WO1998012535A1

WO1998012535A1 - Appareil de traitement d'echantillons biologiques par des liquides

Info

Publication number: WO1998012535A1
Application number: PCT/JP1997/003301
Authority: WO
Inventors: Tomio Takahashi; Mamoru Wakabayashi; Hiroe Tateya; Norihisa Ishizaka
Original assignee: Kabushiki Kaisha Tiyoda Seisakusho; Sakura Finetechnical Co.,Ltd.
Priority date: 1996-09-18
Filing date: 1997-09-18
Publication date: 1998-03-26
Also published as: EP0884577A1; EP0884577B1; KR19990067484A; US6080363A; BG102552A; ATE317112T1; AU4318697A; EP0884577A4; DE69735211D1; DE69735211T2; CA2237955A1

Description

明細書生体試料の液処理装置技術分野

本発明は、病医院や各種研究所において組織片或いは細胞のような生賊料 (以下、試料と呼ぶ）を顕観察ゃ包埋処理のために液処理する装置に係り、特に、染色処理する装置に関する。

背景技術

病医院において、患部から切除した試料を顕^^によりし、病気の診断をすることが広く行われている。このような顕微鏡観察による病気の診断を容易に行えるようにするため、スライドガラスに貼着した試料を染色すること力〈行われており、この染色^!を自動的に行なう自動染色装置も種々提供されている。また、生料を鶴等の前処理の目的でパラフィンゃ樹脂中に包埋する包體置もよく知られている。

図 2 4は、自動染色装置の一例として、日本国実開平 5— 6 6 5 4 3号公報に記載されたものを示している。キャビネット 1の上部に水平方向に設けた基板の上面には、染色処理に必要な各種薬液または洗浄用の水を 1ΐ¾した、上方が開口した多数の貯液容器 2を、整列させた状態で載置している。貯液容器 2の上方には、基板の左^向（図 2 4の a方向）に水平移動自在な移動梁 3と、この移動梁 3に沿う移動を自在とすることにより、基板の前後方向（図 2 4の b方向）に水平移動自在な移動柱 4と、この移動柱 4に沿って昇降自在な吊下腕 5とからなる 3次元 |g動装置力《設けられている。この吊下腕 5には、顕¾ ^標本とすべき試料を貼着したスライドガラスを複 ¾¾¾収納自在な染色籠を係脱自在である。そして、吊下腕 5に染色籠を吊り下げた状態でこの吊下腕 5を下降させることにより、この染色籠に収納した上記複¾¾¾のスライドガラスを、上記各貯液容器 2内に貯留した薬液または洗净水に浸漬させる。

上述したような公知の自動染色装置を用いて試料の染色処理を行なう場合、まず、染色すべき試料を貼着したスライドガラスを 1乃至複^:収納した染色籠を、吊下腕 5に係合させる。なお、周知のように、染色籠に収納した状態で各スライドガラスは鉛直方向に向く。染色籠を吊下腕 5に係合させたならば、次いで、上記 3次元駆動装置を駆動する。そして、この 3次元駆動装置を構成する移動梁 3 及び移動柱 4、並びに吊下腕 5力図示しない制御器からの信号に基づいて移動し、上記染色籠を、所定の順番に従って所定の時間ずっ貯液容器 2内の薬液または洗浄水に浸漬する。このような作業を所定回数繰り返すことにより、試料を染色する。なお、図 2 4に示した例は、上記各貯液容器 2内に δί¾された薬液のうち、使用頻度の高い薬液を自動的に入れ替えるべく、前記キャビネット 1内の下部に入れ替え用の薬液を貯留したタンク 6を収納する構造を示している。ただし、このようなタンク 6は、必ずしも必要ではない。このようなタンク 6を収納するキャビネット 1を必要としない顕纖標本の自動染色装置の場合には、次述する日本国特公平 6— 1 0 0 5 2 2号公報に記載された顕 «標本の自動染色装置のように、机の上に置ける程度の高さ寸法に構成できる。

更に、上述したような顕微鏡標本の自動染色装置を用いて、複数の染色籠を並行して処理し、より多くの試料を効率良く染色する、多重染色処理も、例えば日本国特公平 6—1 0 0 5 2 2号公報に記載されているように、従来から知られている。即ち、試料を貼着したスライドガラスを収納した染色籠は、所定の時間薬液内に浸漬しておくが、この浸漬中、吊下腕 5がこの染色籠との係合を外し、別の染色籠と係合してこの別の染色籠を所定の貯液容器 2内に入れる。そして、同じく吊下腕 5との係合を外し、この別の染色籠を所定時間だけ薬液に浸漬する。これらの作業を、複数の染色籠について並行して行ない、所定時間の浸漬を終えた染色籠があれば、吊下腕 5がこの染色籠と係合し、次の貯液容器 2に運ぶ。このような動作を繰り返すことにより、複数の染色籠を並行して処理できるため、前述した通常の処理に比べ、より多くの試料を短時間の内に染色できる。このような多重染色処理は、上記制御器に予め処理手順を記憶させることにより可能であ。

—方、液処¾¾置としての包 ¾ ^置も、上述の自動染色装置と同じように、包埋処理用薬液や包埋液を収容した多数の貯液容器を有し、これらの貯液容器内の液に試料が順?欠浸漬されて処理されるようになつており、その処理の原理は自動染色装置の場合と同じである。

上述のように構成され作用する従来から知られている生体試料の液処¾¾置の場合、多数の貯液容器を平面的に並べているため、設置 ®¾が嵩む。このように設置面積力《嵩むことは、狭い検査室等に設置する上で好ましくない。

本発明は、このような事情に鑑みて、設置面積を/ j、さくして、狭い検査室への設置が容易な生料の液処理装置を提供することを目的とする。

発明の開示

上記目的を達成するために、本発明の生体試料の液処理装置は、キャビネットと、キャビネッ卜に設けた水平な下板と、キャビネット内に設けら:^ 前記下板の上方に間隔をおいて水平に位置する上板と、下に載置された複数の貯液容器と、上板上に載置された複数の貯液容器と、生体試料を収納自在な液処理用籠と、この籠を支持して、上下方向及び前B_L板及ひ板に沿う水平方向に移動自在な吊下腕を有する駆動装置と、前 E±板の一部に、前記吊下腕及び籠が通過可能な寸法で、上板の上下を連通させるように形成された通路と、前記籠を所定の順序で所定の時間ずつ前記貯液容器内に進入させることにより前記試料を貯液容器内の液体に浸漬するために、前言 2±¾¾び下板に沿って、かつ前記通路内を上下方向に前記籠を移動させるように前記駆動装置を駆動する制御手段とを備える。液処理装置には、前記キャビネッ卜の前面を、貯液容器を取り出し可能に開放する開口と、この開口を開放自在に塞ぐ蓋体とをさらに設けることができる。前記蓋体は、それがキャビネットの前記開口を塞ぐ位置においても、キャビネット内の貯液容器の一部の取り出し及びキャビネッ卜内への貯液容器の挿入力く可能な隙間開口を形成する寸法に形成することができる。また、前記制御装置は、所定の 11酵で行なう液処理の最初に籠力在る位置、及び液処理の最後に籠が在る位置をそれぞれ複数個所ずつ設定可能とするの力好まい、。

液処理装置には、前記キャビネッ卜の前面を貯液容器を取り出し可能に開放する開口と、この開口を開放自在に塞ぐ蓋体と、キャビネッ卜の開口の上端縁に一端が取り付けられた蝶番と、この蝶番の他端に取り付けられ、蓋体の高さ方向に延びる滑動部を有するサポート金具とを備え、前記蓋体はサボ一ト金具の滑動部に沿って移動可能に当該滑動部に支持され、これによつてキャビネット前面から蓋体を前記蝶番の周りに 9 0度上方へ回動させた時に、蓋体はキャビネッ卜の天井に沿つて奥側へ滑動変位可能となるようにすることができる。

また、 ^理装置は、前記下板の上部空間内でキャビネッ卜の横幅方向に延びる洗浄液供給マ二ホールドと、このマ二ホールドに沿って配列され、前方に向かつて開口する洗浄液吐出口を有する接続部と、これらの接続部に基端で着脱自在に接続されるノズルと、前記接続部のうちのノズルを接続されないものを着脱自在に塞ぐフラグと、を有し、前記貯液容器は洗浄液容器を含み、洗浄液容器は、それ力 <前記下に載置された時に前記ノズルが液密に挿通される揷入孔を有するように構成できる。

また、液処理装置は、前記吊下腕に不動に支持され、前記液処理用籠を吊下げる 7グプタをさらに備えることができる。ァダプタは複数の液処理用籠を並べて吊下げ得る寸法を有するのカましい。図面の簡単な説明

図 1は本発明の生体試料の液処置の形態を示す斜視図である。

図 2は図 1の置に用 L、る染色籠の斜視図である。

図 3は図 1の形態の前面に蓋体を設けた形態の斜視図である。

図 4は図 3において蓋体を開いた状態を示す斜視図である。

図 5は図 3に示す液処理装置の商業的形態を示す正面図である。

図 6は図 5の商業的形態において蓋体を開いた状態を示す正面図である。図 7は図 5の VI卜 VI！線断面図である。

図 8は液処理装置の前面の他形式の蓋体とそれを支持するサポート金具の関係を示す斜視図である。

図 9は、図 8の - Π線拡大断面図。

図 1 0は図 8にお、て蓋体を閉じた状態を示す略側面図である。

図 1 1は蓋体を少し開いた状態を示す略側面図である。

図 1 2は蓋体を一杯に開いた状態を示す略側面図である。

図 1 3は蓋体をキャビネット上に移動させた状態を示す略側面図である。図 1 4は図 1の] UV -XI V線断面図である。

図 1 5は図 1 4に示す給水マ二ホールドにノズルまたはフラグを装着する部分の説明斜視図である。

図 1 6はノズルのみを示す一部断面図である。

図 1 7は給水マ二ホールドの正面図である。

図 1 8は図 1 4の ΠΗ ί — XV1 I 1 線断面図である。

図 1 9は複数の染色籠を支持できるァダプタを示す斜視図である。

図 2 0は図 1 9の Π- XX線拡大断面図である。

図 2 1はアダプタ端部を吊下腕の鉤部に係止する構成を示す斜視図である。図 2 2は図 2 1の ΠΗ矢視図である。図 2 3はアダプタ端部と吊下腕の鉤部との係止構造の別の形態を示す斜視図であ

図 2 4は従来の染&¾置を例示する斜視図である。

発明を H¾するための最良の形態

図 1及び図 2は、本発明のの形態の一例を示している。キャビネット 7は、生体試料液処理装置の一例としての顕標本自動染色装置の骨組をなすフレームの上面、左右両側面、並びに背面をパネルにより覆うと共に、下面を下板 8で塞ぐことにより、前面のみが開口した体状に形成されている。また、キヤビネット 7の上下方向中間部分には上板 9が、上記下板 8と平行に固定されている。そして、これら下板 8及び上板 9の上面に、貯液容器である、複数の水洗容器 1 0と薬液容器 1 1とカ儎置されている。図示の形態では上板 9上には薬液容器 1 1のみが、また下板 8上には薬液容器 1 1及び水洗容器 1 0力載置されている。これら水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1は、それらの前面彻 jに取手を設け下板 8及び上板 9上から手前側へ弓 Iき出して取り出すようにすることができる。また、下板 8及び上板 9上へのこれら容器 1 0 , 1 1の載置も取手を把持して押し込むことにより行なうことができる。

水洗容器 1 0の下部内側には、洗浄水を供給するためのノズル 1 2が挿入される。このために、水洗容器 1 0の壁面でノズル 1 2と整合する部分には、揷入孔 (図示省略）を設けられている。水洗容器 1 0を上記下板 8上に載置する際には、ノズル 1 2を、上記挿入孔を通じて水洗容器 1 0の下部内側に挿入する。このように挿入した状態でノズル 1 2の基端部外周面と上記挿入孔の内周縁との間には、例えばこの挿入孔の内周縁部に係止した 0リングが設けられて水密状態を^する。なお、ノズル 1 2の側面には、このノズル 1 2の長さ方向にわたって多数のノズル孑 L 1 2 aを形成している。水洗容器 1 0内に液処理籠としての染色籠 1 3

(図 2参照）を進入させた状態でこのノズル孔からは、水洗容器 1 0の下部内面に向けて水を噴出し、この水洗容器 1 0内に水流を惹起させる。これに対して、上記各薬液容器 1 1には、染色籠 1 3に収納したスライドガラスに貼着した試料を染色処理するために必要な薬液を 8ί¾している。

なお、図示の例では、上記ノズル 1 2は、下板 8の上面奥端部に水平方向に配設し、水道等の給水設備に通じさせた給水マ二ホールド 1 6の前面に、袋ナツト 1 7により、着脱自在に設けている。即ち、上言己給水マ二ホールド 1 6の前面には、複数（図示の例では 5個所）の吐出口を設け、各吐出口にノズル 1 2の基端を着脱自在としている。また、ノズル 1 2を装着しない吐出口は、底部を塞がれた袋ナツト状のフラグ 1 8により塞ぎ、当該吐出口の前方に、薬液容器 1 1を載置できるようにしている。ノズル 1 2から水洗容器 1 0内に噴出した水は水洗容器 1 0を満たし、この水洗容器 1 0から溢れ出した水は、下板 8の上面に流れ出し、図示しない排水管を通じて、排水設備に排出される。

本形態に使用する^；理籠としての染色籠 1 3は、図 2に示すように、スライドガラスを収納自在な収納部 1 4と、この収納部 1 4の上部にその基端部を枢支した把手部 1 5とからなる。周知のように上記収納部 1 4は、のスラィドガラスを、それぞれ鉛直方向に立て、隣り合うスライドガラス同士の間に隙間を介在させた状態で収納自在である。また、この収納部 1 4は、スライドガラスを支持できるだけの枠状構造で、液体を貯留した貯液容器中に進入させることにより、したスライドガラスをこの液体に浸漬自在である。更に、上記把手部 1 5は、上記収納部 1 4の外側面上端部にその基端部を枢支した揺動腕部 1 9， 1 9と、これら両揺動腕部 1 9 , 1 9同士の間に掛け渡した係止ビーム 2 0とからなる。この係止ビーム 2 0の両端部は、それぞれ上記収納部 1 4の長さ方向両端面から突出している。また、この係止ビーム 2 0の両端部 Τ®には、それぞれ係止^ 2 1を形成している。

上述のような染色籠 1 3の収納部 1 4にスライドガラスを出し入れする際には、上記揺動腕部 1 9 , 1 9をその基端部を中心に揺動させることにより、上記係止ビーム 2 0を上記収納部 1 4の上端開口部から側方に退避させる。これに対して、上記収納部 1 4に試料を貼着したスライドガラスを収納し、この試料の染色処理を行なう際には、図 2に示すように、上記係止ビーム 2 0を上記収納部 1 4の上端開口の上方に位置させる。

前記キヤビネット 7内には、染色籠 1 3をこのキヤビネット 7内で、上下左右方向に移動させるための駆動装置 2 2が設けられている。本 ^形態の場合には、この駆動装置 2 2は、キヤビネット 7の奥端部に、このキャビネット 7の左右方向にわたり配置したガイドレール 3 0に沿って水平移動自在な移動柱 2 3と、この移動柱 2 3に沿つて昇降自在な吊下腕 2 4とからなる。これら移動柱 2 3を水平移動させる機構、並びに吊下腕 2 4を昇降させる,は、従来から周知の各種を採用できる。例えば、リニアモータ、或いは駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡したケーブルの中間部を移動柱 2 3或いは吊下腕 2 4に係合するケーブル駆動■等を採用できる。特に、ケーブル駆動漏は、機を、薬液容器 1 1から発生した薬液蒸気に曝されない部分に設置できるため、好ましく使用できる。何れにしても上記駆動装置 2 2は、移動柱 2 3と吊下腕 2 4との一方または双方を移動させることにより染色籠 1 3を、所定の順番に従って所定の時間ずつ、下板 8及び上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1、 7j洗容器 1 0内に進入させる。そして、これら容器 1 1 , 1 0内に if¾した薬液或いは洗浄水に染色籠 1 3に収納したスライドガラスに貼着した試料が浸潰され、この試料が染色される。以上に述べた所定順序での浸漬プロセスは制御装置 3 4の前面パネルの操作により任意に設定することができる。

吊下腕 2 4の前後両端部には、それぞれ染色籠 1 3の係止ビーム 2 0の両端部を係止自在な鈞部 2 5 , 2 5を設けている。このような吊下腕 2 4により染色籠 1 3を吊り上げる際には、この吊下腕 2 4を上記係止ビーム 2 0の下側にまで移動させた状態で、鉤部 2 5, 2 5をこの係止ビーム 2 0の両端部で係止^ 2 1， 2 1によりも外側寄り部分に進入させる。次いで、吊下腕 2 4を上昇させれば、染色籠 1 3を吊り上げることができる。この吊下腕 2 4から染色籠 1 3を外す場合の動作は、これと逆に行なう。

このように、下板 8及び上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1及び水洗容器 1 0内に染色籠 1 3を進入させるベく、下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1の上端部と上板 9の ®との間には、下側移動空間 2 6を設けている。この下側移動空間 2 6の高さ寸法 H₂₆は、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4を、この染色籠 1 3の下端部を容器 1 0, 1 1の上端部に衝突させることなく左右方向に移動自在なだけの大きさを有する。また、上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1と、キヤビネット 7の上面を tt Uる天板 2 7の T®との間には、上側移動空間 2 8を設けている。この上側移動空間 2 8の高さ寸法 H₂₈も、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4を、この吊下腕 1 3の下端部を容器 1 0， 1 1の上端部に衝突させることなく左^向に移動自在なだけの大きさを有する。さらに、上板 9の左向中央部には、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4を、この染色籠 1 3ごと上下方向にわたって通過自在な、例えば矩形の通路 2 9を設けている。

上述のように構成される、本発明の顕德標本の液処理装置を用いて、染色籠 1 3に収納した複のスライドガラスに貼着した試料を染色するには、まず、スライドガラスを収納した染色籠 1 3を、吊下腕 2 4に係合させる。この係合作業は、例えば何れかの水洗容器 1 0内に染色籠 1 3を挿入した状態で吊下腕 2 4 をこの染色籠 1 3の上方に移動させた後行なう。次いで、駆動装置を構成する前記移動柱 2 3と吊下腕 2 4とを適宜駆動して染色籠 1 3を、所定の順番に従って所定の時間ずつ薬液容器 1 1内の薬液または水洗容器 1 0内の洗浄水に浸漬する。このような作業を所定回数繰り返すことにより、試料を染色する。

即ち、吊下腕 2 4は、下側移動空間 2 6または上側移動空間 2 8を左右方向に移動しつつ、所定の水洗容器 1 0または薬液容器 1 1の上方で昇降することにより染色籠 1 3を、下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0または薬液容器 1 1、或いは上板 9の上面に載置した容器 1 1内の薬液に浸潰する。このようにして行なう染色工程の進行に伴って染色籠 1 3を、上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1内の薬液から下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0内の洗浄水または薬液容器 1 1内の薬液に、或いは下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0内の洗浄水または薬液容器 1 1内の薬液から上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1内の薬液に、それぞれ移し替える必要が生じる。この際に吊下腕 2 4は、染色籠 1 3を吊下げたまま、上板 9の左向中央部に設けた前記通路 2 9を通過して、上記下側移動空間 2 6と上側移動空間 2 8との間を行き来する。

複数の染色籠 1 3を使用して、同種の、または異なる種類の染色方法を同 Β¾1 行させる際には、何れかの染色籠 1 3を何れかの水洗容器 1 0または薬液容器 1 1に進入させた状態で、当該染色籠 1 3から吊下腕 2 4を外し、吊下腕 2 4によって他の染色籠 1 3の移動を行なわせる。この際、吊下腕 2 4を染色籠 1 3から外すのに 5feiつて、この吊下腕 2 4を細かく昇降させ、染色籠を洗浄水または薬液中で振動させて、当該染色籠 1 3に収納したスライドガラスに貼着した試料と洗浄水または薬液とを馴染ませる。なお、染色籠 1 3は薬液容器 1 1及び水洗容器 1 0にランダムにアクセス可能に制御装置 3 4を構成することができる。図示の形態では、上板 9をキャビネット 7の骨組をなすフレームに対して固定し、下側移動空間 2 6と上側移動空間 2 8との双方の高さ寸法 H₂₆、 H₂₈を、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4を、この染色籠 1 3の下端部を容器 1 0 , 1 1の上端部に衝突させることなく左^^向に移動自在なだけの大きさとしている。これに対して、上言 2±板 9を上記フレームに対し、水平状態のまま昇降自在に支持することもできる。そして、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4力 <通路 2 9を通じて上板 9の上方に移動した状態でこの上板 9を下降させて、上側移動空間 2 8の高さ寸法を増大する（この状態で下側移動空間 2 6の高さ寸法は小さくなる）ように構成すれば、顕■標本の自動染色装置全体の高さ寸法を小さくできる。

また、水洗容器 1 0、薬液容器 1 1等の貯液容器を、上下 3段に配置することもできる。即ち、上板 9と下板 8との間に、上板 9と同様の通路 2 9を有する、少なくとも 1枚の中間板（図示せず）を設け、この中間板の上面にも複数の薬液容器 1 1を載置する。この場合に、下側移動空間 2 6は下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1の上端部と上記中間板の T®との間に設ける _c また、上記中間板の上面に載置した薬液容器 1 1の上端部と上言 5±板 9の ®との間に、染色籠 1 3を吊した上記吊下腕 2 4を左右方向に移動自在な中間移動空間を設ける。

また、上記構造で、中間板をフレームに対し、水平状態のまま昇降自在に支持して、染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4力通路 2 9を通じ上記中間板の上方に移動した状態でこの中間板を下降させ、中間移動空間の高さ寸法を増大させるように構成すれば、顕微鏡標本の自動染色装置全体の寸法を小さくできる。さらに、このような構造で、上 H±板 9も昇降自在にすれば、顕微鏡標本の自動染色装置の高さ寸法をより小さくできる。

上述した何れの構造の場合も、上板 9及び中間板に設ける通路 2 9は、これら上板 9及び中間板の左右方向中央部でなく、端部に形成しても良い。特に、この通路 2 9を下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0の上方に設ければ、上記染色籠 1 3を吊した吊下腕 2 4がこの通路 2 9を通じて上下方向に移動する際に、上記染色籠 1 3及びこの染色籠 1 3内に収納したスライドガラスに付着した薬液力《垂れても、この垂れた薬液は下方に存在する水洗容器 1 0内に入るのみで他の薬液容器 1 1内には入り込まず、他の薬液を劣ィ匕せずに済む。水洗容器 1 0内の洗浄水は、前記ノズル 1 2からの新たな洗净水の噴出により常に入れ替わるので、微量の薬液の滴下は殆ど問題にならない。また、水洗容器の代わりに空容器を置き、この空容器により ¾¾れを受けることも可能である。

また、自動染色装置内に移動柱 2 3及び吊下腕 2 4を複数組設け、これら各移動柱 2 3及び吊下腕 2 4を上記各移動空間の左右方向の中間の右側半部と左側判部でそれぞれ移動させても良い。このように構成すれば、複数の染色籠の同時処理を、無理なく円滑に行なえる。

以上に述べた顕微鏡標本の液処理装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、多数の貯液容器を使用するにも拘らず、広い設置翻を要しないため、狭い検査室への設置力〈可能になる。この結果、従来は難しかった、小規模の病医院や研究所への設置力可能になる。

従来のように式にした液処理装置では、多数の容器を並べる場合、装置の横幅方向の寸法を押さえるためには容器を奥行き方向に複数配列しなげばならない。このようにすると、スライドガラス籠の駆動装置は、上下、左右、前後の三次元方向に移動可能でなければならない。しかるに、本発明のように構成すると、容器の数を増やすことができるという効果に加えて、スライドガラス籠の駆動装置は、上下、左右の二次元方向の移動力《可能であればよく、駆動装置が簡単になる。なお、スライドガラス籠の Efj装置の吊下腕力 <通常停止する待機位置が上下方向の通路を通る垂直面内にあるようにすると、吊下腕が容器の出し入れの際の邪魔になることがなく、容器出し入れのために吊下腕を手で動かす必要がなくなる。

前述の様な染色の為に必要とする種々の機構を組み込んだ前記キヤビネッ卜 7 の前方開口は、図 3および図 4に示す様に、蓋体 3 1により開閉自在とすることができる。この蓋体 3 1は、半透明のァクリル樹脂板等により造られたもので、左右 1対の腕片 3 2、 3 2により、キャビネット 7の上部に摇動自在に支持されている。そして、この蓋体 3 1を下降させた状態では、図 3に示すようにキヤビネット 7の前方開口のうち、下端部を除く部分を塞ぐ。また、蓋体 3 1を下降させた状態でもこの蓋体 3 1の下側には、前記下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1を出し入れ自在な隙間開口 3 3が残る。従って、図 3に示す様に蓋体 3 1を下降させた状態でも、下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1は、入れ替え自在である。一方、図 4に示す様に蓋体 3 1を上昇させた状態では、下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1だけでなく、上板 9の上面に載置した薬液容器 1 1も入れ替え自在である。なお、必要であれば、隙間開口 3 3も、蓋体 3 1と別の蓋体により開閉自在としても良い。このように容器 1 0、 1 1の入れ替えのためには既に述べたように容器の前部に取手を設けておくのが望ましい。このようにすることによって、容器 1 0、 1 1 の上部に取手を設けてなくもよくなり、容器配列ピッチを狭くすることが可能となる。

この顕標本の液処理装置の場合には、下板 8の上面に載置した水洗容器 1 0及び薬液容器 1 1のうちから、所定の順番に行なう染色処理行程の最初に染色籠 1 3を入れる貯液容器、並びにこの染色処理行程の最後に染色籠 1 3を入れる貯液容器を、それぞれ複数個所に設定可能としている。この設定作業は、キヤビネット 7の前面に設けた制御パネル 3 4に設けたスィッチ、キー等（図示省略）を操作する事により行なう。

図 3及び図 4に示す実施形態では、図 1について説明したように染色処理を完了した染色籠 1 3は、染色処理行程の最後に染色籠 1 3が占める位置に置かれた貯液容器内に挿入される。そこで、この染色処理を完了した染色籠 1 3を入れた貯液容器を、前記隙間開口 3 3から取り出す。特に、この液処理装置の場合には、所定の順番に行なう液処理行程の最初に籠 1 3が存在する位置、並びにこの液処理行程の最後に籠 1 3が存在する位置を、下板 8の上面に載置された複数の水洗容器 1 0と薬液容器 1 1のうちから、それぞれ複数個所ずつ、任意に設定可能である。この為、複数の籠 1 3に収納したスライドガラスに貼着した試料の液処理を並行して行なう作業が容易になる。即ち、先に処理する籠 1 3を別位置に移動させた吊下腕 2 4力再び戻ってくる前に作業者力次に処理する籠 1 3を設置したり、液処理の終了時に、先に液処理を終了した籠 1 3を、後から液処理を終了する籠 1 3力 <送られてくる前に取り出す必要もなくなる。

図 5から図 7は図 3及び図 4に示す液処理装置の商業的形態を示す。図 5に示すように、キャビネット 7の前面開口は蓋体 3 1により開閉自在に覆われている。蓋体 3 1を開放して天井 2 7上に載置した図 6の状態では、上板 9上にその通路 2 9の位置を除いて薬液容器 1 1力 <載置されている。図 7の断面図に示されるように、この商業的形態では、蓋体 3 1の下方の隙間開口 3 3は、常時は下部扉 3 1 aによって閉じられており、容器 1 0 , 1 1の取り出し時にのみ下部扉 3 1 aはヒンジ 3 5を中心にして手前側へ回動によって開放される。この下部扉 3 1 aには液処理装置の意匠的外観を向上させる。この商業的形態では容器 1 0 , 1 1の前面に取手 1 0 a , 1 1 a力く設けられており、これにより容器 1 0 , 1 1 の出し入れが容易になる。

図 3及び図 4に示す上開き式蓋体 3 1は、キャビネット 7の上方に蓋体 3 1の高さに相当する空間があることが必要であり、キャビネット 7前方にも十分な空間を必要とする力、ら、液処理装置を設置するのに立体的に広ヽ場所力必要である。従って、設置場所の制限を受ける。一方、両開き式のドアの場合には、キャビネッ卜の前方及び側方にドアが回動し得るだけの場所力必要であり、同様に広い設置空間が必要である。

図 8から図 1 3はこのような問題を解決することのできる形態を示している。図 8において、符号 3 6はサポート金具であって、このサポート金具 3 6は金属等の弾性材の帯からなる板蝶番 3 7によりキャビネット 7の開口上部の天板 2 7の裏側に取付けられている。この板蝶番 3 7は、キャビネッ卜の天板 2 7の裏面に取付けられる第一座部 3 7 aと、サポー卜金具 3 6の座部 3 6 aに溶接等により取付けられる第二座部 3 7 cとの間を、下方への湾曲部 3 7 bで連結した形状のものである。湾曲部 3 7 bは弾性するヒンジとして機能する。サポート金具 3 6は、キャビネットの天板 2 7の内側即ち下側に取付けられるから、表から見えず、キャビネッ卜の美観を害なうのを避けられる。

サポート金具 3 6の座部 3 6 aと蓋体 3 9の下部側板 3 9 bの内面（上面）とは、金属の可撓テープをゼンマイ状に巻いて巻取り方向の弾力を作用させた等荷重スプリング 4 0で連結している。このスプリング 4 0は、弾力力 <変化するけれどもコイルスプリングとすることもできる。サポート金具 3 6の上下方向の滑動部 3 6 bには、蓋体の側板 3 9 aの内側に固定したレール 4 1 (図 9 ) と摺動するガイド 4 3を取付ける。滑動部 3 6 bの下端から後方へ延びる腕部 3 6 cとキャビネット 7との間には、内蔵したガス圧により腕部 3 6 cを押上げるガスダンパ 4 6が介装されている。 4 7は腕部 3 6 cの上側に当接するストツバで、キヤビネット 7の側壁の内側に取り付けられ、蓋体 3 9を閉じるときに、腕部 3 6 c と当接して蓋体 3 9を所定位置へ停止させる作用をする。このストツバとしては、耐摩耗性の材料のブロックでもよいが、ーラの使用が適当である。蓋体 3 9が軽く、ガスダンバ 4 6の押力が小さいときは、使用上問題がないので、このストツバはなくてもよい。板蝶番 3 7、サボ一卜金具 3 6、等荷重スプリング 4 0、ガスダンバ 4 6等の組は、蓋体 3 9の両側に設けられる。尤も蓋体 3 9力《軽く、剛性も十分あるときは、片側のみに設けてもよい。

以上の構成により蓋体 3 9はキヤビネッ卜 7の前面開口部に取付けられるが、その開閉操作は次の通りである。

蓋体 3 9がキヤビネッ卜 7の開口を閉じているとき、サポート金具 3 6等は図 8及び図 1 0の状態になっており、ガスダンバ 4 6はサポート金具の腕部 3 6 c を押上げて蓋体 3 9を閉じる力を与えている。蓋体 3 9の重量は著しく大きいものではなく、等荷重スプリング 4 0の弾力は著しく大きくなくて済むから、この状態で蓋体 3 9は閉じられた状態に保たれる。もし蓋体を引上げられる^に等荷重スプリング 4 0の弾力を強くしたいときは、通常の蓋体に設けられるような係止金具を蓋体 3 9とキャビネット 7との間に取付ければよい。

蓋体 3 9を開くときは、図 1 1のように、蓋体 3 9の下部を持って、先ずこれを開口の手 ti^向に少し開く。ガスダンバ 4 6のキャビネッ卜 7への取付け点 4 8と板蝶番 3 7のヒンジ部である湾曲部 3 7 bの回転中心 4 9を結ぶ線よりも腕部 3 6 cへのガスダンバ 4 6の取付け点が外に出ると、蓋体 3 9にガスダンバ 4 6の押上げ力が加わる。この時、蓋体 3 9には等荷重スプリング 4 0の引上げ力が作用するが、蓋体を手で持って、その上昇を抑える。

次に、図 1 2のように、更に蓋体 3 9を開いて、天板 2 7に平行するまで開く _c この時、蓋体 3 9にはガスダンバ 4 6による押上げ力力く作用しているので、手を離しても急激にドアが落ちることはなく、また、等荷重スプリング 4 0のため、蓋体 3 9は天板 2 7に沿ってキヤビネット 7の奥方向に引かれているので、蓋体 3 9はサポート金具 3 6の滑動部 3 6 bは、そのガイド 4 3をレール 4 1に沿つて滑らせつつ、図 1 0のように、天板 2 7の上面に沿って引込まれる。引込み弾力が不足するときは、手で押す。

蓋体 3 9を閉じるときは、上記と逆に操作する。等荷重スプリング 4 0の弾力、ガスダンバ 4 6の押上げ力を適度に調節することにより、手の力を軽くドアに加えるだけで、又は手の力を殆ど使わずに蓋体の開閉を容易に行なうことができる。なお、図 9に示すレール 4 1及びガイド 4 3による案内に代って、ラックとピニオンによる案内 ϋ¾を設けてもよい。この場合には、ラックを蓋体の側板 3 9 aの側に設けピニオンを滑動部 3 6 bに支持する。そして、ピニオンの側に等荷重スプリング 4 0と同じ機能をもつロータリダンパを作用させる。

上記構成によれば、蓋体には、等荷重スプリング等のスプリングの弾力、ガスダンバの弾力力く加えられているから、手の力を軽く加えるだけで、蓋体の開閉を行なうことができる。

また、キャビネットを開くときは、蓋体はキャビネッ卜に平行して移動し、キャビネット上面に重ねられるから、キャビネッ卜の ±^に広い空間を設ける必要がない。キャビネッ卜の上方には、蓋体の厚さよりもやや大きい空間を設けておけば足りる。

また、蓋体を開閉するときに、蓋体がその重さのために落ちようとしても、等荷重スプリング等のスプリングの弾力、ガスダンバの弾力のため蓋体の急激な落下が P ii:され、又は落下しなくなるから、作業者力怪我をしたり、器物を損壊する危険はない。

さらに、等荷重スプリング、ガスダンバの弾力等は、蓋体を手動で動力、す補助となる^にしておけば足りるから、手動による操作の確実さを保ちつつ軽く蓋体を操作することができる。

また、蓋体は開放時にキャビネッ卜の上方へ収納されるため、液処理装置前面に邪魔となるものがなく、使いが向上し、意匠的にもされたものとなる。図 2 4に示される従来の顕標本の自動染色装置の場合、貯液容器 2のうち洗浄用の水を貯溜する水洗容器として使用する貯液容器 2の数は固定していた。即ち、水洗容器として使用する貯液容器 2の底部には洗浄水を噴出する為のノズルを配設する必要があり、従来構造の場合にはこのノズルが固定式であつた。この為、このノズルを設けた部分には水洗容器として機能する貯液容器 2しか設置できず、また、水洗容器として機能する貯液容器 2はノズルを設けた部分以外に設置できなかった。

この様に水洗容器として使用する貯液容器 2の数を固定している為、実施する染色方法が変わる事等により、必要とする水洗容器の数が変わっても、これに対応する事はできなかった。即ち、実施する染色方法の変更等により必要とする水洗容器の数が変わった場合には、水洗容器として使用する貯液容器 2の数を変え、代わりに薬液容器として使用する貯液容器 2の数を変える事が、貯液容器 2の有効利用により円滑な染色処理をする為に好ましい。

図 1に示すノズル 1 2に関連する構造は上述の問題を解決することができる。その構造の詳細を図 1 4から図 1 8を参照して説明する。

図 1の X I V -X I V線断面である図 1 4に示すように、水洗容器 1 0の下部内側には、洗浄水を供給する為のノズル 1 2が挿入されている。そして、水洗容器 1 0の後壁面でノズル 1 2と整合する部分には、挿入孔 5 1を設けて、水洗容器 1 0の内側底部に沿って、ノズル 1 2を挿入自在としている。水洗容器 1 0を下板 8上に載置する際には、ノズル 1 2を、挿入孔 5 1を通じて水洗容器 1 0の下部内側に挿入する。この様に挿入した状態でノズル 1 2の基端部外周面と挿入孔

5 1の内周縁との間の水密は、揷入孔 5 1の内周縁部に係止した、ゴム、エラストマー等の弾性 ^のシールリング 5 2により保持する。

ノズル 1 2は、先端が塞がれ、基端が開口した円管状で、このノズル 1 2の片側面には、図 1 4から図 1 6に示す様に、ノズル 1 2の長さ方向に亙って多数のノズル孔 1 2 a力く形成されている。水洗容器 1 0内に染色籠 1 3 (図 2 ) を進入させた状態で、これらノズル孔 1 2 aからは、水洗容器 1 0の下部内側面に向けて水を噴出し、この水洗容器 1 0内に水流を惹起させる。

ノズル 1 2は、上記下板 8の上面奥端部に水平方向に配設し、水道等の給水設備に通じさせた袷水マ二ホールド 1 6の前面に、袋ナツト 1 8を含む図 1 4〜 1 8に詳示する様な! ^により、着脱自在に設けている。即ち、上記給水マニホールド 1 6の前面には、複数（図示の例では 5個所）の接続部 5 4を設け、これら接続部材 5 4の先端面 5 5の中央部に、それぞれ吐出口 5 6を開口させている。また、上記給水マ二ホールド 1 6の中間 ¾TF®には、給水設備に通じるホース等の下流端部を接続する為の受水口 5 8を設けている。そして、上記各吐出口 5 6 に、ノズル 1 2の基端部を接続自在としている。この為に、ノズル 1 2の基端寄り部分の外周面には、円輪状の鍔板 5 9を外嵌固定している。この鍔板 5 9の片面で上記吐出口 5 6と対向する面には位置決めピン 6 0を植設し、上記各先端面 5 5の一部でこの位置決めピン 6 0と整合自在な位置には、位置決め孔 6 1を形成している。これら位置決めピン 6 0と位置決め孔 6 1とは、ノズル 1 2の基端部を上記吐出口 5 6に挿入した状態で互いに係合する。そして、これら位置決めピン 6 0と位置決め孔 6 1と力《互いに係合した状態で、前記各ノズル孔 1 2 aは側方に向く。

上述の様なノズル 1 2の基端部を吐出口 5 6に接続するには、ノズル 1 2の基端部に、弾性^のシール板 6 3 (図 1 1 ) を外嵌した状態で、ノズル 1 2の基端部を上記吐出口 5 6の開口部に挿入し、位置決めピン 6 0と位置決め孔 6 1とを係合させる。そして、ノズル 1 2の先端側からこのノズル 1 2に、袋ナツト 1 8を外嵌し、この袋ナット 1 8を、上記接続部 5 4の外周面に形成した雄ねじ部 6 5に螺合させる。この結果、鍔板 5 9とシール板 6 3とを、袋ナツ卜 1 8と上記先端面 5 5との間で挟持して、ノズル 1 2を吐出口 5 6に、水密をした状態で接続できる。

一方、ノズル 1 2を装着しない吐出口 5 6は、底部を塞がれた袋ナツト状のプラグ 6 8 (図 1 5 ) により塞ぎ、当該吐出ロ5 6の前方に、薬液容器 1 1を載置できる様にしている。即ち、ノズル 1 2を装着しない吐出口 5 6をそれぞれの先端面に開口させた接続部 5 4の外周面の雄ねじ部 6 5に、プラグ 6 8を構成する円筒部 6 9の内周面に形成した雌ねじを螺合させて、吐出口 5 6を塞ぐ。なお、各プラグ 6 8の端面の塞ぎ板部 7 0の内面と接続部 5 4の端面との間にはシール板を^して、プラグ 6 8により塞がれた吐出□ 5 6から水が漏れ出ない様にする。

顕微鏡標本の自動液処理装置により実施する染色方法を変えたり、或いは同時に実施する染色方法の数を変えたりする事により、必要とする水洗容器 1 0の数が変わった場合には、給水マ二ホールド 1 6の前面に設けた吐出口 5 6の数の範囲（図示の例では 5箇所以内である力この数は、より多くする事もできる。）内で、水洗容器 1 0の数を任意に変える事ができる。即ち、水洗容器 1 0を設ける場合には、前述の様に、水洗容器 1 0を必要とする数だけの吐出口 5 6にノズル 1 2の基端部を、袋ナット 1 8により装着する。そして、このノズル 1 2を水洗容器 1 0の底部に、前記挿入孔 5 1を通じて挿入する。一方、ノズル 1 2を装着しない吐出ロ5 6を開口させた接^^ 5 4にはプラグ 6 8を装着し、吐出口 5 6を塞いでおく。従って、給水マ二ホールド 1 6の前側でノズル 1 2を装着しない部分には、薬液容器 1 1を設置できる。

診断のための顕標本を作製することの需要は、近時多くなつて来ている。この需要を満たすには、染色装置を:^にし、その吊下腕 2 4 (図 1 ) の鈞部 2 5に従来の大きさの染色籠（以下これを小型染色籠という）より大きな容量を持つ:^ 染色籠を吊下げるようにし、これに対応して水洗容器及び薬液容器をにすればよい。そこで 2個又はそれ以上の小型染色籠を長さ方向又は幅方向に並べて薬液等の容器に浸漬することが考えられた。そのうち、幅方向に重ねる方法は、ノズル 1 2から噴出する水による水洗効率が悪いので、染色籠を長さ方向に連ねる方法力 <望ましい。しかし、このように染色籠を連続させると、次のような問題を生じる。

例えば、小型染色籠 2個分の容量の染色籠を 1個として造ると、染色健の繁忙時には需要に応じられるとしても、作業が閑散なときには、かえって作業カ'煩わしく肯 g率が落ちるから、 1個の小型染色籠で十分作業ができるときには、染色籠を 1個のみ使用して染色できるようにすることが望ましい。そのためには、染色籠を大型にすることはせずに、繁忙時には小型の染色籠を 2個又はそれ¾± を並列させて作業するの力く好ましい。勿論、作籠力く常に多いときには、の染色籠を造り、これを使用するのが有効である。また、 2個の小型染色籠を使用して同時に染色を行なうときには、染色籠を個々に取扱わないで一括して取扱えるようにすること力 {便利である。即ち、空の染色籠の移動、試料を添着したスライドガラスの籠への挿入、スライドガラスを収納した籠の移動、染色装置への取付け等の一連の作業を 2個の染色籠を一括して取扱うこと力好ましい。

このように染色の繁閑に応じて使用する染色籠を、或、は小型のもの 1個にしたり、小型のものを複数使用したりする要求があるから、これを満たすためには染色装置の吊下腕 2 4も、これに応じられるように鉤部 2 5の皿、配置を変えなければならない。

また、小型の染色籠を複数使用する場合に、これらを一括して取扱えるようにすること力望ましい。

次に述べる形態は、数種のアダプタを用意しておき、上記のような各種状態で染色籠を使用しょうとするときに、適当なアダプタを選んで、これに染色籠を取付け、このァダブタを染置の吊下腕に係止するように染色籠係止部を構成したものである。

図 1 9に例示した染色籠係止部は、 2個の小型染色籠 1 3をアダプタ 8 0を介して液処理装置の吊下腕 2 4の鉤部 2 5、 2 5 (図 1 9には省略）に係止する構成のものである。アダプタ 8 0の中間部には、 2個の受部 8 1力く形成されている。受部 8 1は、図 2 0に示すように、間隙の狭い溝 8 1 aを形成しており、染色籠 1 3の針金の把手部 8 3の水平部 8 3 aを溝 8 1 a内にがたつきを少なくして係合させる。染色籠の水平部 8 3 aには、上方に逆 V形に曲げ出した揺動 PJ :部 8 4を形成する。 8 6 aは、アダプタ 8 0を吊下腕 2 4の鉤部 2 5に取付けるときの位置決め用の^である。

アダプタ 8 0の両端部 8 8は、図 2 1及び図 2 2に見るように、回動不能に吊下腕の鉤部 2 5に係止する。即ち、鉤部 2 5に上向きの切込み 9 0を形成し、これにアダプタ 8 0の板状の端部 8 8をがたつきを少なくして係合させてアダプタ 8 0の回動を Pl±している。

このようにアダプタ 8 0は、吊下腕 2 4の鉤部 2 5に取付けられて位置決め用の^ 8 6 aのため縦方向に不動であり、切込み 9 0と端部 8 8との係合のため回動もせず、吊下腕 2 4の一部となった状態となる。

図 2 3はアダプタ 8 0の端部を扁平にして吊下腕の鉤部 2 5に載置する別例を示す。アダプタ 8 0の長手方向の移動は側緣部 8 0 bを鉤部 2 5に当接させることにより！ ihされる。構造を判り易くするため、図 2 3では側縁部 8 0 bを鉤部 2 5から離して示している力 <、製作するときはこれらを当接させる寸法に造るものとする。

また、染色籠の把手部 8 3は、把手部 8 3の長さ一杯に係合する幅の広いァダプ夕の受部 8 1によりアダプタの長手方向の取付け位置は一定であるから、染色作業時に水洗容器、薬液容器への移送、浸漬を円滑、確実に行なうことができるそして、同一プロセスで染色される試料を添着したスライドガラスを収納した 2個の染色籠は、アダプタ 8 0に連結された状態で、一括して取扱うことができるので、操作能率を高めることができる。

更に把手部 8 3は、上方に突出した揺動阻止部 8 4が溝状の受部 8 1の内壁に当るため受部 8 1に対して摇動せず、染色籠 1 3はキャビネット 7の左^向に揺動しない。このように染色籠の移動時に揺動力生じないから、駆動装置 2 2

(図 1 ) による染色籠移送速度を高めても、水洗容器又は薬液容器への進入を迅皿つ円滑に行なうことができて、染色処理を能率化することができる。

以上に述べた実施形態によれば、液処理作業の繁閑に対応して、 ^^染色籠 1 個、小型染色籠複数又は 1個を使用して能率よく作業することができる。また、アダプタは染色籠を染色装置に取付ける仲介となって取付けを確実に行なわせると共に、複数の染色籠を取付けたときに、染色装置外でもこれを一括して取扱うことができて、作業能率を向上させる。また、取付ける染色籠の大きさ、数に対応するアダプタを数種類造っておき、これを選択して使用することができる。ァダブ夕は簡単に製作できるから、その準備は容易である。さらに、染色籠をァダプ夕に対して不動に取付けることができるから、染色装置における染色籠の移動、容器への浸漬等を確実に行なえ、移動速度を大きくできる。

産 m±の利用可

以上に説明した形態は、いずれも顕微鏡標本の液処理装置であるが、これと全く同じ原理で ¾Jする前述の生体試料包埋装置のような他の生体試料液処理装置にも前述の本発明の原理を適用して同じ効果を得ることができることは明らかである。したがって、本発明は、生体試料包埋装置のような他の種類の生体試料液処理装置への利用をも含むものである。

Claims

請求の範囲

1. キヤビネッ卜と、

キャビネッ卜に設けた水平な下板と、

キャビネット内に設けられ、前記下板の上方に間隔をおいて水平に位置する上板と、

下に載置された複数の貯液容器と、

上に載置された複数の貯液容器と、

生体試料を収納自在な液処理用籠と、

この籠を支持して、上下方向及び前 §dJ:¾Sび下板に沿う水平方向に移動自在な吊下腕を有する駆動装置と、

前言 S±板の一部に、前記吊下腕及び籠が通過可能な寸法で、上板の上下を連通させるように形成された通路と、

前記籠を所定の順序で所定の時間ずつ前記貯液容器内に進入させることにより前記試料を貯液容器内の液体に浸漬するために、前 £±¾¾び下板に沿って、かつ前記通路内を上下方向に前記籠を移動させるように前記駆動装置を駆動する制御手段と、

を備える生体試料の液処理装置。

2. 前記通路力前言 S±板の長手方向の中央部に設けられている請求項 1記載の液処理装置。

3. 前言 Ξ±板が前記下板に対し上下に移動可能とされ、これによつて！ ¾± 方の籠移動空間及び上 fe 方の籠移動空間の高さ寸法を変更できるようにされてレ、る請求項 1記載の液処理装置。

4. 前言 Ξ±板と下板との間に、上板の通路に対応する位置に第 2の通路を有する少くとも 1枚の中間板が設けられ、この中間板上にも複数の貯液容器を載置可能とされている請求項 1記載の液処理装置。

5. 前記キャビネッ卜の前面を、貯液容器を取り出し可能に開放する開口と、この開口を開放自在に塞ぐ蓋体と、

をさらに備える請求項 1記載の液処理装置。

6. 前記蓋体が、それがキヤビネッ卜の前記開口を塞ぐ位置においても、キャビネット内の貯液容器の一部の取り出し及びキャビネット内への貯液容器の揷入力坷能な隙間開口を形成する寸法に形成されている請求項 1記載の液処理装置。

7. 前記隙間開口が、前記下板上の貯液容器の取り出し可能な位置にある請求項 6記載の液処理装置。

8. 前記制御装置が、所定の順序で行なう液処理の最初に籠が在る位置、及び液処理の最後に籠が在る位置をそれぞれ複数個所ずつ設定可能とされている請求項 6 *¾の液処理装置。

9. 前記キャビネッ卜の前面を貯液容器を取り出し可能に開放する開口と、この開口を開放自在に塞ぐ蓋体と、

キャビネットの開口の上端縁に一端カ诹り付けられたと、

この蝶番の他端に取り付けられ、蓋体の高さ方向に延びる滑動部を有するサボ一ト金具と、

を備え、

前記蓋体はサポート金具の滑動部に沿って移動可能に当該滑動部に支持されており、

これによつて、キャビネッ卜前面から蓋体を前記蝶番の周りに 9 0度上方へ回動させた時に、蓋体はキャビネッ卜の天井に沿って奥側へ滑動変位可能となる、請求項 1記載の液処理装置。

1 0. 前記蝶番が弾性可能な板材からなる請求項 9記載の液処理装置。

1 1. 前記サポート金具の滑動部から、蓋体の閉鎖状態においてキヤビネッ卜へ向かって延びる腕部と、

この腕部とキャビネット開口部近傍の点とを連結し、内蔵したガス圧により腕部に押し上げ力を作用させるダンバと、

をさらに有する請求項 9記載の液処理装置。

1 2. 前記サポート金具と蓋体とが、蓋体をサポート金具の前記滑動金具に沿って変位させる弾性力を与えるスプリングにより連結されている請求項 9記載の液処理装置。

1 3. 前記 ¾M理用籠が、顕微鏡標本とすべき試料を貼着した複1¾¾のスラィドガラスを収納する籠であり、液処理が染色処理である請求項 1記載の生体試料の ¾ 理装置。

1 4. 前記下板の上部空間内でキャビネットの横幅方向に延びる洗浄液供給マ二ホールドと、

このマ二ホールドに沿って配列され、前方に向かって開口する洗浄液吐出口を有する接続部と、

これらの接!^に基端で着脱自在に接続されるノズルと、

前言己接続部のうちのノズルを接続されなレ、ものを着脱自在に塞ぐブラグと、を有し、

前記貯液容器は洗浄液容器を含み、洗浄液容器は、それ力前記下に載置された時に前記ノズルが液密に揷通される挿入孔を有している、請求項 1 3記載の液処理装置。

1 5. 前記接続部はその周りに雄ねじを有し、前記プラグはその内側に雄ねじと螺合する雌ねじを有している請求項 1 4記載の液処理装置。

1 6. 前記ノズルの基端に設けた鍔板と、

前記接続部の外周に形成した雄ねじと、

前記鍔板を接続部の端面に密着させた状態で、前記鍔板を押さえつつ前記接続部の雄ねじに螺合させる袋ナツ卜と、

をさらに有する請求項 1 4記載の液処理装置。

1 7. 前記鍔板から突設された位置決めピンと、

前記接続部の端面に設けられて前記位置決めピンを受ける位置決め孔と、をさらに有する請求項 1 6記載の液処理装置。

1 8. 前記吊下腕に不動に支持され、前記液処理用籠を吊下げるアダプタをさらに備える請求項 1記載の液処理装置。

1 9. 前記アダプタが複数の液処理用籠を並べて吊下げ得る寸法を有している請求項 1 8記載の液処理装置。

2 0. 前記アダプタが液処理用籠の把手部を ±^から受ける受け部を有している請求項 1 8記載の液処理装置。

2 1. 前記液処理力く生体の包埋処理である請求項 1記載の生体試料の液処理装置。