明 細 書
スクァリリウム化合物を含有する光重合性組成物 技 術 分 野
本発明は、 スクァリリウム化合物を含有する光重合性組成物に関する。 該光 重合性組成物は、 6 0 0 n m以上の可視光から近赤外光に対して高い感度を 有することから、 レーザーダイレクト製版用 P S版、 ドライフィルムレジスト、 デジタルプルーフ、ホログラムなどの可視レ一ザ一用記録材料、パンクロマテイツ クな感光材 (例えば、 カラーホログラム用感光材ゃマイクロカプセル中に光重合 組成物を包含したフルカラー表示用感光材) 中の赤色光感光成分、 また、 可視 から近赤外線を光源とする塗料、 接着剤などの感光材料として有用である。 背 景 技 術
スクァリリウム化合物を增感色素として用い、 ラジカル発生剤として s—トリ アジンを用いた光重合性組成物が、 特開平 2— 4 8 6 6 5号公報、 特開平 2— 2 2 9 8 0 2号公報、 特開平 2— 3 0 6 2 4 7号公報、 特開平 4一 1 0 6 5 4 8 号公報、 特開平 5— 5 0 0 5号公報などに開示されている。
また、 スクァリリウム化合物を增感色素として用い、 ラジカル発生剤として、 アジ二ゥム塩を用いた光重合性組成物 (例えば、 特開昭 6 3— 1 4 2 3 4 6号 公報) 、 へキサァリールビスイミダゾールを用いた光重合性組成物 (例えば、 特開平 5— 2 7 4 3 6号公報) 、 金属一アレーン錯体を用いた光重合性組成物 (例えば、 特開平 5— 1 7 5 2 5号公報) などがそれぞれ知られている。
上記式 (A ) で表されるベンゾィンドレニウム塩化合物が 6 7 3 n mに極大 吸収波長を有することが、 特開昭 6 3 - 1 3 8 3 4 5号公報、 特開昭 6 3 - 1 4 2 3 4 6号公報、 特開平 2— 4 8 6 6 5号公報などに開示されている。
該ベンゾインドレニウム塩化合物は、 上記性質により、 種々の赤色レーザー、 例えば、 H e— N eレーザー、 K rレーザー、 短波長半導体レーザーなどに対 して効率よく增感することができるが、 有機溶剤やモノマーに対する溶解性が 低いため、 感光液中における濃度を高くすることができず、 毒性の低い溶媒、 例えば、 メチルェチルケトンなどの使用が制限されるなどの問題がある。 また、 該ベンゾィンドレニウム塩化合物は、 感光液中で遮光保存しても容易に喑分解 反応を起こすため、 感光液が赤色領域において退色し、 感光液の赤色光に対する 感光性が短時間で著しく低下するという問題点がある。
発 明 の 開示
本発明は、 式 (I )
(式中、 Rは炭素数 2〜 8の低級アルキルを表す) で表されるスクァリリウム 化合物、 ラジカル発生剤およびエチレン性不飽和二重結合を少なくとも 1個有 する付加重合可能な化合物からなる光重合性組成物に関する。
また、 本発明により、 式 (I a )
(式中、 R a はプロピル、 イソプロピル、 イソブチル、 ペンチル、 イソペンチル またはへキシルを表す) で表されるスクァリリウム化合物が提供される。
以下、 式(I ) および式( I a ) で表される化合物を化合物 (I ) および化合物 ( I a ) という。 他の式番号の化合物についても同様である。
式 (I) の定義において、 炭素数 2〜 8の低級アルキルとしては、 直鎖または 分枝状のアルキル、 例えば、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 ィソブチル、 s e c—ブチル、 t e r t—ブチル、 2—ェチルブチル、 ペンチル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 3—ェチルペンチル、 t e r t—ペンチル、 へキシル、 イソへキシル、 ヘプチル、 ォクチルなどがあげらる。
次に、 化合物 (I ) の製造法について説明する。
(式中、 Rは前記と同意義であり、 Xはハロゲンまたは p—トルエンスルホニル ォキシを表す)
ここで、 ハロゲンは、 塩素、 臭素またはヨウ素を表す。
原料化合物 (II) は、 Monatsh.Chenu, , 123(1910)に記載の方法あるいはそれ に準じて得ることができる。
工程 1 :
化合物 (ΠΙ ) は、 化合物 (II) と当量〜大過剰量の化合物 RXとを、 溶媒中 もしくは無溶媒で、 加熱下に 1〜24時間反応させることにより得ることができる c 溶媒としては、 例えば、 メチルイソプチルケトン、ジイソプチルケトン、キシレン、 トルエン、 ブタノ一ルなどが用いられる。
工程 2 :
化合物 (I ) は、 化合物 (Π 1 ) と 0 . 5当量の化合物 (IV) とを、 1〜2 当量の塩基性化合物の存在下、 溶媒中、 9 0〜110 ¾で 1〜2 4時間反応させる ことにより得ることができる。 塩基性化合物としては、 トリェチルァミン、 キノ リン、 ピリジンなどがあげられる。 溶媒としては、 エタノール、 ブタノール、 イソブチルアルコール、 ペンタノール、 へキサノール、 ヘプタノール、 ォクタ ノールなどのアルコール、 またはこれとベンゼン、 トルエン、 キシレンなどの 芳香族炭化水素との混合溶媒などが用いられる。
上記製造法における中間体および目的化合物は、 有機合成化学で常用される 精製法、 例えば、 濂過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、 再結晶、 各種クロマトグラフィー などに付して単離精製することができる。 また、 中間体においては、 特に精製 することなく次の反応に供することも可能である。
化合物 (I ) は、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 アルコールなどの有機溶剤 とからなる結晶として得ることもでき、 これら結晶も本発明のスクァリリウム 化合物として用いることができる。
化合物 ( I ) の具体例を第 1表に示す。
該光重合性組成物は、 化合物 (I ) 、 ラジカル発生剤およびエチレン性不飽和 二重結合を少なくとも 1個有する付加重合可能な化合物 (以下、ェチレン性化合物 とも称する) 、 さらに必要に応じてバインダーあるいは通常の添加剤 (例えば、 熱重合禁止剤、 可塑剤など) を混合することにより調製することができる。
ラジカル発生剤としては、 少なくとも 1個のトリハロメチル基で置換した s— トリアジン化合物類 〔2 , 4 , 6—トリス(トリクロロメチル)一 s—トリアジン、 2— ( 4 -メ トキシフェニル) 一 4 , 6—ビス (トリクロロメチル) 一 s—トリ ァジン、 2— ( 4—メ トキシー 1—ナフタレニル) 一 4 , 6—ビス (トリクロ口 メチル) 一 s—トリアジンなど〕 、 有機過酸化物類 〔3 , 3 ' , 4, 4 'ーテトラ キス ( t e r t —ブチルジォキシカルボニル) ベンゾフヱノンなど〕 、 N—フエ ニルグリシン類 (N—フヱニルグリシン、 p—クロ口一 N—フヱニルグリシン、 m—メチルー N—フヱニルグリシンなど) 、 芳香族スルホニルハライ ド化合物類 (ベンゼンスルホニルクロライド、 p—トルエンスルホニルクロライ ドなど) 、 イミダゾールニ量体類 〔2 , 2, 一ビス (o—クロロフヱニル) 一 4 , 4 ' , 5 , 5,ーテトラフヱ二ルビィミダゾールなど)、 金属一アレーン錯体類 〔 (7? 6 一ベンゼン) (" 5 —シクロペンタジェニル) 鉄 (I I) へキサフルォロホスフエ ート、 フルォロアリールチタノセンなど〕 、 ジァリールョードニゥム塩 (8— ァニリノナフタレン一 1ースルホン酸ジフエ二ルョードニゥム塩など) 、 トリァ リールスルホニゥム塩、 分枝鎖状ポリエチレンイミン類、 アルキルまたはァリー ルほう酸塩類 (テトラプチルアンモニゥムトリフユ二ルブチルポレートなど) 、 芳香族ケトン類 (チォキサントンなど) 、 ァセトフヱノン類 (ベンゾインエー テル、 ベンジルジメチルケタールなど) 、 ジケトン類、 ァシルォキシムエステル 類、 硫黄化合物 (チオール、 ジスルフィ ドなど) などがあげられる。 本発明の光 重合開始系は、 スクァリリゥム化合物とラジカル発生剤とからなつており、 光重合開始剤におけるラジカル発生剤の使用量は、 スクァリリウム化合物 1重量 部 (以下、 重量部を部と称する) に対して 0. 1〜1 0 0部、 好ましくは 1〜5 0 部である。
ェチレン性化合物としては、 ェチレン性不飽和二重結合を少なくとも 1つ有し、 光重合性組成物を露光した場合に発生したラジカルにより付加重合し光重合性 組成物の硬化ゃ不溶化をもたらすものであればどのようなものでもよく、 例えば、 ェチレン性不飽和二重結合を少なくとも 1つ有するモノマー、 ォリゴマーまたは 主鎖もしくは側鎖にェチレン性不飽和二重結合を有するポリマーなどが、 単独 もしくは二種以上を混合して用いられる。
ェチレン性不飽和二重結合を少なくとも 1つ有するモノマーとしては、 例えば、 不飽和カルボン酸、 不飽和カルボン酸とモノヒドロキシ化合物とのエステル、 不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、 不飽和カルボン 酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、 不飽和カルボン酸と多価カル ボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルなど があげられる。
不飽和カルボン酸としては、 例えば、 アクリル酸、 メタクリル酸、 ィタコン酸、 クロトン酸、 マレイン酸などがあげられる。
不飽和カルボン酸とモノヒドロキシ化合物とのエステルとしては、 例えば、 メチルァクリレート、 ブチルァクリレート、 2—フエノキシェチルァクリレート、 p—クロ口フエニルァクリレート、 2— ( 1—ナフチルォキシ) ェチルァクリレ ート、 o—ビフヱニルァクリレート、 ペンタクロロフヱニルァクリレート、 2 , 4, 6— トリブロモフヱニルァクリレート、 2—ナフチルァクリレート、 2—
( 2—ナフチルォキシ) ェチルァクリレート、 トリフルォロェチルァクリレート、 テトラフルォロプロピルァクリレート、 ジブロモプロピルァクリレート、 ェチル 一 2—クロロアクリレート、 テトラヒ ドロフルフリルァクリレートなどのァク リル酸エステル、 これらのアタリノレ酸部をメタクリル酸に代えた化合物、 これら の誘導体などがあげられる。
不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ化合物とのエステルとしては、 例え ば、 エチレングリコールジァクリレート、 トリエチレングリコールジァクリレー ト、 テトラエチレングリコールジァクリレート、 プロピレングリコールジァクリ レート、 ネオペンチルグリコールジァクリレート、 1 , 3—ブタンジオールジァ
クリレート、 1 , 4ーシクロへキサンジオールジァクリレート、 へキサンジォー ルジァクリレート、 トリメチロールプロパントリァクリレート、 トリメチロール ェタントリアクリレート、 トリメチロールプロパントリス (ァクリロイルォキシ プロピル) エーテル、 ペンタエリスリ トールジァクリレート、 ペンタエリスリ ト ールトリアクリレート、 ペンタエリスリ トールテトラァクリレート、 ジペンタエ リスリ トールジァクリレート、 ジペンタエリスリ トールトリァクリレート、 ジぺ ンタエリスリ トールテトラァクリレート、 ジペンタエリスリ トールペンタァクリ レート、 ジペンタエリスリ トールへキサァクリレート、 グリセロールァクリレー ト、 ソルビトールトリァクリレート、 ソルビトールテトラァクリレート、 ソルビ トールペンタァクリレート、 ソルビトールへキサァクリレートなどのァクリル酸 エステル、 これらのアクリル酸部をメタクリル酸に代えた化合物、 その他、 脂肪 族ポリヒドロキシ化合物のィタコン酸エステル、 クロトン酸エステル、 マレイン 酸エステルなどがあげられる。
不飽和カルボン酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステルとしては、 例え ば、 ハイ ドロキノンジァクリレート、 ハイドロキノンジメタクリレート、 レゾル シンジァクリレート、 レゾルシンジメタクリレート、 ピロガロールトリアクリレ ートなどの他、 E O変性ビスフエノール Aジァクリレート、 トリス (/3—ァクリ ロイルォキシェチル) 一 s—シァヌレートなどの不飽和カルボン酸と芳香族ポリ ヒドロキシ化合物誘導体とのエステルなどもあげられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒ ドロキシ化合物とのエステル化 反応により得られるエステルとしては、 例えば、 アクリル酸とフタル酸とェチレ ングリコールとの縮合物、 ァクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの 縮合物、 メタクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリ トールとの縮合物、 ァク リル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物、 ァクリル酸と トリメット酸とジエチレングリコールとの縮合物などがあげられる。
その他本発明に用いられるェチレン性不飽和二重結合を少なくとも 1つ有する モノマーあるいはオリゴマーの例としては、 エチレンビスアクリルアミ ドなどの ァクリルァミ ド類、 フタル酸ジァクリルなどのァリルエステルおよびそのプレボ
リマー、 ジビニルフタレートなどのビニル基含有化合物、 グリセリンジメタクリ レートとへキサメチレンジイソシァネー卜との縮合物などのウレタンァクリレー ト、 N—ビニルカルバゾール、 N—ビニルピロリ ドンなどがあげられる。
主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するポリマーとしては、 例えば、 不飽和 二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステ ル、 不飽和二価カルボン酸とジァミンとの重縮合反応により得られるポリアミ ド などがあげられる。
側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有するポリマーとしては、 例えば、 側鎖に 不飽和結合をもつ二価カルボン酸、 例えば、 ィタコン酸、 プロピリデンコハク酸、 ェチリデンマロン酸などとジヒドロキシまたはジアミン化合物との重縮合体など があげられる。 また、 側鎖にヒドロキシ基、 ハロゲン化メチル基、 エポキシ基な どの官能基を有する重合体、 例えば、 ポリビニルアルコール、 ポリ (2—ヒドロ キシェチルメタクリレート) 、 エポキシ樹脂、 フエノキシ樹脂ポリェピクロルヒ ドリンなどとアクリル酸、 メタクリノレ酸、 クロトン酸などの不飽和カルボン酸と の高分子反応により得られるポリマーも使用できる。
バインダーとしては、 例えば、 ポリメタクリル酸エステルまたはその部分加水 分解物、 ポリアクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、 ポリ酢酸ビニル またはその部分加水分解物、 酢酸ビニルとエチレンとの共重合体またはその部分 加水分解物、 ポリスチレン、 ポリビニルホルマール、 ポリビニルプチラール、 ポ リクロロプレン、 ポリ塩化ビニル、 塩素化ポリエチレン、 塩素化ポリプロピレン、 フエノールノボラックまたはクレゾールノボラック榭脂、 ポリビエルフェノール、 ビニルフヱノールとメタクリル酸エステルとの共重合体、 ポリエチレンォキサイ ド、 ポリメチルイソプロぺニルケトン、 メタクリル酸エステルとフエ二ルイソプ ロぺニルケトンとの共重合体、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポリカーボネート、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート、 ァセチルセルロー ス、 ァセチルブチルセルロース、 ニトロセルロース、 ポリビニルカルバゾールま たはその誘導体、 ビニルカルバゾールとスチレンとの共重合体、 ビニルカルバゾ 一ルとメタクリル酸エステルとの共重合体、 ビニルカルバゾ一ルとァクリル酸
エステルとの共重合体、 ポリビニルピロリ ドンまたはその誘導体、 ビニルピロリ ドンとスチレンとの共重合体、 ビニルピロリ ドンとメタクリル酸エステルとの 共重合体、 ビニルピロリ ドンとアクリル酸エステルとの共重合体、 スチレンと マレイン酸 (モノエステル) との共重合体、 その他、 アクリル酸エステル、 ァク リル酸、 メタクリル酸エステル、 メタクリノレ酸、 (無水) マレイン酸、 ァクリロ 二トリル、 ァクリルァミ ド、 スチレン、 酔酸ビニル、 塩化ビニル、 塩化ビニリデ ン、 ブタジエン、 イソプレン、 クロ口プレンなどの共重合可能なモノマーから 2 種以上選択して製造される共重合体などがあげられる。
熱重合禁止剤としては、 p— t e r t—プチルカテコール、 ハイ ドロキノン、 クロラニルなどがあげられる。
可塑剤としては、 ジェチルへキシルフタレート、 ジイソブチルフタレート、 トリクレシルホスフヱ一卜、 ジェチルへキシルセバゲート、 ジェチルへキシルァ ジぺートなどがあげられる。
該光重合性組成物中のスクァリリウム化合物およびラジカル発生剤の使用量は、 エチレン性化合物 1 0 0部に対してそれぞれ 0 . 1〜3 0部、 好ましくは 0 . 5 〜5部および 1〜5 0部、 好ましくは 2〜3 0部である。
バインダ一の使用量は、 エチレン性化合物 1 0 0部に対して 1 0〜 1 0 0 0部、 好ましくは 6 0〜 2 0 0部である。
次に、 本発明で用いられるスクァリリウム化合物の有機溶剤に対する溶解性に ついて試験例で説明する。
試験例 1
2 0 m lのガラス容器に、 ェチルセ口ソルブ 5 m 1およびスクァリリウム化合 物を溶け残る程度に加えた。 スクァリリウム化合物の結晶を超音波洗浄器で 1 0 分間細かく した後、 混合物を回転子で 2 0時間攪拌した。 據過により溶け残った スクァリリウム化合物の結晶を取り除き、 濂液をクロ口ホルムにより X倍に希釈 した後、 6 0 0〜7 0 0 n mに存在する極大吸収波長の吸光度を分光光度計に より測定した。 ェチルセ口ソルブに対するスクァリリウム化合物の溶解度を、 以下の式から求めた。
解^ (mg/m 1 ) =x · A · Mw/ε
x ;希釈
A ;極大吸収波長の吸光度
Mw;スクァリリウ厶化合物の分了- Jtt (g/mo 1 ) ε :極大吸収波 におけるモル吸光係数 ( 1ノ mo 1 c m) 化合物 1〜9の溶解度を、 化合物 (A) の溶解度を基準とした相対値として 第 2表に示す。 第 2表
化合物 溶解度の相対値
1 3 7
2 1 2
3 1
4 9 5
5 4.4
6 3 0
7 1 1 1
8 3 8
9 6.8
A 1 .0 試験例 2
ェチルセ口ソルブの代わりにクロ口ベンゼンを用いる以外は、 試験例 1と同様 の操作を行い、 クロ口ベンゼンに対するスクァリリウム化合物の溶解度を求めた 化合物 1〜 9の溶解度を、 化合物( A )の溶解度を基準とした相対値として第 3表 に示す。
第 3表
ィ匕合物 溶解度の相対値
1 1.1
2 8.7
3 1.8
A 2 ^
5 4.1
6 5 1
7 27
8 30
9 3 1
A 1.0
試験例 3
ェチルセ口ソルブの代わりにメチルェチルケトンを用いる以外は、 試験例 1と 同様の操作を行い、 メチルェチルケトンに対するスクァリリウム化合物の溶解度 を求めた。 化合物〗〜 9の溶解度を、 化合物 (A) の溶解度を基準とした相対値 として第 4表に示す。 第 4表
化合物 溶解度の相対値
1 6.8
2 3.5
3 4.4
4 1 03
5 1.8
6 1 1
7 1 3 1
8 4 2
9 4.7
A 1.0
以下に、 実施例により本発明の態様を具体的に説明する。
なお、 化合物 1は特開平 3— 1 2 6 5 8 1号公報に、 化合物 4は特開平 1一 1 7 8 4 9 3号公報に記載されている公知化合物であり、 US 4, 8 3 0, 7 8 6 記載の方法に準じて得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
実施例 1
3, 4—ジヒ ドロキシ一 3—シクロブテン一 1, 2—ジオン 0. 8 0 g、 参考 例 1で得られる 2, 3, 3—トリメチルー 1—プロピル一 3 H—ベンゾ 〔e〕 インドレニウム p—トルエンスルホネート 5. 9 9 g、 キノ リン 1. 6 4 g、 ブタノール 3 0m lおよびベンゼン 3 0m lの混合物を、 通流下で 1 1時間摄拌 した。 反応液を濃縮した後、 残渣にエタノール 3 0m lを加え、 3 0分間加熱し た。 放冷後、 結晶を濂取し、 真空乾燥することにより、 2. 07 gの化合物 2を 得た。
融点: 2 8 0 以上
元素分析値:
計算値 (%) C 8 2. 7 1 H 6. 9 6 N 4. 8 2
実測值 (%) C 8 2. 2 5 H 6. 8 5 N 4. 5 3
光吸収特性:
溶媒 クロロホノレム
λ m a X 6 6 7 nm
1 o g e 5. 5
実施例 2
3, 4—ジヒ ドロキシ一 3—シクロブテン一 1 2—ジオン 0. 8 0 g、 1— イソプロピル一 2, 3, 3— トリメチル一 3 H—ベンゾ 〔e〕 インドリウム p -トルエンスルホネー ト 5. 9 9 g、 キノ リ ン 1. 6 4 g、 ブタノール 3 O m 1 およびベンゼン 3 0m lの混合物を、 通流下で 1 1時間損拌した。 反応液を濃縮 した後、 残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、 0. 8 0 gの化合物 3を得た。
融点: 2 8 0 以上
元素分析値:
計算値 (%) C 8 2. 7 1 H 6. 9 6 N 4. 8 2
実測値 (%) C 8 1. 9 4 H 6. 9 9 N 4. 6 2
光吸収特性:
溶媒 クロロホノレム
λ m a X 6 6 6 nm
l o g s 5. 5
実施例 3
3, 4—ジヒ ドロキシー 3—シクロブテン一 1, 2—ジオン 0. 5 7 g、 1一 イソブチル一 2, 3, 3—トリメチルー 3 H—べンゾ 〔e〕 インドリウム p— トルエンスルホネート 4. 4 2 g、 キノリン 1. 6 4 g、 ブタノール 3 0m l およびベンゼン 3 0m lの混合物を、 通流下で 7時間擾拌した。 反応液を濃縮し た後、 残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、 0. 9 6 gの化合物 5を得た。
融点: 2 80 以上
元素分析値:
計算値 (%) C 8 2. 8 4 H 7. 3 0 N 4. 6 0
実測値 (%) C 8 1. 2 1 H 7. 30 N 4. 5 1
光吸収特性:
溶媒 クロロホノレム
λ m a X 6 6 9 nm
l o g s 5. 5
実施例 4
3, 4ージヒ ドロキシー 3—シクロブテン一 1, 2—ジオン 0. 8 0 g、 2, 3, 3—トリメチルー 1 -ペンチルー 3 H—べンゾ 〔e〕 インドリウム p— トルエンスルホネート 6. 4 0 g、 キノリン 1. 1 7 g、 ブタノール 2 5 m 1 およびベンゼン 2 5 m lの混合物を、 還流下で 1 1時間授拌した。 反応液を濃縮
した後、 残渣をカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、 2.7 0 gの化合物 6を得た。
融点: 2 8 0て以上
元素分析値:
計算値 (%) C 8 2. 9 8 H 6 0 N 4. 4 0
実測値 (%) C 8 2. 6 2 H 6 5 N 4. 3 8
光吸収特性:
溶媒 クロロホゾレム
λ m a X 6 6 7 nm
l o g s 5. 5
実施例 5
3, 4—ジヒドロキシ一 3—シクロブテン一 1, 2—ジオン 1. 1 4 g、 1 - イソペンチルー 2, 3, 3—トリメチル一 3 H—べンゾ 〔e〕 インドリウム p一トルエンスルホネート 9. 0 3 g、 キノリン 3. 1 0 g、 ブタノール 1 5m l および o—キシレン 3 0m 1の混合物を、 還流下で 3時間援拌した。 反応液を 濃縮した後、 析出した固体を濂取し、 真空乾燥することにより、 4. 6 9 gの 化合物《を得た。
»点: 2 8 0 以上
元素分析値:
計算値 (%) C 8 4. 0 6 H 7 87 N 3 7 7
実測値 (%) C 8 3. 8 3 H 8 0 2 N 3 6 3
光吸収特性:
溶媒 クロロホルム
λ m a X 6 6 7 nm
1 o g ε 5. 5
実施例 6
3, 4ージヒドロキシー 3—シクロブテン一 1, 2—ジオン 1. 1 4 g、 1一 へキシル一 2, 3, 3— トリメチル一 3 H—べンゾ 〔e〕 インドリウム p—
トルエンスルホネート 9. 3 l g、 キノ リン 3. 1 0 g、 ブタノール 1 5 m 1 および 0—キシレン 3 Om 1の混合物を、 還流下で 3時間援拌した。 反応液を 濃縮した後、 残渣にエタノール 1 5 m 1を加え、 3 0分間加熱した。 析出した 結晶を濂取し、 真空乾燥することにより、 4. 2 9 gの化合物 9を得た。
融点: 2 8 0で以上
元素分析値:
計算値 ( ) C 8 3. 0 9 H 7. 8 8 N 4. 1 7
実測値 (%) C 8 3. 0 9 H 8. 3 1 N 3. 9 3
光吸収特性:
溶媒 クロロホノレム
λ m a X 6 6 8 nm
l o g s 5. 5
実施例 7
ペンタエリスリ トールトリァクリレート 0. 5 g、 メタクリル酸ブチル Zァク リル酸共重合体 (重量平均分子量 3, 1 00、 共重合比 6 6/34 ) 0. 5 g、 2, 4, 6—トリス (トリクロロメチル) 一 s—トリアジン 6 Omgおよびスク ァリリウム化合物 2 m gをェチルセ口ソルブに溶解して 2 5m 1とし、 感光性 樹月旨溶液を得た。 この溶液を遮光し、 4 0 で 3日間放置した。 60 0〜7 0 0 nmに存在する極大吸収波長の吸光度を放置前 (A 1) および放置後 (A2) に おいて分光光度計により測定した。 スクァリリウム化合物の分解率を、 以下の式 から求めた。 分解率 (%) = (A 1— A 2) /A 1 X 1 0 0 スクァリリウム化合物 1〜9の分解率を、 化合物 (A) の分解率を基準とした 相対値として第 5表に示す。
第 5表
化合物 分解率の相対値
1 0.34
2 0.25
3 0.24
4 0.29
5 0.1 5
6 0.28
7 0.3 1
8 0.32
9 0.26
A 1.0 実施例 8
ペンタエリスリ トールトリァクリレート 0. 5 g、 ポリメタクリル酸メチル (A 1 d r i c h社製;重量平均分子量 1 2, 000) 6 0 mg、 (τ?6 —ベン ゼン) (77 5 —シクロペンタジェニル) 鉄 (II) へキサフルォロホスフヱート 9 Omgおよびスクァリリウム化合物 2m gをェチルセ口ソルブに溶解して 2 5 m 1とし、 感光性樹脂溶液を得た。 その後は、 放置時間 3日間を 3 2日間に代え る以外は実施例 7と同様の操作を行い、 スクァリリウム化合物の分解率を求めた c スクァリリウム化合物 1〜9の分解率を、 化合物 (A) の分解率を基準とした 相対値として第 6表に示す。 第 6表
化合物 分解率の相対値
1 0 5 1
2 0 4 8
3 0 44
4 0 60
5 0 4 2
6 0 46
7 0 56
8 0 4 3
9 0 52
A 1 0
実施例 9
ペンタエリスリ トールトリァクリレート 1 0 0部、 ポリメタクリル酸エステル ポリマー [実験化学講座、 丸善 (株) 、 第 4版、 2 8巻、 1 2 1頁、 1 9 9 2年 :高分子合成の実験法、 (株) 化学同人、 大津隆行 ·木下雅悦共著、 1 3 8頁、 1 9 7 2年等に記載の方法に準じて合成;平均分子量 1 5万;メチルエステル イソブチルエステル/シクロへキシルエステル / /フリーカルボン酸 = 27/3 6 Z25Z12] 1 0 0部、 2, 4, 6—トリス (トリクロロメチル) 一 s—トリ ァジン 7. 9部、 スクァリリウム化合物 1部をェチルセ口ソルブ 1 9 0 0部に溶解 して感光性樹脂溶液を得た。 この感光性樹脂溶液を、 砂目立ておよび陽極酸化処 理を施したアルミニウム板上に、 乾燥膜厚が 2 mになるように、 回転数 1000 rpmで回転塗布した。 この上に、 ポリビニルアルコール (クラレポバール 7 0 6 ) 1 0%水溶液を乾燥膜厚が 1 mになるように回転数 1 5 0 0 r pmで回転塗布 し、 オーバーコート層を得た。 得られた感光膜上にステップタブレツトを密着し、 3 kw超高圧水銀灯からガラスフィルターを通すことにより、 6 3 0、 6 5 0 または 6 8 0 ran前後の光を照射した。 6 3 0 ran前後の光 (1 5 5 u J /cm2 · s) は、 色ガラスフィルター R— 6 1、 干渉フィルター KL一 6 3 (いずれも東芝 ガラス社製) および熱線吸収フィルター HA— 3 0 (HOYA製) を通すことに より得、 6 5 0 nm前後の光 ( 1 7 7 J/cm2 · s ) は、 色ガラスフィルタ 一 R— 6 3、 干涉フィルター KL一 6 5 (いずれも東芝ガラス社製) および HA - 3 0を通すことにより得、 6 8 0 nm前後の光 (8 8 ^ JZcm2 · s ) は、 ガラスフィルター R— 6 6、 干渉フィルター KL— 6 8 (いずれも東芝ガラス社 製) および HA— 3 0を通すことにより得た。 次いで、 PS版現像液 DN 3 C 〔富士写真フィルム (株) 製〕 を蒸留水で 1. 5倍に希釈した液で現像を行った 後、 PS版現像インキ P 1— 2 〔富士写真フィルム (株) 製〕 によりインキを着 け、 ィンキの付着した硬化段数から硬化に必要なエネルギー量を求め感度とした。 その結果を第 7表に示す。
感度( mJ 1 cm2 )
イト A物 630 nm 650 nm DOU nm
1 0.47 0.40 O.
0.47 0.40 0.37
3 0.39 0.40 0.26
4 0.39 0.40 0.37
5 0.47 0.56 0.28
6 0.56 0.40 0.37
7 0.47 0.40 0.37
A 0.91 0.56 0.65
実施例 1 o
2, 4, 6—トリス (トリクロロメチル) 一 s—トリアジン 7. 9部の代わり に (776 —ベンゼン) (;75 —シクロペンタジェニル) 鉄 (II) へキサフルォロ ホスフェート 8部を用い、 ポリメタクリル酸エステルポリマー (メチルエステル Zィソブチルエステル /シクロへキシルエステル /フリーカルボン酸- 27/ 36/25/1 2 )の代ゎりにCARBOSET,XL—44 〔BFグッドリツチ (Good r i c h)社製〕 を用いる以外は実施例 9と同様の操作を行い、 630 n m前後の光を照射したときの感度を求めた。 その結果を第 8表に示す。 第 8表
化合物 感度(mJ/cm2)
5 1 1
6 5.8
7 5.8
9 8.7
A 1 1
実施例 1 1
2, 4, 6—トリス (トリクロロメチル) 一 s—トリアジン 7. 9部の代わり に 3, 3' , 4, 4, —テトラキス ( t e r t—プチルジォキシカルボニル)
ベンゾフヱノン 8部を用いる以外は実施例 9と同様の操作を行い、 6 3 0 nm 前後の光を照射したときの感度を求めた。 その結果を第 9表に示す。 第 9表
化合物 感度(mJ / cm2)
3 0.083
5 0.20
6 0.099
7 0.20
9 0.1 7
A 0.4 3 参考例 1
2, 3, 3—トリメチルー 3 H—べンゾ 〔e〕 インドレニン 5. 2 3 gおよび プロピル p—トルエンスルホネート 5. 3 6 gの混合物を 1 5 0^で 2時間加 熱した。 放冷後、 容器内の固体をジェチルエーテルで洗浄し、 真空乾燥すること により、 9. 6 4 gの 2, 3, 3—トリメチル一 1—プロピル一 3 H—べンゾ
〔e〕 インドレニウム p—トルエンスルホネートの粗生成物を得た。
産業上の利用可能性
本発明によれば、 有機溶剤に対する溶解性に優れかつ感光液中で安定に存在す るスクァリリウム化合物を含有し、 6 0 0 nm以上の可視光から近赤外光に対し て高感度でかつ保存安定性のよい光重合性組成物を提供することができる。