WO1999028536A1 - Procede attenuant l'elution du plomb des alliages de cuivre contenant du plomb, et accessoires de distribution d'eau de ville faits en alliage de cuivre contenant du plomb - Google Patents

Description

明細書 鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法及び鉛含有銅合金製水道用器具

技術分野

本発明は、 鉛含有銅合金から鉛が溶出するのを低減させるための鉛溶出低減処理方 法及び鉛の溶出を低減した鉛含有銅合金製水道用器具に関する。

水道用器具とは、 湯沸器、 温水器、 冷水器、 製氷器、 浄水器、 温水ボイラー、 自 動販売機、 ボールタップ、 口一タンク、 バルブ （水栓金具） 、 継手、 管、 流し台、 洗面台、 便器、 浴槽、 住宅設備ュニッ 卜などで、 給水管に直結する器具を含む。

背景技術

従来から、 水栓金具は、 一般的に青銅、 黄銅等の銅合金を錡造又は鍛造し、 切削 力 π 、 研磨加工等で形状を整え、 ニッケルクロムめつき等を施して製造されている。 製造過程中での切削加工の際に銅合金の切削性を向上させるために、 銅合金中に鉛 'が添加されている。

図 4は鉛を添加した銅合金の組織の模式図で、 銅合金 1へ鉛を添加した場合、 表面 近くは、 鉛、 酸化鉛及び水酸化鉛等が集まり、 内部には鉛単体 2として存在してお り、 表面近くの鉛 2の濃度は、 内部の鉛の濃度よりも数倍高くなつている。 例え ば、 鉛を添加した青銅錶物製水栓金具では、 鉛が約 5 0 0 p p b溶出し、 鉛含有銅 合金で製造した水道用器具の通水路表面から鉛が水に溶出し、 その水を長期間飲用 すると人体に悪影響を与えるおそれがある。

しかし、 鉛が添加されていない銅合金材は、 切削加工性が悪く、 代替銅合金材の 開発もあまり進んでいない。 発明の開示

そこで、 本発明は、 鉛含有銅合金製水栓金具等から鉛が溶出するのを防止するた めの鉛含有銅合金の鉛溶出防止処理方法及び鉛の溶出を防止した鉛含有銅合金製水 道用器具を提供するものである。

さらに、 鉛含有銅合金材の表面にクロメート被膜を形成してもよい。 この被膜形成 により、 表面にわずかに残った鉛の溶出を低減することが出来る。 また、 ニッケル クロムめつき工程の前処理工程の中で鉛含有銅合金製の水道用器具をアルカリ系の エッチング液に浸潰し、 鉛含有銅合金材の表面の鉛を選択的に除去後、 硫酸、 塩酸 等の液中で活性化する。 その後ニッケルめっきを行った後、 サージェントクロム又 はフッ化クロムめつき浴中でクロムめつきを行ない、 クロメ一卜液中に浸漬させて クロメ一卜被膜を形成してもよい。

このように水道用器具外面はニッケルクロムめつきを行いながら、 内面の通水路 表面は鉛を除去することが同時に可能である。

図面の簡単な説明

図 1 はアルカリエツチングにより鉛を溶出した状態の模式図である ,

図 2はフッ化クロム浴めつき浴処理の状態を示す模式図である。

図 3はクロメ一卜処理の状態を示す模式図である。

図 4は鉛を添加した銅合金の組織の模式図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明は、 両性金属という鉛の性質に着目し、 鉛含有銅合金をアルカリ系のエツ チング液に浸潰し、 鉛含有銅合金材の表面の鉛を選択的に溶解除去する。 また、 ク ロム酸の液に浸潰し、 鉛含有銅合金材の表面の鉛を溶解除去する。 鉛含有銅合金を アルカリ系のエツチング液に浸漬し、 次いでクロム酸の液に浸漬して鉛含有銅合金 材の表面の鉛を溶解除去することもできる。 なお、 アルカリ系のエッチング液に酸 化剤、 キレー卜剤及び界面活性剤を単独又は複数を添加した場合、 またクロム酸の 液にフッ化物を添加した場合には、 より効果的に鉛を除去することが出来る。

さらに、 鉛含有銅合金材の表面にクロメート被膜を形成してもよい。 この被膜形 成により、 表面にわずかに残った鉛の溶出を低減することが出来る。 また、 ニッケ ルクロムめつき工程の前処理工程の中で鉛含有銅合金製の水道用器具をアルカリ系 のエッチング液に浸潰し、 鉛含有銅合金材の表面の鉛を選択的に除去後、 硫酸、 塩 酸等の液中で活性化する。 その後ニッケルめっきを行った後、 サージェントクロム 又はフッ化クロムめつき浴中でクロムめつきを行ない、 クロメー卜液中に浸漬させ てクロメ一卜被膜を形成してもよい。

このように水道用器具外面はニッケルクロムめつきを行いながら、 内面の通水路 表面は鉛を除去することが同時に可能である。

本発明において使用するアルカリ系エッチング液の主成分は、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 炭酸ナトリウム、 リン酸ナトリウム、 トリポリリン酸ナトリウム、 メタケイ酸ナ卜リゥム、 オルソケィ酸ナ卜リウムなどのうち単独又は数種を溶かし たアルカリ性溶液である。 濃度は、 数 g Z l〜数〗 0 Iが一般的であり、 使用 する成分の組み合わせにより適宜判断する。 温度は、 高い方が鉛溶出の効果は増す ため、 6 0〜9 0 °C程度が望ましい。 侵漬時間は、 数分〜数 1 0分が望ましい。 図 1に示すとおり銅金属はほとんど溶浸せず、 両性金属である鉛を選択的に溶解する ことができる。

アルカリ系のエツチング液の浸透 ·湿潤性を改善するために、 液の表面張力を低 下させる目的で界面活性剤を添加する。 界面活性剤としては、 ァニオン界面活性剤 あるいはノニオン界面活性剤を用いることが多く、 これらを単独又は併用する。 ァ 二オン界面活性剤としては、 高級脂肪酸ナトリウム、 硫酸化油、 高級アルコール硫 酸エステルナトリウム、 アルキルベンゼン硫酸ナトリウム、 高級アルキルエーテル 硫酸エステルナトリウム、 一才レフイン硫酸ナトリウムがある。 また、 ノニオン 界面活性剤としては、 アルキルポリ才キシエチレンエーテル、 アルキルフエ二ルポ リオキシエチレンエーテル、 脂肪酸エチレンオキサイ ド付加物、 ポリプロピレング リコールエチレンオキサイド付加物 （プル口ニック） がある。 添加量は、 数 g / l 〜数 1 0 g Z I が一般的である。

また、 鉛が水酸化物となって再付着するのを防ぐとともに、 鉛の溶解を促進する ために、 キレート剤を添加することができる。 キレート剤としては、 例えば、 E D T A、 エチレンジァミン、 卜リエタノ一ルァミン、 チ才尿素、 ロッシエル塩、 酒石 酸等の鉛と錯体を形成し易い化合物が望ましい。 濃度は各成分とも数 g Z I〜数 1 0 g / Iが望ましい。

アルカリエッチング液中に酸化剤を添加すると、 鉛が酸化され、 酸化鉛 （P b O など） を経てアルカリに溶解する （図 1の反応式 （2 ) ) 。 この反応 （2 ) は反応 ( 1 ) より速やかであるため、 結果として鉛の溶解を促進する。 酸化剤としては、 例えば、 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム、 パラニトロ安息香酸ナ卜リウ 厶等の有機酸化性化合物、 次亜塩素酸塩、 さらし粉、 過酸化水素、 過マンガン酸力 リウム、 過硫酸塩、 過塩素酸塩等の無機化合物を用いる。 濃度は各成分とも、 数 g Z I〜数 1 0 g Z Iが望ましい。

クロム酸浸漬に用いる浴は、 一般に公知のサージェン卜クロムめつき浴が使用で きるフッ化クロム浴は、 無水クロム酸及び硫酸からなるサージェント浴中の硫酸の 一部又は全部をフッ化物に置き換えたものである。

ク口ム酸の液は強酸化性であるため、銅合金素材を ^溶解しながら鉛も溶解する。 但しフッ化物が存在しないとクロム酸鉛として沈殿物が残存する可能性があるが

(図 2の反応式 （3 ) ) 、 フッ化物はこれを溶解する役目を果たす。 （図 2の反応 式 （4 ) ) 、 温度は 4 0〜6 0 'C、 浸漬時間は数 1 0秒〜数分が望ましい。

フッ化物としては、 フツイヒナトリウム、 フッ化カリウム、 フッ化アンモン、 フッ 酸、 ホウフッ酸、 ケィフッ酸 'ゲイフッ化ナトリウム ·ケィフッ化カリウム、 ホウ フッ化クロムなど、 フッ素化合物はそのほとんどが使用できる。

クロメート処理に使用する添加剤は、 無水クロム酸、 リン酸、 硫酸をべ一スとす るが、 場合によっては硝酸、 フッ酸、 酢酸、 シユウ酸、 クロム酸塩等を添加、 また は置き換える。 市販の亜鉛めつき等のクロメート剤を使用してもよい。 濃度は各成 分とも、 数 g Z I〜数 1 0 g Z I が望ましい。 処理温度、 処理時間は常温〜 6 0 'C、 数秒〜数分がそれぞれ望ましい。 (1 ) アルカリエッチング液について

アルカリエツチング液の鉛溶出効果、 並びにアル力リエツチング液に酸化剤及び キレート剤を添加した場合の鉛溶出効果を表 1に示す。

処理方法は、 表 1 に示す各種エッチング液に青銅錶物の水栓金具を 80 'C、 3 分間浸潰した後、 3 0秒間水洗し、 フッ素含有量約 1 g/ Iの市販のフッ化クロム 次いで、 J I S 33 20 0— 7 (〗 997年） 「水道用器具一浸出性能試験方 法」 にしたがって、 処理した水栓金具について、 溶出した鉛濃度を分析した。 図 1 はアルカリエッチングにより鉛を溶出した状態の模式図で、 図 1に示す反応式に より鉛含有銅合金 1の表面の鉛 2が選択的に除去される。

表 2の結果から明らかなとおり、 エッチングしない未処理サンプルは、 500 p p bの鉛溶出量があるのに対して、 本発明で処理したものは鉛溶出量が大幅に減少 し、 特に酸化剤及びキレ一卜剤の添加により鉛溶出量がさらに減少した。 また、 フッ 化クロムめつき液に浸漬することにより、 さらに鉛溶出量が減少することがわかる。

(2) クロム酸液について

次に、 アルカリエッチング液 （水酸ィヒナトリウム 50 g/し メタニトロべンゼ ンスルホン酸ナトリウム 2 gZ I、 E D T A 2 gZし エチレンジァミン 2 g/ I ) に青銅錶物の水栓金具を 80'C、 3分間浸潰した後、 3 0秒間水洗し、 表 2に示す クロムめつき液に 4 5 °C、 3分間浸漬し、 30秒間水洗し、 60で、 30秒間湯洗 した。 その後、 」 1 3 53200— 7 (1 997年） にしたがって鉛の溶出濃度を 分析した。 その結果は表 2に示すとおりである。

表 2から明らかなとおり、 クロムめつき浴に浸潰すると鉛溶出量が大幅に減少する が、 フッ化クロム浴が従来のサージヱン卜クロム浴より効果がある。 フッ化物が存 在しないサージ Iン卜浴は、 クロム酸鉛として沈殿物が残存するために若干鉛濃度 が高かったものと考えられる。 （図 2の反応式 （3) ) フッ化物は、 これを溶解す るため、 フッ化クロ厶浴の方がサ一ジェントクロム浴より効果があつたものと考え られる。 （図 2の反応式 （4) ) また、 クロム酸浸漬単独でも鉛溶出効果があるこ とは明白である。

(3) クロメー卜処理について アルカリエッチング液 （水酸化ナトリウム 5 0 g / I、 メタニトロベンゼンスル ホン酸ナトリウム 2 g 、 E D T A 2 g / I、 エチレンジァミン 2 g / I ) に青 ！^物の水栓金具を 8 0 、 3分間浸潰した後、 3 0秒間水洗し、 フッ化クロムめつ き液に （前述のフッ素含有量約 1 g Z lの市販の浴） 4 5 ：、 3分間浸漬後、 3 0 秒間水洗し、 次いで、 表 3に示す組成のクロメー卜液に 3 0 °C、 2 0秒間クロメ一 ト処理し、 3 0秒間水洗し、 6 0で、 3 0秒間湯洗した。

次いで、 J I S S 3 2 0 0— 7 ( 1 9 9 7年） にしたがって鉛の溶出濃度を分 析した。 その結果は表 3に示すとおりである。

表 3のとおり、 クロメ一卜処理しない場合に比べて、 クロメート処理したものは鉛 溶出量が減少し、 特に無水クロム酸とリン酸の相乗効果により鉛溶出が大きく抑え られる。 クロメート処理により、 図 3のクロメ一卜処理の状態を示す模式図の反応 式により、 クロメート皮膜が形成され、 鉛の溶出が抑制される。 また、 クロメート 処理単独でも鉛溶出に効果があることは明白である。

産業上の利用可能性

本発明は鉛含有銅合金製水道用器具表面の鉛を、 アル力リ系のエッチング液あるい はクロム酸の液に浸潰して除去することにより水道用器具使用中の鉛溶出を低減す ることができる。

また、 鉛含有銅合金製水道用器具表面にクロメート被膜を施すことにより、 内部か らの鉛の溶出を低減できる。

さらに、 アルカリ系のエッチング液をめつきの前処理剤として使用した場合、 素材 表面の汚れ、 油除去力を高め、 まためつきの外観、 密着性を高めることができる。 また、 ^有銅合金水 Jlffl器具をアル力リ性の液に浸清して表面の鉛を除去した後、 クロム酸の液に浸潰してさらに表面の鉛を除去し、 次いでクロメー卜液に浸清して 表面にクロメート皮膜を形成することにより、 大幅に鉛溶出を低減させることがで きる。

Claims

請求の範囲

1 . 鉛含有銅合金をアルカリ系のエッチング液に浸潰し、 表面の鉛を除去する ことを特徴とする鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

2 . アルカリ系のエッチング液に酸化剤又はキレー卜剤の単独又は両方添加し たことを特徴とする請求項 1記載の鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

3 . 鉛含有銅合金をクロム酸の液に浸潰し、 表面の鉛を除去することを特徴と する鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

4 . クロム酸の液にはフッ化物が含まれていることを特徴とする請求項 3記載 の鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

5 . 鈴含有銅合金をクロメート液に浸潰し、 表面にクロメート皮膜を形成する ことを特徴とする鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

6 . クロメー卜液にはリン酸が含まれていることを特徴とする請求項 5記載の 鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

7 . 鉛含有銅合金をアルカリ性のエツチング液に浸漬して表面の鉛を除去し、 次いでクロム酸の液に浸潰して表面の鉛を除去することを特徴とする鉛含有銅合金 の鉛溶出低減処理方法。

8 . 鉛含有銅合金をアルカリ性のエツチング液に浸漬して表面の鉛を除去し、 次いでクロメー卜液に浸漬して表面にクロメート皮膜を形成することを特徴とする 鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

9 . 鈴含有銅合金をクロム酸の液に浸漬して表面の鉛を除去し、 次いでクロメ- 卜液に浸漬して表面にクロメート皮膜を形成することを特徴とする鉛含有銅合金の 鉛溶出低減処理方法。

1 0 . 鉛含有銅合金をアルカリ性の液に浸漬して表面の鉛を選択的に除去した 後、 クロム酸の液に浸清してさらに表面の鉛を除去し、 次いでクロメート液に浸漬 して表面にクロメ一卜皮膜を形成することを特徴とする給含有銅合金の鉛溶出低減 処理方法。

1 1 . めっき、 塗装等の表面処理に、 請求項 1 から 6のいずれか 1項記載の処 理を適用することを特徴とする鉛含有銅合金の鉛溶出低減処理方法。

1 2 . アルカリ系のエッチング液に浸潰し、 表面の鉛を除去した鉛含有銅合金 製水道用器具。

1 3 . クロム酸の液に浸潰し、 表面の鉛を除去した鉛含有銅合金製水道用器具。

1 4 . クロメ一卜液に浸潰し、 表面にクロメート皮膜を形成した鉛含有銅合金 製水道用器具。

1 5 . アルカリ性のエッチング液に浸潰して表面の鉛を除去し、 次いでクロメ- 卜液に浸漬して表面にクロメート皮膜を形成した鉛含有銅合金製水道用器具。

1 6 . アルカリ性のエッチング液に浸漬して表面の鉛を除去し、 次いでクロム 酸の液に浸漬して表面の鉛を除去した鉛含有銅合金製水道用器具。

1 7 . 鉛含有銅合金をクロム酸の液に浸漬して表面の鉛を除去し、 次いでクロ メート液に浸潰して表面にクロメ一卜皮膜を形成した鉛含有銅合金製水道用器具。

1 8 . アルカリ性の液に浸漬して表面の鉛を除去した後、 クロム酸の液に浸漬 して表面の鉛を除去し、 次いでクロメ一卜液に浸潰して表面にクロメ一卜皮膜を形 成した鉛含有銅合金製水道用器具。