m〜 2 O O m mの幅である織物、 編物、 不織 布、 フィ ルム、 プラスチック薄板などのシー ト状物であ り、 また本発明の効果をより有効ならしめ、 また製造す る際の作業性などにおいて織編物あるいは不織布である ものが最も好ま しく、 特に、 衣服や衣料用途、 寝装具類 生鮮物用梱包ケース、 ビーチパラソル、 テン トなどの用 途には、 該編織物あるいは不織布を用いるのが好ま しい ものである。

ただし、 上述の細幅シー ト片の幅は、 その好ま しい範 囲も、 適宜、 本発明にかかる布帛の具体的用途にも応じ て変わるべきものであって、 たとえば、 大型の農業もし く は園芸用ハウスや、 大寸法の土砂止めシー トなどの、 概して大きなサイズのものに使用するときなどには、 細 幅シー ト片の幅は上述した範囲より も大きなものでも好 ま しいものである。

また、 該細幅シー トの素材も、 適宜用途に応じて好ま しい材質は変わってもよく、 やはり、 農業もしく は園芸 用ハウスや、 土砂止めシー トゃ炉過材などの分野では、 強度の大きい不織布ゃフイ ルムやプラスチッ ク薄板など も好ま しく用いることができる。

該細幅シー ト片の製造法としては、 たとえば、 織物の 場合、 所望の織幅でリ ボン織機やテープ織機などで製織 する方法、 あるいは広幅織機で製織し、 機上でもしく は 製織終了後に溶断力ッ夕—等で所望の幅に溶融裁断する 方法、 あるいは、 さ らに、 易溶解性繊維をス リ ッ 卜 （分 断） すべき境界部に交織しておき製織後に該易溶解繊維 を溶解させる液中で処理することにより所望の細幅織物 を得る方法などがあり、 適宜作業性、 所望の細幅シー ト 片の仕様等を考慮して具体的製造方法を選択すればよい, 編織物ゃ不織布、 フィ ルム、 プラスチッ ク薄板などの、 いずれの素材を採用するにしても、 いったん幅の広いも のを製造してから細幅に切断をする方法、 あるいは、 最 初から細幅のものと して製造する方法のどちらでも使用 できる。

細幅シー ト片の幅についての好ま しい範囲は前述の通 りであるが、 特に、 衣服や衣料、 寝装具類、 あるいは履 物類、 生鮮物梱包ケースなどの小物に適用する場合につ いてさ らに詳しく説明をすると、 該幅が 1 m m未満では 該シー ト片を製造することが一般に難しいこと、 また重 畳構造にして布帛を形成することが一般に難しいので好 ま しく なく、 また、 2 0 0 m mを越える幅になると、 機 能性ゃフア ツ シヨ ン性の点、 特に本発明で最も特徴的で ある通気性において、 通常の布帛使いのものと大差が無 く なる傾向にあるので好ま しく ないものであり、 したが つて、 上述の分野において、 より好ま しいシー ト片幅と しては 2 m m〜 1 0 O m m、 さ らに好ま しく は 5 m n！〜 7 O m mの範囲のものなのである。

細幅シー ト片は、 適度な凹凸状や波形状を示すような 異形断面の細幅シー ト片であってもよく、 たとえば、 そ の横断面形状は、 平べつたいフラッ トな形状のものの他、 「へ」 の字型あるいは 「〉 」 の字型、 さ らにはこれらの 組み合わさった 「W」 の字型など、 あるいは、 ] 、 〕 、 ） 、 】 、 } 、 」 、 、 I、 〜型状等に折れ曲った断面構造 を持つものなどであってもよい。 また、 細幅シー ト片の 構造は、 通常、 一重のものであってよいが、 場合によつ ては、 筒状のものやあるいは 2重織物などの 2重構造の シー ト片であってもよい。 なお、 筒状のものにおけるシ ー ト片幅とは該筒における直径を言う。

細幅シー ト片は、 衣服、 衣料などの身体に接して使用 するものに適用する場合には、 肌触りの点などから、 織 物、 編物、 不織布などの繊維製品であることが好ま しく、 その際、 該細幅シー ト片基材に使用される繊維と しては、 ポリエチレンテレフタ レー ト、 あるいはその共重合体

(例えば、 イ ソフタル酸、 5 —ナ ト リ ウムスルホイ ソフ タルの如き共重合成分等） 、 ポリ ブチレンテレフタ レー ト、 あるいはその共重合体等のポリエステル、 ナイロン 6、 1 1、 1 2、 6 6、 6 1 0等に代表されるポリアミ ド及びそれらの共重合体、 アク リル系重合体、 ポリ ウレ タ ン、 ポ リ エチレン、 超高分子量ポ リ エチレン、 ポ リ プ ロ ピレン及びその共重合体、 ポリ ビニールアルコールな どに代表される合成繊維類、 レーヨン、 キュブラなどの セルロース系再生繊維類、 アセテー ト、 ト リアセテー ト などの半合成繊維類、 木綿、 麻、 絹、 羊毛などの天然繊 維類のいずれもが使用可能であり、 これらの繊維を単独 で、 も しく は複合、 混繊、 混紡、 交撚、 交織など適宜目 的に応じて組合せて用いてもよい。

これらのうちでも、 ポリエステル繊維とポリア ミ ド繊 維との組合せになる複合糸使い細幅シー ト片、 さ らに、 ポリエステル繊維においてィ ソフタル酸を共重合させて なる高収縮性繊維糸と低収縮繊維糸などの異繊維糸との 組合せになる複合糸使い細幅シー ト片、 さ らに低ゲン度 のポリ ビニールアルコールを紡糸して得られる水感性繊 維などを用いてなる細幅シ一 ト片は、 加工中に収縮性能 を発揮し、 バルキーアップ （嵩高性向上） となり、 良好 な嵩高性ゃシャ リ感が得られることによって、 肌への密 着性がなく なり空隙率が大となるので通気性がより向上 したり、 サラ リ と した肌触りが得られるなど、 より高い 快適感が得られる点で好ま しいものである O ¹ S>に！ ^问 性を得る方法と して、 単一のマルチフィ ラメ ン トにウー リ ィ加工などの嵩高加工を施した糸を用いて、 細幅シー ト片を構成せしめる方法もある。

本発明で言う細幅シー ト片を用いてなる 「重畳構造」 の布帛とは、 細幅シー ト片が幾重にも重なつて形成され ている布帛のことであり、 例えば、 瓦ぶきの屋根も しく は縦断面構造で見れば重なり合った蓑の如き構造のもの である。

かかる構造に基づく特異な効果、 機能特性を、 以下、 図面などに基づいて説明をする。

すなわち、 第 1図 （A ) は、 本発明の細幅シー ト片か らなる重畳構造特殊布帛のシ一 ト片縫合接合部における 横断面図であり、 細幅シー ト片 3 _t 、 S 2 ゝ S 3 、 S 4 S ₅ 、 S ₆ 、 S ₇ が幾重にも重なつた、 ちよ うど瓦ぶき の屋根も しく は蓑の如き構造をモデル的に示したもので あり、 また、 第 1図 （B ) は、 本発明の細幅シ一 ト片か らなる重畳構造布帛の細幅シー ト片非縫合接合部におけ る横断面図であり、 細幅シー ト片 S t 、 S 2 、 S 3 、 S 4 、 S ₅ 、 S ₆ 、 S ₇ どう しが適宜の空隙を持ちつつ 幾重にも重なつて存在する構造をモデル的に示したもの である

本発明の布帛は、 かかる図面からわかるよ うに、 細幅 シー ト片どう しの重畳部は、 該細幅シー ト片の幅方向に 開口した状態を形成しつつこれら多数 （2片以上） の細 幅シ一 ト片が連繋されて構成されている。

本発明にかかる布帛は、 このような特異な構造を有す ることにより、 たとえば、 雨が降りかかるケースを想定 すると、 第 1図 （B ) のモデル図上に示したように、 雨 滴は矢印 bのようにはじかれて内部に浸入することがで きず、 また、 空気は矢印 cのように通過でき、 良好な撥 水効果と高度な通気性を得ることができるのである。 特 に、 細幅シー ト片と して撥水、 撥油加工を施したものを 用いれば、 特に高度な撥水、 撥油効果を得ることができ る。 なお、 第 1図 （A ) 、 ( B ) において、 矢印 a方向 は重畳構造の順方向を示している。

なお一方、 これに対して、 第 5図は、 本発明によらな ぃ布帛構造をモデル的に示した横断面図であり、 かかる 第 5図に示したもののように、 ベースとなる基布 Bに対 して細幅シー ト片 3 i 、 S ₂ 、 S ₃ 、 …の多数を一部重 ねて接合させることによつて重畳構造を一応形成させた ものは、 細幅シー ト片どう しの重畳部は該細幅シー ト片 の幅方向に開口した状態を形成していないものであって- かかる構造のものは、 第 1図 （B ) で示した矢印 bの雨 滴をはじく効果はあっても、 矢印 cで示した通気性効果 は期待できないものであり、 本発明で所期のねらいとす る高い通気性と、 遮光性や防水性を兼備しているという 高い機能性は得られないものである。 かかる点は、 ベー スとなる基布 B と して通気性のある布帛を使用したと し ても、 やはり、 本発明にかかるものより も劣り、 いずれ にしてもベース基布を用いた構造の物は、 本発明の物と は効果上明らかに相異するものである。

第 2図は、 第 1図 （A ) 、 （ B ) に示した本発明の重 畳構造を持つ特殊布帛の 1実施態様における構造をモデ ル的に示した平面図であり、 細幅シー ト片の幅方向下に ミ シンがけをすることにより縫合されてなる布帛の平面 図である。 同図において、 点線 1、 2、 3、 4はミ シン 縫合線であり、 また、 該縫合線に近い d— d断面図が上 述第 1図 （A ) に該当し、 該縫合線に遠い e— e断面図 が上述第 1図 （B ) に該当するものである。

本発明の特殊な構造を有する布帛において、 細幅シ— ト片の一枚一枚の重なり度合いは、 全て規則正しく 同一 幅に重なり合つていてもよく、 あるいはラ ンダム幅で重 なり合っているものであってもよく、 要は、 重畳構造と 成っていればよいものである。

第 6図と第 7図は、 いずれも本発明の布帛 Sの各種の 応用パリエーショ ン例を示した細幅シー トの非縫合部に おける横断面図であり、 第 6図 （A ) 、 （B ) 、 ( C ) は、 細幅シー ト片と して 「へ」 の字型のものを用いた例 を示しており、 第 6図 （D ) 、 （E ) は細幅シー ト片と して平べつたいフラッ 卜な形状のものを用いてはいるが 該細幅シ一 ト片の重なり方が第 1図に示した例の場合の ような単調なものではなく、 同図 （D ) の場合には重畳 構造が 2枚単位で繰り返されている もの、 同図 （E ) の 場合には重畳構造が 3枚単位で繰り返されているものを 示したものである。 また、 第 7図 （A ) 、 （B ) 、 ( C ) は、 細幅シー ト片が表層と裏層とで 2層の状態を呈して 該細幅シー ト片による重畳構造を有する布帛を実現して いる例を示したものである。

多数の細幅シー ト片を使用してこれを重畳構造布帛に 形成する方法は、 各種の具体的方法があり、 必ずしも限 定されるものではないが、 本発明にかかる、 細幅シー ト 片を位置をずらせながら順次重ねて重畳構造状態を形成 せしめ、 その状態を維持したまま、 隣接する細幅シー ト 片どう しを連繋せしめるという方法が、 最も具体的なも のである。

すなわち、 より具体的には、 例えば、 表面がポリテ ト ラフルォロェチレン等のフッ素樹脂でコーティ ングされ た適度な大きさの円筒などの巻付支持体上に、 水溶性糊 剤 （ポリ ビニールアルコール系、 ァク リル系糊剤など） が含浸された細幅シー ト片を、 該円筒を回転させつつ、 所望の重ね幅下に適宜に位置をずら しながら順次巻き付 けて乾燥し、 隣接の細幅シー ト片どう しを相互に仮接着 固定させた後、 円筒の軸方向に裁断し、 細幅シー ト片に より重畳構造となった仮接着固定シー トを得る。 そして、 さ らに、 このようにして得られた細幅シー ト片の仮接着 固定布帛を、 重畳構造の順方向すなわち細幅シー ト片の めく り上がりのない方向に所望の間隔でミ シンがけを行 ない、 細幅シー ト片を一定間隔も しく はラ ンダムな間隔 で相互に縫合接合して、 その後、 該布帛を温水液中に浸 漬処理して、 仮接着固定のために使用した水溶性糊剤を 溶解除去することにより、 本発明の重畳構造布帛を得る ことができる。

図面により説明すると、 第 8図は、 仮固定された重畳 構造状態を得る方法の 1実施例を説明するものであり、 同図に示したように、 たとえば、 一定の速度で回転する 円筒物体 11の近傍に、 一定速度で右または左側に動く ガ ィ ド 12を取付け、 さらにテンシ ョ ンロール 1 3、 Uも設け て、 鍔付きボビン 15に巻かれた細幅シ一 ト片 をこれら のロール 1 3、 14およびガイ ド 12間を通して、 一定速度で 回転する円筒物体 11に、 所望の重なり幅で細幅シー ト片 16を巻上げていけばよい。

同図において、 18は仮接着剤槽、 1 7は絞り ロールであ り、 細幅シー ト片は仮接着剤が含浸された状態で円筒物 体上に重畳構造を形成していき、 熱風吹出し口 19から吹 出される熱風により仮接着剤が乾燥されて仮接着固定が 行なわれる。 このよ う に、 仮接着固定は、 円筒構造物体 に細幅シ一 ト片を巻付けつつ、 あるいは Zおよび巻付け た後に行われるものである。

仮接着による仮固定法と しては、 ポリ ビニルアルコー ル系、 アタ リル系などの水溶性糊剤を用いるのが、 得ら れる効果、 作業性などを考慮した場合、 最も好ま しく、 これらの水溶性糊剤を適当な濃度に薄めた水溶液を、 巻 付け支持体に細幅シー ト片を巻付けていく のと同時にま たはノおよび巻付けた後に、 該細幅シー ト片に付与、 乾 燥すればよい。 また、 場合によっては、 巻付け支持体か ら細幅シー ト片を分離せしめながらそれと同時に行なう こともできる。 付与方法は、 スプレー法、 パッディ ング 法、 刷毛法などの塗布方法や含浸付与方法などのうちか ら作業性等を考慮して適宜選んで用いればよい。 水溶性 糊剤の付与後、 常温の風または熱風を当てて乾燥する等 の手段によって仮接着固定をされた細幅シー ト片は、 そ のョコ方向に切断も しく は溶断して巻付け支持体から剥 がされて、 仮接着された細幅シー ト片よりなる仮接着固 定された重畳構造布帛となる。

次に、 該仮接着固定された重畳構造布帛中の隣接する 細幅シー ト片どう しを連繋する。 該連繋手段は、 特に限 定されるものではないが、 たとえば、 ミ シンがけなどの 縫合によるのが一般的であって好ま しく、 たとえば、 細 幅シー ト片の幅方向に所定のピッチでミ シンがけを行な い縫合接着する等の連繋法を採用するのが好ま しい。 そ の場合、 ミ シンがけは重畳構造布帛の順方向、 すなわち 細幅シー ト片のめく り上がりのない方向に行うのが良く また、 縫合ピッチ幅は特に限定されるものでなく、 布帛 の用途、 目的等に応じて適宜選べばよい。 縫合模様も特 に限定されず、 直線伏、 市松状、 格子状、 千鳥状などを 用途、 目的に応じ適宜選定すればよい。 これらの縫合は 通常用いられる 1頭針の ミ シンを用いてもよいが、 キル ティ ングマシンの如き多頭針を有する ミ シンにより幾列 をも一度に縫合する方式のものを用いてもよい。 さ らに、 細幅シー ト片どう しを連繋させる方法と して は、 高周波ミ シンや超音波ミ シンなどを用いてもよい。

該細幅シー ト片の接合方法と しては、 ミ シンがけに限 定されなく、 接着材による接合などのその他の方法も採 用できるが、 ミ シンがけの場合は、 重畳構造布帛の順方 向に処理することができ、 これがシヮの発生を極力防止 できる点、 また作業も簡便である点などにおいて実際的 ζτのる。

さ らに、 点状または線状に熱可塑性繊維を熱融着によ り連繋させる方法であってもよい。 該方法と しては、 超 音波による振動エネルギーを利用した熱融着加工法がそ の代表例である。

また、 ミ シンがけにより細幅シー ト片を縫合連繋せし めて布帛化せしめるに際し、 該縫合箇所に縫い目補強用 テープを重ね、 該補強テープをいつ しよ に縫い込むよう にしてもよい。 また、 布帛化後、 重畳構造をより強固に 安定化せしめるために、 重畳構造の順方向下に、 アイ口 ンがけまたは Ζおよび熱プレスを行なう ことも好ま しい, 上記のようにして得られた連繋された布帛を、 重畳構 造の仮固定状態を解除する工程に供する。 たとえば、 水 溶性糊剤で仮接着固定されている場合には、 水中も しく は温水、 熱湯中に浸漬し仮接着に使用した水溶性糊剤を 溶出除去させる。 このとき、 糊抜剤、 帯電防止剤、 浴中 柔軟剤などの処理剤を併用してもかまわない。 そして、 糊抜きにより仮接着剤を完全に除去した後、 風乾も しく は熱風乾燥し、 第 1図 （A ) 、 ( B ) に示したような構 造を有する布帛が得られるものである。

なお、 重畳構造の仮固定状態を解除する工程は、 該仮 固定状態の連繋シー ト布帛を用いて 2次商品を構成せし めて後に行なうようにしてもよく、 すなわち、 たとえば、 仮固定状態下で隣接する細幅シ一 ト片どう しを連繋せし めた後、 さ らに、 そのまま該連繋シー ト布帛を用いて、 衣服、 衣料などの 2次商品を構成せしめ、 しかる後、 水 溶性糊剤の溶解除去工程に該衣料を投入してもよく、 む しろ、 そのような 2次商品化後に仮固定状態を解除する 場合には、 2次商品化時の取扱い性も良好であり、 実際 的で好ま しいものである。

また、 本発明にかかる布帛に対し撥水処理を施すこと も用途により、 より好ま しいものである。 撥水処理は、 例えば、 シ リ コ ン系またはフッ素系などの適宜の撥水剤 を、 スプレー法、 パッディ ング法、 浸漬法、 コーティ ン グ法などにて付与することで容易に行なう ことができ、 この中でも、 パッディ ング法は、 均一に撥水剤を布帛に 付与し得る点において最も優れており、 またパッディ ン グ処理時においても、 前述ミ シンがけ方法と同様に、 重 畳構造布帛の順方向に処理することがシヮの発生を未然 に防止する上で効果的であって、 これらの点などにおい てパッディ ング法が好ま しい。

なお、 本発明の細幅シー ト片からなる重畳構造布帛を 用いて、 上述の各種の 2次商品を構成するに際しては、 該布帛 1 0 0 %使いであってもよく、 また、 他の布帛素 材と組合せたものであってもよい。

該他の布帛素材と しては、 適宜の通常のプレーンな布 帛を用いるのがよく、 その場合、 衣服、 衣料など 2次商 品と しての使用時に強い屈曲作用を頻繁に受けるような 屈曲部には、 所望に応じた適宜のプレーンな布帛を用い. 一方、 強い屈曲作用を受けない平面部には本発明にかか る重畳構造の布帛を用いるのがよく、 例えば、 雨具関係 の用途においては、 通常の防水布帛を肩や膝、 肘等の曲 屈部などに部分的に用い、 他のフラ ッ トな部分には、 本 発明にかかる重畳構造を有する布帛を用いて構成する等 の構造にするのも、 本発明の布帛の特徵をより効果的に 発揮せしめる上で好ま しいものである。

たとえば、 第 3図は、 本発明の後述実施例 2において 縫製をしたレイ ンコー トの外観をモデル的に示した外観 概略図であり、 襟部、 肩部、 肘部など屈曲部に高密度織 物 5からなるプレーンな防水布帛を用い、 他のフラ ッ ト な部分には本発明にかかる重畳構造布帛 6を使用したも のであり、 本発明の布帛特性と他素材布帛のニ特性を有 効に活用してなる衣服の一例を示したものである。

一方、 なお、 本発明にかかる布帛 1 0 0 %使いでレイ ンコー トなどを構成する際には、 たとえば細幅シー ト片 と して低融点繊維を交編織して構成したものを用いてお いて、 上述の襟部、 肩部、 肘部などの屈曲部に使用され る布帛部分を特に熱処理して該低融点成分を溶融接合さ せて、 布帛の目詰め · 接合効果、 高密度化効果を得て、 防水性を得るようにしてもよい。

本発明の布帛を、 衣服、 衣料などの 2次商品に構成す る場合、 重畳構造の順方向が、 該衣服、 衣料などの 2次 商品の上から下に向かう方向に実質的に一致するように 用いることが実際的であると言えるが、 フ ァ ッ シ ョ ン性. 外観性などに重点を置いて考慮すると必ずしもそのよう な使い方に限定されるわけではなく、 任意の適宜方向下 で使用しても差支えないものである。

本発明にかかる特殊布帛は、 上述した如く、 細幅シー ト片からなる重畳構造により、 直射日光の侵入を防ぎ、 しかも高い通気性が得られ、 さ らに撥水性、 撥油性や透 湿性付与などの所望に応じた加工を施すことによって、 それら各種の高機能性を有することができるとともに、 シャ リ感、 立体感、 特異な外観性など数多く の特徵とフ ア ツ シ ヨ ン性を有するこ とにより、 ゴルフウエア、 テニ スウ ェア、 野球のユニホームやア ンダーシャ ツなどのス ポ一ッ分野、 さ らにレイ ンコー トなどの雨具、 サマーセ 一夕、 T シャ ツ、 ポロ シャ ツなどのカ ジュアル分野など また、 帽子分野、 手袋分野などに幅広く利用できる。

また、 本発明にかかる布帛あるいは衣服、 衣料などの 2次商品は、 リバーシブルな布帛、 衣服、 衣料に構成し て、 適宜に表側および裏側の双方を使い分けることによ り、 非常に特徴的な布帛、 衣服、 衣料等と しての使用も 可能である。 すなわち、 第 4図 （A ) のように、 主と して細幅シー ト片の表面を形成する素材 7 と、 主と して細幅シー ト片 の裏面を形成する素材 8 とが異なっている細幅シー ト片 を用いる場合には、 表裏で異なる特長を有効に有してい る衣料を容易に得ることができる。 たとえば、 このよう な細幅シー ト片は、 2重編織物などで容易に構成するこ とができ、 裏面 （肌側） を主と して構成する繊維を木綿 と して、 一方、 表側を主と して構成する繊維を撥水性能 を持つポリエステルにする等の構成が代表的なものであ る。 また、 主と してシー ト片の表面を形成する繊維と、 主と してシー ト片裏面を形成する繊維とが、 素材または ノおよび収縮率の異なっているものと してもよく、 かか る構成にすることにより、 細幅シー ト片に湾曲した構造 を与え得るなどの効果を得ることができ、 その場合は、 シー ト片間の空隙が大き く通気性のより高い布帛を得る ことができる。

また、 第 4図 （B ) のように、 細幅シー ト片の幅方向 において、 異なる素材で細幅シー ト片を構成せしめた場 合には、 やはり、 たとえば、 肌側に当る幅方向の上半分 を構成する素材 9を木綿繊維と して、 一方、 幅方向下半 分を構成する素材 1 0を撥水性能を持つポリエステル繊 維にする等の工夫もでき、 この場合、 良好な肌触り、 撥 水性という複合効果を非常に有効裡に得るこ とができる このよ うに、 シー ト片の幅方向において異なる素材で構 成する場合、 幅方向の中央位置に異素材の境界線を持つ てく る必要は必ずしもなく、 幅方向における適宜な任意 位置に該境界線を持ってく ることもできる。

さ らに、 より高い嵩高性と通気性を有する重畳構造布 帛とする一例と して、 ポリ ウレタン繊維よりなる細幅シ — ト片を特に用いて、 重畳構造布帛となすときに、 該シ 一 ト片を適度の緊張下で仮接着し、 細幅シー ト片間を縫 合接合した後、 仮接着を解舒することにより、 細幅シ一 ト片が波形状化し、 高い空隙のものを得ることができる C また、 ポリ ウレタ ン繊維よりなる細幅シー ト片と、 他の 繊維よりなる細幅シー ト片とを交互配列し、 ポリ ウレタ ン繊維よりなる細幅シー ト片に適度の緊張を加えておい て布帛化し、 その後、 緊張を解舒するのも、 得られる波 形状が互いに異なるのでより高い空隙を付与することが できるので好ま しいものである。

他の例と して、 高収縮性繊維糸と低収縮性繊維糸のそ れぞれ単独からなる細幅シー ト片を適宜組合わせて布帛 化した後、 熱処理による細幅テープ間の収縮差により、 高い空隙率を得る方法も好ま しいものである。

また、 素材面のみに限らず、 色の異なっている複数種 類の細幅シー ト片の多数を適宜に用いて重畳構造を構成 する、 あるいは、 第 4図 （A ) 、 （B ) に示したように 表裏間で、 または/および幅方向上下間で色の異なつて いる細幅シー ト片を用いて重畳構造を構成すると、 色の 多様な変化をも楽しめる非常にファ ッ ショ ン性の高い布 帛、 あるいは衣服、 衣料などの各種 2次商品とすること もできる。

さ らに、 このような色の変化に加えて素材も変える等 の複数ファクターの組合せを採用すれば、 従来には全く 見られない多様な機能と変化柄を持つ布帛とするこ とが できる。

本発明にかかる布帛により衣服あるいは衣料を構成す る場合、 細幅シー ト片は、 2枚以上 1 5 0 0枚以下、 好 ま しく は 2枚以上 1 0 0 0枚以下、 より好ま しく は、 5 枚以上 7 0 0枚以下程度の枚数が用いられて、 1つの衣 服あるいは衣料を形成せしめるのがよい。 また、 細幅シ 一 ト片の存在密度は、 生地長さ 1 0 c m当たり数枚から 3 0枚程度とするのが良い。

すなわち、 あまりに細幅シー トの枚数を多く用いると 生地と して強度的に問題が生じたり、 逆に、 細幅シー ト 片の存在密度が高く なつて通気可能な間隙形成量が少な く なつたり、 あるいは布帛重量が重く なったりするので 好ま しく ない。

また、 細幅シー ト片の 1構成単位は、 その面積につい て特に限定されるものではないが、 衣服や衣料分野など の小物用途には、 例えば、 1 . 1 ² 〜 8 X 1 0 ^{4 2} の範囲内であるのが、 一般的で良いようであり、 1 . 1 mm ² より も小さいと、 効果的な重畳構造を形成すること が概して難しく なり、 また、 8 X 1 0 ^{4 2} より も大き い場合には、 プレーンな生地使いと大きな差異がなく な り特徵が失われていく傾向にある。 ただし、 これも適用 物品によつて適宜に変わるものである。

本発明にかかる布帛は、 前述のように、 各種の物品に 用いることができるが、 以下に詳しく説明する。

すなわち、 第一に、 本発明にかかる布帛を特に使用し て、 風通し性が良好な通気特性を有し、 しかも適度の保 温性をも有し、 かつフ ァ ッ シ ョ ン性も豊かであるという- 従来、 類を見ない新規な寝装具類を得ることができる。

さ らに詳しく は、 タオルケッ ト、 シーツ、 蒲団用布帛 • 側地、 パジャマ、 ネグリ ジヱ、 ナイ トガウン、 浴衣、 枕カバ一などの寝装具類において、 主と して夏向き用と して好適かつ快適に使用され得る新規な寝装具類を得る ことができる。

この場合、 シーツやパジャマ、 タオルケ ッ ト類のよ う なものは、 特に、 細幅シ一 トを木綿のタオル地で構成す るのが、 肌触り感覚、 着ごこち感等において快適なもの が得られるので好ま しい。 さ らに、 そのようなタオル地 よりなる細幅シ一 ト片だけで構成をした場合に、 全体と して柔軟すぎて身体にまとわりつく感じが強すぎるとか. 空隙部の形成が乏しいなどの点で多少問題があるときに は、 タオル地よりなる細幅シー ト片に加えて、 市松模様 状の交互使用などの適宜の組合わせ下で、 該タオル地よ りはしつかり と成型されて腰のある通常の編織物ゃ不織 布などからなる細幅シー ト片を適宜に混合使用すること も好ま しいものである。

さ らに、 異素材の細幅シー ト片を適宜に組合わせて使 用して複数機能に富んだ寝装具類にすることもできる。 たとえば、 ポリエステル加工糸製の細幅シー ト片と、 木 綿製の細幅シー ト片の組合わせなどにより、 良好なシャ リ味と良好な吸水特性を兼備した寝装具類を得ることも 容易であ。 0

本発明にかかる寝装具類は、 上述の特殊な構造を有す る布帛を用い、 これを裁断、 縫製し寝装具に構成して得 られるものであり、 簡便にして、 特に夏用のものと して 優れた涼感と着ごこち感を有する寝装具類であり、 第 9 図にモデルを示したものは、 本発明の布帛 Sを用いた夕 オルケッ ト Πの例である。

また、 第二に、 本発明にかかる布帛を特に使用して、 良好な通水性と土砂流出の防止性を兼ね備えた新規な土 砂止めシー トを得ることができる。

さ らに詳しく は、 特殊なシー ト構造を有することによ り、 土、 砂などを流出させることなく、 適度な湿り気を 残した状態で、 土中水、 降雨水等を地盤から排出するの に良好な効果を奏する土砂の流出止めシー ト資材を得る ことができる。

ここで、 土砂止めシー トとは、 次のようなものを言う, すなわち、 擁壁、 ト ンネル、 道路、 カルバー ト、 ゴルフ 場、 用水 · 排水路、 法面、 軟弱地盤等の土木 ·建築用の 排水材の他、 石炭集積山における排水材、 植木鉢などの 土の脱水用シー ト材などを言う ものである。

第 1 0図は、 良好な通水性を有しながら良好な土砂止 め効果を有する本発明にかかる土砂止めシー トが持つそ れら効果を説明する概略モデル図であり、 2 2は本発明に かかる布帛 Sを用いた土砂止めシー トであり、 2 3は土砂 層でめる。

本発明にかかる土砂止めシー トは、 このよ うな特異な 構造を有することにより、 第 1 0図のモデル図に示した ように、 細幅シー ト片間に狭い空隙が形成され、 水はそ の空隙から矢印に示した水の排出通路の如く排出され、 一方、 土砂層 Π中の土、 砂などのある程度の粒形を有す るものは流出されない構造となっている。 さ らに、 細幅 シー ト片よりなる多層構造となっていることにより、 フ ィ ル夕一効果も有し、 目詰まり も発生しにく いものであ る。 したがって、 本発明にかかる土砂止めシー ト 2 2は、 高度な排水 · 透水 ， 通水効果と、 土砂などの流出防止効 果を同時に得ることができるのである。

さ らに、 これと同じ原理を応用することにより、 本発 明にかかる布帛は、 種々の炉過材と しても展開ができる ものである。

また、 第三に、 本発明にかかる布帛を特に使用して、 風通しが良好であるとともに日陰も良好に形成し得ると いう、 ある種の農作物や園芸植物の栽培に非常に適した 環境を作り出し得る新規な農業あるいは園芸ハウスを得 ることができる。

すなわち、 例えば観葉植物と してよく知られているべ ンジャ ミ ン、 ユッカ、 幸福の木、 コンシンネンなどの如 く、 栽培条件として、 風通しが良く てしかも直射日光の 当らない日陰を好む植物の苗木などを栽培するために適 した農業、 園芸ハウスは従来見当らず、 従来の農業、 園 芸ハウスにおいては、 通常、 日陰の多く できるものは通 気性が悪く、 また反対に、 通気性の良好なものは日陰効 果が小さいというのが一般的なものであつた。

ところが、 本発明にかかる布帛をハウスに用いること により、 風通しが良好であるとともに日陰も良好に形成 し得るという、 上述植物に好適な農業あるいは園芸ハウ スを実現できるのである。

本発明で農業あるいは園芸ハウスとは、 次のようなも のを総称して言う。

すなわち、 農作業における稲や野菜類の苗栽培用の保 護育成のためのカバーやテン トやハウス、 同様に観葉植 物類、 花類、 庭木 ·果樹類、 その他植物類の苗木等の栽 培用の保護育成のためのカバ一やテン トやハウス、 ある いは温室等の、 大小のものを総称して、 本発明では農業 あるいは園芸ハゥスと呼ぶ。

第 1 1図は、 本発明にかかる観葉植物類、 花類の苗木 栽培用のハウスの 1実施態様例を示した概略モデル図で あり、 同図に示したハウス 24において、 該ハウスの屋根 をも含む外装材は、 本発明にかかる特殊な構造を有する 布帛によって構成されているものである。

かかる本発明にかかる農業および園芸ハウスは、 特に 細幅シー ト片と して、 異素材、 異色相の多様な組合せを 採用すれば、 上述の遮光性と通気性の複合機能を持つと ともに、 色の変化などもあって、 美観、 フ ァ ッ シ ョ ン性 も非常に豊かな従来には全く見られない農業用あるいは 園芸用ハウスを得ることができる。 また、 その色の多様 性などの特徴を生かして、 品種ごとに識別されたハウス の建設なども容易にできる。

また、 使用する細幅シー ト片の色や色の組合せ、 使用 する位置、 サイズなどを適宜に選べば、 通気性の良い状 態は保ったまま、 光を良く吸収して高温度を維持し得る ハウスや、 あるいは比較的光を反射してあま り高温度に なることのないハウスなどの各種の条件を適宜に設定す ることも可能なものである。 たとえば、 黒色の細幅シ一 ト片を使用したり、 あるいは白色、 灰色のもの、 あるい は透明なもの等をうま く組合わせて、 かつ使用位置ゃサ ィズを適宜に設定し組合わせたものを使用すれば、 基本 的なハウス内環境を各種自在に設定することも可能なの C "める。

また、 第四に、 本発明にかかる布帛を特に使用して、 良好な通気特性を有することにより、 特に夏期において は涼しく、 しかもサラ ッ と した感触が得られかつ防水性 にも優れ、 さ らには斬新なフア ツ ショ ン感覚に富んだ外 観特性をも有するという、 機能性とフ ァ ッ シ ョ ン性が豊 かでかつ快適性に優れた履物類を得ることができる。

ここで、 本発明において履物類とは、 通常の生活にお いて使用する各種の短靴類、 長靴類はもちろんのこと、 スポーツシューズ、 ブーツ、 スリ ッパ、 サンダルや室内 履などを総称する。

第 1 2図は、 本発明にかかる布帛 Sを用いた履物類 2 5 を示した概略断面図であり、 細幅シー ト片と してフッ ク 状の断面構造を有するものを用いての例を示している。

本発明の履物類においては、 重畳構造の順方向が履物 の上から下に向かう方向に実質的に一致するように本発 明にかかる重畳構造布帛を用いることが実際的であるが- フ ァ ッ シ ョ ン性、 外観性などに重点を置いて考慮すると- 必ずしもそのような使い方に限定されるわけではなく、 任意の適宜方向下で使用しても差支えない。

また、 多数の細幅シー ト片と して、 色、 色相あるいは 色の濃淡などを変えたものを適宜に組合わせて用いれば. 従来には見られない新規な感覚のフ ァ シ ヨ ン性、 デザィ ン性に富んだ履物類を得ることができる。

さ らに、 異素材の細幅シ一 ト片を適宜に組合わせて使 用して複数機能に富んだものにすることもできる。 たと えば、 2重織物からなる細幅シー ト において、 片面の肌 に接する面を木綿使いなどと し、 他方の面、 すなわち雨 滴などが直接接する面を、 合成重合体の微多孔質のコー ティ ング皮膜からなる細幅シ一 ト片を用いることにより 良好な防水性と良好な吸水特性及び通気性とを兼備した 履物類を得ることも可能である。

また、 第五に、 本発明にかかる布帛を使用して、 特に 風通しが良好であるとともに日陰も良好に形成し得ると いう、 生鮮物の運搬あるいは貯蔵に適した環境を作り出 し得る新規な生鮮物用梱包ケースを得るこ とができる。 すなわち、 従来、 例えばフ レキシブルコンテナ一にて 輸送される物品は、 飼料等いわゆる粉体、 粒体物が主で あり、 穀物、 野菜、 果物、 魚介類、 生花等のいわゆる生 鮮物の運搬はなされていなく、 その理由は、 生鮮物を運 搬するのに適した環境を作り出し得る資材が得られてい ないからであったと考えられる。 ところが、 本発明にか かる特殊な構造を有する布帛を用いれば、 上述の生鮮物 の運搬あるいは貯蔵に適した環境を作り出し得る新規な 生鮮物用梱包ケースを得ることができるのである。

本発明で生鮮物用梱包ケースとは、 次のようなものを 総称して言う。 すなわち、 穀物、 野菜、 果物、 魚介類、 生花等の生鮮食品や生鮮植物などの生鮮物を、 たとえば コンテナーなどにより陸上輸送、 海上輸送、 あるいは空 輪せしめるときなど、 も しく は、 該生鮮物を保存 · 貯蔵 せしめるときなどに、 該生鮮物を詰め込み収納するため に用いられる箱状、 袋状も しく は筒状などの資材を総称 して、 本発明では生鮮物用梱包ケースと呼ぶものである 第 1 3図は、 本発明にかかる生鮮物用梱包材を用いて なるコンテナー用の筒状梱包ケースの一実施態様例を示 した概略モデル図であり、 該梱包ケース 2 6の囲い部は 本発明の重畳構造布帛 Sからなるものである。

かかる生鮮物用梱包ケースは、 次のような優れた作用 効果を奏するものである。 (1 ) 直射日光が内部に当るのを防ぐとともに、 非常に 高い通気性を有する生鮮物輸送用梱包ケースを構成する ことができる。 したがって、 該梱包ケースは、 通気性を 必要と し、 日陰を好む野菜などの貯蔵および運搬には最 適である

(2) 高い通気性を有するとともに、 防水性、 遮蔽性、 透湿性を兼備した生鮮物輸送用に好適な梱包ケースを簡 単に構成することができる。

(3) 異素材、 異色相の細幅シー ト片の多様な組合わせ により、 上述の遮光性や通気性の複合機能を持つととも に、 色の変化などもあって、 美観、 フ ァ ッ シ ョ ン性も非 常に豊かな従来には全く見られない生鮮物輸送用あるい は貯蔵 ， 保存用梱包ケースを得ることができる。

また、 その色の多様性などの特徵を生かして、 野菜、 果物など品種ごとに識別された梱包ケースなども容易に できる。

(4) 使用する細幅シー ト片の色や色の組合せ、 使用す る位置、 サイズなどを適宜に選べば、 通気性の良い伏態 は保ったまま、 光を良く 吸収して高温度を維持し得る梱 包ケースや、 あるいは比較的光を反射してあまり高温度 になるこ とのない梱包ケースなどの各種の条件を適宜に 設定することも可能なものである。

たとえば、 黒色のものを使用したり、 あるいは、 白色 灰色のもの、 あるいは透明なもの等をうま く組合わせて かつ使用位置やサイズを適宜に設定し組合わせたものを 使用すれば、 基本的な梱包ケース内環境を各種設定する ことができる。

上述したほかにも、 本発明の布帛を特に用いることに より、 風通しが良く涼しく て快適なビーチパラソルゃテ ン ト、 あるいは、 カーテン類、 衝立、 椅子張り材なども 実現できるものであり、 応用展開のできる分野は広い。

以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、 これら の実施例によって本発明が制約、 限定されるものではな い。

実施例 1

3 0デニール （D ) — 1 2 フィ ラメ ン ト （F ) からな るポ リ エステルフィ ラメ ン ト糸をタテ糸、 ョコ糸と して， リ ボン織機にて幅 3 6 m mの織物を製織して細幅シ一 ト 片を得た。 得られたシー ト片の織密度は、 タテ 8 0本ノ c m、 ョコ 2 6本 Z c mであった。

この細幅シー ト片を、 水溶性ポリ ビニールアルコール 糊剤中に浸漬し、 表面がフッ素樹脂コーティ ングされた 円筒ロールに重なり幅が 1 8 m mとなるように、 ロール を 1 m Z分の速度で回転しつつ、 位置をずら しながら所 望の幅に巻き上げた。 このようにして得られたシー トを 乾燥後、 ロール軸方向に裁断し、 前述水溶性糊剤により 仮接着固定されたシー トを得た。

次いで、 該シー トを通常のミ シンにより 4 3 m mの等 間隔で、 細幅シー ト片の幅方向にまた細幅シー ト片がめ く り上がらない方向 （順方向） に行なった後、 8 0 °Cの 熱水中に浸漬処理を行ない、 水溶性糊剤を溶解除去した。 こう して幅 3 6 m m、 重なり幅 1 8 m m、 縫合ピッチ 幅 4 3 m mからなる本発明の重畳構造を持つ布帛を得た。

該布帛を用いてゴルフゥヱァを縫製して着用してみた ところ、 試験着用の当日は、 非常にむし暑く、 日射しが 強いにもかかわらず、 同ウェアは太陽光線の肌への直射 をざえぎり、 しかも通気性にも優れシャ リ ツ と した肌触 り感があり、 非常に快適な着ごこちが得られ、 ゴルフゥ エアと してすばら しい着ごこちと性能を有するものであ つた。

実施例 2

夕テ糸、 ョコ糸に通常のポリエステルフィ ラメ ン ト糸 ( 3 0 D— 1 2 F、 沸騰水収縮率 7 % ) およびイ ソフタ ル酸が共重合されてなるポリエステルフィ ラメ ン ト糸 ( 3 0 D _ 1 2 F、 沸騰水収縮率 1 8 % ) とをエア一ジ ヱッ トノズルにより空気交絡させた混繊糸を用いてリ ボ ン織機により製織して幅 1 O m mの細幅シー ト片を得た。 織密度はタテ 5 6本 Z c m、 ョコ 2 0本 Z c mであった。

該細幅シー ト片を実施例 1 と同様の処理方法により、 水溶性糊剤により仮接着固定させ、 細幅シー ト片の幅方 向に、 ミ シンがけし縫合されたシー トを得た。 このとき の縫合ピッチ幅は 5 m mと した。

次に、 高圧パ ドル染色装置を用いて沸騰水中に浸漬し、 水溶性糊剤を溶出除去するとともに、 糸収縮差を発現さ せ、 次に、 分散染料により通常の処方で焦げ茶色に染色 加工を行ない、 さ らに、 染色、 乾燥した布帛に撥水、 撥 油処理を実施した。 撥水、 撥油剤はアサヒガー ド A G— 7 1 0 (旭硝子㈱製） ェマルジ ョ ンの水溶液 6 %を用い、 触媒と してス ミ テッ クスァクセレー夕 A c X (住友化学 ㈱製） 0 . 1 %を併用したものであり、 かかる撥水、 撥 油剤処理液を布帛の順方向で軽いパッディ ング方法によ り付与した後、 1 0 0 °Cの温度で乾燥し、 次いで、 1 8 0 °Cの温度で 3 0秒間の熱処理を施して製品と した。

該布帛を用いて、 第 3図にモデル構造を示した如きレ イ ンコー トを縫製し着用試験に供した。 なお、 襟、 肩、 肘部には、 高密度平織物に撥水剤がコーティ ング加工さ れた防水布帛を部分使いと して用いた。

着用感は、 通常市販されているレイ ンコー トには見ら れない高通気性と、 防水性、 防湿性、 さ らに表面変化に 富んだフ ァ ッ シ ョ ン性を有し、 非常に快適なものであつ た。

実施例 3

実施例 1 と同様のポリエステル糸製の細幅シー ト片と. ナイ ロ ン一 6糸からなる同一規格の細幅シー ト片の 2種 を準備し、 フ ッ素樹脂板上に、 重ね幅 1 5 m mで交互に 実施例 1 に記載したのと同様の水溶性糊剤を用いて貼り 付けた。

乾燥後、 ミ シンがけによる縫合を実施例 1 と同様の方 法で行ない、 縫合ピッチ幅は 2 0 m mと した。 さ らに、 パ ドル染色装置を用いて 8 0 °Cの熱水処理により水溶性 糊剤を溶出除去した後、 酸性染料により 1 0 0 °Cでナイ ロン— 6からなる細幅シー ト片を黄色に染色加工して乾 探し) 。

該布帛を用いて、 サマーセ一夕を縫製し着用した。 こ のサマーセータは、 重畳構造により、 直接肌が透けて見 えないので、 直接素肌の上から着用でき、 しかもポリ エ ステル繊維とポリ ア ミ ド繊維の加工特性差により適度に バルキ一アップされシャ リ感が増し、 肌触り も良く、 さ らに良好な日焼け防止特性、 高通気性を有し、 また、 黄 色とポリエステルの生成り色とがミ ックスされたス トラ イブ調外観を有し、 機能性、 フ ァ ッ シ ョ ン性ともに非常 に良好なものであった。

実施例 4

タテ糸およびョコ糸に木綿糸を用い、 幅 7 腿のタオル 織物を製織して細幅シー トを得た。

該細幅シー トを、 水溶性ポリ ビニールアルコール糊剤 中に浸漬し、 表面がフッ素樹脂コーテングされた円筒口 ールに重なり幅が 3腿となるようにロールを回転しつつ 所望の幅に巻き上げた。

このよ うにして得られたシー トを乾燥後、 ロール軸方 向に裁断し、 前述水溶性糊剤により仮接着されたシー ト を得た。

次いで、 該シー トを通常のミ シンにより 2 0 mmの等間 隔で、 細幅シー トの幅方向に、 また細幅シー トがめく り 上がらない方向 （順方向） にミ シンがけを行なって、 重 畳構造状の多層構造布帛を得た。

該布帛を用いて、 第 9図の如き夏用タオルケッ トを縫 製した。 なお捕強を兼ねて縁どり用布帛には通常のポリ エステル織物を用いた。 次いで、 8 0 °Cの熱水中に浸漬 処理を行ない水溶性糊剤を溶解除去した。

こ う して幅 7匪の細幅シー トが、 重なり幅 3讓で第 1 図に示したような重畳構造を呈していて、 かつ縫合ピッ チ幅が 2 0 ramで連繋縫合されてなるタオルケッ トを得た ₍ かかるタオルケッ トを着用したところ、 試験着用の当日 は、 非常にむし暑く普通のタオルケッ トでは寝苦しく感 じられる夜であつたが、 本発明のタオルケッ トを着用す ることにより通気性、 透湿性にすぐれ、 しかも適度な保 温性とサラ リ と した肌触りにより、 非常に快適な着ごこ ち感が得られ、 夏用タオルケッ トと して優れた特性を有 するものであった。

実施例 5

5 0 0デニール、 3 6 フィ ラメ ン トからなるポ リ エス テルフィ ラメ ン ト糸をタテ糸に用い、 2 5 0デニール、 4 8 フィ ラメ ン トからなるポ リエステルフィ ラメ ン ト糸 をョコ糸と して用いて、 テープ織機にて幅 2 0 腿の織物 を製織して細幅シー ト片を得た。

この細幅シー ト片を、 水溶性ポリ ビニールアルコール 糊剤中に浸潰し、 表面がフッ素樹脂コーテングされた円 筒ロールに重なり幅が 7 mmとなるようにロールを回転し つつ、 所望の幅に巻き上げた。 このよ うにして得られた シー トを乾燥後、 ロール軸方向に裁断し、 前述水溶性糊 剤により仮接着されたシー トを得た。

次いで、 該仮接着シー トを産業用ミ シンにより 2 0 腿 の等間隔で細幅シー トの幅方向に、 また細幅シー トがめ く り上がらない方向 （順方向） に 2回ミ シンがけを行な つて、 第 1図 （A ) と （B ) に示した如き重畳構造状の 多層構造布帛を得た後、 8 0 °Cの熱水中に浸漬処理し、 水溶性糊剤を溶解除去した。

こう して細幅シー 卜の幅 2 0 mm、 重なり幅 7 腿、 縫合 ピッチ幅 2 0 腿の重畳多層構造を有する布帛を用いた構 成をした第 1 0図に示した如き構造のシー トを得た。

一方、 比較品として、 従来から土砂止め用途に使用さ れている粗目のニー ドルパンチング不織布を準備した。

これら両布帛を用い、 実際に水分を多量に含んだ軟質 土砂を同条件で布帛上に載せ、 排水性テス トを行なった と ころ、 本発明にかかる土砂止めシー トは、 土砂を流出 させることなく適度な湿りを残し排水できたのに比べ、 従来品のニー ドルパンチング不織布からなるものは、 か なりの土砂と水の双方を同時に排出し、 しかも所々、 土 砂による目詰り現象も見られる全く好ま しく ないもので あった。

実施例 6

5 0デニール、 2 4 フィ ラメ ン トからなるナイ ロ ンフ イ ラメ ン ト糸をタテ糸、 同じく 1 0 0デニール、 4 8フ イ ラメ ン トからなるナイロンフィ ラメ ン ト糸をョコ糸と して、 テープ織機にて幅 2 5誦の織物を製織して細幅シ 一 ト片を得た。

この細幅シー ト片を、 水溶性ポリ ビニールアルコール 糊剤中に浸潰し、 表面がフッ素樹脂コーティ ングされた 円筒ロールに、 重なり幅が 4腿となるよう にロールを回 転しつつ、 所望の幅に巻上げた。 このようにして得られ たシー トを乾燥後、 ロール軸方向に裁断し、 前述水溶性 糊剤により仮接着されたシー トを得た。

次いで、 該シー トを通常のミ シンにより、 2 0 mmの等 間隔で、 細幅シー ト片の幅方向に、 また細幅シー ト片が めく り上がらない方向 （順方向） にミ シンがけを行なつ て重畳構造状の多層構造布帛を得た。

該布帛を 8 0 °Cの熱水中に浸漬処理し、 水洗を行ない. 水溶性糊剤を溶解除去した後、 乾燥して、 幅 2 5 mmの細 幅シー ト片よりなり、 重なり幅 4 醒、 縫合ピツチ幅 2 0 讓である第 1図 （A ) と （ B ) に示した如き構造の本発 明にかかる布帛を得た。

次いで、 該布帛を用いて第 1 1図に概略構造を示した 園芸用ハウスを製造して、 観葉植物類を栽培したところ 日陰効果と通風効果を兼備した、 観葉植物類の栽培にと つて最良の環境が得られ、 枯れること もなく著しい成長 を促し得るものであることが確認できた。

実施例 Ί

5 0デニール、 2 4 フィ ラメ ン トからなるナイ ロ ンフ イ ラメ ン ト糸をタテ糸に用い、 同じく 1 0 0デニール、 4 8 フィ ラメ ン トからなるナイ口ンフィ ラメ ン ト糸をョ コ糸と して用いて、 テープ織機にて幅 1 2醒の織物を製 織して細幅シー ト片を得た。

該細幅シー ト片を、 水溶性ポリ ビニールアルコ一ル糊 剤中に浸潰し、 表面がフ ッ素樹脂コ 一ティ ングされた円 筒ロールに、 重なり幅が 6 雕となるようにロールを回転 しつつ所望の幅に巻き上げた。

このようにして得られたシ一 トを乾燥後、 ロール軸方 向に裁断し、 前述水溶性糊剤により仮接着固定されたシ ー トを得た。

次いで、 該シー トを通常の ミ シンにより 1 5誦の等間 隔で、 細幅シー トの幅方向に、 また、 細幅シー トがめく れ上がらない方向 （順方向） にミ シンがけを行なった。

次いで、 8 0 °Cの熱水中にて浸漬処理を行ない水溶性 糊剤を溶解し、 乾燥後、 撥水、 撥油処理を実施した。

撥水、 撥油剤は、 アサヒガ一 ド A G - 7 1 0 (旭硝子 ㈱製） の水溶液 5 %を用い、 多層構造の布帛の順方向に 浸潰し、 軽く マングルで絞り、 更に 9 0 °Cで 5分乾燥後、 1 5 0 °Cで 3分間キュアリ ングして、 こう して幅 1 2 匪 の細幅シー トが、 重なり幅 6 mmで、 第 1図 （A ) 、 （ B ) に示したような重畳構造を呈していてかつ縫合ピッチ幅 が 1 5腿で連繋縫合されてなる本発明にかかる特殊な構 造を有する布帛を得た。

該布帛を用いて、 第 1 2図の如き夏用短靴を縫製した。 なお、 補強を兼ねて縁どり用布帛には通常の合成皮革を 用いた o

かかる短靴を着用したと ころ、 試験着用の当日は、 非 常にむし暑く普通の短靴ではムレ感が強く感じられる曰 であったが、 本発明の短靴を着用することにより通気性 透湿性、 防水性に優れ、 しかも多層構造からなる布帛表 面の微細な凹凸によるサラ リ と した肌触りにより、 非常 に快適な履きごこち感が得られ、 夏用短靴と して優れた 特性を有するものであつた。

実施例 8

5 0 0デニール、 3 6 フィ ラメ ン トからなるポ リ エス テルフィ ラメ ン ト糸をタテ糸、 同じ く 2 5 0デニール、 4 8 フィ ラメ ン トからなるポ リ エステルフィ ラメ ン ト糸 をョコ糸と して用い、 テープ織機にて幅 3 0 麵の織物を 製織して細幅シー ト片を得た。

この細幅シー ト片を、 水溶性ポリ ビニールアルコール 糊剤中に浸潰し、 表面がフッ素樹脂コ ーティ ングされた 円筒ロールに、 重なり幅が 1 5 mmとなるようにロールを 回転しつつ、 所望の幅に巻き上げた。 このよ う に して得 られたシー トを乾燥後、 ロール軸方向に裁断し、 前述水 溶性糊剤により仮接着されたシー トを得た。

次いで、 該シー トを通常のミ シンにより、 2 0 mmの等 間隔で、 細幅シー ト片の幅方向に、 また細幅シー トがめ く り上がらない方向 （順方向） にミ シンがけを行なって 重畳構造状の多層構造布帛を得た。

該布帛を 8 0 °Cの熱水中に浸漬処理し、 水洗を行ない 水溶性糊剤を溶解除去した後、 乾燥して、 幅 3 0 腿の細 幅シー ト片よりなり、 重なり幅 5 醒、 縫合ピッチ幅 2 0 腿である第 1図 （A ) 、 ( B ) に示した如き構造の本発 明にかかる特殊な構造を有する布帛を得た。

次いで、 該資材を用いて第 1 3図に概略構造を示した 筒状梱包ケースを製造して、 野菜類を輸送テス ト したと ころ、 日陰効果と通風効果を兼備した、 野菜類の輸送 · 貯蔵にとって最良の環境が得られ、 枯れることもなく長 期にわたって保存および輸送が可能となるものであるこ とが確認できた。

産業上の利用可能性

本発明にかかる特殊な構造を有する布帛は、 高い通気 性と、 遮光性や防水性という一般には相反する双方の機 能を兼備して、 しかもフ ァ ッ シ ョ ン性においても豊かな ものである。

かかる布帛は、 例えば、 衣服に用いられた際には、 日 光や雨などが、 直接に着用者の肌に当たるのを防ぎ、 し かも非常に風通し性の良好な通気性能を有しかつファ ッ ショ ン性も豊かであるという従来にはない特徴的な機能 を有する—衣服を構成し得るものである。

すなわち、 例えば、 衣服の場合、 具体的には、 ァゥ ト ドアゥヱァ用布帛、 特にゴルフ、 野球のユニホームまた はア ンダーシャ ツ、 テニスなどのスポーツゥヱァ用や、 あるいは T シャ ツ、 ポロシャツなどのカジュアルウエア 用や、 さ らにはレイ ンコー トなどの雨具用の布帛と して 使用することができる。

また、 上述した通り、 これら衣服以外の各種衣料の分 野にも、 あるいは寝装具類、 土砂止めシー ト、 農業も し く は園芸用ハウス、 履物類生鮮物用梱包ケース、 ビーチ パラ ソル、 あるいはテン ト類、 濾過布、 椅子張り材、 衝 立、 カーテン類などにも、 本発明の布帛はその特徴、 機 能を生かして適用できるものであり、 その適用用途、 分 野は非常に広く、 計り知れないものがある。

Claims

特許請求の範囲

1 . 細幅シー ト片の多数が重畳構造を形成し、 かつ該 細幅シー ト片どう しの重畳部が該細幅シ一 ト片の幅 方向に開口した状態を形成しつつ前記多数の細幅シ 一 ト片が連繋されて布帛が形成されてなることを特 徵とする特殊な構造を有する布帛。

2 . 細幅シー ト片の幅が、 l〜 2 0 0 m mのものであ ることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の特 殊な構造を有する布帛。

3 . 素材的に異なっている複数種類の細幅シー ト片の 多数が用いられて、 それらが重畳構造を呈している ことを特徵とする特許請求の範囲第 1項記載の特殊 な構造を有する布帛。

4 . シー ト片幅方向において素材的に異なる素材によ り形成されてなる複数種類の細幅シー ト片の多数が 用いられて、 それらが重畳構造を呈していることを 特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造 を有する布帛。

5 . 熱収縮率の異なる素材により形成されてなる複数 種類の細幅シー ト片の多数が用いられて、 それらが 重畳構造を呈していることを特徵とする特許請求の 範囲第 1項記載の特殊な構造を有する布帛。

6 . 高収縮性の繊維を含む混繊糸または/および高収 縮繊維糸と低収縮繊維糸の複合糸からなる細幅繊維 シー ト片の多数が用いられて、 それらが重畳 造を 呈していることを特徴とする特許請求の範囲第 1項 記載の特殊な構造を有する布帛。

. 主と してシー ト片表面を形成する繊維と、 主と し てシー ト片裏面を形成する繊維とが、 素材または/ および収縮率の異なっているものである細幅繊維シ 一 ト片の多数が用いられて、 それらが重畳構造を呈 していることを特徴とする特許請求の範囲第 1項記 載の特殊な構造を有する布帛。

. 熱収縮特性を異にする 2以上のフ ィ ラ メ ン ト繊維 糸からなる筒状布帛よりなる細幅シー ト片の多数が 用いられて、 それらが重畳構造を呈していることを 特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造 を有する布帛。

. 色の異なっている複数種類の細幅シー ト片の多数 が用いられて、 それらが重畳構造を呈していること を特徵とする特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構 造を有する布帛。

0. 撥水性あるいは撥油性を有する細幅シー ト片の多 数が用いられて、 それらが重畳構造を呈しているこ とを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の特殊な 構造を有する布帛。

1. 細幅シー ト片を位置をずらせながら順次重ねて重 畳構造状態を形成せしめ、 その状態を維持したまま 隣接する細幅シー ト片どう しを連繋せしめることを 特徴とする特殊な構造を有する布帛の製造方法。

1 2. 細幅シー ト片を位置をずらせながら順次重ねて重 畳構造状態を形成せしめて後、 該状態を仮固定し、 その仮固定状態で隣接する細幅シー ト片どう しを連 繋せしめた後、 該仮固定状態を解除することを特徵 とする特許請求の範囲第 1 1項記載の特殊な構造を有 する布帛の製造方法。

1 3. 巻付け支持体上に細幅シー ト片を位置をずらせな がら、 一部重ねて順次巻付けていく ことにより重畳 構造状態を形成せしめることを特徵とする特許請求 の範囲第 1 1項記載の特殊な構造を有する布帛の製造 方法。

1 4. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徴とする 衣料。

1 5. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする 衣服。

1 6. 細幅シー ト片の多数が重畳構造をなして形成され ている特殊布帛が、 部分的に用いられてなることを 特徵とする特許請求の範囲第 1 5項記載の衣服。

1 1. 衣服の屈曲部にプレーンな布帛が用いられ、 平面 部には細幅シ一 ト片の多数が重畳構造をなして形成 されている特殊布帛が用いられていることを特徵と する特許請求の範囲第 1 5項記載の衣服。

18. 重畳構造の順方向が、 衣料の上から下に向かう方 向に実質的に一致するように用いられてなることを 特徵とする特許請求の範囲第 1 5項記載の衣服。

19. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徴とする

20. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徴とする 土砂止めシー ト。

2 1. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする 農業または園芸用ハウス。

22. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徴とする 履物類。

23. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする 生鮮物用梱包ケース。

24. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする ビーチパラ ソル。

25. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする テン ト。

26. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする 炉過材。

2 7. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする カーテン類。

2 8. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徴とする 椅子張り材。

2 9. 特許請求の範囲第 1項記載の特殊な構造を有する 布帛が用いられて構成されていることを特徵とする 衝立。