WO1996011654A1

WO1996011654A1 - Feuille thermogene et procede de fabrication

Info

Publication number: WO1996011654A1
Application number: PCT/JP1995/002108
Authority: WO
Inventors: Yasuhiko Koiso; Naoto Wagatsuma; Masayuki Fujisawa; Mamoru Takahashi
Original assignee: Japan Pionics Co., Ltd.
Priority date: 1994-10-14
Filing date: 1995-10-13
Publication date: 1996-04-25
Also published as: CN1169105A; US5975074A; EP0786240A1; EP0786240A4; KR970706771A

Description

明細書シー卜状発熱体及びその製造方法発明の関連する技術分野本発明はシート状発熱体に関し、さらに詳細には発熱組成物の移動、片寄りがなく、薄型で柔軟性を有するシート状発熱体及びその製造方法に間する。従来の技術採暖手段の一つとして鉄粉などの被酸化性金属を主成分とし. 空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性を有する袋に収納された発熱体がかいろなどとして広く利用されている。

しかしながら、これらの発熱体は使用が簡単であるとい 0 利点はあるが，人体に装着した場合などには、運動時のみならず、静止状態においても発熱組成物が重力で袋の下方に片寄り、形状変化による違和感を生じるほ力、、発熱特性自体も変化して性能が低下するという問題点がある。

これらの欠点を改善するための手段の一つとして. 発熱組成物を支持体などに保持または挟持させてシート状とする種々の試みがなされている。

例えば、 Φ発熱組成物を、金網. プラスチックスなどの網状物に保持させる方法（特開昭 5 3 - 8 4 2 4 6号公報）、 ②活性炭繊維不織布などに塩化物. 水など酸化助剤を含浸させたものにアルミ箔などの金厲箔を重ね合わせる方法（特閗昭 6 3 — 3 7 1 8 1 号公報）、 ③酸化助剤を含浸させた和紙の上に発熱剤を散布した後、これを加圧してシート状に成型する方法（実闢昭 6 4 - 4 2 0 1 8号公報）、 ④植物系繊維を含む熱融着繊維製不織布を複数枚重ね合わせ、その中に化学発熱剤を分散させる方法（特開平 2 — 1 4 2 5 6 1 号公報）、 ⑤繊維が不規則に稱層されて多数の微細な空隙のあるシート状の支持体に発熱剤を分散保持させる方法（特開平 3 — 1 5 2 8 9 4号公報）などがある。発明が解決しょうとする ft術的 if 題しかしながら、これらにはシート状発熱体の製造上、あるいは得られた発熱体としてそれぞれ次のような問題点がある。

①金網、ブラスチックなどの網状物に保持させた場合には、シート状になったとしても剛性が大きくなり、実用的な柔らかさが得られず、しかも、発熱組成物の粉末が離脱しやすい。

②酸化助剤を含浸させた活性炭繊維不織布等にアルミ箔などの金厲箔を重ね合わせたものは粉末に比べて金属の表面稽が著しく小さいため，優れた発熱性能が得られず、また，枚数を增やすと厚みが增し，柔軟 'はがなくなる。

③また，紙の上に発熱剤を散布し、加圧してシート状としたものは，折り曲げや振動などによって > 発熱剤が容易に剝がれるため. 実用的でない

④植物繊維の保水性と合成繊維の熱融着性を利用した複数枚の不羝布の組み合わせは、構成および加工が複雑となるばかりでなく，熱融着性繊維の種類、混紡量などによっては不織布同士が接着されない場合があるほか，熱融着された場合には強固な網状構造となるために、シー卜状物の柔軟性がないという実用上の問題点がある。

また、繊維が不規則に積層されて多数の微細な空隙のあるシ一卜一状の支持体に発熱組成物を分散保持させる方法は、空隙内に均一に分散保持しうる .で^ れた方法である。しかしながら、鉄粉を保持させた後、活性炭などのけん ¾ を散布するので、発熱組成物全体が均一に混合された状態で保持させることが ¾ しいなどの不都合があつた。

このように、シート状発熱体の製造において、発熱組成物を均一に分散保持することが容易であるとともに、粉体の洩れ出ることがなく、柔軟な発熱体及びその製造方法の開発が強く望まれていた。発明の概要本発明者らは、これらの課題を解決し. 発熱組成物が確実に保持されて移動することがなく厚みが薄く柔軟で、しかも優れた発熱性能を有するシート状発熱物を得るべく研究を重ねた結果、多数の空隙を有する不織布の下面を水で湿らせたのち、発熱組成物粉体を該不織布の上面から散布保持させることにより、目的を達成しうることを見いだし、本発明に到達した。

すなわち、本発明は①多数の空隙を有する不織布 aの下面に水を付着せしめたのち、上面に発熱組成物粉体を散布して空隙内に保持させ、次に該不織布 aの上面に不織布 b を重ね合わせ、型圧縮機で圧縮してなるシート状物に、水または無機電解質水溶液を含浸させたたことを特徴とするシート状発熱体及び製造方法、 ②多数の空隙を有する不織布 a の下面およびまたは不織布 c の上面に水を付着せしめ、不織布 a の下面に不織布 c を重ね合わせ、不織布 aの上面に発熱組成物扮体を散布して空隙内に保持させ、次に該不織布 a の上面に、不織布 b を重ね合わせ、型圧縮機で圧縮してなるシート状物に、水または無機電解質水溶液を含浸させたことを特徴とするシ一卜状発熱体及び製造方法、 '不織布 a、不織布 b , 及びノまたは不織布 c、不織布 a、不織布 bの組み合わせからなる複数層の不布が水の付着力若しくは水の付着力と圧縮力で重ね合わされ. 該不織布の少なくと一層に発熱組成物が保持されたことを特徴とするシート状発熱体、及ひこの^ 造方法である。

本発明は、発熱組成物を不織布 a に保持させる際、不織布 a の下面をらせ上面から発熱組成物粉体を散布することにより、粉体が不織布に均一に ^ さ ^ て漏れ出すことがなく、不織布 b などを重ね合わせて圧縮することによっ織布どうしが剝がれたりすることがなく、シート状としての形状固定が s τに；われ，薄型で、柔軟性のあるシート状発熱体が得られるようになった，

^面の簡単な説明図 1 は、シート状発熱体 1 の断面図

図 2 は、シート状発熱体 1 ' の断面図。

図 3 は、本発明を実施するための工程図の例 1 。

図 4 は、本発明を実施するための工程図の例 2。

図 5 は、本発明を実施するための工程図の例 3。

図 6 は、発熱特性図。図 7 は、シート状貼るタイプかいろの断面図。発明の実施の形態本発明は、人体の保温のほか、動植物の保温，食品の加熱保温、さらには機械器具の加熱保溫などに利用される発熱体及びその製造方法に適用される。

本発明における不織布は、多数の空隙を有する不織布であり、後述する発熱組成物の原料のうち、粉体状で使用する原料の混合物（以下組成物粉体と記す）をその空隙中に保持しうるとともに、保水能力の大きいものであり、その素材としてはパルプ、綿. 麻等の植物繊維、レーヨンなどの再生繊維を主体とするものが用いられる。このほ力植物繊維や再生繊維に、ナイロン，ボリエステル，ァクリル、ポリオレフィンなどの合成繊維を多少含む物を使用することを妨げない _t これらの内でも、保水性が大きいとともに圧縮してシ一卜状物に成形するに際して加熱した場合においても熱融着を生ぜずシ一ト状物の柔軟性を保持しうる点などから、繊維成分として植物繊維と再生繊維の合計量が 9 5 %以上で構成された不織布であることが好ましく、より好ましくは、パルプ、綿、麻、レーヨンなどを 9 8 %以上含む不織布である。

不織布 aの製法に特に制限はないが、繊維素材の絡み合いで形成されたのてあってもよく，あるいはバインダーとして少量の接着剤、合成樹脂などをいて形成されたものであってもよい。また不織布 aの空隙率は大なるものほどそ C、隙中への組成物粉体の分散が容易であるが、大きくなりすぎると粉体の漏れをじることなどから、通常は 7 0〜 9 9. 5 %、好ましくは 8 0〜 9 9 %である. 不織布 aの厚さとしては、発熱組成物の保持量および不織布 aの空隙率によつても異なるが通常は 0. 5〜2 5 m m、好ましくは 1 ~ 1 O m mである。またその坪量は、通常は 5〜2 0 0 ノ01 ^: 好ましくは 3 0〜 1 5 0 gノm ^; でぁる本発明においては、不織布 aの上面に組成物原料を散布する際に、不織布 aの下面に水を付着させた後、組成物原料を散布させる。不織布 aの下面に水を付着させることにより、不織布 aの空隙が大きい場合においても、潘れによる付着力で粉体を保持し、漏れを防ぐことができる。不織布 aの下面に付着せしめる水の量は、組成物粉体が湿りにより不織布 aの下面から洩れ出るのを防止できればよく、不織布 aの坪量、厚さ、材質などによつても異なる力通常は、 1 0〜 2 0 0 ノ01 ² 、好ましくは 2 0〜 1 2 0 gノ m ² である。

水を付着させる方法としては、水の付着量を調節しうるとともに、均一に付着させることができればよく、例えば不接布 aの下面に水を噴霧する方法、ロールで水を付着させる方法などがある。

本発明において、組成物粉体を構成する原料としては、被酸化性金厲粉、活性炭、保水剤などである。

なお、無機電解質については、固体のまま上記の原料に混合される場合には組成物粉体の一成分となり、一方、シートの形成後などに水溶液の形で散布含浸させる場合には、組成物粉体に含まれない。

被酸化性金厲粉としては鉄粉、アルミニウム粉などであるが > 通常は鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉などである。

活性炭は反応助剤のほか保水剤としても使用され、通常は挪子般炭、木粉炭 > ビート炭などである。

無機電解質としては、アルカリ金厲. アルカリ土類金属、重金属の塩化物、およびアルカリ金属の硫酸塩などが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリゥム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸ナトリウムなどが用いられる。

保水剤としては、真珠岩粉末、バーミキユライト、高分子保水剤、などが用いられるが、好ましくは高分子保水剤である。

組成物粉体の粒度は、通常は 6 0 メッシュ以下、好ましくは 1 0 0 メッシュ以下のものを 5 0 %以上含むものなどである。

発熱組成物は上記の組成物粉体にさらに組成物粉体に水または無機電解質水溶液が添加混合されたものである。発熱組成物全体としての配合割合は不織布の性状、目的とする発熱性能などによって異なり一概に特定はできないが、例えば被酸化性金厲粉 1 0 0重量部に対し、活性炭が 5〜 2 0重量部、無機電解質が 1 . 5〜 1 0重量部、水が 2 5〜 6 0重量部である。

この他，所望により、さらに真珠岩粉末、バーミキユライト、髙分子保水剤などの保水剤や水素発生抑制剤、固結防止剤などを混合することもできる。

これらの内、水または、水と無機電解質はシート状に成型後に供給される。発熱組成物を不織布 aの空隙中に保持させる方法としては例えば、 ①鉄粉、活性炭、無機電解質など粉体原料の混合物を不織布 aの上に散布し、振動を与えて空隙に進入させ保持させてもよく、あるいは②鉄粉、活性炭など無機電解質を除いた粉体原料の混合物を不織布 aの上に散布し、振動を与えて空隙に進入保持させ- 無機電解質は' シート状に成型後塩水溶液として散布する方法であってもよい。また > ①、 ②いずれの場合においても、振動を与える方法のほか、不織布 a の下側から吸引する事によっても粉体の分散保持をはかることができる。

これらのうちでも無機電解質を全体に均一に分散させうる点などから②の方法が好ましい

このように、不織布 aの下面に水を付着させたのち粉体組成物を散布保持させることにより、組成物粉体が不織布 aの下面部分に濡れによる付着力で止められる結果、組成物粉体の分布は不織布 aの下面から上面かけて多くなる傾向を有する。

不織布に対する発熱組成物の保持量は、不織布の厚さ、目的とする発熱体の厚さ、および所望の発熱性能等に応じて定められるが、通常は支持体 l m 2 当たり 1 5 0〜 1 0 0 0 0 g、好ましくは 1 0 0 0 ~ 5 0 0 0 gである。

保持量が 1 5 0 g よりも少ないと、発熱溫度、発熱持続時間が低下し、一方. 保持量が 1 0 0 0 0 よりも多くなると発熱体の厚みが増し、薄型で柔軟なシ一トの形成が困難となる。

不織布 b としては、不織布 aの上面に残存している組成物粉体を保持するとともに、上面から組成物粉体の洩れ出るのを防ぐためのものであり、水分保持能力が大であるとともに、熱融着性を有しないものが好ましく、その素材としては不織布 a と同様にパルプ、綿、麻、レーヨンなどから形成された不織布である。

また不織布 bの空隙率が大きすぎる場合は粉体が漏れでる恐れがあることから、不織布 a よりも幾分小さめであることが望ましく、通常は 6 0〜 9 9 %, 好ましくは 7 0〜 9 8 %である。

不織布 bの厚さは、不織布 bの空隙率、および組成物粉体の保持量によっても異なるが通常は 0. l 〜 1 0 m m、好ましくは 0. 5 ~ 5 m mである。また坪量は、通常は 5〜 1 5 0 g Zm ² 、好ましくは 2 0〜 1 0 0 g m ² である。

本発明において、組成物粉体を保持した不織布 a、不雉布 bの檳層物は、圧縮機により圧縮され、シート状に加工される。

圧縮は組成物粉体を保持した不織布 a と不織布 bが重ね合わされた状態でプレス機、または加圧ロールを通すことにより行うことができる。

圧縮は、平面あるいは平ロールで行うこともできるが、圧縮で得られたシート状物が不蛾布 a, 不織布 bに剝がれたりすることがないよう、形状固定効果を上げるために圧縮面に突起状物、例えば、波状、亀甲状、リング状、水玉状、編目模様状などのエンボス面とすることが好ましい。

また圧縮の際、加熱して行うこともできる。加熱圧縮の場合には、湿潤加熱により形状固定がより一層確実に行われる利点がある。

圧縮の際の、温度、圧力条件としては、不織布 a、不織布 bの材質および組成物粉体の保持量などによって異なり、一概に特定はできない力例えばエンボス面を有する加熱ロールによる場合は、通常は常温〜 3 0 0で、線圧 0. 5〜 3 0 0 k g Z c m程度である。これによつて積層物が圧縮された状態で形状固定され、薄型のシート状となる。

シート状発熱体の厚さは、目的とする発熱性能、用途などによって選ばれるが、シート状としての特性を活用できるよう、なるべく薄くなるように設計され、通常は 6 m m以下、好ましくは 4 m m以下である。また、大きさについては，使用目的に応じて適宜の大きさに切断される。

シート状物への水、または無機電解質水溶液を含浸させる量は、発熱組成物の組成割合として設定された水、または水と無機電解質の合計量であり、これらは噴霧、またはロール添着などによって供給される。

このようにして得られたシート状発熱体は、その状態のまま、あるいは使用目的に応じた発熱特性が得られるように、通気孔が設けられたボリエチレンと不織布とのラミネートフィルム、または微細孔を有する通気性フィルムからなる袋などに収納し、さらに保存のため非通気性の袋に密封し，かいろや医療用の発熱袋として使用される。

そのほか、動植物の保温、食品の加熱保温、機械器具類の加熱保温などにも使用することができる。本発明において、不織布 aに組成物粉体を保持させる際、不繊布 a の空隙が大きい場合においても、粉体が不織布 aから脱落することを確実に防止するなどの目的で、不織布 aの下面に目の細かな不織布 c を重ね合わせることもできる。不織布 cの素材としては、例えばパルプ、綿、麻、レーヨン、などの繊維を主成分とするものであり、バルブ、綿、麻、レーヨンなどの不織布およびティシュペーパーなどの紙状物である。

不織布 cの坪量は、通常は 5〜 1 5 0 g/m ² 、好ましくは 1 0〜： L O O g Z m ² である。

また、不織布 aの下面に不織布 c を重ね合わせる際に、不織布 aの下面に水を付着させてもよく、不織布 cの上面に付着させてもよく、また、両者に付着させて重ね合わせることもできる。このように不織布 a と不織布 c とを湿らせた状態で重ね合わせることにより、添れによる付着力で両者が密接して重ね合わされ、接着剤を必要としない大きな利点がある。

不織布に付着させる水の量は、通常は 1 0〜 2 0 0 g m ^: 、好ましくは 2 0 〜 1 5 0 ノ 01 ² でぁる。

このように不織布 a と不織布 c とを湿らせた状態で重ね合わせることにより、濡れによる付着力で両者が密接して重ね合わされ、接着剤を用いずにシート状物成形ができる大きな利点がある。

また本発明において、不織布 aの上面に不織布 b を重ね合わせる際、不織布 b の下面に水を付着させたのち重ね合わせることもできる。不織布 b に水を付着させる方法は、水の噴霧またはロール付着などで行うことができ，その付着させる量は、通常は 1 5 ~ 3 0 0 ζ / m : 、好ましくは 3 0〜 2 0 0 g Zm ^: であるまた、不織布 b に水を付着させることに代えて不織布 aの上面、または不織布 a と不織布 bの両者に付着させることもできる。不織布 aの上面に水を付着させる場合は、付着させる方法によっては組成物粉体の一部が飛散するおそれがあることから不織布 b に付着させる方法が好ましい。

このように水を付着させて不撖布 a と不織布 bを重ね合わせた場合は、潔れによる付着力で不織布同士が密接して重なり、発熱組成物粉体原料を粉こぼれなしに保持できるだけでなく、圧縮機への導入がスムーズに行われるほか. 加熱圧縮を行う場合には、湿潤加熱効果により形状固定がより確実に行われる大きな利点を有する。

本発明において、不織布 a、不織布 b からなるシート状物、不織布 a、不織布 c , 不織布 bからなるシート状物は水の付着力、および圧縮による付着力で重ね合わされたシー卜状物である。

またこれらのシ一卜状発熱体を複数重ね合わせることにより、シー卜状発熱体が複数層重ね合わされたものとすることもできる。さらに、シート状物の製造ェ程中で不織布不織布 aノ不織布 bノ不織布 a /不織布 b のように積層し、あるいは不織布 cノ不織布 aノ不織布 a /不織布 aノ不織布 bのように積層し、主として不織布 a部分に組成物粉体を保持させた物とすることもできる。

このように複数層重ね合わせることにより、任意の厚さの発熱体とする事ができる。これらは、複数の不織布が水の付着力、または水の付着力と圧縮の付着力で重ね合わされたものであるとともに、少なくともその一層に発熱組成物粉体が保持された発熱体であって、強固な三次元網状構造を有しないことから，柔軟性を保持しうる点で優れた発熱体である。好適な実施例次に本発明を図面によって例示し、さらに具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。

図 1 は本発明で得られたシ一ト状発熱体 1 の断面図である。

図 2 は第 1 図とは態様の異なるシート状発熱体 1 ' の断面図である。 2 は不織布 a、 3 は不織布 b を示す。 4 は不織布 a ( 2 ) に保持されている発熱組成物、 5 は不織布 b ( 3 ) に保持されている発熱組成物を示す。 6 は不織布 c を示す。図 3 は本発明の実施する場合の工程の例 1 を示すものである。図 3中の 7 は本発明で用いられる不織布 a ( 2 ) のロール、 8 は不織布 b ( 3 ) のロールである。不織布 a ( 2 ) は水噴霧部 9 にて下面に水が付着され、ロール部 1 0 を経たのち、粉体充塡部 1 1 にて組成物粉体が散布されるとともに、振動が与えられて、不織布 a ( 2 ) の空隙中に発熱組成物が保持される。

次に、不織布 b ( 3 ) はロール部 1 3 で重ね合わされ、さらに圧縯部 1 4 で加熱圧縮され、切断部 1 5 にて所望の大きさに切断され、塩水散布部 1 6 にて無機電解質水溶液が散布されて、シート状発熱体 1 となる。

図 4、図 5 には、本発明において不織布 a ( 2 ) の下面に不織布 c ( 6 ) を重ね合わせて実施する場合についての工程の例 2、例 3 を示した。

このようにして得られたシート状発熱体は、使用目的に応じて、通気性を調整した袋に入れ、さらには非通気性の袋に密封するなどの方法を講じて、かいろや医療用具などとされる。

図 7 には、本発明によるシー卜状発熱体を応用した貼るタイプかいろの断面図の例を示した。 1 9は内袋、 2 0 は粘着剤層、 2 1 は剝離紙、 2 2 は外袋を示す実施例 1

図 3 に示す装置において、不織布として厚さ約 1. 9 m m. 坪量 5 7 g /m : 、空隙率 9 7. 9 %の木材パルプ製の不織布（ハビックス（株）製、 J ソフト）を 1 2. 3 tn /m i nの速度で送るとともに、不織布の下面に水を 3 5 gノ m ² の割合で均一に噴霧した。次に、鉄粉 9 0部、活性炭 8部、高分子保水剤 2部の混合物を 1 1 O O g / m ² の割合で不織布の上面から散布するとともに、不織布に上下振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次にこの不織布の上面に、厚さ 1. 1 m m、坪量 A O g Zm ² 、空隙率 9 7. 6 %の木材パルプ製不織布（本州製紙（株）製、キノクロス）を重ね合わせたのち、ロール面には縞模様状のェンボスが設けられており， 1 9 5で、線圧 4 0 k g c mにセットされたロール加熱圧縮機に通し、シート状とした。

次に、シート状物を、 8. 5 c m X 1 2. 5 c mの大きさに切断したこのようにしたのち > 食塩 8. 5部、水 9 1. 5部が混合された食塩水溶液を、 5 2 0 g Zm ² の割合で散布し、厚さ約 2 m mのシート状発熱体を得た。この発熱体は、柔軟で、しかも発熱組成物の脱落を生じなかった。この発熱体を片面が透湿度 3 5 0 g Z m ² da のボリプロピレン製微多孔膜とナイロン不織布の複合シート、片面がポリエチレンフィルムとナイロン不織布のラミネートフィルムで構成された偏平状の内袋に収納してシート状発熱袋とした。このものをさらに非通気性の外袋に密封し、保存した。

2 曰後に、シート状発熱袋を外袋から取り出して室温 2 0 °C、相対湿度 6 5 % の室内で、 J I S S — 4 1 0 0の発熱試験法に基づいて発熱性能の測定をおこなった。その結果、図 6 に示したような発熱性能が得られた。

すなわち、 8. 5分で 4 0 " を超え、 7 0分後には約 5 2 °Cに達した。そして 4 0て以上の発熱持続時間は約 1 0時間であった。

また、このシート状発熱袋を外袋から取り出し、人体に装着した場合には、約 1 2時間にわたり快適な温度を持続し、この間つねに柔軟なシート状が維持された。

実施例

図 4 に示す装置において、不織布として厚さ約 1. 9 m m, 坪量 5 7 g Zm ² 、空隙率 9 7. 9 %の木材パルプ製の不織布（ハビックス（株）製、 J ソフト）を 1 2. 3 m i nの速度で送るとともに、不織布の下面に水を 4 0 g Zm ^: の割合で均一に噴霧した。次に、坪量 3 0 g / m ^; のティシュぺ一パを不織布の下面に重ね合わせたのち、鉄粉 9 0部、活性炭 8部、高分子保水剤 2 部の混合物を 1 1 O O g /m ² の割合で不織布の上面から散布するとともに、不織布に上下振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次にこの不織布の上面に、厚さ 1. l m m、坪量 4 0 g Z m ² 、空隙率 9 7. 6 %の木材パルブ製不織布（本州製紙 (株）製、キノクロス）を、その下面に水を 6 0 g Zrn 2 の割合で付着させたのち重ね合わせた。

そのほかは実施例 1 と同様にしてシー卜状発熱体を得た。

この発熱体は、柔軟で、しかも発熱組成物の脱落を生じなかった。この発熱体を片面が透湿度 3 5 0 g / m ² da のポリプロピレン製微多孔膜フィルムとナイロン不織布の複合シート、片面がボリエチレンとナイロン不織布のラミネートフィルムで構成された偏平状の内袋に収納してシ一卜状発熱袋とした。このものをさらに非通気性の外袋に密封した。

2 日後に、シート状発熱袋を外袋から取り出して実施例 1 と同じ方法で発熱性能を測定した。その結果、 9分で 4 0 を超え、 6 5分後には 5 2 °Cに達した。そして 4 0 °C以上の発熱持続時間は約 1 1 時間であった。

実施例 3 図 5 に示す装置を用いて、不織布（ J ソフ卜 ) の下面に水を噴霧することにかえて，坪量 3 0 g / m ² のティシュぺ一パの上面に 3 0 s / m の水を噴霧して湿らせたのち、不織布（ J ソフト）の下面に重ね合わせたほかは、実施例 2 と同様にしてシート状発熱体を得た。

この発熱体は、柔軟で、しかも発熱組成物の脱落を生じなかった。

実施例 4

図 4 に示す装置において、不織布として厚さ約 1 . 2 m m. 坪量 4 0 g Z m ^:' の木材パルプ製の不織布（本州製紙（株）製、キノクロス）を 1 2. 3 m / m i n の速度で送るとともに、不撖布の下面に水を 4 0 g / m " の割合で均一に噴霧した。次に、坪量 2 7 g / m ² のテイシュぺ一パを不織布の下面に重ね合わせたのち、鉄粉 9 0部、活性炭 8部、高分子保水剤 2部の混合物を 1 4 3 O gノ m の割合で不織布の上面から散布するとともに. 不織布に上下振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次にこの不織布の上面に、厚さ約 1. 5 m m, 坪量 6 0 g / m - の木材パルプ製不織布（本州製紙（株）製、キノクロス）を、その下面に水を 6 0 g Z m ^:' の割合で付着させたのち重ね合わせ、ロール面には搽模様状のエンボスが設けられており、 2 0 0 °C、線圧 1 6 6 k gノ c mにセットされたロール加熱圧縮機に通し、シート状とした。

このシート状物の柔軟性の測定として、シート状物から幅 2 5 m m、長さ 8 8 m mの試験片を切り取り、 J I S L — 1 0 9 6 に規定するガーレ法、曲 '反 ¾ 力試験器を使用して、シ一ト状物の曲げ反発力を測定した。

また，シート状物に食塩 8. 5部、水 9 1. 5部が混合された食塩水を G 0 8 g / m ² の割合で散布したのち直ちに試験片を切り取り、曲げ反発力を測定した。その結果、食塩水散布前での曲げ反発力は 1 2 1 7 m g f 、また食塩水散布後の曲げ反発力は 1 4 5 0 m g f であった。

次に、食塩水の散布量を 6 0 8 gノ m ^: とした他は、実施例 1 と同様にしてシ一ト状発熱体を得た。

この発熱体は、柔軟で、しかも発熱組成物の脱落を生じなかった。この発熱体を片面が透湿度 3 5 0 g / m ² da のポリプロピレン製微多孔膜フィルムとナイ口ン不班布の複合シー卜、片面がボリエチレンとナイ口ン不織布のラミネ一トフイルム上にさらに粘着剤層および離型紙が重ねられた複合シートから構成された偏平状の内袋に収納してシー卜状発熱袋とした。このものをさらに非通気性の外袋に密封した。

2 日後に、シート状発熱袋を外袋から取り出して実施例 1 と同じ方法で発熱性能を測定した。その結果、 8分で 4 0 を超え、 6 5分後には 5 2 に達した。そして 4 0で以上の発熱持続時間は約 1 2時間であった。

比較例 1

図 4 に示す装置において、不織布として厚さ約 2. 5 m m. 坪量 3 8 g Z m ^: 空隙率約 9 8. 7 %のボリエステル 5 0 %、熱融着ボリエステル 5 0 %からなる不镟布（丸三産業（株）製、エステルメルティ）を 1 2. 3 mノ m i nの速度で送るとともに、不織布の下面に水を 4 0 g Z m ² の割合で均一に噴霧した次に、坪量 2 7 g Z m ² のティシュぺ一パを不織布の下面に重ね合わせたのち：鉄粉

9 0部活性炭 8部、髙分子保水剤 2部の混合物を 1 4 3 0 s Z m ^:' の割合で不織布の上面から散布するとともに、不織布に上下振動を与えて不織布の空隙中に保持させた。次にこの不織布の上面に、厚さ約 1. 5 m m. 坪量 6 0 g m ^: の木材パルブ製不織布（本州製紙（株）製、キノクロス）を、その下面に水を 6 0 g / m の割合で付着させたのち重ね合わせ、ロール面には縞模様状のェンホスが設けられており、 2 0 0 °C、線圧 1 6 6 k gノ c mにセットされた π—ル加圧縮機に通し、シ一卜状とした。

このシ一卜状物について、実施例 4 と同様にして柔軟性を測定した。その結、食塩水散布前での曲げ反発力は 2 6 4 7 m g f 、また食塩水散布後の曲げ反発力は 2 2 6 7 m g f であった。

次に、実施例 4 と同様にしてシート状発熱体を得た。

この発熱体は、発熱組成物の脱落を生じないが、実施例 4 のシート状発熱体にくらベて硬く柔軟性が低かった。

この発熱体を片面が透湿度 3 5 0 g / m ² day のポリプロピレン製微多孔膜フィルムとナイロン不織布の複合シート、片面がポリエチレンとナイ口ン不織布のラミネートフィルムで構成されさらに粘着剤層および雕型紙が重ねられた複合シ一卜から構成された偏平状の内袋に収納してシー卜状発熱袋とした。このものをさらに非通気性の外袋に密封した。

2 曰後に、このシート状発熱袋を外袋から取り出し、人体に装着した場合には、快速な温度を持続するとともに、シート状が維持されたが、常に硬く、違和感が感じられた。

Claims

請求の範囲

1. 複数の空隙を有し、下面に水が付着された第 1 の不織布と、この不織布の上面から散布され、不織布の内部の空隙内に保持された発熱組成物粉体と

、前記第 1 の不織布の上面に重ねられた第 2の不攆布と、を有し、さらにこれら不織布が型圧縮機で圧縮されてなるシート状物を備え、さらに、このシ一卜状物に、水または無機電解質水溶液を含浸させたシート状発熱体。

2. 第 1 の不織布と、この不織布の下面に重ねられた第 3 の不織布と、第 1 の不織布の上面に重ねられた第 2 の不織布と、第 1 の不織布の上面から不織布の空隙内に保持された発熱組成物粉体とを備え、第 1 の不織布の下面と第 3の不織布の上面とが水の付着力により付着され、さらに、第 1 の不織布の上面に、第 2 の不織布を重ね合わせ、型圧縮機で圧縮されて得られたシ一ト状物と、

このシー卜状物に含浸された水又は無機電解質水溶液とを備えるシ一卜状発熱体。

3. 複数の不織布が互いに水の付着力若しくは水の付着力と圧縮力で重ね合わされ、少なくと一つの不織布の空隙内に発熱組成物を保持されたことを特徴とするシート状発熱体。

4. 第 1 の不織布がパルプ、綿、麻、レーヨンから選ばれる繊維を主成分とし、空隙率が 6 0〜 9 9. 5 %. 厚さが 0. 5〜2 5 m m、坪量が 5〜 2 0 0 g /m ² である請求項 1 又は 2 のいずれか 1 項記載のシート状発熱体。

5. 第 2の不織布及び/又は第 3 の不織布が、パルプ、綿、麻、レーヨンから選ばれる繊維を主成分とし、坪量が 5〜 1 5 0 gノ m ² である請求項 1 又は 2 記載のシート状発熱体。

6. 発熱組成物粉体が鉄粉、活性炭または鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とし、空気中の酸素と接触して発熱するものの固体成分を含む請求項 2乃至 5 のいずれか 1 項記載のシー卜状発熱体。

7. 第 1 の不織布と第 2の不織布とを重ねるに際し、第 1 の不織布の上面およびノまたは第 2の不織布の下面に水を付着せしめた請求項 1 又は 2記載のシ一ト状発熱体。

8. 付着させる水の量が 1 0〜2 0 0 g /m ² である請求項 5記載のシー卜状発熱体。

9. 不織布の圧縮面に圧縮ロールのエンボス面によって構成された凹凸面を有する請求項 1 乃至 3のいずれか 1 項記載のシー卜状発熱体。

1 0. 複数の空隙を有する第 1 の不織布の下面に水を付着せしめたのち、上面に発熱組成物粉体を散布して空隙内に保持させ、次に前記第 1 の不織布の上面に第 2 の不織布を重ね合わせ、型圧縮機で圧縮してなるシート状物に、水または無機電解質水溶液を含浸させたことを特徴とするシート状発熱体の製造方法。

1 1. 複数の空隙を有する第 1 の不織布の下面およびノまたは第 3の不織布の上面に水を付着せしめ，第 1 の不織布の下面に第 3 の不織布を重ね合わせ、第 1 の不織布の上面から発熱組成物粉体を散布して前記空隙内に保持させ、次に第 1 の不織布の上面に、第 2の不織布を重ね合わせ、型圧縮機で圧縮してなるシ - 卜状物に、水または無機電解質水溶液を含浸させたことを特徴とするシー卜状発熱体の製造方法。

1 2. (第 1 の不織布及び第 2 の不織布）、又は、（第 1 乃至第 3の不織布 : の組み合わせからなる複数層の不織布が水の付着力若しくは水の付着力と圧縮力で重ね合わされ、少なくと一つの不織布の空隙内に発熱組成物を保持されたことを特徴とするシート状発熱体の製造方法。

1 3. 第 1 の不織布がパルプ、綿、麻、レーヨンから選ばれる繊維を主成分とし、空隙率が 6 0〜 9 9. 5 . 厚さが 0. 5〜 2 5 m m、坪量が 5〜 2 0 0 g / m ² である請求項 1 0乃至 1 2のいずれか 1 項記載のシート状発熱体の製造方法。

1 4. 第 2 の不織布、及び又は、第 3 の不織布が、パルプ、綿、麻、レ —ヨンから選ばれる繊維を主成分とし、坪量が 5〜 1 5 0 s / である請求項 1 0乃至 1 2 のいずれか 1 項のシート状発熱体の製造方法。

1 5. 発熱組成物粉体が鉄粉、活性炭または鉄粉、活性炭、無機電解質を主成分とし、空気中の酸素と接触して発熱するものの固体成分を含む請求項 1 0 乃至 1 2のいずれか 1 項記載のシート状発熱体の製造方法。

1 6. 第 1 の不織布と第 2 の不織布とを重ねるに際し、第 1 の不織布の上面および/または第 2 の不織布の下面に水を付着せしめた請求項 1 0乃至 1 2のいずれか一項記載のシー卜状発熱体の製造方法。

1 7. 第 1 の不織布の下面およびまたは第 2の不糠布の上面に付着させる水の量が 1 0〜 2 0 0 g Zm ² である請求項 1 6記載のシート状発熱体の製造方法。

1 8. 型圧縮機が少なくとも圧縮面の一面にエンボスを有するものである |»求項 1 0乃至 1 2記載のいずれか 1項記載のシート状発熱体の製造方法。

要約多数の空隙を有する不織布の下面に水を付着させた後、この不織布の上面に発熱組成物の粉体を散布保持させ、この不織布の上面に多数の空隙を有する他の不織布を重ね合わせ圧縮した後、水又は電解質水溶液を散布する。これにより、空気と接触することにより発熱する発熱組成物を用いた発熱体であって、発熱組成物の片寄りがなく、薄型で柔軟性を有し、しかも発熱特性が優れたシート状発熱体を提供する。