WO2002004935A1 - Détecteur de molécules - Google Patents

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Description

分子検出センサ 技術分野
本発明は、 半導体層及びその上に絶縁体層を積層した積層構造の上に 、 電解質を載置した状態で半導体層に光を照射し、 この照射により半導 明
体層中に誘発された光電流を取り出すことによって、 電解質の化学的状 態を定量し、 これに基づき、 遺伝子田等の分子検出を行うようにした分子 検出センサ及び分子検出センサの製造方法及び分子検出方法に関するも のである。 背景技術
半導体層及びその上に絶縁体層を積層した積層構造の上に電解質を載 置し、 半導体層の裏面から光を照射し、 この照射によって半導体層中に 誘発された光電流を取り出すことによって、 電解質の化学的状態を定量 するようにした化学センサとしては、 L A P S (Li ght Addressabl e Po tentiometr ic Sensor)方式を用いたものが知られている。
この L A P Sを用いた化学センサは、 半導体基板/絶縁体層から構成 され、 通常、 半導体基板として単結晶シリコン基板、 絶縁体層としてシ リコン基板を熱酸化した酸化シリコン層、 さらに酸化シリコン層を保護 する等の目的でその上に窒化シリコン層を形成した構造が用いられてい る。
そして、 試料となる電解質を絶縁体層上に載せ、 裏面から変調したビ 一ム光を照射する。 このビーム光の照射により半導体基板中に誘発され る光電流の特性が、 絶縁体層で接する電解質中の電荷に依存して変動す ることから、 電解質中の p H等といつた化学的状態を定量できるように なっている。
そして、 このような化学センサを用いることにより、 以下のことを行 うことができる。
第 1に、 照射する光の位置、 光の面積に応じた局所の p H等を定量す ることができる。 つまり、 化学センサ、 すなわち電解質の表面を一つの 試料面と考えると、 試料面中の光が照射された位置の化学変化量を定量 することができる。 このとき、 光を集光レンズ等で絞り込むことで、 よ り局所的な情報を得ることができる。
第 2に、 照射する光の走査により取得される p H値によって、 ィメー ジ情報を取得することができる。 つまり、 電解質の表面を一つの試料面 と考えると、 この試料面において光を走査することによって、 電解質の 化学的状態に応じたィメ一ジ情報を得ることができ、 化学走査顕微鏡と して用いることができる。 この場合、 顕微鏡の空間分解能は、 照射光を ビーム状としたときに、 そのスポッ ト面積をどれだけ小さくすることが できるかに依存する。
第 3に、 電解質と接する絶縁体層上に、 測定したい対象物質によって 電荷の変化を起こす感応膜を形成することにより、 多様な物質を検出す ることができる。 例えば絶縁体上に、 感応膜として窒化シリコン膜を形 成すれば、 p H値を検出することができ、 また、 脂質膜を形成すれば味 覚センサとして用いることができ、 また、 白金薄膜を形成すればガスセ ンサとして用いることができる。
第 4に、 異なる感応膜を同一面上にアレイ化することにより、 単体の センサでありながら、 マルチアレイセンサとして用いることができる。 例えば感応膜として、 種類の異なる脂質膜を同一面上に固定化し、 測定 されるパターンから味覚を特定する味覚センサ等として適用されている ところで、 上述のように、 半導体基板の裏面からビーム光を照射する 場合、 数百 〔 i m〕 の厚いバルクシリコン基板を用いた場合等には、 裏 面から光を照射しても半導体基板中に生成したキャリアが長距離の拡散 により失われ、 空乏層まで到達しないために光電流応答を得ることがで きない。
このため、 電解質側から光を照射するか、 若しくはバルクシリコン基 板を 1 0 0 〔 u m〕 程度まで薄くする方法が採られている。
しかしながら、 電解質側から照射した場合には、 電解質による光の吸 収等の影響を受ける。 また、 裏面側から照射した場合には照射する光の 波長が短い程、 シリコンの吸収係数が増大するために、 厚さが 1 0 0 〔 u rn 程度のバルクシリコン基板を用いる場合には、 赤外光程度の長波 長の光でなければ、 光電流応答が得られなかった。
コヒ一レン卜な光のビーム径は波長に比例するため、 長波長ほどビー ム光の径は大きくなり、 イメージセンサとして用いる場合の空間分解能 を低下させる。 このため、 厚さが 1 0 0 〔 u m〕 のシリコン基板を用い た場合の空間分解能は 1 0 0 〔 m〕 程度が限界であった。
また、 シリコン基板の厚さを 1 0 0 〔 u m〕 よりも薄くすると、 機械 的強度を保つことができないという問題が生じ、 測定サンプルの質量が 著しく制限されることになる。
これを回避するために、 例えば特公平 7— 1 0 9 4 1 4号公報に記載 されているように、 透明な絶縁体上にシリコン層を形成した S O I基板 を用いる方法が提案されている。 つまり、 S O I基板上に、 絶縁体層、 電解質を形成することにより、 充分な機械的強度を得るようにし、 また 、 シリコンの膜厚を任意に設定できることから、 シリコン層を 1 〔 u m 〕 以下に薄く した S O I基板と短波長の光源を用いることで、 空間分解 能を向上させるようにしている。
しかしながら、 このように S O I基板を用いて L A P S方式による化 学センサを構成した場合であっても、 微弱な光電流応答しか得られず、 充分な光電流応答を得ることができないという問題がある。
特に、 このような化学センサを用いた走査型化学顕微鏡の空間分解能 の向上やマルチアレイセンサのァレイの高密度化には、 照射光ビームを 絞り込む必要がある。 しかしながら、 照射光が絞り込まれることで、 半 導体基板中に入る光量が減少するため、 誘発される光電流も減少し、 セ ンサとしての能力も低下する。 これを解決するために、 光電流特性の向 上が望まれていた。
また、 近年、 遺伝子配列に関する技術の進展はめざましく、 ヒトを始 めとする多くの生物のゲノム遺伝子配列が決定されつつある。 これらの 情報をもとに、 遺伝子の発現、 変異、 多型等を短時間に検出するために 、 D N Aチップに代表される固相担体に多数の D N A分子を整列させた マイクロアレイの開発が行われている。
その検出方法としては、 核酸に蛍光、 或いはラジオァイソトープ (R I ) 、 化学反応させるための化合物等を標識したものを使用し、 又は標 識を行わない場合には、 ィンタカレータと呼ばれる核酸に結合する化合 物を用いて、 光学検出、 電子検出、 放射線検出、'化学検出等の既知の技 術を用いて検出している。
しかしながら、 上述のような核酸の標識には、 煩雑な操作が必要であ り、 特に、 蛍光や、 R Iを用いた場合には蛍光色素の褪色や安全性を考 慮して迅速な操作も必要である。
このため、 核酸等の特定の分子を、 より簡便に且つ迅速に検出するこ との可能な検出方法が望まれていた。
そこで、 この発明は、 上記従来の未解決の問題に着目してなされたも のであり、 より高い光電流特性を有し、 また、 より簡便に且つ迅速に特 定分子の検出を行うことの可能な分子検出センサ及び分子検出センサの 製造方法及び分子検出方法を提供することを目的としている。 発明の開示
上記目的を達成するために、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及 び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状 態で前記光透過性基板側から光照射し、 当該光照射により誘発される光 電流に基づき前記電解質を定量して分子検出を行うようにした分子検出 センサにおいて、 前記半導体層は単結晶シリコン層であり、 且つ ( 0 0 4 ) 面の X線回折ロッキングカーブのピークの半値幅が 1 0 0 0 [arcs ec〕 以下又はその欠陥密度が 1 X 1 08 〔個/ c m2 〕 以下であること を特徴とする分子検出センサを提供する。
なお、 X線回折ロッキングカーブのピークの半値幅は必ずしも 1 0 0 0 〔arcsec〕 以下でなくてもよく、 1 0 0 0 〔arcsec〕 程度以下であれ ばよい。 また、 欠陥密度は 1 X 1 08 〔個/ c m2 〕 程度以下であれば よい。
また、 前記単結晶シリコン層は、 その表面粗さが、 4 〔nm〕 以下で あることが望ましい。 なお、 表面粗さは必ずしも 4 〔nm〕 以下でなく てもよく、 4 〔nm〕 程度以下であればよい。
また、 前記単結晶シリコン層は、 その膜厚が 1 〔nm〕 以上 1 X 1 0 5 〔nm〕 以下であることが望ましい。 なお、 単結晶シリコン層の膜厚 は、 必ずしも 1 〔nm〕 以上 1 X 1 05 〔 n m〕 以下でなくてもよく、 1 〔nm〕 程度以上、 1 X 1 05 〔 n m〕 程度以下であればよい。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記 半導体層の、 前記光透過性基板との界面付近に高濃度不純物が存在する ことを特徴とする分子検出センサを提供する。
ここで、 前記高濃度不純物として、 1 X 1 0 1 7 ~ 1 X 1 0 2。 〔 c m一3 〕 の不純物を添加することが望ましい。 なお、 必ずしも 1 X 1 0 ' 7〜 1 X 1 0 2 ° 〔c m— 3〕 でなくてもよく、 I X 1 0 1 7程度以上、 I X 1 0 2 0 〔 c m— 3〕 程度以下であればよい。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記 半導体層と前記光透過性基板との間に透明導電膜を設けたことを特徴と する分子検出センサを提供する。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記 光透過性基板は導電性の基板であることを特徴とする分子検出センサを 提供する。
ここで、 前記半導体層と前記光透過性基板との間、 及び前記光透過性 基板の光照射面の少なくとも何れか一方に、 反射防止膜を設けることが 望ましい。 この反射防止膜を設けることによって、 光透過性基板の光照 射面側での反射を抑制することができるから、 光電流特性を向上させる ことが可能となる。
前記反射防止膜の膜厚は、 照射される光の波長に応じて設定すればよ レ、。 つまり、 反射防止膜の反射率は、 照射される光の波長及び反射防止 膜の膜厚に応じて変化するから、 波長に応じて反射防止膜の膜厚を設定 することによって、 反射を抑制することが可能となる。
また、 前記半導体層の厚さは、 照射される光の波長に応じて設定すれ ばよい。 つまり、 単結晶シリコン層の反射率は、 照射される光の波長及 び単結晶シリコン層の膜厚に応じて変化するから、 波長に応じて単結晶 シリコン層の膜厚を設定することによって、 反射を抑制することが可能 となる。
また、 光電流量は、 半導体層中の空乏層の広がり位置と照射される光 の侵入深さとの関係により決まってくるので、 波長に応じて半導体層の 厚さを設定することによって、 大きな光電流量が得られるような、 空乏 層の広がり位置と光侵入深さとの関係を実現することができる。
また、 前記光透過性基板としては、 単結晶酸化物基板又は S i 0 2 を 含むガラス基板を適用することができる。
また、 前記半導体層の厚さは、 1 0 〔 u m〕 以下であることが望まし い。 なお、 必ずしも 1 0 〔 m〕 以下である必要はなく、 1 0 〔 m〕 程度以下であればよい。
また、 前記単結晶酸化物基板としては、 サファイア基板を適用するこ とができる。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であ つて、 前記光透過性基板上に第 1のシリコン層を成膜する成膜工程と、 前記第 1のシリコン層を酸化性雰囲気中で熱処理して前記第 1のシリコ ン層の上方のみを酸化する酸化工程と、 当該酸化工程で形成されたシリ コン酸化膜を除去する除去工程と、 を備え、 当該除去工程後の第 1のシ リコン層を前記半導体層とすることを特徴としている。
ここで、 前記除去工程後の第 1のシリコン層の上に、 第 2のシリコン 層をェピタキシャル成長させるェピタキシャル工程、 を備え、 前記第 1 のシリコン層及び前記第 2のシリコン層の積層構造を前記半導体層とし てもよい。
また、 前記成膜工程の直後に、 前記第 1のシリコン層にシリコンィォ ンを注入し、 当該第 1のシリコン層の前記光透過性基板との界面側をァ モルファス化した後、 熱処理を行って再結晶化する再結晶化工程、 を設 けてもよい。
或いは、 前記ェピタキシャル工程で形成した第 2のシリコン層を前記 酸化工程における第 1のシリコン層とみなして前記酸化工程及び除去ェ 程及び前記ェピタキシャル工程を 2回以上行い、 これにより形成された シリコン層の積層構造を前記半導体層としてもよい。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であ つて、 前記光透過性基板上に第 1のシリコン層を成膜する成膜工程と、 前記第 1のシリコン層にシリコンイオンを注入し、 当該第 1のシリコン 層の前記光透過性基板との界面側をアモルファス化した後、 熱処理を行 つて再結晶化する第 1の再結晶化工程と、 当該第 1の再結晶化工程後に 前記第 1のシリコン層を酸化性雰囲気中で熱処理して前記第 1のシリコ ン層の上方のみを酸化する酸化工程と、 当該酸化工程で形成されたシリ コン酸化膜を除去する除去工程と、 当該除去工程後に残された第 1のシ リコン層の上に、 第 2のシリコン層をェピタキシャル成長させるェピタ キシャル工程と、 前記第 1のシリコン層と第 2のシリコン層の積層構造 にシリコンイオンを注入し、 当該積層構造の前記光透過性基板との界面 側をアモルファス化した後、 熱処理を行つて再結晶化する第 2の再結晶 化工程と、 を備え、 当該第 2の再結晶化工程後のシリコン層の積層構造 を、 前記半導体層とすることを特徴とする分子検出センサの製造方法を 提供する。
ここで、 前記第 2の再結晶化工程後に、 前記第 2のシリコン層の上に 第 3のシリコン層をェピタキシャル成長させる工程を備え、 前記第 3の シリコン層を形成した後のシリコン層の積層構造を、 前記半導体層とす るようにしてもよい。
或いは、 前記第 1の再結晶化工程後に、 前記第 2のシリコン層を酸化 性雰囲気中で熱処理して前記第 2のシリコン層の上方のみを酸化するェ 程と、 当該酸化により形成されたシリコン酸化膜を除去する工程と、 当 該工程後に残された第 2のシリコン層の上に第 3のシリコン層をェピ夕 キシャル成長させる工程と、 を備え、 前記第 3のシリコン層を形成した 後のシリコン層の積層構造を、 前記半導体層とするようにしてもよい。 また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であ つて、 単結晶シリコン基板表面に水素又は希ガスイオンをイオン注入し て前記単結晶シリコン基板内に水素又は希ガスイオンのイオン拡散領域 を形成する工程と、 前記単結晶シリコン基板の前記イオン拡散領域と前 記光透過性基板とを貼り合わせる工程と、 当該貼り合わせ工程後、 熱処 理を行い前記単結晶シリコン基板をその前記イオン拡散領域で劈開させ 、 前記光透過性基板上に単結晶シリコン層を形成する工程と、 前記単結 晶シリコン層の劈開面を研磨し平坦化する工程と、 を備え、 平坦化した 前記単結晶シリコン層を前記半導体層とすることを特徴とする分子検出 センサの製造方法を提供する。
また、 本発明は、 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に 積層し、 前記絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板 側から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解 質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であ つて、 単結晶シリコン基板の表面を陽極化成し多孔質単結晶シリコン層 を形成する工程と、 前記多孔質単結晶シリコン層を水素雰囲気中でァニ —ルし、 前記多孔質単結晶シリコン層の最表面を単結晶シリコンィ匕し、 この上に単結晶シリコン層をェピタキシャル成長させる工程と、 前記単 結晶シリコン層の上に前記光透過性基板を接着する工程と、 前記単結晶 シリコン基板及び多孔質単結晶シリコン層を除去する工程と、 当該除去 する工程後に露出した前記単結晶シリコン層の露出面を平坦化する工程 と、 を備え、 平坦化した前記単結晶シリコン層を前記半導体層とするこ とを特徴とする分子検出センサの製造方法を提供する。
ここで、 前記半導体層と前記光透過性基板との間に透明導電性膜を配 置する工程を設けてもよい。
また、 前記半導体層の前記光透過性基板との界面付近に高濃度不純物 を配置する工程を設けてもよい。
また、 前記半導体層と前記光透過性基板との間に、 反射防止膜を形成 する工程を設けてもよい。
また、 前記光透過性基板の光照射側の面に反射防止膜を形成する工程 を設けてもよい。
なお、 前記反射防止膜の膜厚は、 照射する光の波長に応じて設定すれ ばよい。
また、 前記光透過性基板としては、 単結晶酸化物基板又は S i 0 2 を 含むガラス基板を適用することができる。
また、 前記単結晶酸化物基板としてはサファイア基板を適用すること ができる。
また、 本発明は、 半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶縁 体層の上に複数の感応膜が形成され、 前記感応膜の上に電解質を載置し た状態で前記半導体層側の面から光照射し、 当該光照射により誘発され る光電流を、 前記電解質及び前記半導体層に設けられた電極により検出 し、 これに基づき前記電解質を定量して分子検出を行うようにした分子 検出センサであって、 前記複数の感応膜は、 前記半導体層に設けられた 電極からの距離が同一となる位置に配置されていることを特徴とする分 子検出センサを提供する。
前記半導体層に設けられた電極は、 前記半導体層の前記電解質の下方 に相当する領域の周囲に設けられ、 前記感応膜は、 前記半導体層に設け られた電極からの距離が同一となる位置に、 複数列設けられていること が望ましい。
ここで、 例えば単結晶シリコン等の半導体層を薄膜化すると、 半導体 層は、 この半導体層に設けられた電極から離れるにつれて高抵抗となる 。 このため、 例えば p H値等といった電解質の特性が均一である場合に は、 この電解質に対して検出される光電流はほぼ一定となるはずである が、 半導体層中の抵抗値に位置依存性があるため、 光電流が一定にはな らず、 実際には電解質の特性は均一であるにも係わらず、 不均一である と誤判断してしまう場合がある。
しかしながら、 感応膜を電極からの距離が同一となる位置に配置すれ ば、 これら位置における半導体層の抵抗値は一定であるから、 抵抗値の 位置依存性に起因して光電流特性が変化することを回避することが可能 となる。
例えば、 光透過性基板、 半導体層及び絶縁体層の積層構造の中心に、 電解質を載置するための円形の電解質領域を残して余分な絶縁体層を除 去し、 半導体層上の電解質領域の周囲に取出電極を形成し、 この取出電 極の開口部に載置された電解質上の、 前記開口部と相似形であり且つそ の中心が開口部の中心と一致する相似形の外周上に感応膜を配置すれば 容易に実現することができる。
また、 本発明は、 半導体層上に積層された絶縁体層と、 当該絶縁体層 上に固定され且つ特定分子と結合する分子プローブと、 少なくとも前記 分子プローブを含む前記絶縁体層上に配置された電解質と、 前記半導体 層を刺激することにより誘起される電気的特性を検出する電気的特性検 出手段と、 を備え、 前記分子プローブが前記電解質中の前記特定分子と 結合することにより生じる前記電気的特性の変化を検出することによつ て、 前記電解質中の前記特定分子を検出することを特徴とする分子検出 センサを提供する。
ここで、 前記半導体層を、 担体基板上に設けるようにしてもよい。 また、 前記特定分子として、 核酸又は核酸誘導体を適用することがで さる。
また、 前記分子プローブを複数配置するようにしてもよい。 なお、 前 記複数の分子プローブはそれぞれ異なる特定分子と結合するようにして もよく、 また、 同一の特定分子と結合するようにしてもよい。
また、 前記分子プ口一ブが存在する部位と前記分子プ口一ブが存在し ない部位との差動測定を行い、 この測定結果に基づいて前記分子検出を 行うようにしてもよい。
また、 前記電気的特性検出手段を、 前記電解質及び前記半導体層間に 、 前記分子プロ一ブと前記特定分子とを結合させるための電界を印加し た後、 この電界の印加による前記分子プローブと前記特定分子との不完 全結合を解くための電界を印加するように構成してもよい。
また、 前記電解質中に、 前記特定分子に対して結合性を有し且つ前記 分子プロ一ブとは異なる結合性分子を導入するようにしてもよい。 前記結合性分子として、 ィンタ一力レ一タを適用することができる。 或いは、 前記結合性分子として、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性 を有するタンパク質を適用することもできる。
前記タンパク質は、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する抗体 であることが望ましい。
また、 前記結合性分子として、 核酸又は核酸誘導体を適用することも できる。
また、 前記結合性分子を、 ウレァ一ゼ修飾するようにしてもよい。 或いは、 前記結合性分子を、 フエ口セン修飾するようにしてもよい。 また、 前記担体基板として、 光透過性の基板を適用することができる また、 前記半導体層として、 単結晶シリコン層を適用することができ る。
前記単結晶シリコン層は、 ( 0 0 4 ) 面の X線回折ロッキングカーブ のピークの半値幅が 1 0 0 0 [: arcsec〕 以下又はその欠陥密度が 1 x 1 0 8 〔個/ c m 2 〕 以下であることが望ましい。
なお、 X線回折ロッキングカーブのピークの半値幅は必ずしも 1 0 0 0 C arcsec ] 以下でなくてもよく、 1 0 0 0 〔arcsec〕 程度以下であれ ばよい。 また、 欠陥密度は I X 1 0 8 〔個ノ c m 2 〕 程度以下であれば よい。
また、 前記単結晶シリコン層は、 その表面粗さが、 4 [ n m ] 以下で あることが望ましい。 なお、 表面粗さは必ずしも 4 〔n m〕 以下でなく てもよく、 4 〔n m〕 程度以下であればよい。
また、 前記半導体層の厚さは、 照射される光の波長に応じて設定すれ ばよい。
また、 前記半導体層の厚さは、 1 0 〔 m〕 以下であることが望まし い。 なお、 半導体層の厚さは、 必ずしも 1 0 〔; m〕 以下でなくてもよ く、 1 0 〔 u m〕 程度以下であればよい。
また、 前記半導体層の、 前記光透過性基板との界面付近に、 濃度が 1 X 1 0 1 7〜 1 X 1 0 2 Q 〔 c m 3〕 の高濃度不純物が存在するようにして もよい。
或いは、 前記半導体層と前記光透過性基板との間に透明導電膜を設け るようにしてもよい。
また、 前記半導体層と前記光透過性基板との間、 及び前記光透過性基 板の光照射面の少なくとも何れか一方に、 反射防止膜を設けるようにし てもよい。
前記反射防止膜の膜厚は、 照射される光の波長に応じて設定すればよ い。
また、 前記担体基板及び前記半導体層として、 サファイア単結晶基板 及びシリコン単結晶層からなる S 0 S基板を適用してもよい。
また、 前記担体基板として、 導電性の基板を適用してもよい。
また、 前記刺激として、 変調された電磁波を用いてもよい。
或いは、 前記刺激として、 変調された電気信号を用い、 且つ、 前記担 体基板として絶縁性の基板を適用してもよい。
また、 本発明は、 担体基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層 し、 この絶縁体層の上に特定分子と結合する分子プローブを固定し、 さ らに、 少なくとも前記分子プローブを含む前記絶縁体層上に電解質を配 置した状態で前記半導体層を刺激してこれにより誘起される電気的特性 を検出し、 前記分子プローブが前記電解質中の前記特定分子と結合する ことにより生じる前記電気的特性の変化を検出することにより、 前記電 解質中の前記特定分子を検出することを特徴とする分子検出方法を提供 する。
また、 本発明は、 担体基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層 し、 この絶縁体層の上に特定分子と結合する分子プローブを固定し、 さ らに、 少なくとも前記分子プローブを含む前記絶縁体層上に配置した電 解質中に、 前記特定分子に対して結合性を有し且つ前記分子プローブと は異なる結合性分子を導入し、 前記半導体層を刺激してこれにより誘起 される電気的特性を検出し、 前記分子プローブと前記電解質中の前記特 定分子との結合及び、 前記特定分子と前記結合性分子との結合により生 じる前記電気的特性の変化を検出することにより、 前記電解質中の前記 特定分子を検出することを特徴とする分子検出方法を提供する。
また、 本発明は、 半導体層上に積層された絶縁体層と、 当該絶縁体層 上に固定され且つ特定分子と結合する分子プローブと、 少なくとも前記 分子プローブを含む前記絶縁体層上に電解質と、 前記半導体層を刺激す ることにより誘起される電気的特性を検出する電気的特性検出手段と、 を備え、 前記分子プローブが前記電解質中の前記特定分子と結合するこ とにより生じる前記電気的特性の変化を検出することによって、 前記電 解質中の前記特定分子を検出するようにした分子検出センサであつて、 前記刺激は、 前記電解質側から与えるようになつていることを特徴とす る分子検出センサを提供する。
ここで、 前記特定分子として、 核酸又は核酸誘導体を適用することが できる。
また、 前記分子プローブは複数配置するようにしてもよい。 なお、 前 記複数の分子プローブはそれぞれ異なる特定分子と結合するようにして もよく、 また、 同一の特定分子と結合するようにしてもよい。
また、 前記分子プ口一ブが存在する部位と前記分子プ口一ブが存在し ない部位との差動測定を行い、 この測定結果に基づいて前記分子検出を ネ亍うようにしてもよい。
また、 前記電気的特性検出手段を、 前記電解質及び前記半導体層間に 、 前記分子プローブと前記特定分子とを結合させるための電界を印加し た後、 この電界の印加による前記分子プローブと前記特定分子との不完 全結合を解くための電界を印加するように構成してもよい。
また、 前記電解質中に、 前記特定分子に対して結合性を有し且つ前記 分子プローブとは異なる結合性分子を導入するようにしてもよい。 また、 前記結合性分子として、 インターカレー夕を適用することがで きる。
また、 前記結合性分子として、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を 有するタンパク質を適用することができる。
前記タンパク質として、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する 抗体を適用することができる。
また、 前記結合性分子として、 核酸又は核酸誘導体を適用することが できる。
また、 前記結合性分子を、 ウレァ一ゼ修飾してもよい。
また、 前記結合性分子を、 フヱロセン修飾してもよい。 図面の簡単な説明
第 1図は、 本発明を適用した分子検出センサの一例を示す概略構成図 である。
第 2図は、 本発明による分子検出センサのその他の例を示す概略構成 図である。
第 3図は、 本発明の第 1の実施の形態における S 0 I基板の製造工程 の一部を示す断面図である。
第 4図は、 第 1の実施の形態における単結晶シリコン層の、 X線ロッ キングカーブの測定結果である。
第 5図は、 第 1 の実施の形態における単結晶シリコン層の、 S P V特 性の測定結果である。
第 6図は、 単結晶シリコン層の膜厚と最大光電流との対応を表す特性 図である。
第 7図は、 膜質の異なる単結晶シリコン層の、 S P V特性の測定結果 である。
第 8図は、 第 1の実施の形態の S 0 I基板に、 反射防止膜を設けた場 合の構成図である。
第 9図は、 反射防止膜の膜厚と反射率との対応を表す特性図である。 第 1 0図は、 (a ) は単結晶シリコン層における抵抗値の位置依存性 を説明する説明図、 (b ) は単結晶シリコン層 に高濃度不純物層 2 a を設けた場合の S O I基板の一例を示す断面図である。
第 1 1図は、 本発明の第 2の実施の形態における S 0 I基板の製造ェ 程の一部を示す断面図である。
第 1 2図は、 本発明の第 3の実施の形態における S 0 I基板の製造ェ 程の一部を示す断面図である。
第 1 3図は、 第 3の実施の形態における S O I基板を適用した分子検 出センサの一例を示す概略構成図である。 第 4図は、 本発明の第 4の実施の形態における S 0 I基板の製造ェ 程の一部を示す断面図である。
第 1 5図は、 本発明の分子検出センサを用いて走査型センサを形成し た場合の一例を示す概略構成図である。
第 1 6図は、 本発明の分子検出センサを用いてアレイセンサを構成し た場合の一例を示す概略構成図である。
第 1 7図は、 本発明の分子検出センサを用いてアレイセンサを構成し た場合の、 個別センサの配置位置を説明する説明図である。
第 1 8図は、 本発明を適用した他の分子検出センサの一例を示す概略 構成図である。
第 1 9図は、 本発明を適用した他の分子検出センサの動作説明に供す る説明図である。
第 2 0図は、 本発明を適用した他の分子検出センサの一例を示す概略 構成図である。
第 2 1図は、 本発明を適用した他の分子検出センサの一例を示す概略 構成図である。
第 2 2図は、 本発明を適用した他の分子検出センサの一例を示す概略 構成図である。
第 2 3図は、 マルチアレイセンサとして用いる場合の分子検出センサ 部分の断面図である。
第 2 4図は、 マルチアレイセンサとして用いる場合の分子検出センサ 部分の上面図である。
第 2 5図は、 光電流値測定に用いた分子検出センサの一例を示す概略 構成図である。
第 2 6図は、 図 2 5の分子検出センサ部分の上面図である。
第 2 7図は、 光電流値測定に用いた光電流信号処理部の一例を示すブ 口ック図である。
第 2 8図は、 D N Aプローブのない位置におけるボルタモグラフであ る。
第 2 9図は、 D N Aプローブのある位置におけるボル夕モグラフであ る。
第 3 0図は、 シリコン層の膜厚が 2 〔 m〕 の S O S基板を用いて、 D N Aをハイブリダィズさせた場合のポル夕モグラフの一例である。 第 3 1図は、 バルクシリコン基板を用いて、 D N Aプローブのない位 置で D N Aをハイプリダイズさせた場合の、 ポルタモグラフの一例であ る。
第 3 2図は、 バルクシリコン基板を用いて、 D N Aプローブのある位 置で D N Aをハイブリダイズさせた場合の、 ボル夕モグラフの一例であ る。
第 3 3図は、 (a ) は、 バルクシリコン基板を用いた分子検出センサ のセンサ部分の断面図、 (b ) はその底面図である。
第 3 4図は、 ノ^レクシリコン基板を用いた分子検出センサのセンサ部 分の上面図である。
第 3 5図は、 光電流値測定に用いたバルクシリコン基板を用いた分子 検出センサの一例を示す概略構成図である。
第 3 6図は、 バルクシリコン基板を用いた分子検出センサにおける光 電流の発生状況を説明するための説明図である。
第 3 7図は、 S 0 S基板を用いた分子検出センサにおける光電流の発 生状況を説明するための説明図である。
第 3 8図は、 バルクシリコン基板を用いた分子検出センサの一例を示 す概略構成図である。
第 3 9図は、 バルクシリコン基板を用いた分子検出センサのその他の 例を示す概略構成図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態を説明する。
まず、 本発明の第 1の実施の形態を実施例を伴って説明する。
図 1は、 本発明を適用した分子検出センサの一例を示す概略構成図で ある。
図中 1は、 光透過性基板、 2は光透過性基板 1の上に積層された単結 晶シリコン層、 3は単結晶シリコン層 2の上に積層された絶縁体層、 4 は絶縁体層 3の上に積層された電解質である。 なお、 4 aは、 電解質 4 を収容するための絶縁体層 3上に形成された容器である。
また、 5は基準電極、 6は取出電極、 B Vはバイアス電圧、 7は光電 流信号処理部である。 そして、 前記光透過性基板 1の裏面側から発光ダ ィオード (L E D ) 9により光照射パルスを与え、 この光によって半導 体層 2及び絶縁体層 3の界面に誘発されたキャリアにより生ずる交流光 電流の変化を光電流信号処理部 7で取り出すことによって、 電解質 4の 化学変化を検出するようになっている。
前記光透過性基板 1としては、 単結晶酸化物基板、 特に、 サファイア 基板が望ましい。 これは、 比較的容易に良質な単結晶シリコン膜をェピ タキシャル成長することができるからである。
前記光 過性基板として、 非晶質の材料、 例えば S i 0 2 等からなる ガラス基板やポリ力一ボネィ ト等のプラスチック基板を適用することも 可能である。 この場合、 接着される光透過性基板と単結晶シリコン膜と の界面は酸化シリコン等、 光透過性絶縁体層、 もしくは、 空孔であつて もかまわない。
また、 前記光透過性基板の、 光を照射する側の表面は平坦に研磨され ていることが望ましい。
前記単結晶シリコン層 2は、 高品質であることが望ましく、 それらは 結晶性、 欠陥密度、 表面平坦性によって規定される。 すなわち、 前記単 結晶シリコン層 2の ( 0 0 4 ) 面の X線回折口ッキングカーブのピーク の半値幅が 1 0 0 0 〔a r c s e c〕 以下、 又はその結晶密度が欠陥密 度が 1 X 1 08 個 〔cm 2〕 以下であることが望ましい。 また、 表面粗 さは、 4 〔nm〕 以下であることが望ましい。 また、 その膜厚は、 1 〔 nm〕 以上 1 X 1 05 〔 n m〕 以下が望ましく、 好ましくは 1 0 〔nm 〕 以上 1 X 1 04 Cnm] 以下が望ましい。
なお、 シリコンの極性については、 n型及び p型の何れであってもよ い。
また、 シリコンは薄膜化すると高抵抗となり、 電極からの距離が離れ るほど電流が流れ難くなるという問題があるため、 これを回避するため に、 単結晶シリコン層の、 光透過性基板との界面付近に、 高濃度不純物 を注入することが望ましい。 なお、 前記高濃度不純物としては、 n型又 は p型の高濃度不純物を注入するようにすればよい。
また、 過度にイオン注入を行うと結晶性が壊れるため、 1 X 1 0 '7〜 1 X 1 02。 〔 c m 3〕 程度、 好ましくは 1 X 1 0 19 〔 c m— 3〕 程度のィ オン注入を行えばよい。
また、 これに限らず、 例えば高濃度不純物層を形成した後に、 この上 に単結晶シリコン層を形成するようにしてもよい。
前記絶縁体層 3としては、 単結晶シリコン層 2を酸素、 もしくは水蒸 気中で加熱し、 得られるシリコン酸化物層、 又は酸等に浸漬することで 化学的に形成されるシリコン酸化物を用いる。 ただし、 酸化シリコンは 、 電解質に浸潰したときの電気的特性が不安定なので、 好ましくは、 図 2に示すように、 窒化シリコン 3 aや、 酸化アルミ、 酸化タンタル等の 絶縁体層を酸化シリコン層 3 b上に形成することが望ましく、 或いは、 これらの誘電体を単結晶シリコン層 2上に直接形成するようにしてもよ い。 これら絶縁体層の総膜厚は 5 0 0 Cnm) 以下が望ましく、 好まし くは 1 00 〔nm〕 以下が望ましい。
前記光電流信号を取り出すため、 電解質 4と接しない部分で直接シリ コン層とコンタクトを取る取出電極 6を形成する。 材料としては、 シリ コンとォ一ミックコンタクトをとれるものならば何でもよく、 通常はァ ルミ、 もしくはアルミを主成分とする合金が用いられる。 このとき、 付 着力を増強するために、 取出電極 6とシリコン層との間に、 T i又は C rを入れてもよい。
そして、 測定する電解質 4を、 絶縁体層 3表面と接するように載置し 、 電極を設ける。 この電極としては、 3電極系を用いるのが望ましく、 基準電極 5と対向電極 (図示せず) とを電解質 4中に浸漬する。 前記基 準電極としては、 飽和 KC 1一銀一塩化銀、 対向電極としては板状、 も しくはコイル線状の白金電極が用いられる。
図 3は、 光透過性基板としてサファイア基板を用いた場合の、 光透過 性基板 1及び単結晶シリコン層 1で構成される S 0 S基板の製造工程を 表す断面図である。
すなわち、 まず、 R面サファイア基板 1 1上にモノシラン (S i H4 ) ガスを原料とする LPC VD法により、 成長温度 9 5 0 °Cとして、 厚 さ 2 80 Cnm] の第 1のシリコン層 1 2を堆積する (図 3 ( a) ) 。 次に、 基板温度を 0 〔°C;〕 に保ちながらエネルギー 1 9 0 〔k eV〕 のシリコンイオンを 1 X 1 016 〔c m_2〕 注入し、 サファイア基板 1 と の界面側をアモルファス化した後、 温度 5 5 0 [°C] 、 窒素ガス雰囲気 下で 1時間加熱処理を行う。 続いて、 温度を 9 0 0 〔°C〕 に変更し、 こ の雰囲気下で、 1時間加熱処理を行い、 第 1のシリコン層 1 2を再結晶 化する。
続いて、 このサフィァ基板 1 1を酸化炉に導入し、 温度 1 0 0 0 rc 〕 の条件下において、 水素 1 80 〔し/ m i n〕 、 酸素 1 8 0 CL/m i n〕 を導入しながら、 30分間水蒸気酸化を行う (図 3 (b) ) 。 次に、 このサファイア基板 1 1をフッ化水素水溶液 (BHF) 中に浸 漬し、 第 1のシリコン層 1 2の上部に形成されたシリコン酸化物層 1 3 を除去する (図 3 ( c ) ) 。 シリコン酸化物層 1 3除去後の第 1のシリ コン層であるシードシリコン層 1 4の膜厚を測定したところ、 1 0 0 〔 nm] であった。
次に、 モノシラン (S i H4 ) ガスを原料とする UHV— CVD法に より、 成長温度 7 5 0 C°C] の条件下で、 シードシリコン層 1 4の上に 、 第 2のシリコン層 1 5をェピタキシャル成長させる (図 3 ( d) ) 。 成長後に、 シ一ドシリコン層 1 4及び第 2のシリコン層 1 5を合わせた シリコンの総膜厚を測定したところ、 2 8 0 〔nm〕 であった。
このようにして作製した S OS基板に対し、 ( 1の & 1線を線源と する HR— XRD (高分解能四軸 X線回折装置) を用いて、 その配向性 及び結晶性を評価した。
サファイア基板 1 1表面に対して平行に成長した S i (0 04 ) 面の XRC (X線ロッキングカーブ) を測定したところ、 図 4の特性線 に示すように、 そのピークにおける半値幅 (FWHM) は 9 0 1 [ a r c s e c j でめつに。
なお、 図 4において、 縦軸は X線強度 〔 a. u. 〕 、 横軸はオメガ角 度 〔° 〕 である。
続いて、 この S 0 S基板の S P V (S u r f a c e p h o t o—V o 1 t a g e) 特性を測定するために、 この S 0 S基板を酸化炉に導入 し、 温度 1 0 0 0 〔で〕 の条件下において、 水素 1 8 0 CL/m i n] 、 酸素 1 8 0 CL/m i n〕 を導入しながら、 1 0分間水蒸気酸化を行 つた。
これにより生成された酸化膜の膜厚は、 5 0 〔nm〕 であった。
次に、 エッチングを行い、 S O S基板の中心に 1 6 (mm^ ] の円形 に酸化膜を残し、 その周囲に取出電極として厚さ 1 0 0 〔nm〕 の A 1 膜を蒸着法により形成した。
さらに酸化膜と接するように電解溶液を満たし、 基準電極と対向電極 とを浸漬し、 S O S基板の光を照射する面に、 中心に 0. 6 Cmm^] の窓を開けた遮光板を密着させ、 照射光として波長が 4 7 0 〔nm〕 の 青色し E D 9を明滅させた。
そして、 前記基準電極及び取出電極と接続された外部回路に流れる光 電流を計測した。 図 5の特性線 L 2 ,はその測定結果を表したものであり 、 縦軸は計測した光電流 〔nA〕 、 横軸は S O S基板にかけるバイアス 電圧 〔V〕 である。
なお、 比較例として次のようにして作製した SO S基板についても同 様に、 X線ロッキング力一ブ及び光電流を測定した。
比較例における S O S基板は、 まず、 R面サファイア基板上に、 モノ シラン (S i H4 ) ガスを原料とする L FC VD法により、 温度 9 5 0 〔°C〕 の条件下で、 厚さ 2 8 0 〔nm〕 の第 1のシリコン層を堆積した 次に、 このシリコン層に、 基板温度を 0 〔°C〕 に保ちながら、 ェネル ギ一 1 9 0 〔 k e V〕 のシリコンイオンを 1 X 1 016 〔 c m_2〕 注入し 、 サフィァ基板との界面側をアモルファス化した後、 窒素ガス雰囲気下 、 温度 5 5 0 〔で〕 で 1時間の加熱処理を行い、 続いて、 温度を 9 0 0 〔°C〕 に変更して 1時間の加熱処理を行い、 シリコン層を再結晶化した このようにして形成した、 比較例の SO S基板に対し、 上記と同様に して HR— XRDを用いて評価したところ、 図 4の特性線 L 12に示すよ うに、 S i ( 0 0 4 ) 面の XRCのピークにおける半値幅 (FWHM) は 1 5 3 1 〔a r c s e.c〕 であつに。
また、 上記と同様に S PV特性を測定したところ、 図 5の特性線 L22 に示すようになつた。
図 5に示すように、 本発明の S OS基板の飽和した光電流値は、 比較 例の S OS基板に対して 1 0倍以上となっていることが確認された。
また、 比較例の S 0 S基板の場合には、 光電流値は緩慢に増加してい るのに対し、 本発明の S◦ S基板の場合には、 光電流の立ち上がりが改 善されていることがわかる。
したがって、 このように構成することによって得られる、 高品質シリ コン層を有する S O S (SO I ) 基板を用いた分子検出センサは、 シリ コン層の高品質化によって S PV特性を向上させることができるから、 S/N比の向上による感度の向上を図ることができる。 また、 光電流量 が増加するから、 照射光を絞り込むことができ、 LAP Sとしての空間 分解能の向上を図ることができ、 高感度、 高安定性等を得ることができ る。
図 6は、 シリコン層の膜厚及び膜質を変化させた場合の S PV特定を 測定したものである。 図 6において、 横軸は単結晶シリコン層 2の膜厚 〔 m〕 を表し、 縦軸は、 最大光電流量 〔nA〕 を表す。
また、 図 6において、 ·は、 図 3に示す製造工程により作製した S 0 S基板において、 単結晶シリコン層 2の膜厚が、 5 0 〔nm〕 、 1 0 0 〔nm〕 、 3 0 0 〔nm〕 、 50 0 〔nm〕 、 7 5 0 〔nm〕 、 1 0 0 0 〔nm〕 、 2 0 0 0 〔nm〕 、 30 0 0 〔nm〕 、 1 0 0 00 Cnm 〕 の場合について、 入射光の波長が 4 7 0 Cnm] であるときの S P V 特性における最大光電流を表す。
なお、 前記製造工程において、 第 2のシリコン層 1 5をェピタキシャ ル成長させる時間を変化させ、 第 2のシリコン層 1 5の膜厚を変化させ ることによって、 前記膜厚の単結晶シリコン層 2を得た。 そして、 この 上に膜厚が 5 0 Cnm] のシリコン酸化膜を生成した。 また、 電解質と して 1 0 〔mmo 1 / 1〕 の HE PE Sを用いた。
また、 図 6において、 ♦は、 図 3に示す製造工程により作製した S O S基板において、 膜厚が 1 0 0 0 〔nm〕 、 2 0 0 0 〔nm〕 の単結晶 シリコン層 2の上に、 さらに絶縁体層として、 膜厚が 5 0 〔nm〕 のシ リコン酸化膜及び膜厚が 5 0 Cnm] のシリコン窒化膜をこの順に積層 した場合の S PV特性における最大光電流を表す。 なお、 電解質として 、 1 0 Cmmo 1 / 1 ] の TEバッファを用いた。
さらに、 図 6において、 國は、 界面付近に、 厚さ 1 0 0 〔 nm〕 の p チャネル高濃度不純物層が形成され、 シリコン層の厚さが 6 0 0 0 Cn m〕 程度の S O S基板上に、 膜厚 5 0 Cnm] のシリコン酸化膜を積層 した場合の、 S PV特性における最大光電流を表す。 なお、 電解質とし て、 1 0 〔mmo 1 / 1 〕 の HE P E Sを用いた。
一方、 図 7は、 図 3に示す製造工程により作製した S O S基板とは、 シリコン層の膜質が異なる S O S基板において、 S PV特性を測定した ものである。
なお、 この S O S基板は、 次の手順で作製した。
まず、 シードシリコン層 1 1 0 〔nm〕 上に、 L PCVD法によって 、 ボロンが 1 019 〔 cm 3〕 となるように、 ジボランを導入しながら、 モノシランガスを原料として、 シリコン層を 1 0 0 〔nm〕 成長させた 。 続いて、 ジポランを遮断し、 モノシランガスのみを原料として 6 iu m〕 のシリコン層を成長させ、 シリコン膜厚が 6. 2 1 〔 um〕 であり 、 且つ界面付近にボロンを高濃度でド一プした P型領域をもつ S◦ S基 板を得た。
図 7において、 横軸はバイアス電圧 (V) 、 縦軸は光電流 (nA) で ある。 。 また、 図 7において、 実線は、 入射光の波長が 4 7 0 〔nm〕 である場合、 破線は、 入射光の波長が 9 4 5 Cnm) である場合を表す 図 7に示すように、 シリコン膜厚が 6. 2 1 〔 um〕 程度であっても 、 サファイアとの界面近傍に高濃度不純物層を形成することで、 2 0 0 CnA] 程度の光電流を得ることができた。
ここで、 図 6に で示すように、 膜厚を変化させた場合には、 最大光 電流量は、 単結晶シリコン層 2の膜厚が 1 0 0 0 〔nm〕 であるときに 最大となることがわかる。 すなわち、 単結晶シリコン層 2の膜厚が増加 するほど光吸収量が増加することを表し、 膜厚が 1 0 0 0 〔nm〕 以上 となった時点で最大光電流量が減少に転じるのは、 拡散長を超えて膜厚 が厚くなるためと考えられる。
したがって、 入射光の波長が 4 7 0 Cnm] であるときには、 単結晶 シリコン層 2の膜厚としては、 0. 3〜3 〔 im〕 が好ましいことがわ かる。
しかしながら、 図 6に♦で示すように、 絶縁膜の膜質によっても光電 流は大きく左右することがわかる。 また、 図 6の國、 及び図 7に示すよ うに、 シリコン層 2の膜質や不純物濃度等によつても光電流の応答性を 向上させることができることがわかる。
このように、 シリコン層 2の不純物濃度や、 絶縁膜の膜質等、 構成を 最適化することによって、 シリコン層の膜厚が 0. 3〜 3 〔 Lim〕 以外 であっても十分な光電流応答が得ることができる。 しかしながら、 空間 分解能の点等から、 1 0 〔 u m〕 程度以下が好ましい。
ここで、 前記シリコン層の膜厚 Xの上限は、 用いる波長えと、 シリコ ン層の膜質とにより決定することができる。 つまり、 シリコン膜厚 Xは
、 光の侵入深さと光の拡散長 Lとの和よりも小さければよいから、 Xく λ / ( 2 z k ) + Lを満足する必要がある。 なお、 式中の kは消衰係数 である。 したがって、 シリコン層の膜質が向上するにつれて、 シリコン 膜厚 Xの上限は大きくなることになる。
なお、 シリコン層の膜厚 Xの下限は、 入射光をもれなく吸収すること ができるように設定するのが好ましく、 すなわち、 X > ;i / ( 2 π k ) を満足するように設定するのが望ましいが、 必ずしもこれに限定される ものではない。
なお、 上記第 1の実施の形態において、 光透過性基板 1の表面の反射 により失われる光を抑制するために、 図 8に示すように、 光透過性基板 1の光を照射する側の面及び光透過性基板 1 (サファイア基板 1 1 ) と 単結晶シリコン層 2 (シードシリコン層 1 4及び第 2のシリコン層 1 5 ) との間の何れか一方、 又は両方に、 M g F 2 、 T i 0 2 、 S i 0 2 等 、 屈折率の異なる光学薄膜が積層されて形成された反射防止膜を形成す ることが望ましい。
この場合、 前記光透過性基板 1 と単結晶シリコン層 2との間に設ける 反射防止膜 1 1は、 その屈折率が、 単結晶シリコン層 2の屈折率よりも 小さく且つ光透過性絶縁体膜の屈折率よりも大きいものであればよい。 また、 前記光透過性基板 1の光を照射する側の面に設ける反射防止膜 2 2は、 その屈折率が、 光透過性基板 1の屈折率よりも小さいものが望ま しい。
例えば前記図 3に示す工程で作製した光透過性基板上のシリコン層の 場合には、 サファイア基板 1 1の光照射面側の反射防止膜 2 2として M g F 2 、 サファイア基板 1 1 とシードシリコン層 1 4との間の反射防止 膜 2 1 として T i 0 2 を適用すればよい。
そして、 光透過性基板 1の光照射面側に設ける反射防止膜 2 2は、 光 透過性基板 1の上に単結晶シリコン層 2を堆積する前、 或いは、 光透過 性基板上のシリコン層を作製した後に形成すればよい。 また、 光透過性 基板 1及び単結晶シリコン層 2間に設ける反射防止膜 2 1は、 光透過性 基板上のシリコン層をェピタキシャル成長により作製する場合には、 単 結晶シリコン層 2を堆積する前に形成すればよい。 また、 光透過性基板 上のシリコン層を、 光透過性基板 1と単結晶シリコン層 2とを接着して 作製する場合には、 シリコン層上の接着する面に貼り合わせ前に形成す ればよい。
そして、 これら反射防止膜 2 1及び 2 2は、 スパッタ法、 蒸着法、 C V D法等により形成するようにすればよい。
図 9 ( a ) は、 サファイア基板 1 1 と単結晶シリコン層 2との間に、 反射防止膜 2 1 として T i 0 2 膜を設け、 この積層構造に対して波長 5 0 0 〔n m〕 で光照射を行った場合の、 T i 0 2 膜の膜厚の変化に対す る、 光照射面側での反射率の変化を表した特性図である。 図 9 ( a ) に おいて、 特性線 は、 T i 0 2 膜の膜厚の変化に対する反射率の変化 を表し、 特性線 m 2 は、 反射防止膜 2 1を設けない場合の光照射面側で の反射率を表す。
図 9 ( a ) に示すように、 反射防止膜 2 1 として T i 0 2 膜を設ける ことによって、 光照射面側での反射率を低減することができ、 さらに、 T i 0 2 膜の膜厚を最適化することによって、 反射率を最小に抑えるこ とができることがわかる。 なお、 波長が変化するとこれに伴って反射率 の特性も変化することから、 光照射における波長と T i 0 2 膜の膜厚を 最適化することによつて反射率を低減することができることになり、 よ つて、 反射率が最小となるように、 T i 02 膜の膜厚を決定すれば、 光 照射面側の反射を防止し、 より高感度な分子検出センサを実現すること ができる。
図 9 (b) は、 サファイア基板 1 1の光照射面側に、 反射防止膜 2 2 として M g F 2 膜を設けた場合の、 M g F 2 膜の膜厚の変化に対する反 射率の変化を表した特性図である。 図 9 (b) において、 特性線 m3 は 、 Mg F2 膜の膜厚の変化に対する反射率の変化を表し、 特性線 m4 は 、 Mg F2 膜を設けない場合の反射率を表したものである。 この場合も 、 図 9 (b) に示すように、 Mg F2 膜を設けることによって反射率を 低減することができ、 さらに、 Mg F2 膜の膜厚を、 波長に応じて適切 に設定することによって、 反射率を略零に抑えることができることがわ かる。
一方、 図 9 (c ) は、 サファイア基板 1 1 (膜厚は∞と仮定) と単結 晶シリコン層 2との積層構造に対して、 波長 5 0 0 Cnm] で光照射を 行った場合の、 単結晶シリコン層 の膜厚の変化に対する、 光照射面側 での反射率の変化を表したグラフである。
このグラフに示すように、 波長を一定とすると、 単結晶シリコン層 2 の膜厚を最適化すれば、 光照射面側での反射を略零にできることがわか る。 なお、 波長が変化するとこれに伴って、 単結晶シリコン層 2の膜厚 の変化に対する反射率の特性も変化することから、 光照射における波長 と単結晶シリコン層 2の膜厚とを最適化すれば、 反射率を略零にできる ことになり、 反射率が略零となるように、 単結晶シリコン層 2の膜厚を 決定すれば、 光照射面側の反射を防止し、 より高感度な分子検出センサ を実現することができる。
この場合、 次式 ( 1 ) から電磁波反射率 Rを算出することができるか ら、 ( 1 ) 式に基づいて、 膜厚及び波長を設定するようにすればよい。 なお、 式中の、 E Q + Rは媒質に入射した光のエネルギー、 E Q Rは反 射された光のエネルギー、 S u、 S 2 1は、 特性マトリクス法における、 各層の特性マトリタスの積より求めた全領域のマトリクス要素である。
R = I E。 _R/ E。 + R = I S 2 1 / S I 2 …… ( 1 ) したがって、 前記反射防止膜を設ける替わりに、 単結晶シリコン層 2 の膜厚を最適化することによつても、 光照射面側での反射率を低減する ことができる。
また、 上記第 1の実施の形態において、 シリコンを薄膜化すると高抵 抗となり、 取出電極 6から距離が離れるほど高抵抗となつて電流が流れ 難くなる。 このため光電流特性が変化してしまう。 つまり、 図 1 0 ( a ) に示すように、 単結晶シリコン層 2の中心部にいくほど高抵抗領域と なつて電流が流れ難くなることになる。 このように単結晶シリコン層 2 の抵抗値に位置依存性があると、 電解質 4の特性に応じた真の光電流を 検出することができない。
したがって、 これを回避するために、 単結晶シリコン層 2の光透過性 基板 1 との界面付近、 つまり、 図 3の S 0 S基板の場合には、 図 1 0 ( b ) に示すように、 シードシリコン層 1 4のサファイア基板 1 1 との界 面付近に n型又は p型の高濃度不純物をドープし、 高濃度不純物層 2 a を形成するようにしてもよい。 この高濃度不純物層 2 aを形成すること によつて低抵抗化することができるから、 単結晶シリコン層 2に抵抗値 の位置依存性が生じることを回避することができる。
前記高濃度不純物層 2 aは、 例えば、 単結晶シリコン層 2を形成した 後にイオン注入を行うか.、 或いは単結晶シリコン層 2をェピタキシャル 成長させているときに、 同時に不純物を添加することによつて生成すれ ばよい。
特に光電流の変化から電解質の状態変化を検出するようにしている分 子検出センサの場合には、 電流の流れ易さに位置依存性があるというこ とは問題であるが、 このように、 高濃度不純物をドープすることによつ て、 電流の流れ易さに位置依存性が生じることを回避することができる から、 より分子検出センサの精度を向上させることができる。
このとき、 図 1 0 ( c ) に示すように、 前記高濃度不純物層 2 aに代 えて、 サファイア基板 1 1等の光透過性基板 1 と単結晶シリコン層 2と の間に、 透明導電膜 2 bを形成するようにしてもよい。 前記透明導電膜 2 bとしては、 例えば I T O (錫添加酸化インジウム) 、 或いは酸化亜 鉛 (Z η θ ) にポロン (B ) 又はアルミ (A 1 ) をド一プしたもの、 或 いは酸化錫にフッ素等ハロゲン元素をド一プしたもの、 等を適用するこ とができる。
前記透明導電膜 2 bは、 スパッタ法、 蒸着法、 C V D法等によって形 成すればよい。 S O I基板を、 単結晶シリコン層 2をェピタキシャル成 長させて作製する場合には、 前記単結晶シリコン層 2を形成する前に光 透過性基板 1上に形成すればよく、 また、 上述のように、 単結晶シリコ ン層 2と光透過性基板 1 とを貼り合わせて作製する場合には、 貼り合わ せの前に、 前記単結晶シリコン層の貼り合わせを行う側の面上に形成す ればよい。
また、 上記第 1の実施の形態においては、 シリコン酸化物層 1 3を除 去した後、 残されたシードシリコン層 1 4の上にさらに、 第 2のシリコ ン層 1 5を成長させるようにしているが、 前記第 1のシリコン層 1 5を 設けずに、 前記シ一ドシリコン層 1 4及びサファイア基板 1 1からなる S O S基板を適用するようにしてもよい。 しかしながら、 結晶性が不十 分で光励起キャリァの再結合中心となる結晶欠陥がまだ多数残つている ため、 さらに第 2のシリコン層 1 5を成長させた方が、 より光電流特性 を向上させることができる。
なお、 上記第 1の実施の形態において、 第 1のシリコン層 1 2を形成 した後、 この第 1のシリコン層 1 2にイオン注入を行い、 第 1のシリコ ン層 1 2の深部をアモルファス化し、 ァニール処理を行って再結晶化を 行うようにしてもよい。 このようにすることによって、 結晶性の高い上 方から下方への再結晶化が進行し、 シリコン層全体の結晶性が向上し、 光励起キャリアの再結合中心となる結晶欠陥が低減されるため、 より光 電流特性を向上させることができる。
また、 上記第 1の実施の形態において、 第 2のシリコン層 1 5を形成 した後、 この第 2のシリコン層 1 5を第 1のシリコン層 1 2とみなし、 上記と同様にしてこの第 2のシリコン層 1 5を酸化した後除去し、 残さ れた第 2のシリコン層 1 5をシ一ドシリコン層としてこの上にさらに第 3のシリコン層をェピ夕キシャル成長させるようにしてもよく、 さらに 、 この処理を繰り返し行うようにしてもよい。 このようにすることによ つて、 結晶性を向上し、 結晶欠陥を低減することで、 光電流特性を向上 させることができる。
次に、 本発明の第 2の実施の形態を説明する。
この第 1の実施の形態は、 S 0 S基板の製造方法が異なること以外は 上記第 1の実施の形態と同様である。
すなわち、 この第 2の実施の形態においては、 図 1 1に示すように、 まず、 R面サファイア基板 1 1の上に上記第 1の実施の形態と同様にし て、 第 1のシリコン層 1 1を堆積する (図 1 1 ( a ) ) 。
次に、 第 1のシリコン層 1 2にシリコンイオンを注入し、 サファイア 基板 1 との界面側をアモルファス化 ( 1 2 a ) した後 (図 1 1 ( b ) ) 、 窒素ガス雰囲気下で加熱処理を行い、 第 1のシリコン層 1 2を再結晶 ィ匕 ( 1 2 b) する (図 1 1 (c) ) 。
続いて、 このサフィァ基板 1 1を酸化性雰囲気中で熱処理し (図 1 1 ( d) ) 、 再結晶化した第 1のシリコン層 1 2 b) の上に形成されたシ リコン酸化物層 1 3を除去する (図 1 1 ( e ) ) 。
次いで、 シリコン酸化物層 1 3除去後の第 1のシリコン層であるシ一 ドシリコン層 1 4の上に、 第 2のシリコン層 1 5をェピタキシャル成長 させ (図 1 1 ( f ) ) 、 さらに、 この第 1のシリコン層 1 4と第 2のシ リコン層 1 5との積層構造にシリコンィォン注入を行つて第 2のシリコ ン層 1 5の深部をアモルファス化 ( 1 5 a) した後 (図 1 1 (g) ) 、 これを窒素雰囲気中で熱処理し、 アモルファス化した深部を再結晶化 ( 1 5 b) する (図 1 1 (h) ) 。
このようにして形成した SOS基板も、 上記第 1の実施の形態と同様 に、 高品質シリコン層を有する SOS基板であり、 上記第 1の実施の形 態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、 上記第 2の実施の形態において、 ェピタキシャル成長させた第 2のシリコン層 1 5 bを再結晶化した後、 この上に、 さらに第 3のシリ コン層をェピタキシャル成長させるようにしてもよい。 また、 再結晶化 した後の第 2のシリコン層 1 5 bを酸化性雰囲気中で熱処理してその一 部を酸化し、 これをエッチングして除去した後、 残った第 2のシリコン 層の上に第 3のシリコン層をェピタキシャル成長させるようにしてもよ い。
このようにすることによって、 より結晶性の高い、 結晶欠陥の少ない 高品質なシリコン層を得ることができる。
次に、 本発明の第 3の実施の形態を説明する。
この第 3の実施の形態は、 特開平 5— 2 1 1 1 28号公報に記載され た、 補剛材上に薄いフィルムを作製する方法を用いて、 SOS基板を作 製するようにしたものであって、 その詳細は前記公報に記載されている ので、 その詳細な説明は省略する。
すなわち、 図 1 2に示すように、 まず、 単結晶シリコン基板 3 1の表 面に、 水素、 或いは希ガスをイオン注入し、 単結晶シリコン基板 3 1内 に水素或いは希ガスイオンの分布する層 3 2を形成する (図 1 2 ( a ) ) 。
次に、 前記単結晶シリコン基板 3 1のイオン注入した面と、 サフアイ ァ基板 3 3とをこれら間に透明な接着性物質からなる透明接着層 3 4を 介揷して加圧すること等によって貼り合わせる (図 1 2 ( b ) ) 。 次に、 熱処理を行い、 単結晶シリコン基板 3 1中の結晶の再配列及び ィォン注入により形成された微小気泡内の圧力作用とによって、 単結晶 シリコン基板 3 1を劈開させ (図 1 2 ( c ) ) 、 これにより、 サフアイ ァ基板 3 3上に単結晶シリコン層 3 5を形成する (図 1 2 ( d ) ) 。 これによつて、 サファイア基板 3 3上に透明接着層 3 4を介して単結 晶シリコン層 3 5が形成された良質な単結晶シリコン層を有する S O S 基板を得ることができる。 したがって、 図 1 3に示すように、 この S O S基板を分子検出センサに用い、 光透過性基板 1 としてのサファイア基 板 3 3の上に透明接着剤 3 4を介して単結晶シリコン層 2 ( 3 5 ) を形 成し、 さらにこの単結晶シリコン層 2 ( 3 5 ) の上に、 酸化シリコン層 3 b及び窒化シリコン層 3 aをこの順に積層して絶縁体層 3を形成し、 この絶縁体層 3の上に電解質 4を形成することによって、 上記第 1の実 施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
次に、 本発明の第 4の実施の形態を説明する。
この第 4の実施の形態は、 特開平 7— 2 3 5 6 5 1号公報に記載され ている、 「貼り合わせ S O I」 を用いて S O S基板を作製するようにし たものであって、 その詳細は前記公報に記載されているので、 その詳細 な説明は省略する。
すなわち、 図 1 4に示すように、 まず、 単結晶シリコン基板 4 1の表 面を陽極化成して多孔質シリコン層 4 2を形成する (図 1 4 (a) ) 。 次にこの多孔質シリコン層 4 2の上に非多孔質単結晶シリコン層 43を ェピタキシャル成長させる (図 1 4 (b) ) 。
次いで、 この非多孔質単結晶シリコン層 43の上に光透過性基板とし て例えばサファイア基板 44を貼り合わせる。 この貼り合わせは、 両基 板を塩酸と過酸化水素水混合液等で洗浄した後、 加圧して行う (図 1 4 (c) ) 。 或いは、 前述の第 3の実施の形態と同様に、 図 1 2 (b) に 示すように、 透明接着層 34を介挿して加圧すること等によって貼り合 わせるようにしてもよい。
次に、 ェピタキシャル成長させた非多孔質単結晶シリコン層 4 3を残 して単結晶シリコン基板 4 1と多孔質シリコン層 4 2とを除去する。 こ のとき、 例えば単結晶シリコン基板 4 1の除去は研削とエッチングの 2 段階で行い、 単結晶シリコン基板 4 1を全て除去した後、 多孔質シリコ ン層 4 を選択エッチングして除去する (図 1 4 (d) ) 。
これにより、 サファイア基板 44の上に、 非多孔質単結晶シリコン層 4 3が形成された、 SOS基板を得ることができる (図 1 4 (e) ) 。 このようにして形成された SOS基板は、 良質な単結晶シリコン層を 得ることができ、 したがって、 この SOS基板を用いることによって上 記第 1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、 上記第 3及び第 4の実施の形態においては、 前記光透過性基板 1としては、 サファイア基板 1 1を用いた場合について説明したが、 サ ファイア基板 1 1に限るものではなく、 単結晶酸化物基板、 或いは、 非 晶質の材料、 例えば S i 02 等からなるガラス基板やポリ力一ボネィ ト 等のプラスチック基板を適用することも可能である。
また、 上記第 3及び第 4の実施の形態において、 図 1 4 ( c ) の工程 で、 非多孔質単結晶シリコン層 4 3にサファイア基板 4 4を貼り合わせ る前に、 非多孔質単結晶シリコン層 4 3の表面に、 I T◦等の透明導電 膜を予め形成しておき、 これを担体となる基板、 この場合サファイア基 板 4 4に貼り付けるようにしてもよい。
また、 貼り付けを実施する前に、 貼り付け面のシリコン単結晶表面に ドーパン卜ガス雰囲気下で熱処理を行うこと、 或いは不純物添加を行う ことによって、 表面近傍に高濃度不純物領域を形成し、 これを担体とな る基板に貼り付けるようにしてもよい。
また、 上記第 2から第 4の実施の形態においても、 上記第 1の実施の 形態と同様に、 単結晶シリコン層のサファイア基板との界面側に高濃度 不純物をドープするか、 或いは、 サファイア基板と単結晶シリコン層と の間に透明導電膜を形成すれば、 電流の流れ易さに位置依存性が生じる ことを回避することができるから、 光電流特性をより向上させることが できる。
また、 単結晶シリコン層とサファイア基板との間、 或いはサファイア 基板の光照射面側、 又は両方に反射防止膜を設けるようにしてもよく、 このようにすることによって、 より光電流特性を向上させることができ る。
また、 上記各実施の形態において、 図 1 5に示すように、 絶縁体層 3 上に、 測定対象物質である電解質 4に応じて電荷の変化を起こす感応膜 3 eを形成し、 この感応膜 3 eを、 測定対象物質に応じて替えることに よって、 多様な物質を検出することができる。 例えば感応膜 3 eとして 窒化シリコン膜、 或いは脂質膜、 或いは白金薄膜を形成すれば、 それぞ れ p H値検出センサ、 味覚センサ、 ガスセンサとして用いることができ 、 感応膜 3 eとして任意の膜を形成することによって、 多様なセンサを 形成することができる。
また、 このとき、 光ビームを走査することによって、 イメージセンサ として用いるようにしてもよい。 また、 例えば図 1 6に示すように、 絶 縁体層 3上に、 種類の異なる感応膜からなる複数の個別センサ 1 0をァ レイ状に配置し、 これら個別センサ 1 0に測定対象の電解質が接するよ うにすることによってマルチアレイセンサとして用いるようにしてもよ い。 これら何れの場合においても、 従来に比較してより高解像度で高感 度なイメージセンサ或いはマルチアレイセンサを構築することができる 。 このようにアレイセンサとして用いる場合には、 光ビームを走査する ようにしてもよく、 また、 各感応膜毎に発光ダイオード (L E D ) を設 けるようにしてもよい。
特に、 本発明による分子検出センサによれば、 高解像度で高感度な分 子検出センサを得ることができるから、 感応膜面積の縮小化を図ること ができ、 マルチアレイセンサとして用いる場合等には、 一つの検査項目 に要する試料の削減を図ることができ、 すなわち、 より少ない試料でよ り多くの項目について検査を行うことができ、 好適である。
また、 例えば、 マルチアレイセンサとして用いる場合、 感応膜からな る複数の個別センサ 1 0を、 図 1 7 ( a ) に示すように縦横整列して配 置した場合には、 上述のように、 取出電極 6からの距離が離れるほど電 流が流れ難くなるから、 単結晶シリコン層 2の抵抗値の位置依存性の影 響をうけることになる。 したがって、 この場合にも、 上記と同様にして 高濃度不純物を注入することによって、 これを回避することができるが 、 例えば、 図 1 7 ( b ) に示すように、 取出電極 6の開口部が円形であ るならば、 この開口部と同心円上に、 複数の個別センサ 1 0を配置する ようにしてもよく、 また、 二重、 三重に配置するようにしてもよい。 このように複数の同心円上に配置する場合には、 同一円上の個別セン サ 1 0は取出電極 6からの距離が同一であり、 同一円上の個別センサ 1 0位置における抵抗は同一であるから、 例えば、 各円上の個別センサ 1 0について同一条件で光照射を行った場合に得られる光電流を検出し、 例えば最外側の個別センサ 1 0の光電流値を基準とし、 これよりも内側 の同心円における光電流値を、 前記基準の光電流値と一致させるための 増幅率を算出しておき、 内側の同心円状における個別センサ 1 0につい ては、 検出した光電流値を予め設定した増幅率に応じて増幅し、 増幅後 の光電流値を用いて、 解析を行うようにすればよい。
つまり、 単結晶シリコン層 2の抵抗値の位置依存性による影響を、 光 電流値を調整することによつて除去することができるから、 単結晶シリ コン層 2の抵抗値の位置依存性による影響を受けないマルチアレイセン サを得ることができる。 また、 この場合、 光電流値を調整すればよいか ら、 上述のように高濃度不純物注入を行う場合に比較して容易に行うこ とができる。
また、 個別センサ 1 0の配置は、 同心円状に限るものではなく、 例え ば図 1 7 ( c ) に示すように、 取出電極 6をその開口部が四角形となる ように形成し、 この四角形と同一の中心を有する四角形状に配置するよ うにしてもよく、 また、 同様にして三角形状に配置するようにしてもよ い。 要は、 取出電極 6からの距離が同一となる位置に配置するようにす ればよい。
この場合、 例えば、 光透過性基板 1、 半導体層 2及び絶縁体層 3の積 層構造の中心に、 電解質を載置するための例えば円形の電解質領域を残 して余分な絶縁体層 3を除去し、 半導体層 2上の電解質領域の周囲に取 出電極 6を形成し、 この取出電極 6の開口部に電解質 4を載置し、 この 電解質 4上の、 開口部と相似形であり且つその中心が開口部の中心と一 致する相似形の外周上、 つまり、 開口部が円ならば同心円の外周上に感 応膜を配置するようにすれば、 取出電極 6からの距離が同一となる位置 に容易に配置することができる。
前記マルチアレイセンサとしては、 感応膜として、 例えば蛋白質、 酵 素の基質、 核酸等、 これらとの相互反応によりイメージセンサにより検 出可能な物性の変化を起こすものを適用することにより、 感応膜と相互 反応を起こす物質の物性を検出することができる。
例えば、 感応膜として特定の酵素を固定化したものを適用することで 、 測定試料に含まれる基質の濃度を測定することができる。 マルチァレ ィに使用する酵素群を、 チトクローム P 4 5 0のような様々な物質の酸 化等に関わり、 多数の亜型が存在する酸化酵素を選択すると、 各酵素ス ポットからのシグナルを順次検出して得られた検出データを総合的にパ ターン解析することで、 試料中の物質を同定するセンサとして利用する ことができる。 これにより、 同時多項目測定が可能となり、 例えば血液 検査における生化学項目の測定等に応用することができる。
また、 検出したい核酸配列に相補的な配列を持つた核酸等を固定化す ることで医薬のスクリ一ユングに利用できる D N Aチップ、 遺伝子診断 チップ、 遺伝子 1塩基多型 (S N P s ) 診断による薬物等の毒性出現頻 度、 或いは薬剤感受性解析チップ、 感染症診断チップ、 耐性菌遺伝子パ ネルによる耐性菌検出固定チップ等に利用することも可能である。 感応膜として固定化する核酸としては、 測定の対象とする核酸と相補 的にハイブリダィズするものであれば、 D N A、 R N A或いは構造的に 類似のもであってもよい。
抗ハプテン抗体を感応膜として固定化し、 ハプテン標識された核酸を 間接的に結合する方法を用いてもよい。 核酸の検出をより高感度で行う ために、 例えば、 フヱロセンを結合したような荷電インターカレ一タ分 子又はメディエー夕、 或いはこれら両方を組み合わせるようにしてもよ い。
また、 検出用核酸を用い、 その検出用核酸を直接若しくは間接に酸化 酵素で標識することによって検出するようにしてもよい。
前記感応膜は、 絶縁体層の表面を活性化して、 その表面の不連続な部 位にアレイ状に形成することによって製造される。 必要に応じて、 その 他の活性部位をブロックしてもよい。 この感応膜は、 例えばシランカツ プリング剤を用いて形成させることができる。
ここで、 シランカップリング剤とは、 その分子中に、 ビュル基、 ェポ キシ基、 アミノ基、 メルカプト基のような有機材料と親和性のある有機 官能基と、 メ トキシ基、 エトキシ基のような無機材料と親和性のある加 水分解基を有する有機ゲイ素化合物のことをいう。
シランカツプリング剤中の加水分解基は、 絶縁体層の表面に出ている 水酸基と結合し、 有機官能基は、 蛋白質、 酵素、 核酸等と結合する。
また、 蛋白質、 酵素、 核酸等は、 リンカーを介して絶縁体層に結合さ れていてもよい。
本発明に使用できるシランカツプリング剤は、 上記定義に該当するも のであれば、 いかなるものでもよい。
例えば、 3—ァミ ノプロピルト リエトキシシラン、 3—ァミ ノプロピ ノレト リメ 卜キシシラン、 3—ァミ ノプロピルジェトキシメチルシラン、 3— ( 2 —アミ ノエチルァミ ノプロピル) ト リメ トキシシラン、 3— ( 2 _アミノエチルアミノプロピル) シメ トキシメチルシラン、 3 —メル カフ。トフ'口ピルトリメ トシシシラン、 ジメ トシキー 3—メルカプトプロ ピルメチルシラン等を単独又は組み合わせて使用することができる。 シランカツプリング剤との間で、 非常に効率の良い、 カツプリング反 応を提供するために、 二価性試薬、 例えば、 ヘテロ二官能性リ ンカ一が 使用される場合もある。
二価性試薬としては、 目的の蛋白質、 酵素、 核酸等が共有結合に強固 に固定化できるものであれば特に限定されない。
例えば、 グルタルアルデヒ ド、 過ヨウ素酸、 N、 N— o _フエ二レン ジマレイ ミ ド、 N—スクシニミジルー 4 - ( N—マレイ ミ ドメチル) シ クオへキサン一 1 —カルボキシレ一ト、 N—スクシユミジルマレイミ ド 酢酸、 N—スクシ二ミジル一 4—マレイミ ド酪酸、 N—スクシ二ミジル 一 6—マレイミ ドへキサン酸、 N—スルホスクシユミジルー 4 —マレイ ミ ドメチルシクロへキサン一 1 —カルボン酸、 N—スルホスクシニミジ ルー 3—マレイ ミ ド安息香酸、 N— ( 4 _マレイミ ドブチリ口キシ) ス ルホスクシンィ ミ ド . ナト リ ゥム塩、 N— ( 6—マレイ ミ ドカプロイロ キシ) スルホスクシンィ ミ ド · ナト リ ゥム塩、 N _ ( 8—マレイ ミ ドカ プリ口キシ) スルホスクシンイミ ド ' ナト リウム塩、 N— ( 1 1 —マレ ィミ ドウンデカノィ口キシ) スルホスクシンィ ミ ド · ナト リゥム塩、 N 〔 2— ( 1 —ピぺラジュル) ェチル〕 マレイミ ド '二塩酸等が挙げられ 、 それぞれ単独又は組み合わせて使用することができる。
また、 カップリング反応を提供するために、 光活性架橋剤を用いるよ うにしてもよい。
例えば、 シランカップリング剤で処理した絶縁体層表面に、 暗所で、 p—ァミノべンゾフヱノン又は p—アジド安息香酸の N—ヒドロキシス クシンイミ ドのような光活性架橋剤を反応させる。 その後、 目的の蛋白 質、 酵素、 核酸等を所望のようにスポットし、 短時間の紫外線照射、 も しくは、 より長い時間の可視光線照射の後で共有的な付着が達成される 。 絶縁体層の表面に残っている領域は、 紫外線もしくは可視光線の存在 下で、 先に述べた分子に類似するブロッカーを用いてブロックされる。 或いはジメチルァク リルアミ ドとシナモイルォキシェチルメ タク リ レー 卜との共重合体のような光重合樹脂を用いて、 目的の蛋白質、 酵素、 核 酸等を固定化し、 さらにポリ ·メタアジドスチレンのような光重合樹脂 によりシリコン表面に共有結合させることもできる。
以上のような方法により、 蛋白質、 酵素、 核酸等を、 化学イメージセ ンサのマルチアレイセンサとして固定することができる。
固定された蛋白質、 酵素、 核酸等の分子は、 安定化させてもよく、 安 定化の方法としては、 例えばトレハロースのような糖の溶液中で短時間 (例えば、 1時間) インキュベーションし、 その後、 3 7 〔°C〕 で 1 6 時間乾燥させる方法が挙げられる。 続いて、 安定化させた感応膜は、 箔 製の小袋の中に乾燥剤と共に、 密封,保存される。 固定化された分子は 6〜 1 2力月以上安定であり、 例えば 2〜 8 〔°C〕 で保存された場合に は例えば 2年もしくはそれ以上安定である。
次に、 本発明を適用した他の分子検出センサを説明する。
この分子検出センサは、 特定分子に対して電荷の変化を起こす感応膜 1 0を、 絶縁体層 3上に設け、 特定分子の検出を行うようにした、 特定 分子検出用の分子検出センサであって、 図 1 8に示すように、 シリコン 基板 2 0上に積層された絶縁体層 3の上に、 感応膜 1 0が載置されてい る。
そして、 この感応膜 1 0には、 図 1 9に示すように、 後述の、 検出対 象のターゲッ 卜分子 (特定分子) 1 0 1 と結合する分子プローブ 1 0 2 が形成されている。
つまり、 夕一ゲッ ト分子 1 0 1 と分子プローブ 1 0 2とが結合するこ とによって、 絶縁体層 3下の半導体界面で発生する空乏層 1 0 3の幅が 変化し、 これによつて、 発光ダイオード 9によって光照射を行ったとき に発生する光電流の大きさが変化することから、 電解質中の特定の化学 量 ·物質を検知するようにしている。 前記シリコン基板 2 0としては、 研磨された平滑な面をもつシリコン 単結晶基板が望ましい。 シリコン基板 2 0に替えて、 担体基板として絶 縁体上に半導体薄膜を載置して用いることも可能である。 例えば、 絶縁 体上にシリコン単結晶薄膜層を形成した S O I基板や、 図 2 0に示すよ うに、 絶縁体がサフアイァ 1 1からなりその上にシリコン層 2を形成し た S O S基板を用いることも可能である。 これら S O I基板を用いる場 合には、 半導体層 (シリコン層 2 ) を担体基板を用いない場合よりも薄 くすることができる。
つまり、 半導体基板或いは半導体層に刺激を与える手段として変調光 を照射する場合には、 得られる情報は光が照射される面積に依存する。 レーザビームのようなコヒ一レント光のビーム径は光の波長に依存する ため、 L A P Sセンサを顕微鏡的に用いる場合の分解能、 或いはマルチ ァレイセンサ的に用いる場合のァレイ密度を向上させるには、 より光を 短波長化し、 ビーム径を小さくする必要がある。
しかしながら、 シリコン単結晶基板では、 波長が 5 0 0 〔n m〕 以下 の青色光源を照射した場合、 基板が厚いため、 発生したキャリアは絶縁 体との界面に到達する前に拡散して死活し、 光電流は発生しないので短 波長化は困難である。 つまり裏面から光照射を行う場合、 バルクのシリ コン基板では、 電界のかかっていない中性領域でキャリアが発生し、 拡 散によって空乏層に達したキャリアだけが光電流となる。
これに対し、 S O I基板を用いる場合には、 光照射を行う場合、 空乏 層及びその付近で光励起キャリアを発生させるようにすることが、 感度 の点で好ましい。 つまり、 光透過性基板上にシリコン層が形成され且つ シリコン層が数 〔 i m〕 の S O I基板では空乏層でもキャリアが発生し 、 空乏層で発生したキャリアは電界の作用によりほとんどが光電流とな る。 これは感度に対し有効であり、 S 0 I基板がバルクのシリコン基板 に勝る点である。
また、 前記絶縁体層 3は、 シリコン基板 1 0の表面を熱酸化し、 二酸 化シリコン層を形成し、 これを絶縁体層 3とする。
その膜厚は 5 0 0 〔nm〕 程度以下であればよく、 感度の点からは 1 0 0 Cnm] 程度以下が望ましい。 また、 電解質 4に接すると、 二酸化 シリコンは水分が浸透するため、 二酸化シリコン層上に窒化シリコン、 酸化アルミ、 酸化タンタルのうちの一種類からなる薄膜を形成すること が望ましい。 或いはシリコン基板 2 0の上に二酸化シリコン層つまり絶 縁体層 3を形成することなく、 直接これらの誘電体層を形成するように してもよい。 この場合膜厚は 5 0 0 〔nm〕 程度以下であればよく、 ま た、 感度の点から 1 0 0 〔nm〕 程度以下が望ましい。
また、 前記感応膜 1 0は、 電解質 4と接する絶縁体層 3上に、 測定し たい遺伝子配列に対して相補的な配列を有する分子プローブ 1 0 2を含 んで形成される。 この分子プローブ 1 0 2としては、 生物試料から抽出 した DNA、 RNA、 断片化等の修飾を施した D N A、 RNA、 試験管 内で合成した DNA、 RNA、 或いは化学合成した DNA、 RNA、 P A等の遺伝子とハイブリダイズできるものであれば使用することがで さる。
これらの分子プローブ 1 0 2を電解質 4と接する絶縁体層 3上に感応 膜 1 0として形成するが、 ハイブリダィズさせるときに各種の洗浄を行 う必要があるため、 流れ出さないように固定化することが望ましい。 この固定化する方法としては、 例えば、 次のように行えばよい。
まず、 フラスコに 0. 2 %の 3—ァミノプロピルエトキシシランを含 むクロ口ホルム溶液を用意し、 絶縁体層を伴う基板を浸し、 フラスコ内 をアルゴンガス又は窒素ガスに置換する。 このフラスコ内を 4 8 〔で〕 に保ち、 約 2 0時間反応させる。 その後、 基板を取りだし、 窒素ガス中 で風乾する。
次に、 二価性試薬である N—スクシニミジル一 6 _マレイミ ドへキサ ン酸を 20 Cmg/m 1 ] になるように D M S〇に溶解し、 シラン力ッ プリング反応済みの基板をそのなかに浸して 3 5 〔で〕 で約 4時間反応 させる。 反応終了後、 純水で洗浄する。
DNAは末端にチォ一ル基を導入しておき、 これを 1 〔 imo l /m 1〕 から 1 〔pmo 1 /m 1〕 に TEバッファ ( 1 0 〔mmo 1 / 1 ) Tr i s _HC l、 1 [mmo 1 / 1 ] E DTA、 pH 8. 0 ) で 溶解する。
適当量の DNA溶液を上記の基板上に載せ、 溶液が乾燥しないように して 2 5 〔°C〕 で約 2 0時間反応させる。 その後、 1 〔mmo l / l〕 の 2 _メルカプトエタノールを載せて、 2 5 〔 〕 で約 4時間反応させ る。 そして、 TEバッファで洗浄し、 これを DNA固定化基板とする。 また、 次のように固定化を行うようにしてもよい。
まず、 基板上に E B蒸着法により、 DNAを固定化する部分に T i / Auの順に 2 5 〔nm〕 /5 0 Cnm] の膜厚で薄膜を形成する。
DNAは末端にチオール基を導入しておき、 これを 1 〔 umo l Zm 1〕 から 1 〔pmo 1 /m 1〕 に TEバッファ ( 1 0 〔mmo 1 / 1 ] Tr i s— HC 1、 1 [mmo 1 / 1 ] E DTA、 pH 8. 0 ) で 溶解する。
適当量の DNA溶液を薄膜上に載せ、 溶液が乾燥しないようにして 2 5 〔°C:〕 で約 2 0時間反応させる。 その後、 1 〔mmo l / l〕 の 2 メルカプトエタノールを載せて、 2 5 [°C 3 で約 4時間反応させる。 そ して、 TEバッファで洗浄し、 これを DNA固定化基板とする。
なお、 これら方法に限るものではなく、 例えば絶縁体層 3表面に出て いる官能基を用いて結合させる方法、 或いは、 絶縁体層 3表面に金を固 定し、 その上に各種の修飾を施した物質を結合させる方法等、 公知の固 定化方法を用いることができる。
そして、 この感応膜 1 0に、 測定対象の試料から抽出した遺伝子をそ のまま、 或いは断片化したもの、 また増幅させたもの等を用いてハイブ リダィズさせる。 なお、 ハイブリダィズ時には、 感応膜 1 0及び電解質 4の温度条件をコントロールする必要があるが、 この温度条件のコント ロールは、 電解質を含む基板全体を恒温槽に入れてもよいが、 例えば、 ペルチェ素子を用いて行うようにしてもよい。
そして、 洗浄を行って、 結合しなかった遺伝子を除去する。 この洗浄 方法は、 一般的に用いられる洗浄方法を適用することができ、 また、 遺 伝子の持っている電荷を利用して、 結合しなかった遺伝子を除去するこ ともできる。
なお、 このハイブリダィズの反応は、 インタ一カレ一夕が存在しなく てもよいが、 感度を上げるために、 結合性分子としてのインタ一カレ一 タもしくは抗体等の核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有するタンパ ク質の存在下で行うようにしてもよく、 また、 前記核酸又は核酸誘導体 にハイブリダィズする、 分子プローブ 1 0 2とは別の核酸又は核酸誘導 体の存在下で行うようにしてもよい。
なお、 これらはウレァ一ゼ又はフヱロセンで修飾されていることが好 ましい。 L A P S法は p H変化の検出に適しているため、 例えばゥレア ―ゼ修飾した二本鎖 D N A結合性ィンタ一カレータをハイブリダィズ形 成後に反応させるようにすれば、 二本鎖 D N Aが存在する部分にのみィ ン夕一力レ一夕が存在することになつて、 溶液中に尿素を加えておけば 、 インターカレ一夕に結合しているウレァ一ゼが溶液中の尿素を分解し 、 p H変化としてその部分を検出することができることになる。 なお、 従来の古典的なインターカレ一夕では、 二本鎖 DN Aだけでな く、 一本鎖 DNAにも結合してしまうため、 一本鎖 DNAと二本鎖 DN Aの識別が難しい。 近年二本鎖 DN Aに特異的に結合するィンタ一力レ —夕が開発されてきており、 本発明では、 これを二本鎖 DNA結合性ィ ンタ一カレ一タと呼んでいる。 前記インターカレ一夕としては、 二本鎖 D N A結合性インタ一カレー夕を用いることが好ましい。 しかしながら 、 分子プローブ 1 0 2に対して特定分子が十分に大きい場合等には、 特 定分子に対して結合性を有する分子、 例えば、 一本鎖 DNAに対して結 合性を有する分子 (イン夕一カレー夕を含む) を用いてもよく、 この場 合にも、 分子検出の感度を向上させることができる。
この状態で、 シリコン基板 2 0の任意の場所に、 シリコン基板 20の 膜厚により決定される波長の変調ビーム光を入射する。 また、 基準電極 (第 2の電極) 5及び取出電極 (第 1の電極) 6にバイアス電圧 BVを 印加し、 これによつて生じる光電流を光電流信号処理部 (電気的特性検 出手段) 7で検出する。
このバイアス電圧 BVは次のように設定される。 つまり、 バイアス電 圧 BVを正から負方向、 又はその逆に電圧を変化させることによって、 半導体の極性により、 反転状態から蓄積状態に変化するバイアス電圧 B Vによって、 絶縁体層 3の表面状態に依存した光電流が流れる。
このとき、 縦軸に光電流、 横軸にバイアス電圧をとると一種のボル夕 モグラフを得ることができる。 このボル夕モグラフは一本鎖 DN Aを固 定した部分をみた場合、 ハイプリダイズして二本鎖 DNAを形成すると 、 光電流が立ち上がるバイアス電圧値 BVの変化として現れる。
したがって、 バイアス電圧 BVを、 光電流値の立ち上がりから飽和す るまでの間で任意に固定すると、 D N Aのハイブリダイゼ一ションが形 成された場合に、 光電流値の変化としてタ一ゲッ ト DNAの存在を検知 することが可能となる。
なお、 D N Aが固定されていない部分をリファレンスとして、 D N A が固定された部分と固定されていない部分との光電流値の差を検出する ことによつても同様に検知することができる。
また、 バイアス電圧 B Vを、 任意に変化させることができるので、 負 の電荷を持つ D N Aに対し、 シリコン基板 2 0を正の極性とすることで 、 シリコン基板 2 0と D N Aのクーロン力の引力により、 迅速にハイブ リダィズの反応を進めることができる。 その後、 半導体を負の極性とす ることで、 D N Aの相補対が不完全なハイブリダイズが存在する場合に は、 クーロン力の反発力によって不完全なハイブリダィズを解く ことが でき、 これによつて、 検出の精度を向上させることができる。
また、 前記感応膜 1 0は、 1つ或いは複数配置することができる。 つ まり、 感応膜 1 0を一つ設けた場合には、 ある一つの分子のみを検出す るセンサとして用いることができ、 複数設けることによって、 マルチア レイセンサとして用いることができる。
感応膜 1 0を複数設ける場合には、 前述のように、 シリコン層の抵抗 値の位置依存性の影響をうけないように配置し、 例えば、 発光ダイォ一 ド 9、 好ましくはレーザ或いは、 近接場光を用い、 これらを走査させた り、 逆に発光ダイォード 9やレーザに対してシリコン基板 2 0を移動さ せるようにすればよい。 また、 各感応膜 1 0毎に発光ダイオードを設け て走査させるようにしてもよく、 また、 レーザ光をミラ一等により走査 させるようにしてもよい。
また、 このとき、 感応膜 1 0を複数設け、 異なるそれぞれ異なる特定 分子と結合する感応膜 1 0を設ければ、 マルチアレイセンサとして用い る.ことができるが、 例えば、 同一の特定分子と結合する感応膜 1 0を複 数設けるようにしてもよい。 このようにすることによって、 特定分子が 分子プローブ 1 0 2に対して、 十分大きい場合等には、 分子検出の感度 を向上させることができる。
また、 上述の特定分子検出用の分子検出センサは、 光照射を行うこと によって、 光電流を誘起させるようにした場合について説明したが、 こ れに限るものではなく、 例えば変調された電気信号を用いるようにして もよい。
図 2 1は、 シリコン基板 2 0に与える剌激として、 変調された電気信 号を用いるようにしたものであって、 発光ダイオード 9に替えて、 交流 電気信号を印加するための交流電源 9 aが設けられ、 交流電源 9 aと取 出電極 6とが接続されている。
そして、 基準電極 5及び取出電極 6間に、 交流電源 9 aからの変調さ れた電気信号とバイアス電圧 B Vとを重畳して印加することによって、 空乏層幅に依存する交流電流を測定し、 電解質一絶縁体界面の電気化学 的状態を検出するようになっている。
なお、 この場合も、 シリコン基板 2 0に替えて、 半導体薄膜が載置さ れた絶縁体を用いてもよく、 絶縁体上にシリコン単結晶薄膜層を形成し た S O I基板や、 図 2 2に示すように、 絶縁体としてサファイア 1 1を 用い、 この上にシリコン層 2を積層した S 0 S基板を用いることも可能 である。
また、 異なる種類の分子プローブを含んで構成される複数の感応膜 1 0を絶縁体層 3の上に配置することによって、 マルチアレイセンサとし て用いることも可能である。 この場合、 図 2 3の断面図及び図 2 4の上 面図に示すように、 分子プローブを含む各ァレイを単独で駆動するため にはそれぞれのアレイを分離するのが望ましい。 例えば、 基板として S 0 I基板を用いることによって、 素子分離を行って作製すればよい。 前 記 S O I基板としては S I M O X基板のように半導体層中に絶縁体層が 埋め込まれた構造であってもよく、 要は、 素子分離が可能な基板であれ ばよい。
しかしながら、 隣接するアレイと電気的に完全に分離する必要がある ため、 図 2 3に示すように、 半導体基板として S O I基板を用いること が好ましい。
なお、 図中、 5 1は絶縁性基板、 5 2はシリコン層、 5 3は絶縁体層 、 5 4は感応膜、 5 5は保護膜、 5 6は取出電極である。 前記保護膜 5 5は、 感応膜 5 4を含んでこの上に載置される電解質 4と前記取出電極 5とが接触することを防止するためのものである。
このようなマルチアレイセンサは、 次の手順で作製すればよい。 例えば、 厚さが 1 〔 m〕 程度、 2 0 〔mm〕 角程度の S◦ S基板を 熱酸化し、 厚さ 5 0 〔n m〕 のシリコン酸化膜を形成し、 この上にシリ コン窒化膜を厚さ 5 0 〔n m〕 程度に形成し絶縁体層 5 3を形成する。 次に、 フォトリソグラフィ一によりセンサとなる部分にレジスト膜を 形成し、 他の部分をエッチングで取り除き、 サファイア基板 (絶縁性基 板 5 1 ) 上に、 シリコン層 5 2及び絶縁体層 5 3の積層構造を島状に形 成する。 さらに、 フォ トリソグラフィ一により、 絶縁体層 5 3上に、 そ の周辺を除いてレジスト膜を形成し、 絶縁体層 5 3を選択的にエツチン グして、 シリコン層 5 2を露出させる。
次に、 蒸着により、 シリコン層 5 2にォ一ミックな取出電極 5 6を形 成し、 不要な部分のアルミ膜をリフトオフで取り除く。
次に、 この取出電極 5 6と電解質とが通電しないように、 スピンコー ト法により全体に、 耐薬品性のレジストからなる保護膜 5 5を形成する 。 そして、 絶縁体層 5 3上の感応膜 5 4となる部分に、 分子プローブと して、 一本鎖 D N Aを固定し、 これを囲むように電解質を載置する。 そして、 この電解質中に基準電極及び対向電極を設け、 対向電極には 、 バイアス電圧と共に交流電気信号を印加する。
これによつて、 夕一ゲッ ト D N Aが分子プローブとハイブリダィズす れば、 ボル夕モグラフにおいて、 光検出電流がシフトすることから D N Aを検出することが可能となる。
ここで、 通常、 L A P S法においては、 分子プローブを含むアレイ一 点一点を逐次読み出していくため、 ァレイ数の増大と共に測定時間が増 加するという問題がある。 しかしながら、 半導体層への剌激として交流 電気信号を用いる場合、 各アレイ毎に取出電極 5 6が形成されているか ら、 多数のアレイに対し、 同時に測定を行うことができる。
なお、 上述の特定分子検出用の分子検出センサにおいては、 分子プロ ーブとして測定したい遺伝子配列に対して相補的な配列を有する分子プ ローブを用い、 核酸又は核酸誘導体、 つまり遺伝子配列の検出に用いる ようにした場合について説明したが、 これに限るものではなく、 特定の 分子と結合するものであれば適用することができ、 これによつて、 前記 特定の分子を検出することが可能となる。
ここで、 図 2 5に示す、 特定分子検出用の分子検出センサを用いて、 光電流値の測定を行い、 ボルタモグラフを得た。
前記分子検出センサは、 図 2 5に示すように、 サファイア基板 1 1及 ぴシリコン層 2からなる S O S基板 1 l aを用いて、 次の手順で形成し た。
まず、 シリコン層 2の膜厚が 1 〔 u m〕 の S O S基板 1 1 aを酸素雰 囲気中で熱酸化し、 膜厚 5 0 〔n m〕 の酸化シリコン層 3 bを形成し、 さらにその上に、 C V D法を用いて膜厚 5 0 〔n m〕 の窒化シリコン層 3 aを形成した。
次に、 シリコン層 2にォーミックな取出電極 6を形成した。 すなわち 、 フォトリソグラフィ一により、 窒化シリコン層 3 aの上に、 そのほぼ 中央に 1 6 Cmm^ ] のレジスト膜を形成し、 その後、 R I Eにより、 レジスト膜によって保護された部分以外の窒化シリコン層 3 a及び酸化 シリコン層 3 bを除去し、 取出電極を形成する部分のシリコン層 2を露 出させる。 そして、 ここにアルミを蒸着し、 リフトオフ法によりレジス ト膜と共に不要な部分のアルミ膜を除去する。 これによつて、 図 2 6に 示すように、 シリコン層 2の中央部に窒化シリコン層及び酸化シリコン 層からなる絶縁体層 3が配置され、 その周囲を取出電極 6としてアルミ 電極が形成された分子検出センサが得られる。
次に、 分子プローブとなる一本鎖 D NAを絶縁体層 3上に固定し感応 膜 1 0を形成する。 この感応膜 1 0は、 絶縁体層 3の中央に 2 Cmm<^ 〕 程度の大きさに形成する。 これによつて、 図 2 6の上面図に示すよう に、 絶縁体層 3の中央に DNAプローブからなる感応膜 1 0が形成され る。
次に、 絶縁体層 3と電解質 4とが接するように、 この電解質 4を満た すための容器 4 aを圧着する。 このとき、 電解質 4が取出電極 6に触れ ないように、 0リング (図示せず) を介して圧着する。
そして、 容器 4 aに電解質 4を満たし、 この電解質 4中に基準電極 5 を投入し、 取出電極 6と基準電極 5との間に、 バイアス電圧 BVを印加 する。 さらに、 照射光として、 波長 4 7 5 Cnm] の青色 L E D 6 5、 6 6を用い、 図示しない遮光板を介して S O S基板 3の裏面側から照射 を行い、 取出電極 6及び基準電極 5間に設けた光電流信号処理部 7で処 理を行って光電流値の測定を行った。 なお、 遮光板の孔径は 0. 8 Cm τηφ である。 また、 測定は、 一本鎖 DN Αを固定した部分つまり感応 膜 1 0部分と、 感応膜 1 0を除く部分とで行い、 バイアス電圧 B Vを負 から正方向に変化させ、 得られた光電流値を記録し、 ボルタモグラフを 得た。
次に、 夕一ゲッ トとなる D N Aを電解質 4中に投入し、 ハイプリダイ ズさせ、 同様に光照射を行って測定を行った。
なお、 測定は、 ハイブリダイズ前に二回、 ハイブリダイズ後に二回、 行った。
図 2 7は、 光電流信号処理部 7の概略構成を示すブロック図である。 パーソナルコンピュータ等で構成される制御部 6 1によりロックインァ ンプ 6 2が制御されて変調光が生成される。 そして、 この変調光に応じ て L E Dドライノ 6 3が、 感応膜 1 0部分に光照射を行う L E D 6 5及 び感応膜 1 0を除く部分に光照射を行う L E D 6 6を駆動するようにな つている。 また、 光電流信号は、 フィルタ 6 4、 ロックインアンプ 6 2 を介して制御部 6 1に入力されて光電流量の測定が行われる。 そして、 バイアス電圧 B Vを変化させて光電流値を測定することによってボルタ モグラフが形成されるようになっている。
図 2 8及び図 2 9は、 このようにして得られたボル夕モグラフの一例 である。 なお、 横軸は、 バイアス電圧 〔V〕 、 縦軸は光電流の検出値 〔 n A ] である。
前記図 2 8は、 感応膜 1 0を除く部分に光照射を行う L E D 6 6を駆 動した場合の、 測定結果である。 ハイブリダィズ前とハイブリダィズ後 とでは変化がほとんど見られないことがわかる。
一方前記図 1 9は、 感応膜 1 0部分に光照射を行う L E D 6 5を駆動 した場合の測定結果である。 感応膜 1 0部分は、 D N Aのハイブリダィ ズにより、 ボル夕モグラフは 2 0 0 〔m V〕 程度、 正側にシフトしてい ることがわかる。
したがって、 分子プローブとなる一本鎖 D N Aを固定した部分で、 夕 —ゲッ トとなる D N Aが存在しこれがハイブリダイズすれば、 光電流値 の変化、 或いは DN Aを固定していないリファレンス部分との光電流値 の変化として、 タ一ゲッ トとなる DNAを非標識で検出することができ ることを確認できた。
また、 この場合、 バイアス電圧を一 3〜一 2. 5 〔V〕 の間で固定す れば、 ハイブリダィズによる光電流値の増加を検出することによって、 ハイブリダイズした D N Aを検出することができることになる。
図 3 0は、 上記特定分子検出用の分子検出センサにおいて、 シリコン 層 2の膜厚が 2 Cjum] の S O S基板を用いて、 同様にして DNAをハ イブリダィズさせた場合の、 ボルタモグラフの一例であって、 感応膜 1 0部分に光照射を行う L E D 6 5を駆動した場合の測定結果である。 感 応膜 1 0部分は、 DN Aのハイブリダィズにより、 そのボルタモグラフ は 2 0 0 〔mV〕 程度、 負側にシフトしていることがわかる。 したがつ て、 この場合には、 バイアス電圧 B Vを 1〜 1. 5 〔V〕 程度の間で固 定すれば、 ハイブリダイズによる光電流値の減少を検出することによつ て、 ハイブリダィズした DN Aを検出することができることになる。 図 3 1及び図 3 2は、 上記特定分子検出用の分子検出センサにおいて S 0 S基板に替えてバルクシリコン基板を用いて、 同様にして DN Aを ハイブリダイズさせた場合の、 ボルタモグラフの一例である。
ここで、 前記バルクシリコン基板を用いた分子検出センサは、 次の手 順で形成した。
まず、 図 3 3 (a) 及び (b) の側面図及びその底面図に示すように 、 2. 5 4 〔 c m 〕 で厚みが 2 8 0 〔nm〕 のシリコン基板 2 0を 2 0 [mm) 角に切り出し、 これを、 酸素雰囲気中で熱酸化し、 膜厚 5 0 〔nm〕 のシリコン酸化膜 3 bを形成した。 さらに、 その上に、 C VD 法を用いて膜厚 5 0 〔nm〕 のシリコン窒化膜 3 aを形成した。
次に、 シリコン基板のもう一方の面にォーミックな取出電極 6を形成 した。 すなわち、 フォ トリソフグラフィ一により、 中央に、 1 6 [ m m φ ) のレジスト膜を形成し、 その後、 ここにアルミを蒸着し、 リフトォ フ法により、 レジスト膜と共に、 不要な部分のアルミ膜を除去した。 これによつて、 図 3 3に示すように、 裏面に 1 6 C m m ^ ] の光入射 部を囲むアルミ電極からなる取出電極 6が形成された分子検出センサを 得た。
そして、 図 3 4に示すように、 分子プローブとなる一本鎖 D N Aを絶 縁体層、 つまりシリコン窒化膜 3 a上に固定し、 分子プローブからなる 感応膜 1 0を形成した。 なお、 この感応膜 1 0は絶縁体層の中央に 2 [ mm 〕 程度の大きさで固定した。
そして、 この分子検出センサを用い、 以後上記実施例と同様に、 図 3 5に示すように、 容器 4 a内の電解質 4中に基準電極 5を投入し、 取出 電極 6と基準電極 5との間にバイアス電圧 B Vを印加し、 照射光として 波長が 9 4 5 〔n m〕 の赤外 L E D 6 5、 6 6を用いて、 取出電極 6及 び基準電極 5間に設けた光電流信号処理部 7で処理を行って光電流の測 定を行った。 この場合も上記実施例と同様に、 一本鎖 D N Aを固定した 部分、 つまり分子プローブ部分と、 分子プローブを除く部分とで測定を 行い、 バイアス電圧 B Vを負から正方向に変化させ、 光電流を測定した 。 次に、 ターゲッ トとなる D N Aを電解質中に投入し、 ハイブリダィズ させ、 同様にして光照射を行って測定を行った。 これによつて、 前述の 図 3 1及び図 3 2のボルタモグラフを得た。
図 3 1及び図 3 2から、 ハイブリダィズ前とハイブリダィズ後とでは ほとんど変化が見られないことがわかる。 つまり、 ノ ルクシリコン基板 を用いた上述の L A P Sでは、 D N Aを非修飾で検出することはできな かった。
図 3 6及び図 3 7は、 それぞれバルクシリコン基板及び S 0 S基板を 用いた場合の光電流の発生状況を表したものである。
図 3 6に示すように、 ノ ルクシリコン基板を用い、 シリコン基板 2 0 、 絶縁体層 3、 電解質 4をこの順に積層した分子検出センサでは、 9 4 5 〔nm〕 程度の赤外光を用いてシリコン基板 2 0側から光照射を行つ ても、 光は 6 0 C/im] 程度しか浸透しない。 光電流となるためには空 乏層 1 0 3までキャリアを拡散させる必要があるが、 その過程で再結合 等により失われるキヤリアも存在する。
これに対し、 図 3 7に示すように、 S O S基板を用い、 光透過性基板 1、 シリコン層 2、 絶縁体層 3、 電解質 4をこの順に積層した分子検出 センサでは、 空乏層 1 0 3は、 条件によっては、 光透過性基板 1 とシリ コン層 2との界面付近まで空乏層 1 0 3が伸びており、 空乏層 1 0 3中 で光励起キャリアを発生させることができる。 したがって、 光励起キヤ リァのほとんどを、 電界の力により、 ドリフト電流として取り出すこと が可能である。
したがって、 バルクシリコン基板であっても、 S O S基板と同様に空 乏層 1 0 3中で光励起キャリアを発生させることができれば、 DNAを 非標識で検出することができる。
このように、 バルクのシリコン基板を用いて空乏層及びその付近で光 励起キャリアを発生させるには、 絶縁体層がある面側から光を照射する ようにすればよい。
図 3 8は、 バルクシリコン基板を用いた分子検出センサの一例を示す 概略構成図である。
この分子検出センサは次の手順で作製する。
まず、 2. 5 4 〔 cm 〕 のシリコン基板 2 0を 2 0 [mm] 角に切 り出し、 これを、 酸素雰囲気中で熱酸化し、 膜厚 5 0 〔nm〕 のシリコ ン酸化膜を形成する。 さらに、 その上に、 CVD法を用いて膜厚 5 0 〔 n m ] のシリコン窒化膜を形成し、 絶縁体層 3を形成する。
この絶縁体層 3上に、 分子プローブとして一本鎖 D N Aを固定し、 こ の分子プローブを含む絶縁体層 3上に電解質 4を載置する。 この電解質 4の厚さは、 薄い方が好ましく、 1 〔 n!〕 〜 1 0 〔m m〕 程度が好ま しい。
この電解質 4上に、 この電解質 4を前記絶縁体層 3と共に挟むように 、 光透過性基板 1を載置する。
さらに、 電解質 4中に、 基準電極 5及び図示しない対向電極を設け、 次いで、 裏面にォーミックな電極を形成し、 これを取出電極 6とする。 そして、 上記と同様にして取出電極 6及び基準電極 5間に電圧を印加 し、 発光ダイォ一ド 9を用い、 光透過性基板 1側から、 光照射を行い、 これによつて誘起される光電流を光電流信号処理部 7で計測する。 なお、 前記光源の波長は、 シリコン基板 2 0の不純物濃度に応じて設 定され、 シリコン基板 2 0に生成される空乏層 1 0 3の最大の伸び幅よ りも光が深く浸透する波長を用いる。 感度としては、 空乏層 1 0 3の最 大の伸び幅と光の浸透深さが一致する程度の波長がより好ましい。
したがって、 この場合も、 空乏層 1 0 3中で、 光励起キヤリアを発生 することができ、 電解質 4中の化学量、 物質に応じた光電流値の変化を 検出することができるから、 上記のように S O S基板を用いた場合と同 様に非修飾で D N Aを検出することができる。
なお、 これに限らず、 例えば、 図 3 9に示すように、 電解質 4中に、 光ファイバ等を浸潰し、 電解質 4外部から電解質 4中に光を導入するよ うにしてもよい。 また、 防水処理を施した光源を電解質中に浸漬して、 半導体層及び絶縁体層の界面付近に光入射を行うようにしてもよい。 こ のようにした場合には、 電解質の厚さを考慮する必要がない。 また、 上記各実施の形態においては、 光の侵入深さが空乏層の最大伸 び幅とほぼ等しくなるように、 光の波長と半導体層の不純物濃度を設定 するのが望ましい。 つまり、 次式 ( 2 ) を満足するように設定するのが 望ましい。 なお、 ( 2 ) 式において、 左辺は、 光の侵入深さを表し、 右 辺は空乏層の最大伸び幅を表す。
λ/2 z k^ ( 2 ε s · ε。 · ( 2 f ) /qN) 1 2 ······ ( 2 )
Or = (kB - T/q) - 1 n (N/n i )
なお、 式中の λは入射光の波長、 kは消衰係数、 ε5 はシリコンの比 誘電率、 ε。 は真空の比誘電率、 qは電荷、 Nは不純物濃度、 (Df はフ ェルミポテンシャル、 kB はボルツマン定数、 Tは絶対温度、 n iは真 性キャリア濃度である。
つまり、 上述のように、 空乏層中で光励起キャリアを発生させること ができればよいから、 光の侵入深さと、 空乏層の最大伸び幅とがほぼ等 しくなるようにすればよく、 好ましくは、 光の侵入深さと空乏層の最大 伸び幅とがほぼ等しく、 且つ、 光の侵入深さが空乏層の最大伸び幅より も大きくなるように設定されることが望ましい。
したがって、 上記 ( 2 ) 式を満足するように、 電解質による光吸収等 を考慮し、 入射光の波長及び、 不純物濃度を設定すれば、 上記と同様に 空乏層中で、 光励起キャリアを発生することができ、 電解質中の化学量 、 物質に応じた光電流値の変化を検出することができるから、 上記のよ うに S◦ S基板を用いた場合と同様に非修飾で DNAを検出することが できる。
また、 上記各実施の形態において、 光透過性基板上のシリコン層を用 いた分子検出センサについては、 光透過性基板側から光照射等の刺激を 与えるようにした場合について説明したが、 これに限らず、 電解質側か ら剌激を与えるようにしてもよい。 また、 上記各実施の形態においては、 光透過性基板としてサファイア 基板等の絶縁体基板を用いているが、 これに限るものではなく、 半導体 層への刺激として交流電気信号を与える場合には適用できないが、 光照 射を行う場合等には光透過性基板として光透過性の導電性基板を用いる ことも可能である。
さらに、 上記特定分子検出用の分子検出センサにおいては、 上記第 1 から第 4の実施の形態を用いた担体基板上のシリコン層を適用すること が可能である。 このようにして作製した担体基板上のシリコン層を用い て特定分子を検出することによって、 より高精度に特定分子の検出を行 うことができる。 産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明によれば、 半導体層及び光透過性基板か らなる S O I基板の光電流特性を向上させることができるから、 高解像 度、 高感度、 高安定性に優れた性能を有する分子検出センサを得ること ができ、 また、 このような分子検出センサを用いてアレイセンサを構成 することによって、 高解像度、 高感度、 高安定性に優れた性能を有する ァレイセンサを得ることができる。
また、 半導体基板又は半導体層を刺激することにより誘起される電気 的特性の変化を検出することによって、 分子プローブと特定分子との結 合を検出できるようにしたことにより、 特定分子の検出を、 標識等を用 いることなく容易且つ速やかに行うことができる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶 縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射し 、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して分 子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記半導体層は単結 晶シリコン層であり、 且つ ( 0 0 4 ) 面の X線回折ロッキングカーブの ピークの半値幅が 1 0 0 0 〔arcsec〕 以下又はその欠陥密度が 1 X 1 0 8 〔個/ c m 2 〕 以下であることを特徴とする分子検出センサ。
2 . 前記単結晶シリコン層は、 その表面粗さが、 4 〔n m〕 以下である ことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の分子検出センサ。
3 . 前記単結晶シリコン層は、 その膜厚が 1 〔 n m〕 以上 1 X 1 0 5 〔 n m ] 以下であることを特徴とする請求の範囲第 1項又は第 2項記載の 分子検出センサ。
4 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶 縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射し 、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して分 子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記半導体層の、 前 記光透過性基板との界面付近に高濃度不純物が存在することを特徴とす る分子検出センサ。
5 . 前記高濃度不純物として、 1 X 1 0 ' 7〜 1 X 1 0 2 ° 〔c m— 3〕 の不 純物を添加することを特徴とする請求の範囲第 4項記載の分子検出セン サ。
6 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶 縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射し 、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して分 子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記半導体層と前記 光透過性基板との間に透明導電膜を設けたことを特徴とする分子検出セ ンサ。
7 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶 緣体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射し
、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して分 子検出を行うようにした分子検出センサにおいて、 前記光透過性基板は 導電性の基板であることを特徴とする分子検出センサ。
8 . 前記半導体層と前記光透過性基板との間、 及び前記光透過性基板の 光照射面の少なくとも何れか一方に、 反射防止膜を設けたことを特徴と する請求の範囲第 1項乃至第 7項の何れかに記載の分子検出センサ。
9 . 前記反射防止膜の膜厚は、 照射される光の波長に応じて設定される ことを特徴とする請求の範囲第 8項記載の分子検出センサ。
1 0 . 前記半導体層の厚さは、 照射される光の波長に応じて設定される ことを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 9項の何れかに記載の分子検 出センサ。
1 1 . 前記光透過性基板は、 単結晶酸化物基板又は S i 0 2 を含むガラ ス基板であることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 1 0項の何れか に記載の分子検出センサ。
1 2 . 前記単結晶酸化物基板はサファイア基板であることを特徴とする 請求の範囲第 1 1項記載の分子検出センサ。
1 3 . 前記半導体層の厚さは、 1 0 〔 / m〕 以下であることを特徴とす る請求の範囲第 1項、 第 2項及び第 4項乃至第 1 2項の何れかに記載の 分子検出センサ。
1 4 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記 絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射 し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して 分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であって、 前記光 透過性基板上に第 1のシリコン層を成膜する成膜工程と、 前記第 1のシ リコン層を酸化性雰囲気中で熱処理して前記第 1のシリコン層の上方の みを酸化する酸化工程と、 当該酸化工程で形成されたシリコン酸化膜を 除去する除去工程と、 を備え、 当該除去工程後の第 1のシリコン層を前 記半導体層とすることを特徴とする分子検出センサの製造方法。
1 5 . 前記除去工程後の第 1のシリコン層の上に、 第 2のシリコン層を ェピタキシャル成長させるェピタキシャル工程、 を備え、 前記第 1のシ リコン層及び前記第 2のシリコン層の積層構造を前記半導体層とするこ とを特徴とする請求の範囲第 1 4項記載の分子検出センサの製造方法。
1 6 . 前記成膜工程の直後に、 前記第 1のシリコン層にシリコンイオン を注入し、 当該第 1のシリコン層の前記光透過性基板との界面側をァモ, ルファス化した後、 熱処理を行って再結晶化する再結晶化工程、 を備え ることを特徴とする請求の範囲第 1 4項又は第 1 5項記載の分子検出セ ンサの製造方法。
1 7 . 前記ェピタキシャル工程で形成した第 2のシリコン層を前記酸化 工程における第 1のシリコン層とみなして前記酸化工程及び除去工程及 び前記ェピタキシャル工程を 2回以上行い、 これにより形成されたシリ コン層の積層構造を前記半導体層とすることを特徴とする請求の範囲第 1 5項記載の分子検出センサの製造方法。
1 8 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記 絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射 し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して 分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であって、 前記光 透過性基板上に第 1のシリコン層を成膜する成膜工程と、 前記第 1のシ リコン層にシリコンイオンを注入し、 当該第 1のシリコン層の前記光透 過性基板との界面側をアモルファス化した後、 熱処理を行つて再結晶化 する第 1の再結晶化工程と、 当該第 1の再結晶化工程後に前記第 1のシ リコン層を酸化性雰囲気中で熱処理して前記第 1のシリコン層の上方の みを酸化する酸化工程と、 当該酸化工程で形成されたシリコン酸化膜を 除去する除去工程と、 当該除去工程後に残された第 1のシリコン層の上 に、 第 2のシリコン層をェピタキシャル成長させるェピタキシャル工程 と、 前記第 1のシリコン層と第 2のシリコン層との積層構造にシリコン イオンを注入し、 当該積層構造の前記光透過性基板との界面側をァモル ファス化した後、 熱処理を行つて再結晶化する第 2の再結晶化工程と、 を備え、 当該第 2の再結晶化工程後のシリコン層の積層構造を、 前記半 導体層とすることを特徴とする分子検出センサの製造方法。
1 9 . 前記第 の再結晶化工程後に、 前記第 2のシリコン層の上に第 3 のシリコン層をェピタキシャル成長させる工程を備え、 前記第 3のシリ コン層を形成した後のシリコン層の積層構造を、 前記半導体層とするこ とを特徴とする請求の範囲第 1 8項記載の分子検出センサの製造方法。
2 0 . 前記第 1の再結晶化工程後に、 前記第 2のシリコン層を酸化性雰 囲気中で熱処理して前記第 2のシリコン層の上方のみを酸化する工程と 、 当該酸化により形成されたシリコン酸化膜を除去する工程と、 当該ェ 程後に残された第 2のシリコン層の上に第 3のシリコン層をェピタキシ ャル成長させる工程と、 を備え、 前記第 3のシリコン層を形成した後の シリコン層の積層構造を、 前記半導体層とすることを特徴とする請求の 範囲第 1 8項記載の分子検出センサの製造方法。
2 1 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記 絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射 し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して 分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であって、 単結晶 シリコン基板表面に水素又は希ガスイオンをイオン注入して前記単結晶 シリコン基板内に水素又は希ガスイオンのイオン拡散領域を形成するェ 程と、 前記単結晶シリコン基板の前記イオン拡散領域と前記光透過性基 板とを貼り合わせる工程と、 当該貼り合わせ工程後、 熱処理を行い前記 単結晶シリコン基板をその前記イオン拡散領域で劈開させ、 前記光透過 性基板上に単結晶シリコン層を形成する工程と、 前記単結晶シリコン層 の劈開面を研磨し平坦化する工程と、 を備え、 平坦化した前記単結晶シ リコン層を前記半導体層とすることを特徴とする分子検出センサの製造 方法。
2 2 . 光透過性基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記 絶縁体層の上に電解質を載置した状態で前記光透過性基板側から光照射 し、 当該光照射により誘発される光電流に基づき前記電解質を定量して 分子検出を行うようにした分子検出センサの製造方法であつて、 単結晶 シリコン基板の表面を陽極化成し多孔質単結晶シリコン層を形成するェ 程と、 前記多孔質単結晶シリコン層を水素雰囲気中でァニールし、 前記 多孔質単結晶シリコン層の最表面を単結晶シリコンィヒし、 この上に単結 晶シリコン層をェピタキシャル成長させる工程と、 前記単結晶シリコン 層の上に前記光透過性基板を接着する工程と、 前記単結晶シリコン基板 及び多孔質単結晶シリコン層を除去する工程と、 当該除去する工程後に 露出した前記単結晶シリコン層の露出面を平坦化する工程と、 を備え、 平坦化した前記単結晶シリコン層を前記半導体層とすることを特徴とす る分子検出センサの製造方法。
2 3 . 前記半導体層と前記光透過性基板との間に透明導電性膜を配置す る工程を備えることを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 2 2項の何 れかに記載の分子検出センサの製造方法。
2 4 . 前記半導体層の前記光透過性基板との界面付近に高濃度不純物を 配置する工程を備えることを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 2 3 項の何れかに記載の分子検出センサの製造方法。
2 5 . 前記半導体層と前記光透過性基板との間に、 反射防止膜を形成す る工程を備えることを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 2 4項の何 れかに記載の分子検出センサの製造方法。
2 6 . 前記光透過性基板の光照射側の面に反射防止膜を形成する工程を 備えることを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 2 5項の何れかに記 載の分子検出センサの製造方法。
2 7 . 前記反射防止膜の膜厚を、 照射する光の波長に応じて設定するこ とを特徴とする請求の範囲第 2 5項又は第 2 6項記載の分子検出センサ の製造方法。
2 8 . 前記光透過性基板は、 単結晶酸化物基板又は S i 0 2 を含むガラ ス基板であることを特徴とする請求の範囲第 1 4項乃至第 2 7項の何れ かに記載の分子検出センサの製造方法。
2 9 . 前記単結晶酸化物基板はサファイア基板であることを特徴とする 請求の範囲第 2 8項記載の分子検出センサの製造方法。
3 0 . 半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 前記絶縁体層の上に複 数の感応膜が形成され、 前記感応膜の上に電解質を載置した状態で前記 半導体層側の面から光照射し、 当該光照射により誘発される光電流を、 前記電解質及び前記半導体層に設けられた電極により検出し、 これに基 づき前記電解質を定量して分子検出を行うようにした分子検出センサで あって、 前記複数の感応膜は、 前記半導体層に設けられた電極からの距 離が同一となる位置に配置されていることを特徴とする分子検出センサ
3 1 . 前記半導体層に設けられた電極は、 前記半導体層の前記電解質の 下方に相当する領域の周囲に設けられ、 前記感応膜は、 前記半導体層に 設けられた電極からの距離が同一となる位置に、 複数列設けられている ことを特徴とする請求の範囲第 3 0項記載の分子検出センサ。
3 2 . 半導体層上に積層された絶縁体層と、 当該絶縁体層上に固定され 且つ特定分子と結合する分子プローブと、 少なくとも前記分子プローブ を含む前記絶縁体層上に配置された電解質と、 前記半導体層を刺激する ことにより誘起される電気的特性を検出する電気的特性検出手段と、 を 備え、 前記分子プローブが前記電解質中の前記特定分子と結合すること により生じる前記電気的特性の変化を検出することによって、 前記電解 質中の前記特定分子を検出することを特徴とする分子検出センサ。
3 3 . 前記半導体層は担体基板上に設けられていることを特徴とする請 求の範囲第 3 2項記載の分子検出センサ。
3 4 . 前記特定分子は、 核酸又は核酸誘導体であることを特徴とする請 求の範囲第 3 2項又は第 3 3項記載の分子検出センサ。
3 5 . 前記分子プローブは複数配置されていることを特徴とする請求の 範囲第 3 2項乃至 3 4項の何れかに記載の分子検出センサ。
3 6 . 前記分子プローブが存在する部位と前記分子プローブが存在しな い部位との差動測定を行い、 この測定結果に基づいて前記分子検出を行 うことを特徴とする請求の範囲第 3 2項乃至第 3 5項の何れかに記載の 分子検出センサ。
3 7 . 前記電気的特性検出手段は、 前記電解質及び前記半導体層間に、 前記分子プローブと前記特定分子とを結合させるための電界を印加した 後、 この電界の印加による前記分子プローブと前記特定分子との不完全 結合を解くための電界を印加するようになっていることを特徴とする請 求の範囲第 3 2項乃至第 3 6項の何れかに記載の分子検出センサ。
3 8 . 前記電解質中に、 前記特定分子に対して結合性を有し且つ前記分 子プローブとは異なる結合性分子を導入することを特徴とする請求の範 囲第 3 2項乃至第 3 7項の何れかに記載の分子検出センサ。
3 9 . 前記結合性分子は、 インタ一カレ一タであることを特徴とする請 求の範囲第 3 8項記載の分子検出センサ。
4 0 . 前記結合性分子は、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する 夕ンパク質であることを特徴とする請求の範囲第 3 8項記載の分子検出 センサ。
4 1 . 前記タンパク質は、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する 抗体であることを特徴とする請求の範囲第 4 0項記載の分子検出センサ
4 2 . 前記結合性分子は、 核酸又は核酸誘導体であることを特徴とする 請求の範囲第 3 8項記載の分子検出センサ。
4 3 . 前記結合性分子は、 ウレァ一ゼ修飾されていることを特徴とする 請求の範囲第 3 8項乃至第 4 2項の何れかに記載の分子検出センサ。
4 4 . 前記結合性分子は、 フ 口セン修飾されていることを特徴とする 請求の範囲第 3 8項乃至第 4 2項の何れかに記載の分子検出センサ。
4 5 . 前記担体基板は光透過性の基板であることを特徴とする請求の範 囲第 3 3項乃至第 4 4項の何れかに記載の分子検出センサ。
4 6 . 前記半導体層は、 単結晶シリコン層であることを特徴とする請求 の範囲第 3 2項乃至第 4 5項の何れかに記載の分子検出センサ。
4 7 . 前記単結晶シリコン層は、 (0 0 4 ) 面の X線回折ロッキング力 —ブのピークの半値幅が 1 0 0 0 Carcsec;〕 以下又はその欠陥密度が 1 X 1 0 8 〔個/ c m 2 〕 以下であることを特徴とする請求の範囲第 4 6 項記載の分子検出センサ。
4 8. 前記単結晶シリコン層は、 その表面粗さが、 4 〔nm〕 以下であ ることを特徴とする請求の範囲第 4 6項又は第 4 7項記載の分子検出セ ンサ。
4 9. 前記半導体層の厚さは、 照射される光の波長に応じて設定される ことを特徴とする請求の範囲第 3 2項乃至第 4 8項の何れかに記載の分 子検出センサ。
5 0. 前記半導体層の厚さは、 1 0 〔 m〕 以下であることを特徴とす る請求の範囲第 3 2項乃至第 4 9項の何れかに記載の分子検出センサ。
5 1. 前記半導体層の、 前記光透過性基板との界面付近に、 濃度が 1 X 1 017〜 1 X 1 02。 [cm-3] の高濃度不純物が存在することを特徴と する請求の範囲第 4 5項乃至第 5 0項の何れかに記載の分子検出センサ
5 2. 前記半導体層と前記光透過性基板との間に透明導電膜を設けたこ とを特徴とする請求の範囲第 4 5項乃至第 5 0項の何れかに記載の分子 検出センサ。
5 3. 前記半導体層と前記光透過性基板との間、 及び前記光透過性基板 の光照射面の少なくとも何れか一方に、 反射防止膜を設けたことを特徴 とする請求の範囲第 4 5項乃至第 5 2項の何れかに記載の分子検出セン サ。
5 4. 前記反射防止膜の膜厚は、 照射される光の波長に応じて設定され ることを特徴とする請求の範囲第 5 3項記載の分子検出センサ。
5 5. 前記担体基板及び前記半導体層は、 サファイア単結晶基板及びシ リコン単結晶層からなる S 0 S基板であることを特徴とする請求の範囲 第 3 3項乃至第 5 4項の何れかに記載の分子検出センサ。
5 6. 前記担体基板は、 導電性の基板であることを特徴とする請求の範 囲第 3 3項乃至第 5 5項の何れかに記載の分子検出センサ。
5 7 . 前記刺激は、 変調された電、磁波であることを特徴とする請求の範 囲第 3 3項乃至第 5 6項の何れかに記載の分子検出センサ。
5 8 . 前記刺激は、 変調された電気信号であり、 且つ、 前記担体基板は 絶縁性の基板であることを特徴とする請求の範囲第 3 3項乃至第 5 6項 の何れかに記載の分子検出センサ。
5 9 . 担体基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 この絶縁 体層の上に特定分子と結合する分子プローブを固定し、 さらに、 少なく とも前記分子プローブを含む前記絶縁体層上に電解質を配置した状態で 前記半導体層を刺激してこれにより誘起される電気的特性を検出し、 前 記分子プロ一ブが前記電解質中の前記特定分子と結合することにより生 じる前記電気的寺性の変化を検出することにより、 前記電解質中の前記 特定分子を検出することを特徴とする分子検出方法。
6 0 . 担体基板上に半導体層及び絶縁体層をこの順に積層し、 この絶縁 体層の上に特定分子と結合する分子プローブを固定し、 さらに、 少なく とも前記分子プローブを含む前記絶縁体層上に配置した電解質中に、 前 記特定分子に対して結合性を有し且つ前記分子プローブとは異なる結合 性分子を導入し、 前記半導体層を刺激してこれにより誘起される電気的 特性を検出し、 前記分子プローブと前記電解質中の前記特定分子との結 合及び、 前記特定分子と前記結合性分子との結合により生じる前記電気 的特性の変化を検出することにより、 前記電解質中の前記特定分子を検 出することを特徴とする分子検出方法。
6 1 . 半導体層上に積層された絶縁体層と、 当該絶縁体層上に固定され 且つ特定分子と結合する分子プローブと、 少なくとも前記分子プローブ を含む前記絶縁体層上に電解質と、 前記半導体層を刺激することにより 誘起される電気的特性を検出する電気的特性検出手段と、 を備え、 前記 分子プローブが前記電解質中の前記特定分子と結合することにより生じ る前記電気的特性の変化を検出することによって、 前記電解質中の前記 特定分子を検出するようにした分子検出センサであって、 前記刺激は、 前記電解質側から与えるようになつていることを特徴とする分子検出セ ンサ。
6 2 . 前記特定分子は、 核酸又は核酸誘導体であることを特徴とする請 求の範囲第 6 1項記載の分子検出センサ。
6 3 . 前記分子プローブは複数配置されていることを特徴とする請求の 範囲第 6 1項又は第 6 2項記載の分子検出センサ。
6 4 . 前記分子プローブが存在する部位と前記分子プローブが存在しな い部位との差動測定を行い、 この測定結果に基づいて前記分子検出を行 うことを特徴とする請求の範囲第 6 1項乃至第 6 3項の何れかに記載の 分子検出センサ。
6 5 . 前記電気的特性検出手段は、 前記電解質及び前記半導体層間に、 前記分子プローブと前記特定分子とを結合させるための電界を印加した 後、 この電界の印加による前記分子プローブと前記特定分子との不完全 結合を解くための電界を印加するようになっていることを特徴とする請 求の範囲第 6 1項乃至第 6 4項の何れかに記載の分子検出センサ。
6 6 . 前記電解質中に、 前記特定分子に対して結合性を有し且つ前記分 子プローブとは異なる結合性分子を導入することを特徴とする請求の範 囲第 6 1項乃至第 6 5項の何れかに記載の分子検出センサ。
6 7 . 前記結合性分子は、 インタ一カレ一夕であることを特徴とする請 求の範囲第 6 6項記載の分子検出センサ。
6 8 . 前記結合性分子は、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する タンパク質であることを特徴とする請求の範囲第 6 6項記載の分子検出 センサ。
6 9 . 前記タンパク質は、 核酸又は核酸誘導体に対して結合性を有する 抗体であることを特徴とする請求の範囲第 6 8項記載の分子検出センサ
7 0 . 前記結合性分子は、 核酸又は核酸誘導体であることを特徴とする 請求の範囲第 6 6項記載の分子検出センサ。
7 1 . 前記結合性分子は、 ゥレアーゼ修飾されていることを特徴とする 請求の範囲第 6 6項乃至第 7 0項の何れかに記載の分子検出センサ。
7 2 . 前記結合性分子は、 フエ口セン修飾されていることを特徴とする 請求の範囲第 6 6項乃至第 7 0項の何れかに記載の分子検出センサ。
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