WO2001053104A1 - Cartouche d'encre pour dispositif d'enregistrement et dispositif d'enregistrement a jet d'encre - Google Patents

Description

明 細 書 記録装置用インクカートリッジおよびインクジェット式記録装置 技術分野

この発明は、 記録装置に脱着可能に装填され、 記録ヘッ ドに対してインクを供 給するィンク力一トリッジおよび当該ィンクカートリッジを装填するィンクジヱ ヅト式言 3録装置に関する。 背景技術

インクジエツト式記録装置は、 一般にキャリッジ上に搭載されて記録用紙の幅 方向に移動するインクジエツト式記録へッ ドと、 記録用紙を前記記録へッ ドの移 動方向に対して直行する方向に相対的に移動させる紙送り手段が備えられ、 印刷 デ一夕に基づいて記録へッドよりインク滴を吐出させることにより記録用紙に対 して印刷が行われる。

そして、 キャリッジ上に例えばブラック、 イエロ一、 シアンおよびマゼン夕等 の各ィンク滴が吐出可能な記録へッドを搭載することにより、 ブラックィンクに よるテキスト印刷ばかりでなく、 各インクの吐出割合を変えることにより、 フル カラー印刷を可能にしている。

一方、 例えばオフィス向けまたは業務用に提供されるこの種の記録装置におい ては、 比較的大量の印刷に対応させるために、 大容量のィンクカートリッジを配 備する必要が生じ、 このためにインク力一トリヅジ （以下、 これをメインタンク とも言う） を、 例えば装置本体側に配置されたカートリッジホルダに装填させる 形式の記録装置が提供されている。

そして、 記録ヘッドが搭載されたキャリッジ上にはサブタンクが配置され、 前 記各'ィンクカートリヅジから各サブタンクに対してィンク補給チューブを介して それぞれインクを補給し、 さらに各サブタンクからそれぞれ記録へッ ドに対して ィンクを供給するように構成されている。

ところで、 昨今においてはより大きな紙面に対して印刷を行うことが可能な、 キヤリッジの走査距離の長い大型の記録装置の需要が高まっている。 このような 記録装置においては、 スループットを向上させるために、 記録ヘッドにおいては 益々多ノズル化が図られている。

さらに、 スループットを向上させるために、 印刷を実行しながらインクカート リッジからキヤリッジに搭載された各サブタンクに対して逐次ィンクを補給する ことを可能とし、 各サブタンクからそれぞれ記録へッドに対してィンクを安定し て供給するような記録装置が求められる。

このような記録装置においては、 キャリッジの走査距離が大きいために、 イン クカートリヅジからサブタンクに対してそれぞれのィンクに対応して接続される インク補給チュ一ブの引き回し距離が増大する。

しかも前記したとおり、 記録へッドにおいては多ノズル化が図られているため に、 インクめ消費量が多く、 インクカートリッジからサブタンクに接続された各 インク補給チューブ内においてインクの動圧 （圧力損失） が高まり、 サブタンク に対するインクの補給量が不足するという技術的課題が発生する。

このような課題を解決するための一つの手段として、 例えばインク力一トリッ ジ側に空気圧を印加し、 インクカートリッジからサブタンクに対して空気圧によ つて強制的なインク流を発生させて、 サブタンクに対して必要十分なィンクを補 給する構成が採用し得る。

前記したような構成の記録装置に用いられるインクカートリッジとしては、 外 郭を構成するケースが気密状態となるように成形され、 その内部にィンクを封入 した可撓性素材により形成されたィンクパックが収納された構成が好適に採用し 得る。

このような構成のインク力一トリッジにおけるィンクパックは、 ケース内に印 加される加圧空気によってインクが押し出され、 キヤリッジに搭載された記録へ ッド側に送り出されるように作用する。 発明の開示

ところで、 近年においてはこの種の記録装置の利用範囲が益々拡大され、 より 高精細な印刷画質が求められるなどの多様化も進んでいる。 これに伴って、 記録 装置に用いられるィンクの種類も多様化され、 印刷内容に応じて力一トリッジを 交換して印刷を実行するなどの運用が成されるに至っている。

したがって、 各ィンク力一トリッジのィンクの種類ゃィンク残量などを管理す るために、 デ一夕の読み出し書き込みが可能な半導体記憶手段を搭載したィンク 力一トリヅジの提案もなされている。

前記したように加圧空気を導入してインクを送り出す機能と、 半導体記憶手段 を搭載して記録装置本体との間でデ一夕の授受を実行する機能とを有するィンク 力一トリヅジを記録装置の力一トリッジホルダに装填した場合においては、 カー トリッジに対する加圧空気の導入と同時にィンクの導出を可能にし、 さらに半導 体記憶手段とのデ一夕の授受を行なうために回路基板の接続等も同時に成される 構成が必要になる。

この場合、 機構的および電気的な幾つかの接続を成させるために、 カートリツ ジをホルダ内に装填する場合における位置決めの精度が重要な課題となる。 また、 加圧空気により強制的にインクを押し出す機能を有しているために、 何 らかの障害によりィンク漏れ等が発生しても、 前記した回路基板の接続端子部分 を汚染させるなどの問題を効果的に回避する手段を講ずる必要がある。

本発明は、 このような技術的な課題に基づいてなされたものであり、 機構的お よび電気的な接続が確実になされる位置決め機構を提供すると共に、 何らかの障 害を受けて力一トリッジからィンク漏れが発生しても回路基板の接続端子部分の 汚染を効果的に回避することができるィンクカートリッジおよびこれを用いるィ ンクジエツト式記録装置を提供することを第 1の目的とするものである。

また、 各インク力一トリッジ内のィンクの種類ゃィンク残量などを管理するた めに、 デ一夕の読み出し書き込みが可能な半導体記憶手段を搭載したィンク力一 トリッジにおいては、 前記記憶手段として、 好ましくは E E P R O M等が用いら れる。 これ等の記憶手段は、 カートリッジケースに対する取り付けの容易性、 お よび再利用するためにケースからの取り外しの容易性に配慮する必要がある。 そして、 カートリッジを記録装置に装填した場合においては、 半導体記憶手段 を搭載した回路基板との電気的な接続が確保されると共に、 力一トリッジを取り 外した状態においては、 回路基板に形成された電極接点が不用意に指先等で触れ られることのない構成とすることが強く望まれる。

本発明は、 前記したような技術的な要請に基づいてなされたものであり、 半導 体記憶手段のリサイクルを容易にし、 また記録装置への装填によって回路基板と の電気的な接続が確保されると共に、 カートリッジを取り外した状態において、 回路基板に形成された電極接点等が不用意に指先等で触れられることのない記録 装置用ィンクカートリッジを提供することを第 2の目的とするものである。 さらに、 加圧空気を導入してインクを送り出すように構成されたィンクカート リヅジにおいては、 力一トリヅジの未装着状態においてインク導出口からインク が漏洩するのを阻止するためにインク導出口には、 好ましくは、 バルブ機構を備 えたインク導出栓が配置される。 そして、 カートリッジを記録装置に装着した場 合において、 前記バルブ機構が開弁されてィンクが導出されるように構成される 必要がある。

しかしながら、 前記したように、 カートリッジケース内に加圧空気を導入して ィンクを送り出す機能を持たせた記録装置においては、 記録装置に対してィンク カートリッジが抜き差しされる過渡期においては、 前記ノ レプ機構のシール機能 が甘くなり、 この状態で加圧空気の作用を受けた場合には、 インク導出口からィ ンク漏れが発生して、 装置内を汚染させるという問題が発生し得る。

したがって、 加圧空気の作用によりインクパック内からインクを導出させるこ の種のカートリッジを用いる記録装置においては、 インク力一トリッジ側に形成 されたインク導出口が記録装置側へ接続されるタイミングと、 加圧空気をカート リッジケース内に導入可能になるタイミングとの調整を図ることが重要な課題と なる。 また、 記録装置からインクカートリッジが取り外される場合においても、 同様に両者の接続解除のタイミングを調整する必要性が発生する。

本発明は、 このような技術的な課題に基づいてなされたものであり、 インク力 ートリツジを記録装置に装着または取り外す場合においては、 インクパックが加 圧空気の作用を受けることのない接続機構を採用し、 加圧空気の作用によるイン ク漏れの発生を確実に回避することができる記録装置用ィンク力一トリッジおよ びインクジヱッ卜式記録装置を提供することを第 3の目的とするものである。 さらに、 前記した構成の記録装置においては、 カートリッジホルダにインク力 —トリッジを装填する際に、 インク補給路内に気泡が侵入し、 印字障害が発生さ せ得るという技術的課題を抱えている。

これは、 カートリッジホルダにはィンクカートリッジに接続されるィンク導入 管が備えられ、 インクカートリッジの装填により、 インク導入管とカートリッジ 側のィンク導出栓との間において存在する空気が、 インク導出栓部分に閉じ込め られて排出されず、 この空気がィンク中に混入してしまうからである。

本発明は、 このような技術的な課題を解決するためになされたものであり、 ィ ンクカートリッジをカートリヅジホルダに対して接続時に、 ィンク導出栓部分へ の空気の侵入を阻止して印字障害の発生を防止することができるインク力一トリ ヅジの接続構造およびこれを用いたインクジェット式記録装置を提供.することを 第 4の目的とするものである。

さらに、 前記した構成の記録装置に用いられるインクカートリヅジとしては、 記録装置への非装着状態においては、 ィンクの漏出を効果的に阻止することがで きると共に、 記録装置への装着状態においては、 記録装置側にインクを円滑に導 出することができるように構成したインク導出部を備える必要がある。

そこで、 前記インク導出部に、 円環状に形成されたパッキング部材と移動可能 な弁部材とを具備したインクカートリツジの構成を好適に用いることができる。 この様な構成のインク導出部を備えたインクカートリッジによると、 記録装置 への非装着状態においては、 前記パッキング部材の端面に前記弁部材が接合され るために、 円環状に形成されたパッキング部材における中央の開口部から、 イン クが漏出するのを効果的に阻止するように作用する。

また、 記録装置への装着時においては、 パッキング部材における中央の開口部 に相対的に摺接して進入する記録装置側に配置されたィンク導入管の先端部が、 前記弁部材に当接して押し戻すように作用する。 したがって、 前記インク導入管 を介して記録装置'側にインクを円滑に供給することができる。

さらに、 前記したインク導出部を備えたインクカートリッジによると、 必要に 応じてィンク力一トリッジを記録装置に対して装着または非装着を繰り返しても 、 記録装置側に配置されたインク導入管の抜き差しの繰り返しにより、 パッキン グ部材等が劣化するなどの問題を防ぐことができ、 その耐久性を確保することも できる。

しかしながら、 前記した構成のィンク導出部に備えられている円環状のパツキ ング部材は、 カートリッジを記録装置に装着させる場合において、 記録装置側の ィンク導入管の外周面に摺接させるために、 前記ィンク導入管の外径よりも若干 細い内径を持たせる必要がある。

この場合、 前記パッキング部材の内径を同一寸法の円筒状内周面として構成し た場合においては、 力一トリヅジを記録装置に装着させる場合において、 パツキ ング部材の内周面の全面が、 記録装置側のインク導入管の外周面に対して一様に 摺接される。

このために、 カートリッジを記録装置に装着させる時点における機械的な摩擦 抵抗が大きく発生する。 一方、 カートリッジを記録装置から離脱させる場合にお いては、 前記インク導入管の外周面にインクが付着している関係で、 離脱時の摩 擦抵抗は非常に小さくなる。

" したがって、 特に、 インクカートリッジを記録装置へ装着させる場合において 、 円環状のパッキング部材は、 前記摩擦抵抗を受けて円筒状内周面が例えば奥側 に横向き状態に転回するという異常な変形を受け、 この様に転回した状態で装着 状態が維持されるという問題が発生する。

したがって、 比較的長時間にわたつてパッキング部材が前記した異常変形を受 け、 この状態でカートリッジを取り外した場合においては、 パッキング部材に対 する前記弁部材の接合状態が不良となり、 インクの漏出が発生するという問題が 発生する。

本発明は、 前記した問題点を解決するためになされたものであり、 特に、 イン クカートリッジを記録装置へ装着させる場合において、 円環状のパッキング部材 が異常変形状態となるのを防止し得るインクカートリッジを提供すると共に、 前 記パッキング部材をィンク導出部に組み込んだ状態において、 パッキング部材の 組み込み方向の誤りを確実に発見することができるインクカートリツジを提供す ることを第 5の目的とするものである。

一方、 前記したようなインクジヱット式記録装置においては、 インクカートリ ッジの交換に際して、 ィンクカートリッジと力一トリッジホルダ間の誤接続によ つて、 例えば色種の異なるインク同士が混合してしまうという事態を回避するこ とが必要とされる。

さらに、 各色種が互いに異なるインク同士の混合のみならず、 各組成が互いに 異なるインク同士 （例えば、 染料系インクと顔料系インク） の混合を避ける必要 がある。

このために、 例えばインクカートリッジおよびカートリッジホルダにそれぞれ 凸部と凹部を形成し、 インクカートリッジのカートリッジホルダへの装着が正し い場合には両者が嵌合するように構成され、 インクカートリッジの誤装着 （誤揷 入） の防止が図られている。

しかしながら、 前記したようにインクカートリッジの誤挿入を防止するととも に、 各組成が互いに異なるィンク同士の混合および機種に適合しないィンク力一 トリッジの使用を回避して良好な印刷を実現するためには、 多数の凹凸部を形成 する必要が発生する。

そのために、 各色種毎、 各組成毎、 各機種毎にインクカートリッジおよび力一 トリッジホルダを形成することとなり、 金型代等コスト高になるという問題が発 生する。

また、 多数の凹凸部を形成すると、 インクカートリッジおよびカートリッジホ ルダの大型化につながり、 一方、 限られたスペース内に凹凸部を形成しようとす ると、 その凹凸部の個数は限定されてしまう。 このため、 インクに関する情報デ —夕が増加すると、 必要な情報デ一夕を識別することができず、 組成の異なるィ ンク同士が混合するばかりか、 機種に適合しないインク力一トリヅジが使用され る恐れが発生する。

本発明は、 このような問題を解決するためになされたものであり、 コストの低 廉化を図ることができるとともに、 良好な印刷を保証することができるインク力 一トリヅジおよびその接続構造ならびにこれを用いたインクジェット式記録装置 を提供することを第 6の目的とするものである。

さらに、 前記したようにインクカートリッジのインク導出部に、 円環状に形成 されたパッキング部材と移動可能な弁部材とを具備したィンク導出栓の構成によ ると、 例えばユーザがィンク導出栓内にスクリュ一ドライバ等の棒状体を差し込 んで弁部材を開放させた場合には、 外気がィンクパック内に流入するという問題 が発生する。

このような状態となったインクカートリッジを記録装置に装着した場合には、 流入した空気が記録へッド側に送られ、 インク滴の吐出不良が発生するという問 題を引き起こす。

また、 例えば印刷動作時にメインタンクとサブタンクとを接続するインク流路 中に配置されるィンク補給バルブに障害が発生した場合には、 力一トリッジから 記録装置側に送出されたインクが再びインクパック内に流入 （逆流） するという 問題も発生し得る。 このために、 カートリッジのインクパック内におけるインク の脱気度およびクリーン度を保証することができないという問題もある。

本発明は、 このような技術的な課題を解決するためになされたものであり、 ィ ンクパック内に対する空気の流入およびィンクの逆流を阻止することができ、 も つてィンクパヅク内におけるィンクの脱気度およびクリーン度を保証することが できるィンク力一トリッジおよびこれを用いたィンクジエツト式記録装置を提供 することを第 7の目的とするものである。

前記した目的を達成するためになされた本発明にかかる第 1態様は、 可撓性素 材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記インクパッ クを収納し、 気密状態に形成されたカートリッジケースとにより構成され、 記録 装置への装填状態において前記ケース内に加圧空気が導入されるように成された 記録装置用インクカートリッジであって、 前記カートリッジケースの一面に、 記 録装置へ装填する場合の位置決め手段、 インクパックからのインク導出口、 加圧 空気の導入口、 およびデータ記憶手段を備えた回路基板の接続端子を配置した構 成とされる。

この場合、 前記位置決め手段は、 好ましくは記録装置に配置された位置決めピ ンを包囲することができるように形成された開口穴により構成される。

そして、 好ましい実施の形態においては、 前記位置決め手段を構成する開口穴 が、 ケースの前記一面における長手方向に沿った 2か所に配置され、 各開口穴の ほぼ中間部にィンクパックからのィンク導出口が配置された構成とされる。 さらに、 好ましくは 2か所に配置された各開口穴の両外側に、 回路基板の接続 端子および加圧空気の導入口がそれぞれ配置された構成とされる。

以上のように構成されたィンク力一トリッジによると、 力一トリッジケースの 一面に、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段が配置され、 同じく前記一面に 、 インクパックからのインク導出口、 加圧空気の導入口、 およびデータ記憶手段 を備えた回路基板の接続端子が集中して配置されているので、 位置決め手段によ つて力一トリッジケースの前記一面が位置決めされることにより、 機構的および 電気的な各接続機構の位置合わせも正確になされ、 位置決め精度を向上させるこ とができる。

そして、 カートリッジケースに施される前記位置決め手段は、 記録装置に配置 された位置決めピンを包囲することができるように形成された開口穴により構成 され、 この開口穴がケースの前記一面における長手方向に沿つた 2か所に配置さ れた構成とされるので、 記録装置に配置される 2本の位置決めピンとの作用によ り、 力一トリヅジの三次元方向の位置決めを達成することができる。

一方、 本発明においては、 前記第 1態様のインクカートリッジを装填すること ができるインクジェヅト式記録装置を.も提供する。 このインクジエツト式記録装 置においては、 力一トリッジケースの一面に配置された前記位置決め手段を利用 してィンクカートリッジを装填した状態において、 ィンク導出口に対して回路基 板の接続端子が重力方向の上部に位置するように構成される。

このような位置関係をもつて記録装置に対してカートリッジが装填されるので 、 何らかの障害を受けて力一トリッジのィンク導出口よりインク漏れが発生して も、 回路基板の接続端子部分は漏洩ィンクによる汚染から回避することができる 。 したがって、 記録装置の正常な動作を確保することができ、 信頼性に優れた記 録装置を提供することに寄与できる。

次に、 本発明にかかる第 2態様の記録装置用インクカートリッジは、 インク情 報が格納し得る読み出し可能な記憶手段を備えた回路基板を搭載し、 記録装置に 対して着脱可能に装填される記録装置用インクカートリッジであって、 前記回路 基板が、 力一トリッジケースにおける直交する二面が開放された函形空間部内に 取り付けられ、 且つ前記回路基板の取り付け手段が開放された一面に向かって露 出されると共に、 当該カートリッジが記録装置に装填された状態において、 開放 された他の一面を介して記録装置側に配置された端子機構が、 前記回路基板に電 気的に接続されるように構成される。

この場合、 前記回路基板の取り付け手段が、 カートリッジケースに一体に成形 された熱溶着用の突起により構成されていることが好ましく、 前記熱溶着用の突 起が前記回路基板の一部を揷通し、 前記突起の頂部を熱力シメすることにより、 前記回路基板をカートリッジケースに取り付けた構成とされる。

そして、 好ましい実施の形態においては、 前記カートリッジケースには、 可撓 性素材により形成されて内部にィンクが封入されたィンクパックが収納され、 記 録装置への装填状態において前記ケース内に加圧空気が導入されるように構成さ れる。

以上のように構成されたィンク力一トリッジによると、 力一トリヅジケースの 一部に函形空間部が形成され、 この函形空間部内にィンク情報が格納し得る読み 出し可能な記憶手段を備えた回路基板が取り付けられる。

この場合、 函形空間部の直交する二面が開放された構成とされ、 前記回路基板 の取り付け手段が、 開放された一面に向かって露出されるように構成されている ので、 回路基板の取り付けおよび取り外しの操作が容易に成し得る。

一方、 当該カートリッジを記録装置に装填した場合には、 開放された他の一面 を介して記録装置側に配置された端子機構が、 前記回路基板に対して電気的に接 続されるようになされる。

そして、 前記回路基板は函形空間部内に配置されているので、 回路基板に形成 された電極接点等を指先等で不用意に触れるのを効果的に防止することができ、 これにより、 力一トリッジに搭載された回路基板と記録装置との間の電気的な接 触状態を良好に保つことが可能となる。

次に、 本発明にかかる第 3態様のインクジェット式記録装置は、 可撓性素材に より形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記インクパックを 収納し気密状態に形成されたカートリッジケースとにより構成されたィンク力一 トリッジが装填され、 前記ケース内に加圧空気を導入することができるように構 成した記録装置であって、 前記インクカートリッジが記録装置側に装填される場 合において、 前記ィンク力一トリッジ側に形成されたィンク導出口が記録装置側 に接続された後において、 インクカートリッジ側に形成された加圧空気の導入口 が記録装置側に接続される接続機構を備えた構成とされる。

この場合、 前記カートリッジケースには、 好ましくは記録装置へ装填する場合 の位置決め手段が具備され、 前記位置決め手段により記録装置に対するィンクカ —トリツジの位置関係が定められた状態で、 前記ィンク導出口および加圧空気の 導入口が記録装置側に順次接続されるように構成される。

加えて、 前記インクカートリッジには、 インクパック内に封入されたインクに 関する情報デ一夕が格納し得る読み出し可能な記憶手段が搭載され、 前記接続機 構にはィンク力一トリッジが記録装置側に装填される場合において、 前記加圧空 気の導入口が記録装置側に接続された後に、 前記記憶手段に対する電気的な接続 がなされる端子機構が具備されていることが望ましい。

そして、 前記したようにカートリッジ側の記憶手段と、 記録装置側の端子機構 との接続タイミングを採用した場合においては、 カートリヅジ側の記憶手段に対 する記録装置側の端子機構の電気的な接続がなされたことを検知した場合におい て、 加圧空気を生成する加圧ポンプの駆動が可能となるように構成することが望 ましい。

一方、 本発明にかかる第 3態様における記録装置用インクカートリッジは、 可 橈性素材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記イン クパックを収容し、 外郭が気密状態に形成されたカートリッジケースとにより構 成され、 記録装置に装填された状態において記録装置側より前記ケース内に加圧 空気が導入できるように構成された記録装置用ィンクカートリッジであって、 前 記ィンクカートリッジが記録装置側に装填される場合において、 前記ィンク力一 トリッジ側に形成されたィンク導出口が、 記録装置側に接続された後において、 インクカートリッジ側に形成された加圧空気の導入口が記録装置側に接続される ように構成される。

この場合、 前記カートリッジケースには、 好ましくは記録装置へ装填する場合 の位置決め手段が具備され、 前記位置決め手段により記録装置に対するィンクカ —トリッジの位置関係が定められた状態で、 前記ィンク導出口および加圧空気の 導入口が記録装置側に順次接続されるように構成される。 加えて、 前記インクカートリッジには、 インクパック内に封入されたインクに 関する情報データが格納し得る読み出し可能な記憶手段が搭載され、 前記ィンク カートリッジが記録装置側に装填される場合において、 加圧空気の導入口が記録 装置側に接続された後において、 前記記憶手段が記録装置側の端子機構に電気的 に接続されるように構成することが望ましい。

さらに、 好ましくは前記インクカートリッジに備えられた加圧空気の導入口は 、 カートリッジケースと一体に成形された中空の円筒形状をなし、 前記導入口を 構成する円筒体の円筒面の軸方向の長さは、 2〜2 0 mmに形成される。

以上のように構成されたインクジヱット式記録装置およびインク力一トリッジ の組み合わせによると、 記録装置側に配置された接続機構は、 インクカートリツ ジ側のィンク導出口が記録装置側に接続された後において、 加圧空気の導入口が 記録装置側に接続される寸法関係になされているので、 ィンク力一トリッジを記 録装置に装填する場合においては、 ィンク導出口が記録装置側に接続された後に おいて、 加圧空気がカートリヅジケース内に導入されることになる。

したがって、 ィンク力一トリッジの装着途中において加圧空気の作用を受け、 カートリッジのィンク導出口からインクが漏洩するという事態を避けることがで きる。

また、 前記した寸法関係になされているので、 ィンクカートリッジを記録装置 から取り外す場合においては、 先に加圧空気の導入口が記録装置側から外れ、 そ の後においてインク導出口が記録装置側から外れるという動作順序が踏まれる。 したがって、 インク導出口が記録装置側から外された状態においては、 加圧空 気の導入口はすでに大気に開放されており、 したがって、 同様に加圧空気を受け てカートリッジのインク導出口からィンクが漏洩するという事態を避けることが できる。

さらに、 カートリッジケースに、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段を具 備させた構成とすることで、 記録装置に対するィンクカートリッジの脱着の位置 関係が定められるので、 前記したインク導出口および加圧空気の導入口の前記し た脱着の順序を、 より確実に保証することができる。

一方、 ィンク力一トリッジ内に封入されたィンクに関する情報デ一夕が格納し 得る読み出し可能な記憶手段を備えたィンクカートリッジを利用する場合におい ては、 加圧空気の導入口が記録装置側に接続された後において、 接続機構に配置 された端子機構が前記記憶手段に対して電気的に接続されるように成される。 そして、 記憶手段に対して前記端子機構の電気的な接続がなされたことを検知 した場合において、 加圧空気を生成する加圧ポンプの駆動が可能となるように構 成することで、 機構的な接続状態が完了した時点で力一トリッジ内に加圧空気を 導入する動作が実行される。

したがって、 加圧ポンプの空駆動を避けることができ、 加圧空気の導入夕イミ ングを、 より適切に制御することが可能となる。

さらに、 本発明にかかる第 4態様におけるインクカートリッジの接続構造は、 記録装置用へッドにィンク経路を介して接続するィンク導入管を有するカートリ ッジホルダと、 前記カートリッジホルダのィンク導入管に連通可能なィンク導出 管およびこのィンク導出管のィンク導出口を開閉する弁体を有するィンクカート リッジとを備え、 前記ィンクカートリッジのィンク導出管内に前記ィンク導入管 を圧入することにより、 前記弁体を押圧して前記ィンク導出口を開放させるとと もに、 前記インク導出管と前記インク導入管とを連通させ、 前記インク力一トリ ッジを前記カートリッジホルダに接続する構造であって、 前記ィンク導入管の圧 入側端面には、 前記弁体を押圧する凸部が設けられるとともに、 前記凸部には、 前記ィンク導入管の前記ィンク導出管への圧入による空気排出状態において前記 ィンク導出口の内外に連通する空気排出路が設けられていることを特徴とする。 このように構成されているため、 ィンク導入管がィンク導出管への圧入を開始 してから、 凸部が弁体を押圧してインク導出口を開放するまで、 インク導出口内 の空気が空気排出路を経てィンク導出管外に排出される。

したがって、 インクカートリッジの接続時に管内への空気の侵入を阻止するこ とができるため、 インク経路内におけるインク中に気泡が存在せず、 印字障害の 発生を防止することができる。

この場合、 前記空気排出路が、 前記凸部の外側面部に形成された凹溝であるこ とが望ましい。 このように構成されているため、 空気排出路を単一の直線路とし て形成加工することができる。 このため、 凹溝からなる空気排出路の形成加工が、 二以上の直線路からなる （ 折曲路となる） 孔明け加工と比較して簡単かつ確実に行われる。

また、 前記弁体に、 前記凸部に嵌合可能な凹部が設けられていることが望まし い。 このように構成されているため、 インクカートリッジの接続時にインク導入 管とインク導出管との軸合わせが簡単かつ確実に行われる。

さらに、 前記凹部および前記凸部の各嵌合面に、 前記インク導出管内に前記ィ ンク導入管を案内するためのテーパが形成されていることが望ましい。 このよう に構成されているため、 ィンク導出管内に対するィンク導入管の圧入が円滑に行 われ o

また、 本発明にかかる第 4態様においては、 前記接続構造を備えたインクジェ ット式記録装置をも提供する。 この態様のインクジェット式記録装置は、 キヤリ ッジ上に搭載されて記録用紙の幅方向に移動するインクジエツト式記録へッドと 、 この記録へッドの移動方向に対して直交する方向に記録用紙を相対的に移動さ せる紙送り手段とを備えた記録装置において、 前記したィンク力一トリッジの接 続構造を用いたことを特徴とする。

このように構成されているため、 印字障害の発生を防止可能なインクジエツト 式記録装置を提供することができる。

また、 本発明にかかる第 5態様における記録装置用インクカートリッジは、 内 部にィンクが貯留され、 記録装置への装着状態において前記インクを記録装置側 に導出させるィンク導出部を備えた記録装置用インク力一トリッジであって、 前 記インク導出部には、 円環状に形成されたパッキング部材と、 移動可能な弁部材 とが具備され、 記録装置への非装着状態においては、 前記パッキング部材の一端 面に前記弁部材が接合してィンクの導出が阻止され、 記録装置への装着状態にお いては、 前記パッキング部材の一端面への弁部材の接合が解かれて、 インクの導 出が可能となるように構成され、 且つ前記ノ、"ッキング部材における他端面には、 中央の開口部内周面から外周面に通ずるように少なくとも 1つの溝部が形成され た構成とされる。

この場合、 前記パッキング部材における他端面には、 中央の開口部内周面から 外周面に通ずるように、 複数の溝部がそれぞれ放射状に形成されていることが望 ましい。

また、 前記弁部材をパッキング部材の一端面に向かつて付勢するばね部材が具 備されていることが望ましく、 記録装置への装着状態において、 パッキング部材 の前記開口部内周面に摺接して相対的に進入するインク導入管の先端部によって 前記弁部材が押し戻され、 弁部材によるパッキング部材の一端面への接合が解除 されるように構成される。

そして、 好ましくは円環状に形成された前記パッキング部材の中央の開口部内 周面には、 記録装置側に配置されたィンク導入管の外周面に接するために内径を 細くした環状の摺接部がさらに形成され、 且つ前記摺接部は、 弁部材が接合する パッキング部材の前記一端面側に偏らせて形成した構成とされる。

一方、 前記した移動可能な弁部材には、 好ましくはパッキング部材の一端面に 接合してィンクの導出を阻止する円盤状部材と、 前記円盤状部材の外周に沿って 間欠的に配置され、 それぞれ弁部材の移動方向に沿って伸びる複数本のガイ ド部 材とが具備され、 パッキング部材の一端面への前記円盤状部材の接合が解かれた 状態において、 円盤状部材の外周に沿って間欠的に配置された前記各ガイ ド部材 間に形成された隙間を介してィンクが導出されるように構成される。

そして、 好ましい実施の形態においては、 前記インク導出部は、 可撓性素材に より形成されて内部にインクが貯留されたインクパックの一部に配置され、 且つ 前記インク導出部は、 インクパックを収容したカートリッジケースの一部に、 力 —トリッジケースから露出するようにして取り付けられた構成とされる。

また、 好ましい実施の形態においては、 前記カートリッジケースは気密状態に 構成され、 カートリッジケースと前記インクパックとの間の空間部に、 加圧空気 を導入することができる加圧空気の導入口が形成された構成とされる。

前記した構成の第 5態様におけるインクカートリッジによると、 インク導出部 に装着される円環状に形成されたパッキング部材の中央の開口部内周面には、 内 径を細くした環状の摺接部が形成されているので、 インクカートリッジを記録装 置に装着した場合において、 この摺接部が記録装置側に配置されたィンク導入管 の外周面に接するように作用する。

したがって、 カートリッジを記録装置に装着させる時点において、 パッキング 部材がインク導入管との間で受ける機械的な摩擦抵抗を低減させることができる 加えて、 前記摺接部は弁部材が接合するパッキング部材の一端面側に偏らせて 形成した構成とされているので、 前記摺接部はィンク導入管との摩擦によって、 ィンク導入管の相対的な進入方向の奥側に向かって若干変形される。

しかしながら、 パッキング部材の奥側の端部に向かっては逃げの余裕があるた め、 パッキング部材は前記摩擦抵抗を受けて円筒状内周面が、 例えば奥側に横向 き状態に転回するという異常な変形状態に達するのを防止することができる。 一方、 前記パッキング部材における他端面には、 中央の開口部内周面から外周 面に通ずるように少なくとも 1つの溝部が形成されているので、 インク導出部に パヅキング部材を組み込むに際して、 組み込み方向に誤りが生じた場合において は、 弁部材とパヅキング部材との間でシールをとることが不可能となる。

したがって、 インクカートリッジにインクを封入しょうとした際に、 即座にィ ンク導出部よりインクが漏出するので、 前記した組み立て不良を確実に発見する ことができる。

さらに、 本発明にかかる第 6態様のインクカートリッジの接続構造は、 記録装 置用へヅドにィンク経路を介して接続するィンク導入管を有する力一トリヅジホ ルダと、 このカートリッジホルダに着脱自在に保持され、 前記インク導入管に連 通可能なインク導出管を有するインク力一トリッジとを備え、 前記ィンク導出管 と前記ィンク導入管とを連通させることにより、 前記ィンクカートリッジを前記 カートリッジホルダに接続する構造であって、 前記力一トリヅジホルダと前記ィ ンク力一トリッジとの間に、 前記記録装置用へヅドに供給されるインクの色種に 関し、 カートリッジ ·ホルダ間接続の正誤によってそれぞれ嵌合可能 ·嵌合不能 とする凹部と凸部を形成し、 これら凹 ·凸部の嵌合状態において、 インク色種以 外のィンクに関する情報データを授受する記憶素子およびデ一夕識別手段をそれ それ前記ィンク力一トリッジ側と前記力一トリッジホルダ側に設けたことを特徴 とする。

このような構成により、 ィンクの色種に関しては凹部と凸部との嵌合によって その適否が検出され、 また色種以外のィンク情報デ一夕に関してはデ一夕識別手 段によって読み取られる。

したがって、 ィンクの色種以外のィンクに関する情報データの変更 ·追加があ る場合には、 記憶素子の書き込みデータを変更 ·追加することによって対応でき るため、 従来のように各色種毎、 各組成毎、 各機種毎にインクカートリッジおよ びカートリッジホルダを形成することを必要とせず、 コス卜の低廉化を図ること ができる。

また、 インクに関する必要な情報デ一夕をデータ識別手段によって識別するこ とができるため、 組成の異なるィンク同士の混合および機種に適合しないィンク 力一トリッジの使用が回避され、 良好な印刷を保証することができる。

この場合、 前記凹部が前記カートリッジホルダに設けられ、 前記凸部が前記ィ ンク力一トリヅジに設けられていることが望ましい。 このような構成により、 ィ ンクカートリヅジをカートリヅジホルダに接続するにあたっては、 カートリヅジ ホルダの凹部にィンク力一トリッジの凸部が嵌合される。

また、 前記凹部が前記インクカートリッジに設けられ、 前記凸部がカートリツ ジホルダに設けられている構成も採用し得る。 このような構成により、 インク力 —トリヅジを力一トリヅジホルダに接続するにあたっては、 ィンクカートリヅジ の凹部にカートリッジホルダの凸部が嵌合される。

そして、 前記記憶素子が、 I C基板に実装されている構成とされる。 このよう な構成により、 インクカートリッジをカートリッジホルダに接続すると、 色種以 外のィンクに関する情報データが I C基板における記憶素子から読み取られる。 この場合、 前記記憶素子に、 顔料/染料系インクの種別、 インク残量、 シリア ル番号、 有効期限および対象機種の情報データのうち少なくとも一つの情報デー 夕が記憶されていることが望ましい。 このような構成により、 色種以外のインク に関する各情報データがデータ識別手段によつて記憶素子から読み取られる。 そして、 前記凹部および前記凸部が、 それぞれ複数個とする構成とされる。 こ のような構成により、 凹 ·凸部の個数増加に伴い、 より多くのインク色種の変更 •追加に応じることができる。

一方、 本発明の第 6態様にかかるインクカートリッジは、 記録装置用ヘッドに 至るィンク導入管を有するカートリッジホルダに着脱可能に接続され、 前記ィン ク導入管に連通可能なインク導出管を有するィンクパックを備えたィンクカート リヅジであって、 前記記録装置用ヘッドに供給されるインクの色種に関し、 パヅ ク -ホルダ間接続の正誤によって、 前記カートリッジホルダと嵌合可能 ·嵌合不 能とする凹部または凸部と、 ィンク色種以外のィンクに関する情報デ一夕を授受 する記憶素子とを設けたことを特徴とする。

このような構成により、 ィンクの色種に関しては凹部と凸部との嵌合によって その適否が検出され、 また色種以外のィンク情報データに関してはデータ識別手 段によって読み取られる。

したがって、 ィンクの色種以外のィンクに関する情報デ一夕の変更 ·追加があ る場合には、 記憶素子の書き込みデ一夕を変更 ·追加することによって対応でき るため、 従来のように各色種毎、 各組成毎、 各機種毎にインクパックおよびカー トリッジホルダを形成することを必要とせず、 コストの低廉化を図ることができ る。

また、 インクに関する必要な情報デ一夕をデ一夕識別手段によって識別するこ とができるため、 組成の異なるインク同士の混合および機種に適合しないインク 力一トリッジの使用が回避され、 良好な印刷を実現することができる。

また、 本発明にかかる第 6態様のインクジェット式記録装置は、 印刷領域と非 印刷領域との間を往復可能なへッド装着用のキャリッジを備えたインクジエツト 式記録装置において、 前記したィンクカートリッジの接続構造またはィンク力一 トリッジを用いたことを特徴とする。

このような構成により、 コストの低廉化を図ることができるとともに、 良好な 印刷を実行することができるインクジェット式記録装置が得られる。

さらにまた、 本発明にかかる第 7態様のインクカートリッジは、 記録装置用へ ッドにィンク経路を介して接続するィンク導入管に挿抜可能なィンク導出管と、 このィンク導出管に接続されィンクを内封するィンクパックとを備え feィンクカ —トリッジであって、 前記ィンク導出管内に前記ィンク導入管の着脱によって開 閉する第一弁体を配設するとともに、 この第一弁体のインク供給側に位置する第 二弁体を配設し、 前記第二弁体は、 前記インク導出管の管路を常時閉塞し、 かつ 前記記録装置用へッドへのィンク供給時のィンクの流動によって開放する逆止弁 からなることを特徴とする。

このように構成されているため、 ィンク導入管とィンク導出管の装着状態にお いてインクがィンクパック外に流動すると、 この流動力を閉弁状態の第二弁体が 受けて開弁状態となり、 ィンク導出管とィンク導入管とが連通する。

一方、 インク導出管内に外気および逆流インクが流動すると、 この流動カを閉 弁状態の第二弁体が受けて閉弁状態を維持し、 ィンク導出管とィンク導入管とが 連通することはない。

したがって、 ィンクパックに対する外気の流入およびィンクの逆流を阻止する ことができ、 ィンクパック内におけるィンクの脱気度およびクリーン度を保証す ることができる。

この場合、 前記第二弁体が、 薄片からなることが望ましい。 このように構成さ れているため、 閉弁時に第二弁体の一方端面がィンク導入管の管路を閉塞する。 さらに、 前記第二弁体が、 前記管路の軸線方向に移動可能な弁体である構成と される。 このような構成により、 第二弁体が管路の軸線方向に移動して閉弁状態 から開弁状態となり、 また開弁状態から閉弁状態となる。

また、 前記第二弁体が、 弾性変形可能な素材によって形成されている構成も採 用し得る。 このような構成により、 第二弁体をインク導出管に固定し、 逆止弁と して機會 させることができる。

また、 前記第二弁体が、 球体からなる構成も採用し得る。 この構成により、 閉 弁時に第二弁体の球面がィンク導入管の管路を閉塞する。

この場合、 前記第二弁体の比重が、 インクの比重と同一であることが望ましい 。 この構成により、 インクの流動によって第二弁体の移動が円滑に行われ、 逆止 弁としての機能が十分に発揮される。

また、 前記第一弁体と前記第二弁体との間に、 ストッパが配置されていること が望ましい。 このような構成により、 第二弁体がストツバと閉弁位置との間を管 路の軸線に沿って移動する。

さらに、 前記第二弁体の側方に、 '移動規制片が配置されていることが望ましい 。 この構成により、 移動規制片によって管路の軸線方向と直角な方向への第二弁 体の移動が規制される。 また、 前記第二弁体に対応する弁座が、 インク被供給側に突出して形成されて いることが望ましい。 この構成により、 第二弁体の縁部にインクパック側に突出 するようなばりが発生していると、 この発生ばりを閉弁状態において弁体周囲の 空間部に位置付けることができる。

そして、 前記インク導出管にインク被供給側に開口する凹部が形成され、 この 凹部内に前記移動規制片の先端部が配置されている構成とされる。 この構成によ り、 凹部の形成面と移動規制片の先端部間への第二弁体の入り込みを阻止するこ とができる。

さらに、 本発明にかかる第 7態様のインクジェット式記録装置は、 印刷領域と 非印刷領域との間を往復可能なへッド装着用のキャリッジを備えたインクジエツ ト式記録装置において、 前記したィンクカートリッジを用いたことを特徴とする 。 このような構成により、 インクパックへの外気および逆流インクの流動を阻止 することができ、 ィンクパック内におけるィンクの脱気度およびクリーン度を保 証することができるインクジエツト式記録装置が得られる。 図面の簡単な説明

第 1図は本発明にかかるインクジェット式記録装置の一例を示した平面図であ る。

第 2図は第 1図に示す記録装置におけるインクカートリッジから記録ヘッドに 至るィンク供給システムを示した模式図である。

第 3図はサブタンクの一部の構成を割愛し、 これを一面方向から視た状態の斜 視図である。

第 4図は同じくサブタンクを一面方向から視た状態の透視図である。

第 5図は同じくサブタンクを裏面方向から視た状態の背面図である。

第 6図はィンク補給バルブが閉弁されている状態におけるメインタンクと力一 トリッジホルダとの一部を示した断面図である。

第 7図はィンク補給バルブが開弁されている状態におけるメインタンクと力一 トリヅジホルダとの一部を示した断面図である。

第 8図は本発明にかかる記録装置において実行されるメインタンクからサブ夕 ンクに対するィンク補給の制御ルーチンを示したフローチャートである。

第 9図は本発明にかかるインク力一トリッジの外観構成を示した斜視図である ο

第 1 0図は第 9図における A— A線から矢印方向に視た状態のインク力一トリ ッジの拡大断面図である。

第 1 1図は第 8図に示したカートリッジ内に収納されたィンクパックの構成を 示した斜視図である。

第 1 2図はィンクカートリヅジの一面側の端部およびカートリヅジホルダに配 置された接続機構の構成を示した断面図である。

第 1 3図はカートリヅジホルダに配置された接続機構を示した斜視図である。 第 1 4図は力一トリヅジ側のィンク導出栓と、 力一トリッジホルダ側のィンク 導入管との構成を示した断面図である。

第 1 5図は力一トリッジ側に装着された回路基板の装着状態を拡大して示した 斜視図である。

第 1 6図は第 1 5図に示された回路基板の外観構成をさらに拡大して示した斜 視図である。

第 1 7図は本発明にかかるィンク力一トリッジの接続構造を示した断面図であ る。 '

第 1 8図は同じくインクカートリツジの接続構造を示す斜視図である。

第 1 9図はインクカートリッジの接続構造におけるインク導入管の断面図と、 その B— B線から矢印方向に視た状態の断面図である。

第 2 0図はィンク力一トリッジを力一トリヅジホルダに接続する場合の動作に ついて説明するための断面図である。

第 2 1図はインク力一トリッジの接続構造におけるインク導入管の変形例を示 す断面図である。

第 2 2図はィンクパックの端部に配置されたィンク導出部の構成を示した分解 斜視図である。

第 2 3図は同じくインク導出部の構成を示した中央断面図である。

第 2 4図はィンク導出部におけるパッキング部材の組み込み方向を逆にした例 を示す中央断面図である。

第 2 5図はパッキング部材をそれぞれ表裏方向から視た状態の斜視図である。 第 2 6図はパッキング部材を各面から視た状態および断面状態を示す図である 第 2 7図は本発明にかかるインクカートリッジの他の形態の外観構成を示した 斜視図である。

第 2 8図は第 2 7図に示したィンク力一トリッジの平面図、 正面図および側面 図である。

第 2 9図は第 2 7図および第 2 8図に示すインクカートリッジの一面側端部お よびカートリッジホルダに配置された接続機構を示す断面図である。

第 3 0図は第 2 9図に示す接続機構を示した斜視図である。

第 3 1図は本発明にかかる他の態様のインク力一トリッジにおける第一実施形 態を示す要部断面図である。

第 3 2図は同じく第一実施形態における第一管体と第二管体の構成を示す斜視 図である。

第 3 3図は同じく第一実施形態における第一管体と第二管体の構成を示す平面 図である。

第 3 4図は第二弁体にばりが発生している場合と第二管体と移動規制片間への 第二弁体の入り込みが阻止される場合について説明するために示す断面図である 第 3 5図は同じく第一実施形態にかかるィンクカートリツジの開弁状態を示す 拡大断面図である。

第 3 6図は同じく第一実施形態にかかるインクカートリッジの閉弁状態を示す 拡大断面図である。

第 3 7図は第二実施形態にかかるインクカートリッジの開弁状態と閉弁状態を 示す断面図である。

第 3 8図は第 Ξ実施形態にかかるィンクカートリッジの開弁状態と閉弁状態を 示す断面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明にかかる各態様の記録装置用ィンク力一トリッジおよびィンクジ エツト式記録装置について、 図に示す実施の形態に基づいて説明する。

なお、 以下においては初めに本発明にかかるインクジエツト式記録装置の構成 とサブタンクへのィンク補給制御方法について説明し、 後において本発明にかか る各態様のインク力一トリッジの構成について説明する。

まず、 第 1図は、 本発明にかかるインクジヱヅト式記録装置の構成を上面図に よって示したものである。 第 1図において符号 1はキャリッジであり、 このキヤ リッジ 1はキヤリヅジモ一夕 2によって駆動されるタイミングベルト 3を介し、 走査ガイド部材 4に案内されて紙送り部材 5の長手方向、 すなわち記録用紙の幅 方向である主走査方向に往復移動されるように構成されている。

そして、 第 1図には示されていないが、 キャリッジ 1の紙送り部材 5に対向す る面には、 後述するインクジヱット式記録へッド 6が搭載されている。

また、 キャリッジ 1には前記記録へッドにインクを供給するためのサブタンク 7 a〜 7 dが搭載されている。 このサブタンク 7 a〜 7 dは、 この実施の形態に おいては、 その内部において各インクを一時的に貯留するために、 それぞれのィ ンクに対応して 4個具備されている。

そして、 このサブタンク 7 a〜 7 dに対して装置の端部に配置された力一トリ ッジホルダ 8に装填されたィンク力一トリヅジとしてのメインタンク 9 a〜9 d から、 インク供給路としての各チューブ 1 0 , 1 0 , ……をそれぞれ介して、 ブ ラック、 イエロ一、 マゼン夕およびシアンの各インクが供給されるように構成さ れている。

一方、 前記キャリッジ 1の移動経路上における非印字領域 （ホームポジヨン） には、 記録へッドのノズルプレートを封止することができるキヤッピング手段 1 1が配置されている。 このキヤッビング手段 1 1の上面には、 前記記録ヘッドの ノズルプレートを封止し得るゴム等の可撓性素材により形成されたキヤップ部材 1 1 aが具備されている。 そして、 キャリッジ 1がホームポジヨンに移動したと きに、 これに追従して前記キャップ部材 1 1 aによって、 記録ヘッドのノズルプ レートが封止できるように構成されている。 このキヤヅプ部材 1 1 aは、 記録装置の休止期間中において記録へヅドのノズ ルプレートを封止し、 ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。 また、 このキヤヅビング手段 1 1には、 図には示されていないが、 吸引ポンプ （チュー ブポンプ） におけるチューブの一端が接続され、 吸引ポンプによる負圧を記録へ ッドに作用させて、 記録へッドからィンクを吸引排出させるクリーニング動作が 実行されるように構成されている。

さらに、 キヤヅビング手段 1 1に隣接した印字領域側には、 ゴムなどの弾性素 材により形成されたワイピング部材 1 2が配置されていて、 必要に応じて記録へ ッドのノズルプレートを払拭して清掃することができるように構成されている。 次に第 2図は、 第 1図に示した記録装置に搭載されたィンク供給システムを模 式的に示したものであり、 このインク供給システムについて、 同一符号で示した 第 1図と共に説明する。 第 1図および第 2図において、 符号 2 1は加圧ポンプを 示しており、 この加圧ポンプ 2 1により生成された加圧空気は圧力調整弁 2 2に 供給され、 圧力調整弁 2 2により圧力調整された加圧空気は、 圧力検出器 2 3を 介して前記した各メインタンク 9 a〜9 d (第 2図においては代表して符号 9と して示しており、 以下において代表して単に符号 9として説明する場合もある。 ) にそれぞれ供給されるように構成されている。

このメインタンク 9は、 その概略構成が第 2図に示されたように、 その外郭が 気密状態に形成されており、 その内部にはインクを封入した可撓性素材により形 成されたインクパック 2 4が収納されている。 そして、 メインタンク 9とインク パック 2 4とで形成される空間が圧力室 2 5を構成しており、 この圧力室 2 5内 に、 圧力検出器 2 3を介した加圧空気が供給されるように構成されている。 この構成により、 各メインタンク 9 a〜9 dに収納された各ィンクパック 2 4 は、 それぞれ加圧空気による加圧を受け、 各メインタンク 9 a〜9 dから各サブ タンク 7 a〜7 dに対してィンク流が発生されるように作用する。

したがって、 前記各メインタンク 9 a〜 9 dにおいて加圧されたインクは、 ィ ンク補給バルブ 2 6， 2 6， ……および各インク補給チューブ 1 0， 1 0， …… をそれぞれ介して、 キャリッジ 1に搭載された各サブタンク 7 a〜7 d (第 2図 においては代表して符号 7として示しており、 以下において代表して単に符号 7 として説明する場合もある。） に供給される。

第 2図に示すサブタンク 7の構成についての詳細な説明は後述するが、 その基 本構成は、 内部にフロート部材 3 1が配置されており、 そのフロート部材 3 1の 一部には永久磁石 3 2が取り付けられている。 そして、 ホール素子に代表される 磁電変換素子 3 3 a , 3 3 bが基板 3 4に装着されて、 サブタンク 7の側壁に添 接されている。 .

この構成により、 サブタンク内のィンク量に応じた前記フロート部材 3 1の浮 上位置にしたがって、 電気的出力を発生する出力発生手段を構成している。 すな わち、 この出力発生手段は、 フロート部材 3 1に配置された永久磁石 3 2と、 フ ロート部材の浮上位置にしたがった前記永久磁石 3 2による磁力線量に応じて、 前記ホール素子 3 3 a , 3 3 bにより電気的出力が発生される構成'とされている したがって、 例えばサブタンク 7内のインク量が少なくなつた場合には、 サブ タンク内に収納されたフロート部材 3 1の位置が重力方向に移動し、 これに伴い 前記永久磁石 3 2の位置も重力方向に移動する。 しそして、 永久磁石の移動によ るホール素子 3 3 a , 3 3 bの電気的出力は、 サブタンク 7内のインク量として 感知することができ、 ホール素子 3 3 a， 3 3 bにより得られた電気的出力によ つて、 前記インク補給バルブ 2 6が開弁される。

これにより、 メインタンク 9内で加圧されているインクは、 インク量が低下し たそれぞれのサブタンク 7内に送出される。 そして、 当該サブタンク 7内におけ るインク量が所定の容量に達した場合には、 前記したホール素子 3 3 a , 3 3 b の電気的出力に基づいて前記ノ レブ 2 6が閉弁される。

このような繰り返しにより、 メインタンクからサブタンクに対して断続的にィ ンクが補給されるように作用し、 各サブタンクには、 常にほぼ一定の範囲のイン クが貝宁留されるようになされる。

このように、 メインタンク内において空気圧によって加圧された各ィンクが、 サブタンク内に配置されたそれぞれのフロート部材の位置に基づく電気的な出力 に基づいて、 各サブタンクに対して補給されるように構成されているので、 イン クの補給レスポンスを向上させることができ、 サブタンク内のィンクの貯留量が 適切に管理される。

—方、 各サブタンク 7からはバルブ 3 5およびこれに接続されたチューブ 3 6 を介して記録へヅド 6に対してィンクが供給されるように構成されており、 記録 へヅ ド 6に供給される印刷デ一夕に基づいて、 記録へッド 6のノズルプレートに 形成されたノズル開口 6 aより、 インク滴が吐出されるように作用する。 なお、 第 2図において符号 1 1は、 前記したキヤヅビング手段を示しており、 このキヤ ッビング手段 1 1に接続されたチューブは図示せぬ吸引ポンプに接続されている ο

第 3図ないし第 5図は、 前記したサブタンクの実施の形態を示したものであり 、 第 3図はサブタンクの一部の構成を割愛し、 これを一面方向から視た斜視図で 示し、 第 4図は同方向から視た透視図で示している。 さらに第 5図はサブタンク を裏面方向から視た背面図で示している。 なお、 第 3図ないし第 5図において、 既に説明した各部に相当する部分は、 同一符号で示されている。

サブタンク 7は、 ほぼ直方体状に形成され、 且つ全体が偏平状になされている 。 このサブタンク 7の外郭は、 一側壁 4 1 aとこれに連なる周側壁 4 1 bとがー 体に形成された箱状部材 4 1により構成されており、 この箱状部材 4 1の開口周 縁には、 樹脂素材によるフィルム状部材 4 2 (第 4図参照） が例えば熱溶着手段 により密着状態で取り付けられ、 箱状部材 4 1とフィルム状部材 4 2とにより囲 まれた内部に、 インク貯留空間 4 3が形成されている。

そして、 箱状部材 4 1を構成する前記一側壁 4 1 aからインク貯留空間 4 3に 向かって突出する支持軸 4 4が箱状部材 4 1と一体に形成されており、 フロート 部材 3 1は、 この支持軸 4 4を回動中心として、 インク貯留空間 4 3内において 重力方向に可動できるように配置されている。

なお、 この実施の形態においては、 前記支持軸 4 4はインク貯留空間 4 3にお ける水平方向の端部近傍に配置されており、 前記フロート部材 3 1は、 前記ま持 軸 4 4を回動中心として可動される支持腕部材 4 5の可動自由端側に一体に形成 されている。

そして、 第 4図に示されたように前記支持腕部材 4 5の自由端側に、 前記した 永久磁石 3 2が取り付けられており、 この永久磁石 3 2は、 支持腕部材 4 5がほ ぼ水平状態となされた時に、 インク貯留空間 4 3における水平方向の他端部近傍 に位置するよう、 すなわちサブ:タンク 7の側壁に添接された基板 3 4に装着され たホール素子 3 3 a， 3 3 bに最も接近されるように構成されている。

また、 前記ホール素子 3 3 a， 3 3 bはサブタンク 7の側壁に形成された位置 決め凹部 4 1 cに挿入されており、 この位置決め凹部 4 1 cを形成することによ り、 サブタンク 7 ©側壁部はより薄肉状態とされ、 前記フロート部材 3 1に取り 付けられた永久磁石 3 2の移動軌跡と、 各ホール素子 3 3 a , 3 3 bとの距離が 、 より接近できるように構成されている。

一方、 前記サブタンク 7には、 その重力方向の低部、 すなわちこの実施の形態 においては周側壁 4 1 bの底部にィンク補給口 4 6が形成されており、 このィン ク補給口 4 6に接続された前記チューブ 1 0を介してメインタンク 9よりインク 貯留空間 4 3内に、 インクが補給されるように構成されている。

サブタンク 7におけるィンク補給口 4 6が、 前記したとおり重力方向の低部に 形成されることにより、 メインタンクからのインクは、 インク貯留空間 4 3の底 部から補給され、 したがって、 インクの補給によってインク貯留空間 4 3内にお けるィンクの泡立ちが発生しないように配慮されている。

さらに、 前記サブタンク 7内には、 フロート部材 3 1および支持腕部材 4 5の 移動領域を避けた部分に、 キヤリッジの移動に伴いサブタンク内のィンクの波打 ちの発生程度を低減させる複数条のリブ部材 4 7が配置されている。

この実施の形態においては、 リブ部材 4 7はサブタンク 7を構成する箱状部材 4 1の一側壁 4 1 aからィンク貯留空間 4 3に向かってそれぞれ突出するように 、 一側壁 4 1 aをベースとして一体に形成されているが、 これは別体に形成され ていてもよい。

このリブ部材 4 7の存在により、 前記したとおりサブタンク内のィンクの波打 ちの発生程度を低減させることができ、 これにより、 ホール素子によるサブタン ク 7内のィンクの貯留量の検出精度を向上させることができる。

また、 サブタンク内 7には、 インク補給口 4 6に近接してインク導出口 4 8が 形成されている。 このインク導出口 4 8を覆うように、 五角形 （ホームベース状 ) を形成する異物トラップ用のフィル夕部材 4 9が配置されており、 したがって 、 サブタンク 7内に貯留されたインクは、 このフィル夕部材 4 9を介してインク 導出口 4 8に導かれるようになされる。

しかも、 ィンク導出口 4 8はィンク補給口 4 6に近接して形成されているので 、 サブタンク 7内に導入される比較的新しいインクが、 直ちにこの導出口 4 8よ り導出されるように作用する。

前記ィンク導出口 4 8より導出されるインクは、 第 5図に示されたように側壁 4 1 aの裏面に形成された溝部 5 0に導出され、 この溝部を覆うように熱溶着さ れたフィルム状部材 5 1により形成されたィンク導出路を介してサブタンク 7の 下底部に配置された前記バルブ 3 5に至るように構成されている。

そして、 バルブ 3 5を介して、 同様に側壁 4 1 aの裏面に形成された溝部 5 2 に導出され、 この溝部を覆うように熱溶着された前記フィルム状部材 5 1により 形成されたインク導出路を介して記録へヅド 6に接続されるチューブ 3 6の接続 口 5 3に導かれるように構成されている。

一方、 サブタンク 7の上半部には、 第 3図および第 4図に示されたようにイン ク貯留空間 4 3に導通する導通溝 6 1が傾斜状態に形成されており、 この導通溝 6 1の上端部、 すなわちサブタンク 7の重力方向の高部には、 サブタンク 7の側 壁 4 1 aの裏面に貫通する大気連通口 6 2が形成されている。

この大気連通口 6 2は、 第 5図に示すようにサブタンク 7の裏面に配置され、 大気を通過させると共にィンクの通過を阻止するほぼ矩形状に形成された撥水膜 6 3によって閉塞されている。

この撥水膜 6 3は、 サブタンク 7の側壁 4 1 aにおける裏面に形成された凹所 に収納された形で配置されており、 側壁 4 1 aの上部裏面を覆うように熱溶着さ れたフィルム部材 6 4によって保持されている。 そして、 前記撥水膜 6 3を介し て側壁 4 1 aの裏面には蛇行溝 6 5が形成されており、 この蛇行溝 6 5の端部は 、 サブタンク 7の側壁 4 1 aに形成された有底孔 6 6に連通されている。

これら蛇行溝 6 5および有底孔 6 6は、 前記したフィルム部材 6 4によって気 密状態に覆われており、 したがって、 蛇行溝 6 5とフィルム部材 6 4とによって 、 空気流通抵抗路 （符号は蛇行溝と同じ 6 5で示す） が形成されている。 . そして、 前記有底孔 6 6を覆うフィルム状部材 6 4を、 鋭利な工具等で破壊す ることで、 前記大気開放口 6 2は蛇行状に形成された前記空気流通抵抗路 6 5を 介して大気に連通されるようになされる。

このように、 サブタンク 7に形成された大気連通口 6 2が撥水膜 6 3により覆 われた構成とされているので、 誤って記録装置全体を例えば上下反転させた場合 などにおいて、 前記撥水膜 6 3の存在によりサブタンク 7内のィンクを漏出させ るという問題を回避することができる。

また、 空気流通抵抗路 6 5の端部に形成された有底孔 6 6を、 予めフィルム部 材 6 4によつて気密状態に覆つた構成とすることで、 サブタンク単体の完成時に おいて、 サブタンクの液漏れ （インク漏れ） をチェックすることができ、 このチ エックが完了した時点で、 有底孔 6 6を覆うフィルム状部材 6 4を破壊すること で、 本来の機能をもたせるように構成することができる。

なお、 前記したサブタンク 7には貫通孔 6 7が形成されており、 この貫通孔 6 7を貫通して各サブタンク 7を支持する 1本の支持軸 （図示せず） によって、 各 サブタンク 7を並列状態に支持し、 サブタンクュニットが構成できるようになさ れている。

次に第 6図および第 7図は、 前記したインクカートリッジとしてのメインタン ク 9が、 力一トリヅジホルダ 8に対して装填されている状態において、 メイン夕 ンク 9とカートリヅジホルダ 8のそれぞれの一部を拡大して示した断面図である 。 なお、 第 6図はカートリッジホルダ 8に装着されたインク補給バルブ 2 6が閉 弁されている状態を示し、 また第 7図はィンク補給バルブ 2 6が閧弁されている 状態を示しており、 既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示.している。 メインタンク 9内に収納されたインクパック 2 4には、 インク導出栓 7 1がー 体に形成されており、 このィンク導出栓 7 1はメインタンク 9の一端部より外部 に突出するように取り付けられている。 この導出栓 7 1には、 その先端部に円環 状に形成されたパッキング部材 7 1 aが配置されており、 導出栓 7 1内を軸方向 に摺動できるように配置された弁部材 7 l bがばね部材 7 1 cによってパッキン グ部材 7 1 a側に付勢されている。

この構成によって、 メインタンク 9が力一トリヅジホルダ 8側に装填されない 場合においては、 弁部材 7 1 bがパッキング部材 7 1 aに当接して、 インクパヅ ク 2 4からのインクが漏出するのが阻止される。 なお、 第 6図に示す状態は、 弁 部材 7 l bが後述するインク導入管によって押し込まれ、 インクパック 2 4より インクが導出できる態勢になされている。

一方、 力一トリヅジホルダ 8側には、 その中央部にインク受給用のインク導入 体 7 3が突出して形成されている。 このインク導入体 7 3には、 先端部付近にィ ンク導入孔 7 3 aが形成された中空針状のインク導入管 7 3 bが配置されており 、 さらにこのインク導入管 7 3 bの外周をとり卷くようにして、 軸方向に摺動可 能に配置された摺動部材 7 3 cが備えられている。 そして、 摺動部材 7 3 cは、 ばね部材 7 3 dによって前方向に突出するように付勢されている。

この構成によって、 力一トリッジホルダ 8にメインタンク 9が装填されない場 合においては、 摺動部材 7 3 cがインク導入管 7 3 bに形成されたィンク導入孔 7 3 aを閉塞して閉弁するようになされる。 なお、 第 6図に示す状態は摺動部材 7 3 cが力一トリヅジホルダ 8側の接続体 7 3によって押し込まれ、 インク導入 管 7 3 bにおけるィンク導入孔 7 3 aが露出されて、 メインタンク 9側よりイン クがィンク導入管 7 3 b内に導入できる態勢になされている。

また、 メインタンク 9の外郭部材には、 圧力室 2 5に連通する筒状体により構 成された加圧空気導入口 7 5が形成されている。 一方、 カートリッジホルダ 8側 には加圧空気供給栓 7 7が配備されており、 この加圧空気供給栓 7 7内には環状 のパッキング部材 7 7 aが配置されている。

したがって、 メインタンク 9を力一トリッジホルダ 8側に装填した図に示す状 態において、 カートリヅジホルダ 8側に配置された環状のパヅキング部材 7 7 a が、 筒状体による加圧空気導入口 7 5の外周面に密着して連結される。 これによ り、 加圧空気がメインタンク 9の圧力室 2 5に導入できるように構成されている 前記カートリッジホルダ 8側に配備されたィンク導入管 7 3 bの基端部には、 インク補給バルブ 2 6が配備されており、 このバルブ 2 6を介してインク補給チ ュ一ブ 1 0が接続され、 前記したようにキヤリッジ 1に搭載されたサブタンク 7 に対してィンクが補給されるように構成されている。

前記インク補給バルブ 2 6には、 ダイヤフラム弁 2 6 aが具備されていて、 そ の周縁部が第 1ケース 2 6 bおよび第 2ケース 2 6 cによって挟持されて、 ダイ ャフラム弁 2 6 aは前記両ケース内に収納された構成になされている。 そして、 ダイヤフラム弁 2 6 aのほぼ中央部に取り付けられたスライド軸 2 6 dが、 第 2 ケース 2 6 cに対して軸方向に摺動できるように取り付けられており、 このスラ ィ ド軸 2 6 dはァクチェ一夕としての電磁プランジャー 7 9による駆動力を受け て、 図に示されたように水平方向に駆動されるように構成されている。

したがって、 スライド軸 2 6 dの軸方向の駆動力を受けて前記ダイヤフラム弁 2 6 aのほぼ中央部が水平方向に可動するように作用する。

そして、 この実施の形態においては、 前記電磁プランジャー 7 9による駆動力 が、 支軸 8 0を介して回動される駆動レバ一 8 1の一端部に伝達され、 駆動レバ 一の他端部において、 前記ダイヤフラム弁 2 6 aを駆動することができるスライ ド軸 2 6 dに伝達されるように構成されている。

さらに、 スライ ド軸 2 6 dと第 2ケース 2 6 cとの間には、 ばね部材 2 6 eが 介装されており、 前記電磁プランジャー 7 9の非通電状態においては、 第 6図に 示されたように、 ばね部材 2 6 eの付勢力によってダイヤフラム弁 2 6 aの中央 部が、 インク導入管 7 3 bの基端部と接続された第 1ケース 2 6 bに設けられた 開口部 2 6 f を閉塞して閉弁状態とするように作用する。

また電磁ブランジャ一 7 9に通電された場合には、 第 7図に示されたように電 磁プランジャー 7 9の駆動ロッド 7 9 aが引き込まれ、 これによつて、 スライ ド 軸 2 6 dは駆動レバー 8 1を介して引き出される。

したがって、 ダイヤフラム弁 2 6 aの中央部は第 1ケース 2 6 bに設けられた 開口部 2 6 fから離れ、 開弁状態になされる。

それ故、 電磁プランジャー 7 9への通電によるダイヤフラム弁 2 6 aの開弁状 態においては、 第 7図に矢印で示したようにィンクパック 2 4よりインク導入管 7 3 bによるインク流路を介してダイヤフラム弁が配置された第 1ケース 2 6 b 内にインクが導入され、 第 1ケ一ス 2 6 bに接続されたインク補給チューブ 1 0 を介して前記したサブタンク 7に対してィンクを補給することができる。

そして、 サブタンク 7内のインク量が所定の容量に達すると、 サブタンク 7に 具備されたフロート部材 3 1の浮上位置にしたがつた永久磁石 3 2の磁力線量を 検出するホール素子 3 3 a， 3 3 bの出力により、 電磁プランジャー 7 9への通 電が遮断され、 インクの補給が停止される。

また、 記録装置の動作電源がオフされた場合には、 前記した電磁プランジャー 7 9も非通電状態となり、 これにより第 6図に示されたようにばね部材 2 6 eの 付勢力によってダイヤフラム弁 2 6 aの中央部が、 インク導入管 7 3 bの基端部 と接続された第 1ケース 2 6 bに設けられた開口部 2 6 f を閉塞して閉弁状態と される。

したがって、 メインタンク 9とサブタンク 7との間に水頭差があっても、 イン ク補給チューブ 1 0を介していずれかの方向にィンクが流れるのを阻止すること ができる。

なお、 第 6図および第 7図に示された構成から理解できるように、 ダイヤフラ ム弁 2 6 aが配置された第 1ケース 2 6 bの開口部 2 6 fに至るインク流路、 す なわちインク導入管 7 3 b内において構成されるインク流路と、 ケース 2 6 b内 から前記ィンク補給チューブ 1 0に至るィンク流路とがほぼ直交するように構成 されると共に、 前記ケース 2 6 bに接続されたインク補給チューブ 1 0の導出部 が、 ほぼ鉛直方向に向かうように配置されている。

この構成により、 インクカートリッジとしてのメインタンク 9をカートリヅジ ホルダ 8側に装填した場合に浸入した気泡は、 ダイヤフラム弁 2 6 aの付近に滞 留することなく、 ィンク補給チューブ 1 0側に向かって浮上させることができる 。 そして、 インク補給チューブ 1 0側に向かって浮上した気泡は、 前記サブタン ク 7内に導入されて浮上するため、 当該気泡が記録へッド 6側に入り込んで印字 不良を招来させるという問題を回避することができる。

また、 第 6図および第 7図に示した実施の形態においては、 メインタンクが装 填される力一トリヅジホルダ 8にダイヤフラム弁 2 6 aによるィンク補給バルブ が配置されている。 すなわち、 インク補給バルブはメインタンクからサブタンク に至るィンク補給路におけるメインタンク側の直近に配置された構成とされてい る。

これは、 例えばメインタンク 9を力一トリッジホルダ 8から引き抜いた場合に おいても、 カートリッジホルダ 8の直近にインク補給バルブが配置されているの で、 インク補給チューブ 1 0に存在するインクが、 カートリッジホルダ 8側に漏 出するのを効果的に阻止することができる。

この場合、 実施の形態においては、 前記したようにカートリッジホルダ 8には 、 インク導入管 7 3 bのインク導入孔 7 3 aを隠蔽して閉弁する摺動部材 7 3 c が一応備えられているいるものの、 前記したようにィ ク補給バルブをメイン夕 ンク側の直近に配置することは、 摺動部材 7 3 cによるィンク導入孔 7 3 aの閉 弁作用と、 インク補給バルブ 2 6による閉弁作用とが相乗的に作用し、 水頭差に よる逆流を受けて力一トリッジホルダ側の接続体 7 3よりインクが漏出するのを 、 より効果的に阻止することに寄与できる。

以上のように前記したインクジエツト式記録装置によると、 インクカートリヅ ジとしてのメインタンクからキヤリッジに搭載されたサブタンクに至るィンク補 給路に、 記録装置の動作電源がオフ状態において閉弁されるィンク補給バルブを 配置したので、 記録装置の休止期間中、 あるいは予期せぬ停電時において、 メイ ンタンクとサブタンクとの水頭差によりいずれかの方向にインクが流れるのを阻 止することができ、 ィンクの漏洩により機器内を汚染させることのない記録装置 を提供することができる。

以上のように構成されたインクジエツト式記録装置によると、 記録装置の動作 中においては、 加圧空気によってメインタンクからサブタンクに対して常にィン クが押し出されるように作用する。 そして、 サブタンク内のインク量がインク量 検出手段によって検出され、 ィンク量検出手段よりもたらされる制御信号によつ てメインタンクからサブタンクに至るィンク補給路に配置されたィンク補給バル ブを開閉弁制御することにより、 常にサブタンクに対して必要十分なインクを貯 留させることができる。

このように構成されたインクジエツト式記録装置において、 例えば前記したフ 口一ト部材を含むィンク量検出手段が誤作動した場合、 またはィンク量検出手段 からインク補給バルブに至る制御信号の伝達系において、 何らかの障害が発生し た場合などにおいては、 サブタンク内に所定量のィンクが補給されているにもか かわらず、 インク補給ノ レプが閉弁されないという事態が発生する。

このような事態が発生した場合には、 加圧空気によつ' タンクに対してィンクが補給され続け、 サブタンクに形成された前記大気連通口 などを介してインクが漏出し、 周囲を汚染させるという問題が発生し得る。 そこで、 第 8図には前記したような事態を想定し、 例えばサブタンクからイン クが漏出するような問題が未然に防げるように配慮したサブタンクへのィンク補 給の制御ルーチンが示されている。

以下この第 8図に示された制御ルーチンにしたがってサブ夕ンクに対するイン クの補給動作を説明する。 まず、 ステヅプ S 11においては、 サブタンク内の液 面検出が実行される。 これは前記したようにフロート部材に取り付けられた永久 磁石の磁力線量を検出するホール素子 33a, 33 bの出力によって判定される ここでは、 インク量検出手段によりサブタンク内のインク量が所定の値に満た ないと判定された場合を "LOW" と称呼し、 サブタンク内のインク量が十分な 量に達していると判定された場合を "FULL" と称呼する。 このステップ S 1 1において "FULL" と判定された場合にはリターン状態とされ、 引き続きス テツプ S 11においてインク量の監視がなされる。

そして、 記録へヅ ドによるインクの消費に伴い、 "LOW" と判定された場合 には、 ステップ S 12に移り、 インク補給バルブ 26が開弁される。

したがって、 メインタンクよりサブタンクに対してィンクの補給が開始される 。 そして、 引き続いてステップ S 13に示すようにインク量検出手段により、 サ ブタンク内のインク量の監視が行なわれる。 前記したステップ S 12において、 補給バルブ 26が開弁された直後においては、 このステップ S 13においては、 通常 "LOW"の状態が検出され、 ステップ S 14に示す判定がなされる。 すなわち、 ステップ S 14においては、 ステップ S 12において実行されたィ ンク補給バルブの開弁動作からの経過時間が判定され、 その経過時間が所定の時 間に満たない場合においてはステップ S 13に戻り、 サブタンク内の液面検出、 すなわちインク量検出手段による制御出力の状態が監視される。 そして、 前記し たステップ S 14からステップ S 13に戻る循環が繰り返される。

前記した所定の時間に満たない状態で、 サブタンクへのィンクの補給がなされ 、 ステップ S 13において "FULL"になったと判定された場合には、 ステヅ プ S I 5に移り、 これによつてインク補給バルブ 2 6は閉弁され、 リターン状態 とされる。

したがって、 前記したステップ S 1 1からステヅプ S 1 5に示す動作が繰り返 され、 サブタンクにはメインタンクより断続的にインクが補給される。 以上のス テヅプ S 1 1からステップ S 1 5に示す動作の繰り返しは、 インクの補給動作が 正常になされている状態である。

ここで、 例えばサプタンク内に十分なィンク量が補給されたにもかかわらず、 例えばィンク量検出手段を構成する前記フロート部材 3 1が何らかの障害を受け て、 浮上しないような場合においては、 引き続きサブタンク内に過剰な量のイン クが補給される。

また、 ィンク量検出手段からインク補給バルブに至る制御信号の伝達系におい て予期せぬ障害が発生した場合においても同様であり、 この結果、 サブタンクか らィンクが溢れるという問題が発生する。

前記したステップ S 1 4とこれに続くステップ S 1 6に示すルーチンは、 この ような障害の発生を想定してサブタンク内に過剰な量のィンクが補給されるのを 阻止するように制御するものである。

すなわち、 ステップ S 1 4においては、 前記したようにステップ S 1 2におい て実行されたィンク補給バルブの開弁動作からの経過時間が監視されており、 ス テツプ S 1 3およびステップ S 1 4の循環動作において、 所定の時間を経過して も、 " F U L L " の検出がなされない、 すなわち " L OW" の状態のままである と判定されるとステップ S 1 6に移行して、 インク補給バルブ 2 6を強制的に閉 弁させるように作用する。

このような状態は、 前記したようにインク補給系に何らかの障害が発生してい るものと見なすことができ、 したがってステップ S 1 4において管理される所定 時間の経過により、 自動的に強制閉弁させることで、 サブタンク内べの過剰なィ ンクの補給を停止させることができる。

このステップ S 1 4に移行した場合には、 インク供給不良状態を示すエラ一表 示を行ない、 ィンクの補給系統の不具合の発生をユーザに報知するように構成さ れることが望ましい。 なお、 以上の構成によると、 例えば、 メインタンクの圧力室 2 5に所定の空気 圧が印加されない場合、 さらにメインタンクからサブタンクに至るィンク補給路 を構成するチューブ 1 0においてインクが流れにくくなつている場合などの障害 の発生によってもエラ一表示を行なうことができ、 この場合においては印字不良 が発生し得る状態であり、 いずれにしてもメンテナンスが必要であることをユー ザ一に知らせることができる。

次に第 9図以降は、 前記した記録装置において好適に使用し得る本発明にかか るインクカートリッジの各態様を説明するものである。 まず、 第 9図ないし第 1 1図には、 本発明にかかる第 1態様のインクカートリッジ （メインダンク） 9が 示されている。

第 9図および第 1 1図に示す実施の形態においては、 インクカートリッジとし ての外郭は、 上ケース 1 0 1および下ケース 1 0 2により構成されている。 その 下ケース 1 0 2は偏平状の函型形状になされており、 上面が開放されてその内部 にはインクを封入した状態のインクパック 2 4 (第 1 1図参照） が収納できるよ うに構成されている。

また、 この実施の形態においては、 第 1 0図に示されたように下ケース 1 0 2 に収納されたィンクパック 2 4の各四辺を押さえるために、 中央部が窓状に開口 された四辺形の中蓋 1 0 3が挿入されており、 さらに下ケース 1 0 2の開口端縁 に形成された鰐部 1 0 2 aにおいて、 太線で示したようにフィルム部材 1 0 4が 熱溶着されて、 下ケース 1 0 2が気密状態となるように閉塞されている。 そして 、 その上部から扁平函型形状になされた上ケース 1 0 1が装着された構成とされ ている。

さらに、 この実施の形態においては、 前記上ケース 1 0 1には、 その内面に沿 つて楔形の爪部 1 0 1 aが間欠的に形成されており、 上ケース 1 0 1を下ケース 1 0 2に対して押し込むことにより、 前記各爪部 1 0 1 aが下ケース 1 0 2の開 口端縁に形成された前記鍔部 1 0 2 aに係合し、 両者は一体に結合される。 この構成によって、 フィルム部材 1 0 4により閉塞された下ケース 1 0 2内に 加圧空気が導入された場合、 フィルム部材 1 0 4は上ケース 1 0 1の内面に沿つ て添接するようにして位置しているので、 加圧空気を受けてフィルム部材 1 0 4 が外側に膨出するのを避けることができる。

第 1 1図は前記のようにして形成される外郭ケース内に収納されたィンクパッ ク 2 4の構成を示したものである。 このインクパック 2 4は、 矩形状に形成され た 2枚の可撓性素材、 例えばポリエチレンフィルムが用いられ、 ガスバリア性の 向上のために、 例えばアルミ泊等が表面にラミネートされている。

そして、 長手方向の側端部におけるほぼ中央部にはインク導出口を構成するィ ンク導出栓 7 1が取り付けられている。 前記ィンク導出栓 7 1が取り付けられた 側端部と、 これに直交する長手方向の両側端部の三辺が、 まず熱溶着によって接 合されて袋状に形成される。 なお、 符号 2 4 bは前記三辺に施された熱溶着部分 を示す。

そして、 前記のようにして袋状に形成されたインクパック 2 4における残りの 一辺における開口を利用して、 インクパック 2 4内にインクが導入され、 最後に 残りの一辺が熱溶着によって接合されて、 インクパック内にインクが封入された 状態とされる。 なお、 符号 2 4 cは前記残りの一辺に施された熱溶着部分を示す ο ·

以上のように構成された本発明にかかる第 1態様のィンク力一トリッジ 9は、 第 9図に示されたように、 カートリッジケースの一面に、 記録装置へ装填する場 合に利用される位置決め手段としての一対の開口穴 1 0 5が形成されている。 この一対の開口穴 1 0 5は、 ケースの前記一面における長手方向に沿った 2か 所に離間した状態で配置されており、 これは下ケース 1 0 2を例えば射出成形す る場合において、 同時に一体に形成されている。

また、 前記 2か所に配置された位置決め開口穴 1 0 5のほぼ中間部に、 インク パックからのインク.導出口を構成する前記導出栓 7 1が、 図示せぬ気密用の〇リ ングを嚙んだ状態で取り付けられている。

そして、 前記 2か所に配置された各開口穴 1 0 5の両外側には、 前記した加圧 空気の導入口 7 5、 および後で詳細に説明する回路基板 1 0 6がそれぞれ配置さ れている。

なお、 加圧空気の導入口 7 5は、 下ケース 1 0 2を成形する場合において同時 に中空状に一体に成形され、 これを介してフィルム部材 1 0 4により閉塞された 下ケース 1 0 2内に加圧空気が導入できるように構成されている。

第 1 2図には、 前記したように形成された本発明にかかる第 1態様のィンクカ 一トリッジ 9の前記一面側の端部が断面状態で示されており、 記録装置側のカー トリッジホルダ 8に配置された接続機構 9 0に対してィンクカートリヅジ 9が装 着される状態を示している。 また第 1 3図には本発明にかかるィンクジエツト式 記録装置の力一トリッジホルダ 8側に配置された接続機構 9 0の一例が斜視図の 状態で示されている。

第 1 2図および第 1 3図に示すように、 記録装置のカートリッジホルダ 8側に は、 円柱状に形成された一対の位置決めピン 9 1が配置されており、 インク力一 トリッジ 9側に形成された前記一対の位置決め開口穴 1 0 5が、 各位置決めピン 9 1を包囲して装着されるように構成されている。

このように、 カートリッジ側に位置決め用の開口穴 1 0 5がケースの前記一面 における長手方向に沿った 2か所に配置された構成とされているので、 記録装置 側に配置された 2本の位置決めピン 9 1の基端部への装着により、 インクカート リ ヅジ 9の三次元方向の位置決めを達成することができる。

前記位置決めピン 9 1に対して力一トリ ヅジ 9が装着されることによって、 一 対の位置決めピン 9 1を挟むほぼ中央部に配置された中空針状のインク導入管 7 3 bが、 インクパックからのィンク導出口を構成する前記ィンク導出栓 7 1に差 し込まれ、 カートリッジからィンクが導出できる態勢になされる。

また、 カートリッジ 9の装着により、 加圧空気の導入口 7 5がホルダ 8側に配 置された加圧空気の送出口 7 7に接続され、 力一トリッジ 9側に加圧空気が導入 することができる態勢になされる。

さらに、 カートリッジ 9側に配置された前記回路基板 1 0 6に対して複数の接 触片を備えた端子機構 9 2が接続され、 回路基板 1 0 6に備えられた後述する半 導体記憶手段との間で、 デ一夕の授受が実現できる態勢になされる。

なお、 インクカートリッジ 9を力一トリヅジホルダ 8に装着した場合において は、 第 1 2図に示すようにインクカートリッジ 9側に配置された前記回路基板 1 0 6が重力方向にして上部に位置する縦置き状態に装着される。

第 1 4図はインク力一トリッジ 9の装着により、 ホルダ側に配置されたインク 導入体 7 3におけるインク導入管 7 3 bが、 インクパックからのインク導出口を 構成する前記インク導出栓 7 1に接続され、 力一トリッジからィンクが導出でき るようになされる状態を断面図によって示したものである。 なお、 第 1 4図にお ける （A) は両者が接続される以前の状態を示し、 また第 1 4図における （B ) は両者が接続された状態を示している。

インクパック側の前記インク導出栓 7 1内の出口部分には、 円環状に形成され たゴム製のパッキング部材 7 1 aが嵌め込まれている。 一方、 インク導出栓 7 1 内には、 軸方向に可動できるようになされた弁部材 7 l bが収納されている。 そして前記弁部材 7 1 bは、 コイル状のばね部材 7 1 cの付勢力によって、 前 記ノ ッキング部材 7 1 aにおける円環状の中央部を閉塞することができるように 構成されている。 また、 インク導入体 7 3に形成されたインク導入管 7 3 bには 、 先端部近傍の側面にィンク導入孔 7 3 aが形成されている。

したがって、 インクカートリッジ 9が記録装置側に装着されない第 1 4図 （A ) の状態においては、 コイル状のばね部材 7 1 cの付勢力によって、 弁部材 7 1 bはパッキング部材 7 1 aにおける円環状の中央部を閉塞するためインク導出栓 7 1は閉弁状態とされ、 インクパックからのインクの漏出を阻止することができ る。

またインクカートリッジ 9が記録装置に装着された場合には、 第 1 4図 （B ) に示すように、 インク導入管 7 3 bの先端部が前記ばね部材 7 1 cの付勢力に抗 して弁部材 7 1 bを内部に押むように作用するため、 矢印で示したインク流路が 形成され、 インクが導出されるようになされる。

なおこの場合、 パッキング部材 7 1 aにおける円環状の内径部が、 インク導入 管 7 3 bの外形部に密着し、 当該部分からのインクの漏出が阻止できるようにな される。

次に第 1 5図は、 カートリツジ側に配置された回路基板 1 0 6の装着状態の一 例を示しており、 また、 第 1 6図は該回路基板 1 0 6の外観構成を示している。 なお、 第 1 6図 （A) は回路基板 1 0 6を正面側から視た斜視図で示しており、 また第 1 6図 （B ) は回路基板 1 0 6を裏面側から視た斜視図で示している。 第 1 5図に示されているように、 回路基板 1 0 6は力 ^"トリヅジの下ケース 1 0 2の隅角部において、 直交する二面が閧放された内底部に取り付けられている 。 その開放された一面は、 回路基板 1 0 6が前記力一トリッジホルダ 8側に配置 された端子機構 9 2に接続できるようになされるものであり、 また開放された他 の一面は、 主に回路基板 1 0 6をカートリッジケースに装着する場合において利 用される。

すなわち、 回路基板には第 1 6図に示すように回路基板 1 0 6を下ケース 1 0 2に装着するための貫通孔 1 0 6 aおよび切欠き孔 1 0 6 bが形成されている。 そして下ケース 1 0 2には、 第 1 6図 （A) に仮想線で示したように前記貫通 孔 1 0 6 aおよび切欠き孔 1 0 6 bに揷通する熱溶着用の突起 1 0 2 cおよび 1 0 2 dが予め形成されている。

ほぼ矩形状に形成された前記回路基板 1 0 6を下ケース 1 0 2に装着するに際 しては、 第 1 5図に示されているように回路基板を位置決めするために形成され た凹陥部 1 0 2 bに回路基板 1 0 6が嵌め込まれる。

そして、 第 1 6図 （A) に仮想線で示した熱溶着用の突起 1 0 2 cおよび 1 0 2 dの頂部に、 図示せぬヒー夕チップを当接させて熱溶融することにより、 回路 基板 1 0 6は第 1 5図に示されたように下ケース 1 0 2に装着することができる このようにして、 回路基板 1 0 6を下ケース 1 0 2に装着するために、 装着用 の治具として前記したヒー夕チップが用いられ、 回路基板 1 0 6の上面側におい て開放された一面より前記ヒー夕チップの先端が挿入されるようになされる。 なお、 第 1 6図 （A) に示すように、 回路基.板 1 0 6の正面側には、 力一トリ ッジホルダに装着された場合に、 ホルダ 8側の前記端子機構 9 2と電気的に接触 される接続端子としての電極接点 1 0 6 cが形成されている。 また、 同一面には 円形状に形成されたチェック用の電極接点 1 0 6 dも形成されている。

そして、 これらの電極接点 1 0 6 c， 1 0 6 dは、 回路基板 1 0 6の裏面に配 置されたデータの読み出し書き込みが可能な半導体記憶手段 1 0 7に接続されて おり、 インク力一トリッジ 9を記録装置の力一トリッジホルダに装着した状態に おいて、 インクカートリッジに封入された例えば、 インクの種類、 インク残量、 シリアル番号や有効期限等のデータの授受がなされるように構成されている。 本発明にかかる第 1態様の記録装置用インク力一トリヅジによると、 力一トリ ッジケースの一面に、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段が配置され、 同じ く前記一面に、 インクパックからのインク導出口、 加圧空気の導入口、 およびデ 一夕記憶手段を備えた回路基板の接続端子が集中して配置されているので、 位置 決め手段によって力一トリッジケースの前記一面が位置決めされることにより、 機構的および電気的な接続機構の位置合わせも正確になされる。

これにより位置決め精度を向上させることができ、 この種の記録装置の動作の 信頼性を向上させることができる。

また、 前記態様のィンクカートリッジを装着する本発明にかかるィンクジエツ ト式記録装置は、 カー卜リッジケースの一面に配置された前記位置決め手段を利 用してィンク力一トリヅジを装填した状態において、 ィンク導出口に対して回路 基板の接続端子が重力方向の上部に位置するように成されるので、 何らかの障害 を受けてィンク導出口よりィンク漏れが発生しても、 回路基板の接続端子部分は 漏洩インクによる汚染から回避することができる。 したがって、 記録装置の正常 な動作を確保することができる。

次に、 本発明にかかる第 2態様のインクカートリッジについて説明する。 この 第 2態様のインクカートリッジは、 インク情報を格納し、 読み出し可能な記憶手 段を備えた回路基板を搭載し、 その搭載位置の空間形状、 取付手段およびその端 子機構の電気的な接続構成に特徴を有する。 .

なお、 インクカートリッジの外観構成、 カートリッジの外郭ケース内に収納さ れるィンクパックに関しては特に限定されるものではなく、 これらに関しては、 例えば、 前記第 9図ないし第 1 1図に示した第 1態様のインクカートリッジと同 様の構成を用いて差し支えない。

また、 このインクカートリッジが装填される記録装置側の構成、 およびカート リヅジホルダとの接続機構等についても、 第 1 2図ないし第 1 4図に示した構成 がそのまま利用できる。 さらに、 読み出し可能な記憶手段を備えた回路基板をィ ンクカートリッジに搭載させた第 1 5図および第 1 6図に示す構成を本発明にか かる第 2態様の好ましい実施の形態として採用することができる。

本発明にかかる第 2態様のィンク力一トリッジにおいては、 回路基板 1 0 6は 、 第 1 5図に示すように直交する二面が開放された函形空間部 1 0 9内に取り付 けられているので、 回路基板 1 0 6の表面に形成された前記電極接点 1 0 6 c等 を指先等で不用意に触れるのを効果的に防止することができる。 これにより、 力 一トリッジに搭載された前記回路基板と、 記録装置との間の電気的な接触状態を 良好に保つことが可能となる。

また、 カートリッジのインクが使い終わり、 これを回収した場合においては、 ケースに取り付けられた回路基板 1 0 6の表面に直交する面が開放されているの で、 この開放部分から工具等の先端部分を挿入し、 前記した熱カシメ部分を切削 することで、 容易に回路基板 1 0 6を回収することができる。

したがって、 本発明にかかる第 2態様の記録装置用インクカートリッジによる と、 ィンク情報が格納し得る記憶手段を備えた回路基板の取り付けおよび取り外 しの操作を容易にすることができる。

次に、 本発明にかかる第 3態様のィンク力一トリッジおよびィンクジエツト式 記録装置についても、 同様に前記した第 9図ないし第 1 6図に示した構成を好ま しい実施の形態として採用することができる。 この第 3態様のィンク力一トリヅ ジおよびインクジエツト式記録装置においては、 インクカートリッジを記録装置 に装着または取り外す場合において、 インクパックが加圧空気の作用を受けるこ とのない接続機構を採用し、 加圧空気の作用によるィンク漏れの発生を確実に回 避することができる点に特徴を有する。

このために、 インクカートリッジに備えられた加圧空気の導入口 7 5は、 第 1 2図に示されたように、 カートリッジケースと一体に成形された中空の円筒形状 をなし、 前記導入口 7 5を構成する円筒体の円筒面における軸方向の長さ Lは、 2〜2 O mmの範囲に成形されていることが望ましい。 すなわち、 この円筒体の 円筒面は、 カートリッジホルダ 8側に配置された加圧空気の送出口 7 7に接続す るために、 その径が軸方向に沿つて均一になされていることが望ましい。

このために、 カートリッジケースを射出成形する際において、 離型するための 抜きテ一パを、 前記円筒面に施すことは好ましくはなく、 したがって、 円筒面に おける軸方向の長さ Lは、 2 O mm以下に設定することが必要である。

また、 前記軸方向の長さ Lを、 2 mm以上に成形することで、 インクカートリ ッジが挿入方向に多少の位置ずれを生じても、 ホルダ 8側に配置された加圧空気 の送出口 7 7との接続を良好に保つことができる。

このような構成において、 インク力一トリヅジ 9が、 カートリヅジホルダ 8に おける前記接続機構 9 0に装着される場合には、 前記したように、 まずインク力 ートリッジ 9に配置された一対の位置決め開口穴 1 0 5が、 接続機構 9 0に配置 された各位置決めピン 9 1側に進行して、 これを包囲するようになされる。

したがつてこの時点で、 記録装置のカートリヅジホルダ側の接続機構 9 0に酉己 置された中空状のィンク導入管 7 3 bとィンクカートリッジ側のィンク導出栓 7 1との間の一応の位置決めが達成される。

この状態で、 なおもインクカートリッジ 9が接続機構 9 0側に進行することに よって、 インクカートリッジ 9におけるインク導出栓 7 1が接続機構 9 0に配置 され中空状のインク導入管 7 3 bに接続される。

前記したようにィンクカートリッジにおけるィンク導出栓 7 1が接繞機構 9 0 に配置された中空状のィンク導入管 7 3 bに接続された後において、 さらにイン クカ一トリヅジ 9が接続機構 9 0側に進行することによって、 インク力一トリヅ ジ 9に配置された前記加圧空気導入口 7 5が接続機構 9 0に配置された加圧空気 送出口 7 7に接続される寸法関係になされており、 これにより加圧空気導入口 7 5が加圧空気送出口 7 7に接続される。

さらに、 加圧空気導入口 7 5が加圧空気送出口 7 7に接続された後に、 同様に インクカートリヅジ 9が接続機構 9 0側に進行することによって、 最後にインク 力一トリヅジ 9に配置された前記回路基板 1 0 6における電極接点 1 0 6 cが、 接続機構 9 0に配置された端子機構 9 2に電気的に接続される寸法関係になされ ている。

そして、 最後に接続される回路基板 1 0 6における電極接点 1 0 6 cが、 接続 機構 9 0に配置された端子機構 9 2に電気的に接続されたことが記録装置側にお いて検知された場合において、 加圧空気を生成する前記加圧ポンプ 2 1の駆動が 可能となるように構成されている。

なお、 インクカートリッジ 9側と、 記録装置側における接続機構 9 0の対応す るそれぞれの寸法関係を、 以上のように構成したことにより、 記録装置からイン クカ一トリッジ 9を取り外す場合においては、 前記とは逆の順序にしたがって、 両者の接続が順次外されることになる。

本発明にかかる第 3態様の記録装置およびインクカートリッジによると、 イン クカートリッジを記録装置に装填する場合においては、 カートリヅジのインク導 出口が記録装置側のィンク導入管に接続された後において、 加圧空気の導入口が 記録装置側に接続される接続機構を備えたので、 カートリヅジの装着および取り 外し時において、 加圧空気の作用を受けて力一トリッジのィンク導出口からィン クが漏洩するという事態を避けることができる。

加えて、 カートリッジに搭載された回路基板に対して、 端子機構が最後に接続 されるように構成され、 両者の電気的な接続がなされたことを検知した場合にお いて、 加圧空気を生成する加圧ポンプの駆動が可能となるように構成することに より、 前記した機構的な接続状態が完了した時点でカートリッジ内に加圧空気を 導入する動作を実行することができ、 加圧空気の導入タイミングをより適切に制 御することが可能となる。

次に、 本発明の第 4態様としてのィンクカートリッジの接続構造およびその接 続構造を用いたインクジエツト式記録装置について述べる。 第 1 7図および第 1 8図は、 本発明にかかる第 4態様のインク力一トリッジの接続構造を断面図と斜 視図で示している。

なお、 第 1 7図は、 前記した本発明にかかるインクカートリッジ 9の装着によ り、 記録装置側のカートリッジホルダ 8側に配置されたインク導入管 7 3 bが、 インク導出管を構成する前記インク導出栓 7 1内に差し込まれ、 インクカートリ ッジ 9のィンクパヅク 2 4からインクが導出できるようになされる状態を示して いる。 また、 第 1 8図は、 前記インク導入管 7 3 bが前記インク導出栓 7 1内に 差し込まれる前の状態を示している。

第 1 7図および第 1 8図において、 前記したインクパック 2 4側に取り付けら れたインク導出栓 7 1内の出口部分におけるインク導出口 7 1 a _t には、 円環 状に形成されたゴム製のパッキング部材 7 1 aに嵌め込まれている。

また、 前記したインク導出栓 7 1内には、 軸線方向に進退して前記インク導出 口 7 1 a t を開閉し得るようになされた弁部材 7 1 bが収納されている。 この弁部材 7 1 bのカートリッジホルダ側における端面中央部には、 前記イン ク導入管 73 bに形成された後述する凸部を案内するためのテーパ面 bを有し、 先端面に向かって広がるように開口するほぼ円錐形状の凹部 7 1 bi が設けら れている。

そして、 前記弁部材 7 l bは、 第 17図に二点鎖線で示すように、 コイル状の ばね部材 71 cの付勢力によって、 前記パッキング部材 7 l aにおけるインク導 出口 7 1 a, の開口周縁に突設された弁座部 aに着座して前記インク導出口 7 1 a t を閉塞する （閉弁状態となる） ように構成されている。

また、 前記弁部材 7 l bは、 第 17図に実線で示すように、 前記インク導入管 73bの前記インク導出栓 71内への圧入による当接 （押圧） によって押圧力を 受け、 この押圧動作に伴い前記弁座部 aから離間して前記インク導出口 71 _{a i} を開放する （開弁状態となる） ように構成されている。

一方、 前記インク導入管 73 bは、 前記パッキング部材 71 aのインク導出口 71 _{a i} 内に圧入される有底管体からなり、 カートリッジホルダ 8側に配置さ れている。 そして、 インク導入管 73 bは、 前記インクカートリッジ 9が前記力 —トリッジホルダ 8に装着 （接続） された状態において、 前記インク導出栓 71 に軸線を一致させて連結される。

前記インク導入管 73bの先端部には、 管壁側方に開口するインク導入孔 73 aが設けられている。 また、 前記インク導入管 73 bの圧入側端面 （管底面） に は、 前記弁部材 7 1 bを押圧する凸部 73 fがー体に設けられている。 この凸部 "73 fはインク導出口 71 _{a i} 内の空気を管外に排出する機能を有している。

前記凸部 73 は、 第 19図 （A) および （B) に示すように、 前記インク導 入管 73 bの底面部に連接する胴部 73 :^ および前記凹部 7 11^ に嵌合可 能な押圧部 73 f ₂ によって形成されている。

このうち胴部 73 f ！ はパッキング部材 7 1 a内に圧入可能な円柱状体によ つて形成され、 押圧部 73 ΐ₂ は前記凹部 7 11^ のテーパ面 bに適合 （密接 ) するようなテ一パ面 cを有する截頭円錐形状体によって形成されている。

そして、 前記凸部 73 :Πこは、 前記インク導入管 73 bの前記インク導出栓 7 1への圧入によって前記ィンク導出口 71 a! 内の空気が排出される状態にお いて、 前記インク導出口 7 1 の内外に連通する二つの空気排出路 73 が 設けられている。

これら両空気排出路 73 gは、 前記胴部 73 f t の断面中心点に関して点対 称な部位に配置されている。 そして、 それぞれの空気排出路 73 gは、 前記胴部 73 f ！ の外周面部に管軸線方向に延在する断面ほぼ半円形状の凹溝によって 構成されている。 これにより、 空気排出路 73 gを単一の直線路として形成加工 することができる。

このため、 凹溝からなる空気排出路 73 gの形成加工が、 二以上の直線路から なる （折曲路となる） 孔明け加工と比較して簡単かつ確実に行われる。

なお、 前記インク導出口 71 a_t 内の空気が前記空気排出路 73 gを経て管 外に円滑に排出されるためには、 第 19図 （B) に示すように、 空気排出路 73 gの二箇所に曲面部 s, tを形成し、 これら曲面部 s, tの半径が次に示すよう に設定されることが望ましい。

すなわち、 第 1 9図 （B) に示すように、 前記胴部 73 の半径を 1. 7 mmの寸法に設定した場合に、 曲面部 s, tがそれぞれ 0. 1111111と 0. 2 mm V'-Sk tS' る。

また、 第 19図 （B) において、 符号 Gは、 前記凸部 73 f (インク導入管 7 3b) の成形後 （冷却時） におけるひけ発生を防止するために、 前記凸部 73 f に設けられた凹孔 （開口半径 0. 25mm) である。

次に、 この実施の形態にかかるィンク力一トリヅジの接続構造において、 ィン クカ一トリヅジを記録装置の力一トリッジホルダに接続する場合の動作につき、 第 20図 （A) ないし （D) を用いて説明する。

第 20図 （A) ないし （D) は、 ィンク力一トリヅジを力一トリヅジホルダに 接続する場合の動作について説明するために示す断面図である。

なお、 第 20図 （A) は前記インク導入体 73における導入管 73 bが、 前記 インク導出栓 71内に挿入される前の状態を示し、 第 20図 （B) は前記インク 導入管 73 bの凸部 73 f が前記インク導出口 7 1 _{a i} 内の空気の排出を開始 する直前の状態を示す。

また、 第 20図 （C) は前記ィンク導入管 73 bの凸部 73 fが前記ィンク導 出口 71 ai 内の空気の排出を終了した状態を示し、 第 20図 （D) は前記ィ ンク導入管 73bが前記インク導出栓 71に接続された後の状態を示す。

先ず、 第 20図 （A) に示すように、 インク導出栓 71の軸線をインク導入管 73bの軸線に一致させ、 インク力一トリヅジ 9を記録装置側の力一トリヅジホ ルダ 8に対向する位置に配置する。

この場合、 ばね部材 71 cによる矢印 E方向の付勢力によって弁部材 7 lbが パッキング部材 71 aの弁座部 aに着座し、 インク導出口 71 at を閉塞する 弁閉状態とされている。 このため、 インクカートリッジ 9のインクパヅク 24か らィンク導入管 73 b内へのィンクの漏出が阻止される。

次いで、 第 20図 （B) に示すように、 インクカートリッジ 9をインク導入管 73 bの軸線に沿って力一トリヅジホルダ 8側に移動操作する。 この場合、 イン クカ一トリヅジ 9の移動に伴い、 ィンク導入管 73 bの凸部 73 fがパヅキング 部材 71 aにおけるインク導出口 71 _{a i} 内の空気排出開始位置に変位する。

しかる後、 第 20図 （C) に示すように、 インク導入管 73 bにおける凸部 7 3 fのテ一パ面 cが弁部材 71 bにおける凹部 71 b t のテ一パ面 bに密接し 、 凸部 73 fが凹部 71 内に嵌合するまで、 力一トリヅジホルダ 8側にィ ンクカートリッジ 9を移動操作する。

この場合、 インクカートリッジ 9の移動に伴い、 凸部 73 fの押圧部 73 f ₂ が弁部材 71 bにおける凹部 7 lb のテ一パ面 bに案内され、 凸部 73fが パッキング部材 71 aにおけるィンク出口 71 _{a i} 内の空気排出開始位置から 空気排出終了位置に変位する。

このため、 凸部 73 fの胴部 73 がインク導出口 71 at 内に圧入する とともに、 押圧部 73 f₂ がインク導出口 71 at 内の空気を凹部 71 bi 内 に押し込み、 この押し込まれたインク導出口 71 内の空気が空気排出路 7 3 gを経てインク導出栓 71外に排出される。

そして、 第 20図 （D) に示すように、 インク力一トリッジ 9がカートリッジ ホルダ 8に装着 （接続） されるまで、 インクカートリッジ 9をインク導入管 73 bの軸線に沿ってカートリッジホルダ 8側に移動操作する。 この場合、 インク力 —トリヅジ 9の移動に伴い、 ィンク導入管 73 bがパッキング部材 71 a内に圧 入する。

また、 弁部材 7 l bが、 インク導.出栓 7 1内をインクカートリッジ 9の移動方 向と反対方向にばね部材 7 1 cの弾撥力に杭して移動する。 この際、 凹部 7 l b 1 のテーパ面 bを凸部 7 3 fのテ一パ面 cに密接させた状態が維持される。

このため、 ィンク導入管 7 3 bに形成されたィンク導入孔 7 3 aがィンク導出 栓 7 1内に開口し、 インク導入管 7 3 bとインク導出栓 7 1とが連通し、 同図 （ D ) に矢印 eで示す方向にィンクパック 2 4からのインクをィンク導入管 7 3内 に流すィンク流路が形成される。

このようにして、 ィンク力一トリヅジとしてのインク力一トリヅジ 9が力一ト リヅジホルダ 8に接続される。

なお、 この実施の形態においては、 前記凸部 7 3 f と凹部 7 1 b i とが嵌合 すると、 凹孔 Gが弁部材 7 1 bによって閉塞されるため、 凹孔 G内に存在する空 気が凹孔 G内に閉じ込められる。 このため、 凹孔 G内の空気がインクパック 2 4 からィンク導入管 7 3 b内に導出されるィンク中に混入することはない。

以上のように、 インク力一トリヅジ 9の接続時にィンク導出栓 7 1およびィン ク導入管 7 3 b内へのインク導出口 7 1 a _t 内の空気の侵入を阻止することが できるため、 インク経路内におけるインク中に気泡が存在せず、 印字障害の発生 を防止することができる。

また、 インクカートリッジ 9の接続時に弁部材 7 1 bの凹部 7 1 b i 内にィ ンク導入管 7 3 bの凸部 7 3 fが嵌合するため、 インク導出栓 7 1とインク導入 管 7 3 bとの軸合わせが簡単かつ確実に行われる。

この場合、 凹部 7 1 1^ および凸部 7 3 fの各嵌合面に、 インク導出栓 7 1 内にィンク導入管 7 3 bを案内するためのテ一パゎ， cが形成されているため、 インク導出栓 7 1内に対するインク導入管 7 3 bの圧入が円滑に行われる。

なお、 この実施の形態においては、 空気排出路 7 3 gの断面形状がほぼ半円形 状である場合について説明したが、 本発明の接続構造はこれに限定されず、 第 2 1図 （A) に示すように断面がほぼ矩形状の空気排出路 7 3 Aとしてもよい。 ま た、 この実施の形態においては、 空気排出路 7 3 gの個数が二個である場合につ いて説明したが、 これに限定されず、 一個としてもよく、 あるいは第 2 1図 （B ) に示すように三個以上としても何等差し支えない。

以上説明したように本発明にかかる第 4態様におけるィンク力一トリッジの接 続構造によれば、 インクカートリッジの接続時にィンク導出口内の空気が管内へ 侵入するのを阻止して印字障害の発生を防止することができる。 また、 前記した 接続構造を配備することにより印字障害発生の防止を可能としたインクジェット 式記録装置を提供することができる。

次に、 第 2 2図ないし第 2 6図に基づいて本発明にかかる第 5態様のィンクカ —トリッジの構成について説明する。 なお、 この第 5態様として示すインク力一 トリッジは、 特にインク導出栓 7 1内に配置される円環状に形成されたパッキン グ部材に特徴を有する。

第 2 2図および第 2 3図は、 前記したィンクパック 2 4の端部中央に配置され たインク導出栓 7 1の構成を示したものである。 なお、 第 2 2図はこれを分解斜 視図によって示しており、 第 2 3図は拡大中央断面図で示している。

このインク導出栓 7 1には、 インクパック 2 4の端部中央に封止状態で取り付 けられた筒状部材 1 2 1が具備されており、 この筒状部材 1 2 1内にはコイル状 のばね部材 1 2 2が収納されている。 さらに前記ばね部材 1 2 2を介して移動可 能な弁部材 1 2 3が筒状部材 1 2 1内に収納されている。

そして、 筒状部材 1 2 1の出口端部には、 円環状に形成されたパッキング部材 1 2 4が筒状部材 1 2 1に対して嵌め込まれてシ一ルされており、 さらに前記パ ツキング部材 1 2 4の離脱を阻止するために開口 1 2 5 aを備えたキャップ部材 1 2 5が、 筒状部材 1 2 1の出口端部を覆うようにして取り付けられてインク導 出栓 7 1を構成している。

なお、 以下に説明する第 2 2図ないし第 2 6図において、 ばね部材 1 2 2は、 すでに説明した例えば第 1 4図に示すばね部材 7 1 cに相当し、 弁部材 1 2 3は 、 第 1 4図に示す弁部材 7 1 bに相当し、 パッキング部材 1 2 4は、 第 1 4図に 示すパッキング部材 7 1 aに相当する。

この弁部材 1 2 3は、 第 2 3図に示されたようにコイル状のばね部材 1 2 2に よって、 パッキング部材 1 2 4の一端面に向かって付勢されており、 これにより 前記パッキング部材 1 2 4の一端面に前記弁部材 1 2 2が接合してインクの導出 が阻止されるように構成されている。

そして、 弁部材 1 2 3には、 パッキング部材の一端面に接合してインクの導出 を阻止する機能として働く円盤状部材 1 2 3 aが具備されている。 さらに円盤状 部材 1 2 3 aの外周に沿って間欠的に、 複数本のガイ ド部材 1 2 3 bが円盤状部 材 1 2 3 aに一体に形成されている。

したがって、 前記弁部材 1 2 3は軸方向に伸びる複数本のガイ ド部材 1 2 3 b によって、 筒状部材 1 2 1内を摺動して移動できるように機能する。 また、 円盤 状部材 1 2 3 aの外周に沿って間欠的に複数本のガイド部材 1 2 3 bが配置され たことにより、 第 2 2図に示したように各ガイ ド部材間には隙間 1 2 3 cが形成 される。

この隙間 1 2 3 cは、 後述するように、 パヅキング部材の一端面に対する前記 円盤状部材の接合が解かれた状態において、 ィンクが導出される際のィンク流路 として機能する。

一方、 第 2 5図および第 2 6図には、 前記したパッキング部材 1 2 4の構成が 示されている。 第 2 5図 （a ) および （b ) は、 パヅキング部材をそれぞれ表裏 方向から視た状態の斜視図で示している。 また、 第 2 6図 （a ) はパッキング部 材を一端面方向から視た正面図で、 同図 （c ) は側面図で、 同図 （d ) は他端面 方向から視た裏面図で、 さらに同図 （b ) は同図 （d ) における C— C線から矢 印方向に視た断面図で示している。

ノ ヅキング部材 1 2 4は、 ゴム素材を円環状に成形することにより、 その中央 に貫通状態の開口部 1 2 4 aが形成されている。 そして、 パッキング部材 1 2 4 における前記弁部材 1 2 3に対向する一端面には、 第 2 6図 （b ) に示されたよ うに環状の突出部 1 2 4 bが、 前記開口部 1 2 4 aを取り囲むようにして形成さ れている。

したがって、 前記した弁部材 1 2 3における円盤状部材 1 2 3 aが、 この突出 部 1 2 4 bに接合されることにより、 突出部 1 2 4 bは変形し、 円盤状部材 1 2 3 aとの間でシール作用を果たすようになされる。

また、 パッキング部材 1 2 4における開口部 1 2 4 aの内周面には、 記録装置 側に配置された前記インク導入管 7 3 bの外周面に接するために、 第 2 6図 （b ) に示されたように内径を細くした環状の摺接部 1 2 4 cが形成されている。 こ の摺接部 1 2 4 cは、 弁部材 1 2 3が接合する前記一端面側に偏らせて形成され ている。

一方、 前記パッキング部材 1 2 4の他端面側、 すなわち、 前記したインク導入 管 7 3 bが装着および離脱される側には、 中央の開口部 1 2 4 aの内周面から外 周面に通ずるように、 複数の溝部 1 2 4 dがそれぞれ放射状に形成されている。 この実施の形態においては、 前記溝部 1 2 4 dは第 2 5図 （a ) および第 2 6 図 （d ) に示されたように、 6つの溝部 1 2 4 dがほぼ等間隔をもって放射状に 形成されている。 この様に構成されたパッキング部材 1 2 4は、 第 2 3図に示し たように溝部 1 2 4 dが施された他端面側が、 ィンク導出栓 7 1の出口側に位置 するように組み込まれる。

なお、 前記したパッキング部材 1 2 4の他端面側には、 第 2 5図 （a ) および 第 2 6.図 （b ) に示されたように、 ほぼ 4 5度の角度をもって面取り 1 2 4 eが 施されている。 この面取り 1 2 4 eは、 円環状に形成された前記パッキング部材 1 2 4において、 敢えて重心位置を偏らせるために形成されている。

すなわち、 この様な面取り 1 2 4 eを施し、 パッキング部材の重心位置を偏ら せることにより、 自動組立機を利用する場合において、 例えば微振動を与えてパ ヅキング部材 1 2 4の表裏を一致させて配列させることができる。

このように形成されたインク導出栓 7 1は、 インクカートリッジの装着により 、 カートリッジホルダ側に配置された中空状のインク導入管 7 3 bが、 前記イン ク導出栓 7 1に差し込まれ、 力一トリッジからインクが導出できるようになされ る。 この様子はすでに説明した例えば第 1 4図に示されている。 したがって、 こ の第 5態様のィンクカートリヅジにおけるィンク導出栓 7 1の作用については、 前記した第 1 4図に示された構成も参照して説明する。

ここで、 第 2 6図 （b ) に基づいて説明したように、 パッキング部材 1 2 4に おける開口部 1 2 4 aの内周面には環状の摺接部 1 2 4 cが形成されており、 し かも、 この摺接部 1 2 4 cは、 弁部材 1 2 3が接合する前記一端面側に偏らせて 形成されている。

この構成により、 第 1 4図 （b ) に示すようにインク力一トリヅジを記録装置 に装着した場合において、 前記摺接部 1 2 4 cは、 ィンク導入管 7 3 bとの摩擦 によってインク導入管の相対的な進入方向の奥側に向かって若千変形される。 しかしながら、 パッキング部材 1 2 4の奥側の端部に向かっては、 逃げの余裕 があるために、 パッキング部材は前記摩擦抵抗を受けて開口部 1 2 4 aの内周面 が、 例えば奥側に横向き状態に転回するという異常な変形状態に達するのを防止 することができる。

なお、 インクカートリッジを記録装置から取り外す場合においては、 インク導 入管 7 3 bの外周面にィンクが付着している関係で、 離脱時の摩擦抵抗は非常に 小さくなり、 前記摺接部 1 2 4 cを一方に偏らせて成形したことによる弊害は発 生しない。

また、 前記したようにパッキング部材 1 2 4の他端面側には、 複数の溝部 1 2 4 dがそれぞれ放射状に形成されている。 そして、 第 2 3図に示すようにパツキ ング部材 1 2 4が正常な状態でインク導出栓 7 1に組み込まれた場合においては 、 前記したように摺接部 1 2 4 cを一端面側に偏らせて成形させた作用効果を発 揮することができる。

しかしながら、 パッキング部材 1 2 4の向きを誤って逆方向に組み込んだ場合 においては、 摺接部 1 2 4 cを一端面側に偏らせて成形したことによる作用効果 を得ることができず、 むしろ弊害が発生する。

そこで、 パッキング部材 1 2 4の他端面側に複数の溝部 1 2. 4 dを形成させた ことにより、 パッキング部材 1 2 4の装着方向の誤りを確実に発見することがで きる。

第 2 4図は、 パッキング部材 1 2 4の向きを誤って逆方向に組み込んだ状態を 示している。 この場合においては、 溝部 1 2 4 dが形成されたパッキング部材の 端面が、 弁部材 1 2 3に向かって位置することになり、 インクパック内のインク は溝部 1 2 4 dを介して中央の開口部 1 2 4 aより漏出することになる。

これは、 第 1 1図に基づいて説明したように、 インクパック 2 4にインクを注 入する場合においては、 インク導出栓 7 1を下向きにして、 インク導出栓 7 1の 配置位置とは逆側におけるのィンクパック 2 4の開口を利用するようになされる 。 したがって、 インクパック内にインクを注入する工程において、 インク導出栓 7 1よりインクが漏出する。

これにより、 パッキング部材 1 2 4の組み込み方向が誤っていることを即座に 発見することができ、 インクカートリツジが不良状態で出荷されるのを未然に防 止することができる。

なお、 前記した実施の形態においては、 パッキング部材の他端面側に 6つの溝 部 1 2 4 dが形成されているが、 これは少なくとも 1つの溝部が形成されていれ ば、 同様の作用効果を得ることができる。

また、 前記した実施の形態においては、 インクカートリッジのケース内に加圧 空気を導入するようにした例を示しているが、 本発明においては、 この様な構成 以外のインクカートリッジに採用しても、 同様の作用効果を得ることができる。 . 以上の説明で明らかなように、 本発明にかかる第 5態様のインク力一トリッジ によると、 パッキング部材における一方の端面に、 中央の開口部内周面から外周 面に通ずるように少なくとも 1つの溝部が形成された構成とされているので、 パ ッキング部材の組み込み方向の誤りを容易に発見することができる。 そして、 パ ッキング部材には一端面側に偏らせて摺接部を形成したので、 力一トリッジを記 録装置に着脱させる際に、 無理な摩擦の発生を防止させることができる。

.次に本発明にかかる第 6態様のィンクカートリヅジおよび記録装置について、 第 2 7図ないし第 3 0図に基づいて説明する。 まず、 第 2 7図および第 2 8図は 、 第 6 ^様にかかるインクジェヅト式記録装置に用いられるインクカートリッジ の例を示したものである。

この第 2 7図および第 2 8図に示されたインクカートリッジは、 すでに第 9図 に基づいて説明したィンク力一トリッジと基本構成は同一である。 したがって、 相当する部分を同一符号で示しており、 その詳細な説明は省略する。

第 2 7図および第 2 8図に示されたィンクカートリッジにおいて、 第 9図に示 した力一トリヅジとの相違点は、 下ケースとしての第二ケース 1 0 2の底面部に 、 二つの凸部 （爪部） 1 3 1， 1 3 2が所定の間隔をもって並列した状態で一体 に形成されている点である。

これら両凸部 1 3 1 , 1 3 2の前記第二ケース 1 0 2に対する形成位置は、 前 記ィンクパヅク 2 4に内封されたィンクの色種に応じて決定される。 例えば、 インクパック 24にブラックインクが内封されている場合 （本実施形 態） には、 第 28図 （a) および （c) に示すように、 下ケース 102の側面か ら各凸部 131, 132の形成位置までの寸法をそれそれ A, Bとすると、 A二 7. 5 (mm) と B=12. 5 (mm) に設定されている。

なお、 インクパック 24にシアン （C)， マゼン夕 （M) およびイェロー （Y ) のインクが封入されている場合には、 それぞれ A=7. 5 (mm) と B=17 . 5 (mm), A= 7. 5 (mm) と B = 22. 5 (mm), A= 12. 5 (mm ) と B = 22. 5 (mm) に設定される。

また、 ライ トシアン （L C) およびライトマゼン夕 （LM) のインクが封入さ れている場合には、 それぞれ 7. 5 (mm) と B = 27. 5 (mm), A = 12. 5 (mm) と B= 17. 5 (mm) に設定される。

一方、 この実施の形態におけるインクカートリッジに配置された回路基板 10 6の記憶素子には、 色種以外のインクに関する情報デ一夕、 例えば顔料/染料系 インクの種別、 インク残量、 シリアル番号、 有効期限および対象機種等のデ一夕 が格納される。

なお、 前記したインク残量に関する情報デ一夕については、 インクカートリツ ジ 9をカートリヅジホルダ 8から引き抜いた （力一トリッジとホルダ間の接続を 解除した） 場合に、 前記記憶素子に書き込まれる。

その結果、 一度使用したインク力一トリヅジ 9を再度カートリッジホルダ 8に 装着した際には、 そのイン.ク残量デ一夕がデータ識別手段に読み込まれ、 現時点 のインク残量が認識される。

第 29図には、 前記したインク力一トリッジ 9の一面側の端部が断面状態で示 されており、 記録装置側の力一トリッジホルダ 8に配置された接続機構 90に対 してカートリッジホルダ 9が装着される状態を示している。 また、 第 30図には 、 力一トリッジホルダ 8側に配置された接続機構 90が斜視図の状態で示されて いる。

なお、 第 29図および第 30図に示す構成は、 すでに説明した第 12図および 第 13図に示した構成と基本的には同一である。 したがって、 相当する部分を同 一符号で示しており、 その詳細な説明は省略する。 そして、 第 29図および第 3 0図に示す構成において、 第 12図および第 13図に示した構成との相違点は、 接続機構 90に接続板 141が設けられている点である。

この接続板 141には、 印刷用インクの色種に関し、 力一トリヅジとホルダ間 接続の正誤によって前記両凸部 13 1, 132に嵌合可能または嵌合不能とする 凹部 14 l a, 141 bが配置されている。 これら凹部 14 l a, 14 l bは、 前記インク導出栓 71に対する前記インク導入管 73bの挿抜方向に延在する凹 溝によって形成されている。

以上の構成により、 インクカートリッジ 9をカートリッジホルダ 8 (接続機構 90) に接続するには、 まずカートリッジ 9側の両開口穴 105に対し、 記録装 置側に配置された二つの位置決めビン 91を差し込む。 このとき、 インクカート リッジ 9が適正なインク色種である場合には、 各凸部 13 1, 132と各凹部 1 41 a, 141 bとが嵌合する。

なお、 色種が異なり、 各凸部 131， 132と各凹部 141 a, 141 bが嵌 合しない場合には、 各開口穴 105に対して各位置決めピン 91を差し込むこと ができない。

これにより、 印刷用インクの色種に関しては、 各凸部 131, 132と各凹部 141 a, 141 bとの嵌合によって、 その適否 （正誤） が検出される。 そして 、 インクカートリッジ 9のインク色種が適正である場合には、 インク導入管 73 bに対して、 インク導出栓 71が連通する。

このように、 インク導入管 73bに対するインク導出栓 71の連通前に色種の 同一または異種を検知することができるため、 インク同士の混色を防止すること ができる。

そしてさらに、 各開口穴 105への各位置決めピン 9 1の差し込みによって回 路基板 106に端子機構 92が接続され、 回路基板 106より読み出されたデー 夕によって、 記録装置は顔料/染料系インクの種別、 インク残量、 シリアル番号 、 有効期限および対象機種等の情報デ一夕を取得することができる。

これにより、 色種以外のインク情報データに関しては、 記録装置側のデ一夕識 別手段によって読み取られる。

このとき、 顔料 Z染料系インクの種別が異なるインクカートリッジ 9が装着さ れた場合にインク導出栓 7 1とインク導入管 7 3 bが連通するが、 色種が同一で あるため、 混合による印刷品質への影響が少ない。

なお、 前記データ識別手段による検知の結果は、 記録装置の操作パネル等に配 置されたランプ等の表示装置による表示によって、 あるいはプザ一等の音声発生 装置による鳴動によって確認される。

そして、 ィンクの色種以外のィンクに関する情報データの変更 ·追加がある場 合には、 記憶素子の書き込みデ一夕を変更 '追加することによつて対応できるた め、 従来のように多数の凹 ·凸部を形成することを必要とせず、 コストの低廉化 を図ることができる。

また、 インクに関する必要な情報データをデータ識別手段によって識別するこ とができるため、 組成の異なるィンク同士の混合および機種に適合しないィンク 力一トリッジの使用が回避され、 良好な印刷を実現することができる。

なお、 前記した実施の形態においては、 凸部 1 3 1， 1 3 2および凹部 1 4 1 a , 1 4 l bが、 それぞれ二つ備えた構成とされているが、 本発明はこれに限定 されず、 単数あるいは三つ以上であっても差し支えない。

また、 前記した実施の形態においては、 インクカートリッジ 9に凸部 1 3 1 , 1 3 2を、 またカートリッジホルダ 8側に凹部 1 4 1 a , 1 4 1 bを設けた状態 とされているが、 本発明はこれに限定されず、 カートリッジホルダ 8およびィン クカートリッジ 9において、 これらの関係を入れ替えて装備しても、 同様の作用 効果が得られることは勿論である。

最後に本発明にかかる第 7態様のィンク力一トリッジおよびこれを利用するこ とができる記録装置について、 第 3 1図ないし第 3 8図に基づいて説明する。 こ の第 7態様のインクカートリッジにおいては、 第一弁体および第二弁体が具備さ れる。 この第一弁体は、 すでに説明した例えば第 1 4図に示されたインク導出栓 7 1に備えられた弁部材 7 l bに相当する。 一方、 第二弁体は第一弁体としての 弁部材 7 1 bが配置された管路を閉塞し、 かつインクパックが空気圧により加圧 された場合において、 記録装置側にィンクを導出することができる逆止弁により 構成される。

したがって、 以下においては、 主に第二弁体の構成および配置について説明す る。 まず、 第 3 1図ないし第 3 3図は、 第 7態様の第 1の実施形態にかかるイン クカ一トリヅジにおけるインク導出栓部分を説明するものである。

第 3 1図ないし第 3 3図において、 前記インク導出栓 7 1は、 第一管体 1 6 1 および第二管体 1 6 2を有し、 前記したとおりカートリッジホルダ 8側のインク 導入管 7 3 bに着脱可能となるように構成されている。

このインク導出栓 7 1のインク被供給側には第一弁体としての弁部材 7 l b ( 第 1 4図参照） が配置され、 さらにインク供給側 （インクパック側） には後述す る第二弁体としての弁体 1 6 3が配置されている。

なお、 第一弁体としての弁部材 7 1 bは、 前記したように、 インク導出栓 7 1 が前記ィンク導入管 7 3 bに挿入されることによって閧弁状態となり、 かつ前記 ィンク導入管 7 3 bから引き抜かれることによって閉弁状態となる開閉弁によつ て構成されている。

第 3 2図 （a ) および第 3 3図 （a ) に示す前記第一管体 1 6 1内には、 前記 インク導入管 7 3 bに接続可能な流入路 1 6 1 aおよびこの流入路 1 6 1 aを横 切るようなストッパ 1 6 4が設けられている。 前記流入路 1 6 1 aの路壁には、 円周方向に等間隔をもって並列し、 かつ前記弁体 1 6 3の側方 （流入路 1 6 1 a の軸線方向と直角な方向） への移動を規制する二つのストツパ面 1 6 1 bが形成 されている。

また、 前記第一管体 1 6 1のィンク供給側端面には、 前記流入路 1 6 1 a外に 位置し、 かつ円周方向に等間隔をもって並列する一対の位置決め用凸部 1 6 1 c がー体に設けられている。

前記ストッパ 1 6 4は、 インク供給口 1 6 4 aを有する平面十字状の薄片から なり、 前記弁体 1 6 3のインク被供給側 （弁部材 7 l bのインク供給側） に配置 されている。 このストヅパ 1 6 4には、 前記ストヅパ面 1 6 l bと円周方向に所 定の間隔をもって並列し、 かつインク供給側に突出する一対の移動規制片 1 6 5 がー体に設けられている。

第 3 2図 （b ) および第 3 3図 （b ) に示す前記第二管体 1 6 2は、 第 3 1図 ( a ) および （b ) に示すように、 そのインク被供給側端部を前記流入路 1 6 1 a内に圧入して前記第一管体 1 6 1に固定されている。 この第二管体 1 6 2内に は、 前記流入路 1 6 1 aに連通可能な流出路 1 .6 2 aおよびこの流出路 1 6 2 a のインク被供給側開口周縁に延在する弁座 （弁座璟） 1 6 2 bが設けられている 。 前記流出路 1 6 2 aは、 前記インクパック 2 4に接続されている。 前記弁座 1 6 2 bは、 前記第二管体 1 6 2のィンク被供給側端面よりィンク被供給側に突出 して形成されている。 .

そして、 第 3 4図 （a ) に示すように、 前記弁体 1 6 3の縁部にインク被供給 側に突出するようなばり 1 6 3 aが発生している場合に、 この発生ばり 1 6 3 a を閉弁状態において弁座 1 6 2 b周囲の空間部に位置付けるように構成されてい る。

また、 前記第二管体 1 6 2には、 インク被供給側端面に開口し、 かつ前記両移 動規制片 1 6 5の先端部がそれぞれ臨む二つの凹部 1 6 2 cが設けられている。 そして、 第 3 4図 （b ) に示すように、 前記第二管体 1 6 2のインク被供給側端 面 1 6 2 Aと前記移動規制片 1 6 5の先端面 1 6 5 A間への弁体 1 6 3の入り込 みを阻止するように構成されている。 前記第二管体 1 6 2のインク供給側端部に は、 前記両位置決め用凸部 1 6 1 cの先端部がそれぞれ挿通する二つの揷通孔 1 6 6 aを有し、 かつ前記第一管体 1 6 1のインク供給側端面に対接するフランジ 1 6 6がー体に設けられている。

なお、 前記両管体 1 6 1， 1 6 2は、 第二管体 1 6 2のィンク被供給側端部を 第一管体 1 6 1の流入路 1 6 1 a内に圧入した後、 フランジ 1 6 6の揷通孔 1 6 6 aに揷通する位置決め用凸部 1 6 1 cの揷通端部をかしめることにより抜け止 めされる。

前記弁体 1 6 3は、 前記ィンク導入管 7 3 bの管路を常時閉塞し、 かつ前記ィ ンクパック 2 4の加圧によるィンクの流動によって開放する逆止弁によって構成 されている。 また、 この弁体 1 6 3は、 前記流出路 1 6 2 a内における前記第二 管体 6 2 (インク被供給側端面） と前記ストッパ 1 6 4との間に往復可能に配設 されている。 そして、 全体が前記弁座 1 6 2 bに着座可能なステンレス等の金属 材料あるいはポリプロピレン， ポリエチレン等の合成樹脂材料からなる平面円形 状の薄板によって形成されている。

以上の構成により、 加圧空気ポンプ 2 1の加圧によってインクパヅク 2 4内の インクがインクパック 2 4外に流出してインク被供給側に流動すると、 この流動 力を閉弁状態の弁体 1 6 3が弁座 1 6 2 bから離間する方向に受けてインク被供 給側に移動し、 第 3 5図 （a ) および （b ) に示すように開弁状態となる。 このため、 第一管体 1 6 1と第二管体 1 6 2とが連通し、 ィンクパック 2 4か らのインクが第 3 5図 （b ) に矢印で示すように流出路 1 6 2 aおよび流入路 1 6 l a内を流動してインク導入管 7 3 bに供給される。

一方、 ユーザがインク導出栓 7 1内に、 例えばスクリユードライバ等の棒状体 を差し込んで弁部材 7 l bを開放させた場合、 また印刷時にインク補給バルブ 2 6が故障した場合には、 弁体 1 6 3によってィンク導出栓 7 1の流出路 1 6 2 a が閉塞されたままである。

すなわち、 第 3 6図 （b ) に示すようにインク導出栓 7 1外の空気および逆流 インクがインクパック側に向かって流入路 1 6 1 a内を流動すると、 この流動力 を閉弁状態の弁体 1 6 3が弁座 1 6 2 bに着座する方向に受けて閉弁状態を維持 する。

このため、 第 3 6図 （a ) および （b ) に示すように第一管体 1 6 1と第二管 体 1 6 2とが連通せず、 逆流ィンクあるいは外気がインクパック 2 4内に流入す ることはない。

したがって、 この実施の形態においては、 インクパック 2 4に対する外気の流 入およびィンクの逆流を阻止することができ、 ィンクパック 2 4内におけるィン クの脱気度およびクリーン度を保証することができる。

なお、 前記弁体 1 6 3は、 インクの流動によって流入路 1 6 1 a内を移動する に際し、 ストッパ 1 6 4によって流入路 1 6 1 aにおけるインク被供給側への移 動が規制される。 また、 移動規制片 1 6 5およびストヅパ面 1 6 1 bによって流 入路 1 6 1 aにおける径方向 （軸線方向と直角な方向） への移動が規制される。 これにより、 弁体 1 6 3が流入路 1 6 1 a内を軸線に沿って移動し、 流入路 1 6 1 a内の軸線方向二位置間における弁体 1 6 3の円滑動作が行われる。

次に、 前記インク導出栓内に配置された第 2実施形態の弁構造につき、 第 3 7 図 （a ) および （b ) を用いて説明する。 第 3 7図 （a ) および （b ) は、 第 2 実施形態にかかるインクカートリツジの開弁状態と閉弁状態を示す断面図で、 同 図において第 3 1図ないし第 3 6図と同一または同等の部材については同一の符 号を付し、 詳細な説明は省略する。

同図において、 前記インク導出栓 7 1は、 第一管体 1 6 1および第二管体 1 7 2を有し、 前記カートリッジホルダ 8のインク導入管 7 3 bに着脱可能となるよ うに構成されている。

このインク導出栓 7 1のインク被供給側には、 第一弁体としての前記弁部材 7 l b (第 1 4図参照） が配置され、 またインク供給側 （インクパヅク側） には第 二弁体としての後述する弁体 1 7 3が配置されている。

なお、 前記弁部材 7 l bは、 前記したように、 前記インク導出栓 7 1が前記ィ ンク導入管 7 3 bに挿入されることによつて開弁状態となり、 かつ前記ィンク'導 入管 7 3 bから引き抜かれることによって閉弁状態となる開閉弁によって構成さ れている。

前記第二管体 1 7 2は、 そのィンク被供給側端部を前記流入路 1 6 1 a内に圧 入して前記第一管体 1 6 1に固定されている。 この第二管体 1 7 2内には、 前記 流入路 1 6 1 aに連通可能な流出路 1 7 2 aおよびこの流出路 1 7 2 aのインク 被供給側開口周縁に延在する弁座 1 7 2 bが設けられている。

前記流出路 1 7 2 aは、 前記ィンクパック 2 4に接続されている。 前記弁座 1 7 2 bは、 前記第二管体 1 7 2のィンク被供給側端面と同一の面上に配置されて いる。

前記第二管体 1 7 2のィンク供給側端部には、 前記両位置決め用凸部 1 6 1 c の先端部がそれぞれ挿通する二つの揷通孔 1 .7 6 aを有し、 かつ前記第一管体 1 6 1のインク供給側端面に対接するフランジ 1 Ί 6がー体に設けられている。 なお、 前記両管体 1 6 1， 1 7 2は、 第二管体 1 7 2のィンク被供給側端部を 第一管体 1 6 1の流入路 1 6 1 a内に圧入した後、 フランジ 1 7 6の揷通孔 1 7 6 aに揷通する位置決め用凸部 1 6 1 cの揷通端部をかしめることにより抜け止 めされる。

前記弁体 1 7 3は、 前記ィンク導入出管 7 3 bの管路を常時閉塞し、 かつ前記 ィンクパック 2 4の加圧によるインクの流動によって開放する逆止弁によって構 成されている。 また、 弁体 1 7 3は、 前記弁座 1 7 2 bに着座可能な弁体部 1 7 3 aを有し、 前記第二管体 1 7 2のインク被供給側端面 （弁座 1 7 2 bの外側） にスポット溶接等によって固定されている。 そして、 全体がポリプロピレン， ポ リェチレン等の合成樹脂材料からなる弾性変形可能な平面円形状の薄片 （薄膜） によって形成されている。

以上の構成により、 加圧空気ポンプ 2 1の加圧によってインクパック 2 4内の ィンクがィンクパック 2 4外に流出してインク被供給側に流動すると、 この流動 力を閉弁状態の弁体 1 7 3が弁座 1 7 2 bから離間する方向に受けてインク被供 給側に移動し、 第 3 7図 （a ) に示すように開弁状態となる。

このため、 第一管体 1 6 1と第二管体 1 7 2とが連通し、 インクパック 2 4か らのインクが第 3 7図 （a ) に矢印で示すように流出路 1 7 2 aおよび流入路 1 6 1 aを流動してィンク導入管 7 3 bに供給される。

一方、 ユーザがインク導出栓 7 1内に、 例えばスクリュードライバ等の棒状体 を差し込んで弁部材 7 l bを開放させた場合、 また印刷時にインク補給バルブ 2 6が故障した場合には、 弁体 1 7 3によってィンク導出栓 7 1の流出路 1 7 2 a が閉塞されたままである。

すなわち、 第 3 7図 （b ) に矢印で示すようにインク導出栓 7 1外の空気およ び逆流ィンクがインクパック側に向かつて流動すると、 この流動力を閉弁状態の 弁体 1 7 3が弁座 1 7 2 bに着座する方向に受けて閉弁状態を維持する。

このため、 第 3 7図 （b ) に示すように第一管体 1 6 1と第二管体 1 7 2とが 連通せず、 逆流ィンクあるいは外気がィンクパック 2 4内に流入することはない したがって、 この実施の形態においては、 第 1の実施形態と同様に、 インクパ ック 2 4に対する外気の流入およびィンクの逆流を阻止することができ、 ィンク パック 2 4内におけるィンクの脱気度およびクリーン度を保証することができる ο

次に、 前記インク導出栓内に配置された第 3実施形態にかかる弁構造について 、 第 3 8図 （a ) および （b ) を用いて説明する。 第 3 8図 （a ) および （b ) は、 第 3の実施形態にかかるィンクカートリツジの閧弁状態と閉弁状態を示す断 面図であり、 同図において第 3 1図ないし第 3 6図と同一または同等の部材につ いては同一の符号を付し、 詳細な説明は省略する。

同図において、 前記インク導出栓 7 1は、 第一管体 1 6 1および第二管体 1 8 2を有し、 前記カートリッジホルダ 8のインク導入管 7 3 bに着脱可能となるよ うに構成されている。

このインク導出栓 7 1のインク被供給側には第一弁体としての前記弁部材 7 1 b (第 1 4図参照） が配置され、 またインク供給側 （インクパック側） には第二 弁体としての後述する弁体 1 8 3が配置されている。

なお、 前記弁部材 7 l bは、 前記したように、 前記インク導出栓 7 1が前記ィ ンク導入管 7 3 bに挿入されることによって開弁状態となり、 かつ前記ィンク導 入管 7 3 bから引き抜かれることによつて閉弁状態となる開閉弁によつて構成さ れている。

前記第二管体 1 8 2は、 そのインク被供給側端部を前記流入路 1 6 1 a内に圧 入して前記第一管体 1 6 1に固定されている。 この第二管体 1 8 2内には、 前記 流入路 1 6 1 aに連通可能な流出路 1 8 2 aおよびこの流出路 1 8 2 aのインク 被供給側開口部内で円周方向に延在する弁座 1 8 2 bが設けられている。

前記流出路 1 8 2 aは、 前記インクパック 2 4に接続されている。 前記弁座 1 6 2 bは、 前記流出路 1 8 2 aのィンク被供給側開口部がィンク供給側からィン ク被供給側に向かって広がるような傾斜面で形成されている。

また、 前記第二管体 1 8 2には、 インク被供給側端面に開口し、 かつ前記両移 動規制片 1 6 5の先端部がそれぞれ臨む二つの凹部 1 8 2 cが設けられている。 前記第二管体 1 8 2のィンク供給側端部には、 前記両位置決め用凸部 1 6 1 cの 先端部がそれぞれ挿通する二つの揷通孔 1 8 6 aを有し、 かつ前記第一管体 1 6 1のインク供給側端面に対接するフランジ 1 8 6がー体に設けられている。 なお、 前記両管体 1 6 1 , 1 8 2は、 第二管体 1 8 2のィンク被供給側端部を 第一管体 1 6 1の流入路 1 6 1 a内に圧入した後、 フランジ 1 8 6の揷通孔 1 8 6 aに挿通する位置決め用凸部 1 6 1 cの揷通端部をかしめることにより抜け止 めされる。

前記弁体 1 8 3は、 前記インク導入管 7 3 bの管路を常時閉塞し、 かつ前記ィ ンクパック 2 4の加圧によるィンクの流動によって開放する逆止弁によって構成 されている。 そして、 弁体 1 8 3は、 前記第二管体 1 8 2と前記ストヅパ 1 6 4 との間に往復かつ自転可能に配設され、 全体が前記弁座 1 8 2 bに着座可能なス テンレス等の金属材料あるいはポリプロピレン， ポリェチレン等の合成樹脂材料 からなる球体によって形成されている。

なお、 前記弁体 1 8 3は、 その移動がインクの流動によって円滑に行われ、 か つ逆止弁としての機能が十分に発揮されるために、 インクパック 2 4内のィンク の比重と同一の比重 （ 1 . 0 6 X 1 0 S gZmm³ 程度） をもつ材料によって 形成されていることが望ましい。

以上の構成により、 加圧空気ポンプ 2 1の加圧によってィンクパック 2 4内の インクがインクパヅク 2 4外に流出してインク被供給側に流動すると、 この流動 力を閉弁状態の弁体 1 8 3が弁座 1 8 2 bから離間する方向に受けてインク被供 給側に移動し、 第 3 8図 （a ) に示すように開弁状態となる。

このため、 第一管体 1 6 1と第二管体 1 8 2とが連通し、 ィンクパック 2 4か らのインクが第 3 8図 （a ) に矢印で示すように流出路 1 8 2 aおよび流入路 1 6 1 aを流動してインク導入管 7 3 bに供給される。

一方、 ユーザがインク導出栓 7 1内に、 例えばスクリユードライバ等の棒状体 を差し込んで弁部材 7 l bを開放させた場合、 また印刷時にインク補給バルブ 2 6が故障した場合には、 弁体 1 8 3によってィンク導出栓 7 1の流出路 1 8 2 a が閉塞されたままである。

すなわち、 第 3 8図 （b ) に矢印で示すようにインク導出栓 7 1外の空気およ び逆流ィンクがインクパック側に向かって流動すると、 この流動力を閉弁状態の 弁体 1 8 3が弁座 1 8 2 bに着座する方向に受けて閉弁状態を維持する。

このため、 第 3 8図 （b ) に示すように第一管体 1 6 1と第二管体 1 8 2とが 連通せず、 逆流ィンクあるいは外気がィンクパック 2 4内に流入することはない したがって、 この実施の形態において、 インクパック 2 4に対する外気の流入 およびインクの逆流を阻止することができ、 ィンクパック 2 4内におけるィンク の脱気度およびクリーン度を保証し得ることは、 前記した第 1の実施形態および 第 2の実施形態と同様である。 なお、 前記弁体 1 8 3は、 インクの流動によって流入路 1 6 1 a内を移動する に際し、 ストヅパ 1 6 4によって流入路 1 6 1 aにおけるインク被供給側への移 動が規制される。

また、 移動規制片 1 6 5およびストヅパ面 1 6 1 bによって流入路 1 6 1 aに おける径方向 （軸線方向と直角な方向） への移動が規制される。 これにより、 弁 体 1 8 3が流入路 1 6 1 a内を軸線に沿って移動し、 流入路 1 6 1 a内の軸線方 向二位置間における弁体 1 8 3の円滑動作が行われる。

なお、 これまで述べた第 1、 第 2および第 3の実施形態では、 インクを供給す る手段として、 いずれも加圧空気ポンプ 2 1の加圧によってインクパック 2 4内 のィンクを押し出すようになされた構成に基づいて説明したが、 その他のィンク 供給手段として次に示すようなものでもよい。

例えば、 サブタンク 7内を減圧ポンプ （図示せず） で減圧してインク力一トリ ッジから吸引する手段や、 サブタンクを用いない構成ではキヤッビング手段 1 1 を減圧ポンプ （図示せず） で減圧して吸引する手段でもよい。

要するに、 インクを供給する手段は、 インクパック 2 4とサブタンク 7との間 あるいはィンクパック 2 4と記録へッド 6との間に圧力差を発生させるものであ れば、 いかなるものでもよい。

以上説明したように、 本発明にかかる第 7態様のィンクカートリツジによれば 、 インクパックに対する外気の流入およびインクの逆流を阻止することができる ため、 インク供給時に記録装置用ヘッドへ空気を送ることがなく、 またインクパ ック内におけるインクの脱気度およびクリ一ン度を保証することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 可撓性素材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前 記インクパックを収納し、 気密状態に形成されたカートリッジケースとにより構 成され、 記録装置への装填状態において前記ケース内に加圧空気が導入されるよ うに成された記録装置用ィンク力一トリッジであって、

前記カートリッジケースの一面に、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段、 インクパックからのインク導出口、 加圧空気の導入口、 およびデ一夕記憶手段を. 備えた回路基板の接続端子を配置してなる記録装置用ィンクカートリッジ。

2 . 前記位置決め手段は、 記録装置に配置された位置決めピンを包囲することが できるように形成された開口穴により構成した請求の範囲第 1項に記載の記録装 置用ィンクカートリッジ。

3 . 前記位置決め手段を構成する開口穴が、 ケースの前記一面における長手方向 に沿った 2か所に配置されてなる請求の範囲第 2項に記載の記録装置用ィンクカ —トリツジ。

4 . 前記 2か所に配置された各開口穴のほぼ中間部にィンクパックからのインク 導出口が配置されてなる請求の範囲第 3項に記載の記録装置用ィンク力一トリッ ジ。

5 . 前記 2か所に配置された各開口穴の両外側に、 回路基板の接続端子および加 圧空気の導入口がそれぞれ配置されてなる請求の範囲第 3項または第 4項に記載 の記録装置用ィンクカートリッジ。

6 . ィンク情報が格納し得る読み出し可能な記憶手段を備えた回路基板を搭載し 、 記録装置に対して着脱可能に装填される記録装置用ィンクカートリッジであつ て、

前記回路基板が、 カートリッジケースにおける直交する二面が閧放された函形 空間部内に取り付けられ、 且つ前記回路基板の取り付け手段が開放された一面に 向かって露出されると共に、 当該カートリッジが記録装置に装填された状態にお いて、 開放された他の一面を介して記録装置側に配置された端子機構が、 前記回 路基板に電気的に接続されるように構成した記録装置用ィンク力一トリッジ。

7 . 前記回路基板の取り付け手段が、 カートリッジケースに一体に成形された熱 溶着用の突起により構成されてなる請求の範囲第 6項に記載の記録装置用ィンク カートリツジ。

8 . 前記熱溶着用の突起が前記回路基板の一部を揷通し、 前記突起の頂部を熱力 シメすることにより、 前記回路基板を力一トリッジケースに取り付けてなる請求 の範囲第 7項に記載の記録装置用ィンクカートリッジ。

9 . 前記カートリッジケースには、 可撓性素材により形成されて内部にインクが 封入されたィンクパックが収納され、 記録装置への装填状態において前記ケース 内に加圧空気が導入されるように構成した請求の範囲第 6項ないし第 8項のいず れかに記載の記録装置用ィンクカートリッジ。

1 0 . 可撓性素材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記ィンクパックを収容し、 外郭が気密状態に形成された力一トリッジケースと により構成され、 記録装置に装填された状態において記録装置側より前記ケース 内に加圧空気が導入できるように構成された記録装置用ィンク力一トリッジであ つて、

前記インク力一トリッジが記録装置側に装填される場合において、 前記ィンク 力一トリヅジ側に形成されたィンク導出口が、 記録装置側に接続された後におい て、 インクカートリッジ側に形成された加圧空気の導入口が記録装置側に接続さ れるように構成した記録装置用インク力一トリヅジ。

1 1 . 前記力一トリッジケースには、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段が 具備され、 前記位置決め手段により記録装置に対するィンク力一トリッジの位置 関係が定められた状態で、 前記ィンク導出口および加圧空気の導入口が記録装置 側に順次接続されるように構成した請求の範囲第 1 0項に記載の記録装置用ィン クカートリッジ。

1 2 . 前記インクカートリッジには、 インクパック内に封入されたインクに関す る情報データが格納し得る読み出し可能な記憶手段が搭載され、 前記ィンク力一 トリッジが記録装置側に 填される場合において、 加圧空気の導入口が記録装置 側に接続された後において、 前記記憶手段が記録装置側の端子機構に電気的に接 続されるように構成した請求の範囲第 1 0項に記載の記録装置用インク力一トリ ヅジ。

1 3 . 前記インクカートリッジに備えられた加圧空気の導入口は、 カートリッジ ケースと一体に成形された中空の円筒形状をなし、 前記導入口を構成する円筒体 の円筒面の軸方向の長さが、 2〜2 0 mmに成形された請求の範囲第 1 0項ない し第 1 2項のいずれかに記載の記録装置用ィンク力一トリヅジ。

1 4 . 可撓性素材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記インクパックを収納し、 気密状態に形成された力一トリッジケースとより成 り、 記録装置への装填状態において前記ケース内に加圧空気が導入されるように 構成され、 且つ、 前記ケースの一面に、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段 、 インクパックからのインク導出口、 加圧空気の導入口、 およびデータ記憶手段 を備えた回路基板の接続端子を配置したィンクカートリッジが装着されるインク ジェット式記録装置であって、

前記力一トリッジケースの一面に配置された位置決め手段を利用してィンクカ 一トリッジを装填した状態において、 前記ィンク導出口に対して回路基板の接続 端子が重力方向の上部に位置するように構成したィンクジエツト式記録装置。

1 5 . 可撓性素材により形成され、 内部にインクが封入されたインクパックと、 前記ィンクパックを収納し気密状態に形成された力一トリッジケースとにより構 成されたインク力一トリッジが装填され、 前記ケース内に加圧空気を導入するこ とができるように構成した記録装置であつて、

前記インクカートリッジが記録装置側に装填される場合において、 前記ィンク 力一トリッジ側に形成されたィンク導出口が記録装置側に接続された後において 、 ィンク力一トリッジ側に形成された加圧空気の導入口が記録装置側に接続され る接続機構を備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。

1 6 . 前記カートリッジケースには、 記録装置へ装填する場合の位置決め手段が 具備され、 前記位置決め手段により記録装置に対するィンク力一トリッジの位置 関係が定められた状態で、 前記ィンク導出口および加圧空気の導入口が記録装置 側に順次接続されるように構成した請求の範囲第 1 5項に記載のインクジヱット

1 7 . 前記インクカートリヅジには、 インクパック内に封入されたインクに関す る情報デ一夕が格納し得る読み出し可能な記憶手段が搭載され、 前記接続機構に はィンク力一トリッジが記録装置側に装填される場合において、 前記加圧空気の 導入口が記録装置側に接続された後において、 前記記憶手段に対する電気的な接 続がなされる端子機構が具備されてなる請求の範囲第 1 5項または第 1 6項に記 載のインクジエツト式記録装置。

1 8 . 前記カートリッジ側の記憶手段に対する記録装置側の端子機構の電気的な 接続がなされたことを検知した場合において、 加圧空気を生成する加圧ポンプの 駆動が可能となるように構成した請求の範囲第 1 7項に記載のインクジエツト式

1 9 . 記録装置用へッドにインク経路を介して接続するィンク導入管を有する力 —トリッジホルダと、

前記カートリッジホルダのィンク導入管に連通可能なィンク導出管およびこの ィンク導出管のィンク導出口を開閉する弁体を有するインクカートリッジとを備 え、

前記ィンクカートリッジのィンク導出管内に前記ィンク導入管を圧入すること により、 前記弁体を押圧して前記インク導出口を開放させるとともに、 前記イン ク導出管と前記ィンク導入管とを連通させ、 前記ィンクカートリッジを前記カー トリッジホルダに接続する構造であって、

前記ィンク導入管の圧入側端面には、 前記弁体を押圧する凸部が設けられると ともに、

前記凸部には、 前記ィンク導入管の前記ィンク導出管への圧入による空気排出 状態において前記ィンク導出口の内外に連通する空気排出路が設けられているこ とを特徴とするィンク力一トリッジの接続構造。

2 0 . 前記空気排出路が、 前記凸部の外側面部に形成された凹溝であることを特 徴とする請求の範囲第 1 9項に記載のインク力一トリッジの接続構造。

2 1 . 前記弁体に、 前記凸部に嵌合可能な凹部が設けられていることを特徴とす る請求の範囲第 1 9項に記載のインクカートリッジの接続構造。

2 2 . 前記凹部および前記凸部の各嵌合面に、 前記インク導出管内に前記インク 導入管を案内するためのテーパが形成されていることを特徴とする請求の範囲第 2 1項に記載のィンク力一トリッジの接続構造。

2 3 . キヤリヅジ上に搭載されて記録用紙の幅方向に移動するインクジヱヅト式 の記録へッドと、 この記録へッドの移動方向に対して直交する方向に記録用紙を 相対的に移動させる紙送り手段とを備えた記録装置において、 請求の範囲第 1 9 項ないし第 2 2項のいずれかに記載のィンク力一トリヅジの接続構造を用いたこ とを特徴とするィンクジエツト式記録装置。

2 4 . 内部にインクが貯留され、 記録装置への装着状態において前記インクを記 録装置側に導出させるィンク導出部を備えた記録装置用ィンクカートリッジであ つて、

前記インク導出部には、 円環状に形成されたパッキング部材と、 移動可能な弁 部材とが具備され、 記録装置への非装着状態においては、 前記パッキング部材の 一端面に前記弁部材が接合してィンクの導出が阻止され、 記録装置への装着状態 においては、 前記パヅキング部材の一端面への弁部材の接合が解かれて、 インク の導出が可能となるように構成され、 且つ前記パッキング部材における他端面に は、 中央の開口部内周面から外周面に通ずるように少なくとも 1つの溝部が形成 されていることを特徴とする記録装置用インク力一トリッジ。

2 5 . 前記パッキング部材における他端面には、 中央の開口部内周面から外周面 に通ずるように、 '複数の溝部がそれそれ放射状に形成されてなる請求の範囲第 2 4項に記載の記録装置用ィンク力一トリッジ。

2 6 . 前記弁部材をパッキング部材の一端面に向かって付勢するばね部材が具備 され、 記録装置への装着状態において、 パッキング部材の前記開口部内周面に摺 接して相対的に進入するインク導入管の先端部によつて前記弁部材が押し戻され 、 弁部材によるパッキング部材の一端面への接合が解除されるように構成した請 求の範囲第 2 4項または第 2 5項に記載の記録装置用インク力一トリッジ。 2 7 . 円環状に形成された前記パッキング部材の中央の開口部内周面には、 記録 装置側に配置されたィンク導入管の外周面に接するために内径を細くした環状の 摺接部がさらに形成され、 且つ前記摺接部は、 弁部材が接合するパッキング部材 の前記一端面側に偏らせて形成してなる請求の範囲第 2 4項に記載の記録装置用 ィンク力一トリッジ。

2 8 . 前記移動可能な弁部材には、 前記パッキング部材の一端面に接合してイン クの導出を阻止する円盤状部材と、 前記円盤状部材の外周に沿って間欠的に配置 され、 それぞれ弁部材の移動方向に沿って伸びる複数本のガイド部材とが具備さ れ、 パッキング部材の一端面への前記円盤状部材の接合が解かれた状態において 、 円盤状部材の外周に沿って間欠的に配置された前記各ガイ ド部材間に形成され た隙間を介してィンクが導出されるように構成した請求の範囲第 2 4項に記載の 記録装置用インクカートリッジ。

9 . 前記ィンク導出部は、 可撓性素材により形成されて内部にィンクが貯留さ れたインクパックの一部に配置され、 且つ前記インク導出部は、 インクパックを 収容した力一トリヅジケースの一部に、 力一トリヅジケースから露出するように して取り付けられてなる請求の範囲第 2 4項に記載の記録装置用インクカートリ ヅジ。

3 0 . 前記カートリッジケースは気密状態に構成され、 カートリッジケースと前 記ィンクパックとの間の空間部に、 加圧空気を導入することができる加圧空気の 導入口が形成されてなる請求の範囲第 2 9項に記載の記録装置用インク力一トリ ッジ。

3 1 . 記録装置用へヅドにィンク経路を介して接 するィンク導入管を有する力 —トリッジホルダと、

この力一トリッジホルダに着脱自在に保持され、 前記ィンク導入管に連通可能 なィンク導出管を有するィンク力一トリッジとを備え、

前記ィンク導出管と前記ィンク導入管とを連通させることにより、 前記ィンク 力一トリヅジを前記力一トリヅジホルダに接続する構造であって、

前記カートリッジホルダと前記ィンク力一トリッジとの間に、 前記記録装置用 へヅドに供給されるィンクの色種に関し、 カートリッジ ·ホルダ間接続の正誤に よつてそれぞれ嵌合可能 ·嵌合不能とする凹部と凸部を形成し、

これら凹 ·凸部の嵌合状態において、 インク色種以外のインクに関する情報デ —夕を授受する記憶素子およびデ一夕識別手段をそれぞれ前記ィンクカートリッ ジ側と前記力一トリヅジホルダ側に設けた

ことを特徴とするィンク力一トリッジの接続構造。

3 2 . 前記凹部が前記カートリッジホルダに設けられ、 前記凸部が前記ィンクカ —トリッジに設けられていることを特徴とする請求の範囲第 3 1項に記載のィン クカートリッジの接続構造。 ·

3 3 . 前記凹部が前記ィンクカートリッジに設けられ、 前記凸部が前記力一トリ ッジホルダに設けられていることを特徴とする請求の範囲第 3 1項に記載のィン クカートリ、メジの接続構造。

3 4 . 前記記憶素子が、 I C基板に実装されていることを特徴とする請求の範囲 第 3 1項に記載のィンクカートリッジの接続構造。

3 5 . 前記記憶素子に、 顔料/染料系インクの種別、 インク残量、 シリアル番号 、 有効期限および対象機種の情報データのうち少なくとも一つの情報データが記 憶されていることを特徴とする請求の範囲第 3 1項に記載のィンク力一トリヅジ の接続構造。

3 6 . 前記凹部および前記凸部が、 それぞれ複数個とすることを特徴とする請求 の範囲第 3 1項に記載のインクカートリッジの接続構造。

3 7 . 記録装置用へッドに至るィンク導入管を有するカートリッジホルダに着脱 可能に接続され、 前記ィンク導入管に連通可能なィンク導出管を有するィンクパ ックを備えたィンク力一トリッジであって、

前記記録装置用へッドに供給されるインクの色種に関し、 パック ·ホルダ間接 続の正誤によって、 前記力一トリッジホルダと嵌合可能 ·嵌合不能とする凹部ま たは凸部と、

インク色種以外のインクに関する情報デ一夕を授受する記憶素子と、 を設けたことを特徴とするィンクカートリッジ。

3 8 . 印刷領域と非印刷領域との間を往復可能なへッド装着用のキヤリッジを備 えたインクジエツト式記録装置において、

請求の範囲第 3 1項ないし第 3 6項のいずれかに記載のィンクカートリッジの 接続構造または請求の範囲第 3 7項に記載のィンク力一トリッジを用いたことを 特徴とするインクジエツト式記録装置。

3 9 . 記録装置用へッドにインク経路を介して接続するインク導入管に着脱可能 なインク導出管と、 このィンク導出管に接続され、 ィンクを内封するィンクパックとを備えたィン クカートリヅジであって、

前記ィンク導出管内に、 前記ィンク導入管の着脱によって開閉する第一弁体を 配設するとともに、

この第一弁体のィンク供給側に位置する第二弁体を配設し、 ，

この第二弁体は、 前記インク導出管の管路を常時閉塞し、 かつ前記記録装置用 へッドへのインク供給時のィンクの流動によって開放する逆止弁からなる ことを特徴とするィンク力一トリッジ。

4 0 . 前記第二弁体が、 薄板からなることを特徴とする請求の範囲第 3 9項に記 載のィンクカートリヅジ。

4 1 . 前記集二弁体が、 前記管路の軸線方向に移動可能な弁体であることを特徴 とする請求の範囲第 3 9項に記載のィンク力一トリッジ。

4 2 . 前記第二弁体が、 弾性変形可能な素材によって形成されていることを特徴 とする請求の範囲第 3 9項に記載のィンク力一トリッジ。

4 3 . 前記第二弁体が、 球体からなることを特徴とする請求の範囲第 4 1項に記 載のィンク力一トリヅジ。

4 4 . 前記第二弁体の比重が、 インクの比重と同一であることを特徴とする請求 の範囲第 4 3項に記載のィンク力一トリヅジ。

4 5 . 前記第一弁体と前記第二弁体との間に、 ストツバが配置されていることを 特徴とする請求の範囲第 4 1項に記載のィンク力一トリッジ。

4 6 . 前記第二弁体の側方に、 移動規制片が配置されていることを特徴とする請 求の範囲第 4 1項に記載のィンク力一トリヅジ。

4 7 . 前記第二弁体に対応する弁座が、 インク被供給側に突出して形成されてい ることを特徴とする請求の範囲第 4 1項に記載のィンク力一トリッジ。

4 8 . 前記インク導出管にインク被供給側に開口する凹部が形成され、 この凹部 内に前記移動規制片の先端部が配置されていることを特徴とする請求の範囲第 4 6項に記載のィンク力一トリヅジ。

4 9 . 印刷領域と非印刷領域との間を往復可能なへッド装着用のキヤリッジを備 えたインクジエツト式記録装置において、 請求の範囲第 3 9項ないし第 4 8項のいずれかに記載のインク力一トリッジを 用いたことを特徴とするィンクジヱット式記録装置。