WO2002049696A1 - Element de protection et ensemble logement-aiguille - Google Patents

Description

明 細 書 プロテク夕および留置針組立体 発明の分野

本発明は、 プロテクタおよび留置針組立体に関する。 より詳しくは、 例えば、 輪液や採血の際に血管等に穿刺して使用される針体のプロテクタ、 および、 これ を備えた留置針組立体に関する。 従来の技術の説明

患者に対し輪液を行う際などには、 輸液ラインと接続される留置針を患者の血 管に穿刺し、 留置してこれを行う。 このような留置針は、 中空の外針と、 外針の 基端に固着された外針ハブと、 前記外針内に挿入され、 先端に鋭利な針先を有す る内針と、 内針の基端に固着された内釙ハブとで構成されている。

この留置針を患者の血管に穿刺する際には、 内釙を外針内に挿入し、 内針の針 先を外針の先端から突出させた状態で穿刺操作を行う。 そして、 内針の針先が血 管内に到達すると、 針先の開口より流入した血液は、 内針の内腔を通り、 透明な 内針ハブの内部に流入する （フラッシュバック） 。 これにより、 内針が血管を確 保したことが確認できる。

このフラッシュバックを確認したら、 内針および外針をわずかに進め、 外針の 先端を血管内に揷入する。 次いで、 外釙を手で把持しつつ、 内釙を外針から抜き 取り、 外針ハブに輪液ラインのコネクタを接続する。 そして、 接続された輸液ラ ィンおよび外釙を介して輸液の投与を行う。

ところで、 外針から抜き取られた内針は、 不要となるため、 廃棄に供され るが、 これをそのまま廃棄すると、 廃棄作業者等が誤って内針の針先で指等を指 すという事故が起きるおそれがある。 特に、 内針の表面や内部には、 血液が 付着、 残留しているため、 このような誤剌により、 感染を起こすおそれもあ る。

従って、 使用済みの内釙は、 針先が刺さらないような硬質の頑丈な専用容器に 収納して廃棄することが好ましいが、 そのような専用容器を常に携帯して各患者 のもとに持ち運ぶことは、 業務の効率化の観点から困難であるため、 現状では、 使用済みの内針は、 留置針キットを収納していた開封済みの包材に入れて廃棄す るか、 あるいは、 釙先にキャップを被せて破棄するなどの対策がとられてい る。

しかしながら、 このような内針を包材で包む作業やキヤップを被せる作業に際 しても、 内針の針先で作業者の手を誤刺したりしないようにするために、 細心の 注意を払わねばならず、 使用後の内針の廃棄処理に多大な手間を要するという問 題がある。

本発明の目的は、 簡単な操作で使用後の針体の釙先を収納することができ、 廃 棄処理等に際し安全性の高いプロテク夕、 および、 これを備えた留置針組立体を 提供することにある。 発明の要約

このような目的は、 下記 （1 ) 〜 （2 5 ) の本発明により達成される。

( 1 ) 先端に鋭利な釙先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能 な第 1の姿勢と、 前記針体の釙先を覆った状態で、 前記針体の長手方向に沿った 相対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 前記針体が貫通可能な孔が形成された板状のブレーキ部を有し、

前記第 2の姿勢のとき、 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり小さくなることにより、 前記ブレーキ部の孔の内面と前記針 体の外周面との間の摩擦力が発生または増大し、 これにより前記針体の長手方向 に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテ クタ。

( 2 ) 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が小さくなるように前記 ブレーキ部を付勢する付勢手段と、

前記第 1の姿勢のとき、 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜を規定する傾 斜規定手段とを有し、

前記針体の先端部まで移動したときに前記傾斜規定手段による規定が解除 され、 これにより前記第 1の姿勢から前記第 2の姿勢になるよう構成されている 上記 （1 ) に記載のプロテク夕。

( 3 ) 先端に鋭利な釙先を有する釙体の長手方向に沿って相対的に移動可能 な第 1の姿勢と、 前記針体の釙先を覆った状態で、 前記釙体の長手方向に沿った 相対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 弾性を有する板状部材を変形してなる本体部を有し、 前記本体部に、 前記針体が貫通可能な第 1の孔および第 2の孔がそれぞれ形成 されており、

前記本体部の針先側に、 前記針体が貫通可能な貫通部が形成されており、 前記第 1の姿勢のとき、 前記針体が前記第 1の孔、 前記第 2の孔および前記貫 通部を貫通しており、 その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記貫 通部と前記釙体との係合が解除されることにより、 前記針体に対する前記第 1の 孔近傍の板状部材の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり小さくなるように弾性 的に変形して前記第 2の姿勢となり、 これにより前記第 1の孔の内面と前記針体 の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対 的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテク夕。

( 4 ) 前記第 2の姿勢のとき、 前記本体部の先端部が前記針体の針先を覆う 上記 （3 ) に記載のプロテク夕。

( 5 ) 前記本体部は、 全体形状としてほぼ S字状をなし、 前記第 1の孔は、 前記本体部の中央部に形成されており、 前記第 2の孔は、 前記本体部の針元側に 形成されている上記 （3 ) または （4 ) に記載のプロテクタ。

( 6 ) 前記貫通部と前記第 1の孔との間に位置し、 前記第 2の姿勢において 前記針体の針先の横ずれを防止する横ずれ防止部材を有する上記 （3 ) ない し （5 ) のいずれかに記載のプロテク夕。

( 7 ) 前記貫通部と前記第 1の孔との間に位置し、 前記第 2の姿勢において 前記釙体の針先を覆うキャップ部材を有する上記 （3 ) ないし （6 ) のいずれか に記載のプロテク夕。

( 8 ) 前記第 2の姿勢において前記プロテク夕の先端部を基端方向に押圧し たとき、 前記ブレーキ部または前記第 1の孔近傍の板状部材に対し、 前記傾斜角 度がより小さくなるような力を作用する手段を有する上記 （1) ないし （7) の いずれかに記載のプロテク夕。

(9) 前記第 1の姿勢のとき、 前記釙体に対する前記ブレーキ部または前記 第 1の孔近傍の板状部材の傾斜角度は、 ほぼ直角である上記 （1) ないし （8) のいずれかに記載のプロテクタ。

(10) 前記第 1の孔 （前記孔） の内径は、 前記釙体の外径より 0. 01〜 lmm大きい上記 （1) ないし （9) のいずれかに記載のプロテク夕。

(11) 前記ブレーキ部または前記板状部材の厚さは、 0. 05〜2mmで ある上記 （1) ないし （10) のいずれかに記載のプロテク夕。

(12) 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可 能な第 1の姿勢と、 前記針体の針先を覆った状態で、 前記釙体の長手方向に沿つ た相対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 金属材料で構成され、 前記針体が貫通可能な孔が形成された板状のブレーキ 部と、

前記ブレーキ部の前記釙体に対する傾斜角度が小さくなるように前記ブレーキ 部を付勢する付勢手段と、

前記ブレーキ部より針先側に設けられ、 前記第 1の姿勢のとき前記釙体に当接 することにより前記ブレーキ部の前記針体に対する傾斜角度が変化することを防 止する機能を有し、 樹脂材料で構成された釙体当接部とを備え、

前記第 1の姿勢から、 前記針体に対して相対的に先端方向に移動し、 前記針体 当接部が前記針先を通過して前記針体から離反することにより、 前記付勢手段に よって前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり 小さくなるように変形して前記第 2の姿勢となり、 これにより前記孔の内面と前 記針体の表面との間の摩擦力が発生または増大して前記釙体の長手方向に沿った 相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテク夕。

(13) 前記付勢手段は、 前記ブレーキ部から連続する板状部材であり、 そ の弹性力によって付勢力を発揮する上記 （12) に記載のプロテク夕。

(14) 前記第 1の姿勢において、 前記針体当接部の前記釙体に対する摺動 抵抗が前記ブレーキ部の前記針体に対する搐動抵抗より小さい上記 （12) また は （13) に記載のプロテク夕。

(15) 前記第 2の姿勢において、 前記釙先を先端側から覆う針先受け部を 有する上記 （12) ないし （14) のいずれかに記載のプロテク夕。

(16) 少なくとも前記釙体当接部近傍の部位を覆うカバー部を有し、 該カ バー部は、 前記第 2の姿勢において前記針体当接部近傍の部位を先端方向に移動 させる操作を妨げる機能を有する上記 （12) ないし （15) のいずれかに記載 のプロテク夕。

(17) 前記ブレーキ部より針元側に、 前記針体が貫通可能な第 2の孔が形 成されている上記 （12) ないし （16) のいずれかに記載のプロテクタ。

(18) 前記第 2の孔近傍の部材から連続して設けられ、 少なくとも前記釙 体当接部近傍の部位を覆うカバ一部を有し、

前記第 2の姿勢において前記カバー部に基端方向および Zまたは先端方向の外 力を付与したとき、 前記第 2の孔近傍の部材に対し、 前記針体に対する前記第 2 の孔近傍の部材の傾斜角度が小さくなるような力が作用する上記 （17) に記載 のプロテク夕。

(19) 前記第 2の姿勢において、 前記針体の釙先をほぼ全周から覆う上記 (12) ないし （18) のいずれかに記載のプロテク夕。

(20) 先端に鋭利な針先を有する内針と、

前記内針に装着された上記 （1) ないし （19) のいずれかに記載のプロテク 夕と、

前記内針の基端側に設置された内釙八ブと、

前記内針が挿入可能な中空の外針と、

前記外針の基端側に設置された外釙ハブとを備えることを特徴とする留置針組 立体。

(21) 前記外針八ブと前記プロテク夕とを連結する連結手段を有する上記 (20) に記載の留置針組立体。

(22) 前記内釙八ブを前記外針八ブに対し相対的に基端方向に移動す ると、 前記連結手段により、 前記プロテク夕が前記内針に対して相対的に先端方 向に移動して前記第 1の姿勢から前記第 2の姿勢に変位するまで前記プロテク夕 と前記ハブ付き外針との連結状態が維持され、

前記プロテク夕が前記第 2の姿勢に変位した後、 前記プロテク夕と前記外針ハ ブとが分離可能である上記 （21) に記載の留置針組立体。

(23) 前記連結手段は、 前記プロテク夕と前記外針ハブとが分離するとき に破断する破断部を有する上記 （21) または （22) に記載の留置釙組立 体。

(24) 前記連結手段は、 前記プロテク夕に基端側から当接する当接部材を 有する上記 （2 1 ) ないし （2 3 ) のいずれかに記載の留置針組立体。

本発明によれば、 簡単な操作で、 迅速かつ安全に、 使用後の針体をプロテク夕 で覆うことができ、 廃棄処理等に際し、 誤って針先で手指等を刺すという事故が なく、 衛生面、 安全面で極めて優れたプロテク夕および留置針組立体を提供する ことができる。

また、 本発明によれば、 極めて小型のプロテク夕で上記効果を達成することが でき、 プロテク夕は、 使用状態では針元部の僅かなスペースに収まる。 この ため、 プロテクタ設置スペースの確保が容易で、 特別な構造を持たない通常の針 体に装着して使用することができる。

また、 樹脂材料で構成された針体当接部を有する本発明のプロテク夕は、 第 1の姿勢において針体に対し円滑に （比較的小さい操作力で） 移動可能で ある。 よって、 プロテク夕で針先を覆う操作を迅速、 容易かつ確実に行うことが できる。

また、 プロテクタの本体部を板状部材を変形して形成した場合には、 極めて簡 単な構造で上記効果を達成することができる。

また、 横ずれ防止部材を有する場合には、 プロテク夕に対し強い横方向の外力 が作用したような場合にも、 針先の突出をより確実に防止することができる。 また、 本発明の留置針組立体では、 内針 （針体） に対しプロテク夕が離脱する のを防止するための加工 （凹部や凸部を形成するなど） が不要である。 これによ り、 内針の先端部を円滑な外周面を有するものとすることができ、 内針の強度の 低下ゃ剌通抵抗の増大等を招くことがないとともに、 製造が容易である。

また、 本発明の留置針組立体において連結手段を設けた場合には、 より簡単な 操作で、 より確実に内針の針先をプロテク夕で覆うことができ、 安全性、 操作性 のさらなる向上が図れる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明の第 1実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （使用状態） である。

図 2は、 本発明の第 1実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （釙先収納状態） である。

図 3は、 本発明の第 2実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （使用状態） である。

図 4は、 本発明の第 2実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （釙先収納状態） である。

図 5は、 本発明の第 3実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （使用状態） である。

図 6は、 本発明の第 3実施形態のプロテク夕を有する穿刺具 （注射針） を示す 側面図 （釙先収納状態） である。

図 7は、 本発明の第 4実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す断面 側面図であり、 プロテク夕は第 1の姿勢で示されている。

図 8は、 本発明の第 4実施形態のプロテクタを針体に装着した状態を示す側面 図であり、 プロテク夕は第 1の姿勢で示されている。

図 9は、 本発明の第 4実施形態のプロテク夕を針体に装着した状態を示す斜視 図であり、 プロテク夕は第 1の姿勢で示されている。 図 1 0は、 図 7に示すプロテク夕を第 2の姿勢で示した断面側面図である。 図 1 1は、 本発明の第 5実施形態のプロテクタを釙体に装着した状態を示す断 面側面図であり、 プロテクタは第 2の姿勢で示されている。

図 1 2は、 本発明の留置釙組立体 （組み立て状態） の実施形態を示す縦断面図 である。

図 1 3は、 図 1 2に示す留置釙組立体において、 内針ハブを外針八ブに対し相 対的に基端方向に移動した状態を示す縦断面図である。

図 1 4は、 プロテク夕の他の構成例を示すための本発明の留置針組立体の実施 形態を示す縦断面図である。

図 1 5は、 連結手段の他の構成例を示すための組み立て状態における外釙ハブ 付近の縦断面図である。 好適な実施の形態の説明

以下、 本発明のプロテクタを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に 説明する。

<プロテク夕の第 1実施形態 >

図 1および図 2は、 それぞれ、 本発明の第 1実施形態のプロテク夕を示す側面 図である。 なお、 以下では、 図 1および図 2中の針先側を 「先端」 、 ハブ側 を 「基端」 とし、 先端を上にした場合の左側を 「一端」 、 右側を 「他端」 として 説明する。

図 1および図 2に示す穿刺具 1 Aは、 先端部に鋭利な針先 4 1を有する針 管 （針体） 4と、 この針管 4に装着され、 針管 4の針先 4 1を収納可能なプロテ クタ 2 Aと、 針管 4の基端部に固定されたハブ 5とを備えている。 以下、 各部の 構成について説明する。

針管 4は、 中空釙であり、 例えば、 ステンレス鋼、 アルミニウムまたはアルミ ニゥム合金、 チタンまたはチタン合金のような金属材料で構成されている。 針管 4の先端部には、 鋭利な針先 4 1が形成されている。 この針先 4 1の形状は特に 限定されず、 本実施形態では、 針管 4の軸線に対し所定角度傾斜した刃面を有す る形状をなしている。

針管 4の基端部には、 ハブ 5が液密に固着 （固定） され、 針管 4の内腔とハブ 5の内部とが連通している。

針管 4のハブ 5に対する固着方法としては、 例えば、 力シメ、 融着 （熱融着、 高周波融着等） 、 接着剤による接着等の方法が挙げられる。

ハブ 5は、 ほぼ筒状の部材で構成され、 好ましくは透明 （無色透明） 、 着色透 明または半透明の樹脂で構成され、 内部の視認性が確保されている。

このハブ 5は、 基端方向に向かってその外径および内径が漸増するテ一パ状を なしている。 このテ一パ状部分には、 例えば、 シリンジ （図示せず） の先端部が 挿入され、 穿刺具 1 Aがシリンジに装着される。

ハブ 5の構成材料は、 特に限定されず、 例えば、 ポリエチレン、 ポリプロピレ ン、 ポリブタジエン、 エチレン一酢酸ビニル共重合体等のポリオレフイン、 ポリ 塩化ビニル、 ポリウレタン、 ポリスチレン、 ポリメチルメタクリレート、 ポ リカーポネート、 ポリアミド、 ポリエチレンテレフ夕レート、 ポリブチレンテレ フタレート等のポリエステル、 アクリル系樹脂、 A B S樹脂、 A S樹脂、 アイォ ノマー、 ポリアセタール、 ポリフエ二レンサルファイド、 ポリエーテルエーテル ケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。

プロテク夕 2 Aは、 弾性を有する板状部材を変形して （曲げ加工して） 形成さ れており、 長手方向ほぼ中央に位置する第 1の部位 （ブレーキ部） 2 1と、 針元 側 （基端側） に位置する第 2の部位 2 2と、 針先側 （先端側） に位置する第 3の 部位 2 3と、 第 1の部位 2 1と第 2の部位 2 2との他端部同士を接続する後方接 続部 2 4と、 第 1の部位 2 1と第 3の部位 2 3との一端部同士を接続する前方接 続部 2 5とを有している。 これにより、 プロテク夕 2 Aは、 全体形状としてほぼ S字状をなしている。

プロテク夕 2 Aの第 1の部位 2 1には、 ほぼ円形をなす第 1の孔 3 1が設けら れており、 第 2の部位 2 2には、 第 2の孔 3 2が設けられており、 第 3の部 位 2 3には、 第 3の孔 3 3が設けられている。 これら第 1の孔 3 1、 第 2の 孔 3 2および第 3の孔 3 3は、 針管 4が貫通可能な孔である。

また、 図示の構成では、 第 3の部位 2 3の他端部には、 内側に湾曲 （屈曲） す るカバー部 2 6が設けられている。

このようなプロテクタ 2 Aは、 穿刺具 1 Aの使用時 （生体などに穿刺する とき） には、 図 1に示す姿勢、 すなわち第 1の孔 3 1、 第 2の孔 3 2および第 3 の孔 3 3を針管 4が貫通 （揷通） した姿勢 （この姿勢を以下、 「第 1の姿勢」 と 言う。 ） になっている。 この第 1の姿勢のとき、 プロテク夕 2 Aは、 釙管 4に対 し長手方向に移動可能である。 通常は、 図 1に示すように、 プロテク夕 2 Aが針 管 4の基端部に位置する状態 （この状態を以下、 「使用状態」 と言う。 ） で穿刺 具 1 Aを使用する。

図示の構成では、 第 1の姿勢のとき、 第 1の部位 2 1、 第 2の部位 2 2および 第 3の部位 2 3は、 それぞれ針管 4に対しほぼ垂直になっており、 後方接続 部 2 4および前方接続部 2 5は、 それぞれ針管 4とほぼ平行になっている。 これ により、 第 1の姿勢において第 1の部位 2 1と後方接続部 2 4とのなす角度は、 ほぼ直角になっている。

これに対し、 プロテク夕 2 Aが針管 4に装着されず外力がかかっていない自然 状態 （外力を付与しない状態） においては、 第 1の部位 2 1と後方接続部 2 4と のなす角度は、 図 2に示す状態よりも小さく設定されている。 すなわち、 プロテ クタ 2 Aは、 第 1の部位 2 1と後方接続部 2 4とが開くように変形 （弾性変形） させられた状態で、 針管 4に装着されている。

この変形により、 プロテク夕 2 Aが針管 4に装着された状態では、 第 1の部位 2 1は、 針管 4に対する傾斜角度 （図 1中の 0および図 2中の で示す角度） が小さくなるような方向に付勢されている。 換言すれば、 プロテク夕 2 Αにおけ る第 1の部位 2 1と後方接続部 2 4との間の部分は、 その弾性によって第 1の部 位 2 1の針管 4に対する傾斜角度が小さくなるような方向に第 1の部位 2 1を付 勢する付勢手段となっている。

ここで、 第 1の部位 2 1の針管 4に対する傾斜角度は、 第 1の部位 2 1と針管 4とがなす角のどちら側を選択するかによって 2つの大きさで表すことができる が、 本明細書において 「第 1の部位 2 1の針管 4に対する傾斜角度」 とは、 後述 する第 2の姿勢のときに 9 0 ° 未満になる角 （小さい方の角） の角度を指すもの とする。 すなわち、 本実施形態においては、 図 1中の 0および図 2中の 0 ' で示 す角度である。 この角度を以下、 「第 1の部位傾斜角度」 と言う。

図 1に示す第 1の姿勢においては、 第 3の部位 2 3に形成された第 3の孔 3 3 を針管 4が貫通していることにより、 前記付勢手段の付勢力によって第 1の部位 傾斜角度が小さくなるようにプロテクタ 2 Aが変形することが阻止され、 前述し たように第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 0は、 ほぼ直角に保たれて いる。 換言すれば、 第 3の孔 3 3は、 第 1の姿勢において、 針管 4と係合するこ とにより、 第 1の部位傾斜角度 0をほぼ直角に規定する傾斜規定手段となってい る。

なお、 本実施形態における前記傾斜規定手段は、 第 3の孔 3 3に限らず、 針管 が貫通して係合可能な貫通部であればよく、 例えば周の一部が欠損したフック 状のものとなっていてもよい。

このような使用状態 （第 1の姿勢） ら、 プロテク夕 2 Aを針管 4に対し先端 方向に移動させていき、 釙先 4 1が第 3の部位 2 3の第 3の孔 3 3を通過す ると、 針管 4と第 3の孔 3 3との係合が解除される。 これにより、 プロテク 夕 2 Aは、 前記付勢手段の付勢力によって、 弹性的に図 2に示す姿勢 （この姿勢 を以下、 「第 2の姿勢」 と言う。 ） に変位 （変形） する。

すなわち、 第 2の姿勢では、 プロテク夕 2 Aは、 第 1の姿勢のときと比べ、 第 1の部位 2 1が後方接続部 2 4 (針管 4 ) に対し図 1中反時計方向に回動するよ うに変位 （変形） している。 これにより、 第 1の部位傾斜角度は、 第 1の姿勢の ときより小さくなつており、 θ ' く Q る Θ , となっている。

これに伴なつて、 第 3の部位 2 3、 前方接続部 2 5およびカバー部 2 6も後方 接続部 2 4 (針管 4 ) に対し変位 （回動） しており、 釙管 4の釙先 4 1の末 端は、 カバー部 2 6によって覆われた状態となっている。 このように、 プロテク 夕 2 Αが針管 4の釙先 4 1を覆った状態、 すなわち図 2に示す状態を以下、 「針 先収納状態」 と言う。

このような第 2の姿勢 （釙先収納状態） のとき、 プロテク夕 2 Aの第 1の部位 2 1が針管 4に対してブレーキとして機能することにより、 プロテクタ 2 Aは、 釙管 4の長手方向に沿った相対的な移動が禁止 （阻止） される。 すなわち、 前記 付勢手段の付勢力によって第 1の部位傾斜角度が第 1の姿勢のときょり小さくな ることにより、 第 1の孔 3 1の内面が針管 4の外周面に圧接され、 第 1の孔 3 1 の内面と釙管 4の外周面との間の摩擦力が発生または増大する。 この摩擦力が、 プロテク夕 2 Aに制動力として作用し、 針管 4の長手方向に沿つたプロテク夕 2 Aの移動を禁止 （阻止） する。

このような構成により、 穿刺具 1 Aにおいては、 一旦針先収納状態になると、 針管 4の針先 4 1がプロテク夕 2 Aを超えて突出することがない。 これにより、 廃棄処理等に際し、 誤刺を防止することができ、 安全性が高い。

また、 プロテク夕 2 Aは、 第 1の部位 2 1のブレーキ作用によって釙管 4に対 する長手方向の移動が禁止されるので、 針管 4にプロテク夕 2 Aを係止するため の特別な構造 （例えば、 局所的に外径を太くしたり、 外周部に凸部を設けたり、 ハブ 5とプロテク夕 2 Aとをヒモで結んだりするような構造） が不要である。 こ れにより、 針管 4の先端部を特別な加工等を施さない円滑な外周面を有するもの とすることができ、 強度の低下ゃ剌通抵抗の増大を招くことがない。 また、 同様 の理由からプロテクタ 2 Aは、 既存の釙体と組み合わせて使用することもでき、 汎用性が高い。

また、 本実施形態のプロテク夕 2 Aは、 第 2の姿勢においてプロテクタ 2 Aの 先端部を基端方向に押圧したとき、 第 1の部位 2 1 (第 1の孔 3 1近傍の板状部 材） に対し、 第 1の部位傾斜角度 0 ' がより小さくなるような力を作用する手段 を有する。

すなわち、 プロテク夕 2 Aに対し図 2中の矢印 Aで示すような押圧力を加えた とき、 この押圧力 Aは、 第 3の部位 2 3および前方接続部 2 5を介して第 1の部 位 2 1に伝達され、 第 1の部位傾斜角度 0 ' が小さくなるように作用する。 これ により、 第 1の孔 3 1の内面と釙管 4の外周面との間の摩擦力 （プロテク夕 2 A に作用する制動力） がさらに増大して押圧力 Aに対抗し、 プロテク夕 2 Aの移動 をより確実に禁止 （阻止） する。 このため、 押圧力 Aを加えた場合にも、 針先 4 1がプロテク夕 2 Aを超えて突出することがより確実に防止され、 特に安全性が 高い。

なお、 特に強い押圧力 Aが作用して、 万一プロテク夕 2 Aが基端方向に僅かに 移動した場合にも、 針先 4 1は、 カバ一部 2 6の内面に当接するため、 釙先 4 1 がプロテクタ 2 Aを超えて突出することはない。

また、 プロテク夕 2 Aに対し図 2中の矢印 Bで示すような押圧力を加えたとき にも、 同様に、 第 1の部位傾斜角度 0 ' が小さくなるように作用する。 これによ り、 押圧力 Bを加えた場合にも、 プ riテク夕 2 Aが針先 4 1から離脱する （抜け 落ちる） ことがより確実に防止され、 特に安全性が高い。

第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 0は、 特に限定されないが、 6 0 ° 以 上であるのが好ましく、 本実施形態のようにほぼ直角であるのがより好ましい。 また、 第 1の孔 3 1の内径 Dは、 針管 4の外径 dによってもその好ましい大きさ は異なるが、 通常、 針管 4の外径 dより 0 . 0 1〜 l mm程度大きいのが好まし く、 0. 0 5〜0 . 2 mm程度大きいのがより好ましい。 第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 Θや第 1の孔 3 1の内径 Dが前記範囲 にあることにより、 第 2の姿勢において、 第 1の孔 3 1の内面と針管 4の外周面 との間の摩擦力 （プロテク夕 2 Aに作用する制動力） が大きくなり、 針管 4の長 手方向に沿った相対的な移動がより確実に禁止 （阻止） される。

なお、 本発明においては、 第 1の孔 3 1は、 周の一部が欠損したもの （C字状 のものなど） であってもよい （第 2の？し 3 2についても同様） 。

また、 第 2の孔 3 2や第 3の孔 3 3の形状は、 針管 4に対し摺動可能であれば 円形に限らないが、 円形である場合には、 その内径は、 第 1の姿勢における摺動 抵抗を軽減する観点から、 第 1の孔 3 1の内径 Dより 0 . 0 5〜 1 mm程度大き いのが好ましい。'

プロテク夕 2 Aを形成する板状部材 （第 1の部位 2 1 ) の厚さは、 その構成材 料や針管 4の外径等によってもその好ましい値は異なるが、 通常、 0 . 0 5〜2 mm程度であるのが好ましく、 0 . 0 6〜0 . 2 mm程度であるのがより好まし い。 前記範囲において、 比較的厚いものとした場合には、 第 2の姿勢においてプ ロテク夕 2 Aに作用する制動力や針先 4 1の保護性が特に優れたものとなり、 比 較的薄いものとした場合には、 加工性や第 1の姿勢における針管 4に対する摺動 のし易さが特に優れたものとなる。

プロテク夕 2 Aを形成する板状部材の構成材料としては、 特に限定されず、 例 えば、 ステンレス鋼、 アルミニウムまたはアルミニウム合金、 鉄、 ニッケル 合金、 チタンまたはチタン合金、 銅または銅系合金等の各種金属材料や、 ポリエ チレン、 ポリプロピレン、 ポリブタジエン、 エチレン一酢酸ビエル共重合体等の ポリオレフイン、 ポリ塩化ビニル、 ポリウレタン、 ポリスチレン、 ポリメチルメ タクリレート、 ポリ力一ポネート、 ポリアミド、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、 アクリル系樹脂、 A B S樹脂、 A S樹脂、 アイオノマー、 ポリアセタール、 ポリフエ二レンサルファイド、 ポリ エーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられるが、 各種金属材料である のが好ましい。 また、 上述したような材料を 2種以上組み合わせて使用してもよ い。

次に、 穿剌具 1 Aの使用方法の一例について、 図 1および図 2に基づいて詳細 に説明する。

まず、 穿刺具 1 Aを使用状態 （図 1に示す状態） とし、 ハブ 5の基端部にシリ ンジ （図示せず） の先端部を揷入し、 穿刺具 1 Aをシリンジに装着する。 この状 態で、 針管 4を患者の血管 （生体） に穿刺し、 シリンジが備えるプランジャを操 作し、 患者に対して血液の採取あるいは薬液を注入する。

次に、 血液の採取あるいは薬液の注入を終了すると、 釙管 4を患者の血管から 抜き取る。

この後、 ハブ 5を手で把持して固定し、 他方の手またはピンセット等を用 いて、 プロテク夕 2 Aを針管 4に対し先端方向に移動させる。

ここで、 従来の穿刺操作では、 針先 4 1を生体から抜き取った後、 針管 4 にキャップを被せていたが、 キャップの一端部の開口内に針管 4をその釙先 4 1 から挿入して行うため、 針先 4 1が該開口を外れた場合には、 キャップを摘んで いる指を釙管 4の釙先 4 1で誤剌するという事故が生じるおそれがあった。 しか し、 本発明では、 プロテク夕 2 Aが針管 4の先端方向に移動して針先 4 1を覆う ため、 前述したような誤刺を有効に防止することができる。 プロテク夕 2 Aの先端方向への移動により、 針管 4の釙先 4 1が第 3の孔 3 3 を通過すると、 針管 4と第 3の孔 3 3との係合が解除され、 プロテク夕 2 Aは、 弹性的に （自身の弹性により） 変形して、 図 2に示す第 2の姿勢となる。

プロテク夕 2 Aが第 2の姿勢となると、 第 1の部位 2 1のブレーキ作用によつ て、 プロテクタ 2 Aは、 針管 4の長手方向に沿った移動が禁止 （阻止） され、 針 先 4 1が第 1の孔 3 1を通過する前に針管 4に対し停止 （静止） する。 これによ り、 第 2の穿刺具 1 Aは、 図 2に示す針先収納状態となる。

針管 4の針先 4 1がプロテク夕 2 A内に収納されたら、 ハブ 5に装着している シリンジを取り外し、 穿刺具 1 Aとシリンジとを分離する。 そして、 穿刺具 1 A およびシリンジは、 それぞれ別個に廃棄に供される。 この穿刺具 1 Aは、 前述し たように、 釙先収納状態では針先 4 1がプロテク夕 2 A内に収納されており、 針 先 4 1がプロテクタ 2 Aを超えて突出したり、 プロテク夕 2 Aが針先 4 1から離 脱することがない。 これにより、 廃棄処理等に際し、 針先 4 1で誤って手指等を 刺すという事故が防止され、 安全性が高い。

くプロテク夕の第 2実施形態 >

図 3および図 4は、 それぞれ、 本発明の第 2実施形態のプロテク夕を有する穿 剌具 （注射針） を示す側面図である。 なお、 以下の説明では、 図 3および図 4中 の針先側を 「先端」 、 ハブ側を 「基端」 とし、 先端を上にした場合の左側を 「一 端」 、 右側を 「他端」 として説明する。

以下、 これらの図を参照して本発明のプロテク夕の第 2実施形態について説明 するが、 前述した実施形態との相違点を中心に説明し、 同様の事項はその説明を 省略する。 本実施形態のプロテク夕 2 Bは、 第 2の姿勢において釙管 4の針先 4 1の横ず れを防止する横ずれ防止部材としての筒状部材 6を有すること以外は、 前記第 1 実施形態のプロテク夕 2 Aと同様である。 すなわち、 本実施形態のプロテク 夕 2 Bは、 前記第 1実施形態のプロテク夕 2 Aと同様のプロテク夕本体 （本 体部） 2 ' と、 筒状部材 6とで構成されている。

また、 本実施形態の穿刺具 1 Bは、 このようなプロテク夕 2 Bと、 前記第 1実 施形態と同様の釙管 4および八ブ 5とで構成されている。

前記横ずれ防止部材としての筒状部材 6は、 針管 4が貫通 （揷通） 可能な中空 部を有する円筒状をなし、 プロテク夕本体 2 ' の第 3の部位 2 3に形成された第 3の孔 3 3と第 1の部位 2 1に形成された第 1の孔 3 1との間に位置してい る。

すなわち、 図 3に示す第 1の姿勢 （使用状態） においては、 針管 4は、 プロテ クタ 2 Bの第 2の孔 3 2、 第 1の孔 3 1、 筒状部材 6の中空部および第 3の 孔 3 3をこの順に貫通した状態となっている。

そして、 図 4に示す第 2の姿勢 （釙先収納状態） においては、 針先 4 1は、 筒 状部材 6の内部に位置し、 筒状部材 6で覆われた状態となっている。

また、 筒状部材 6の先端開口は、 プロテク夕本体 2 ' のカバー部 2 6により覆 われて、 封止されている。 すなわち、 筒状部材 6は、 第 2の姿勢において針 先 4 1を覆うキャップ部材としての機能も併せ持つている。

このような構成により、 本実施形態のプロテク夕 2 Bでは、 前記第 1実施形態 のプロテク夕 2 Aと同様の効果が得られるとともに、 第 2の姿勢において、 針先

4 1が横方向 （長手方向と垂直な方向） にずれることが防止される。 これに より、 針先収納状態において、 プロテク夕 2 Bに対し例えば横方向に強い外力が 作用したような場合であっても針先 4 1の突出をより確実に防止することが でき、 より安全性が高い。

また、 釙先 4 1の全体が筒状部材 6およびカバー部 2 6で覆われているので、 針先 4 1の周りや内部に残留した血液 （体液） が垂れ落ちるのを防止 （抑制） す ることができ、 血液 （体液） による汚染を効果的に防止することができる。 筒状部材 6の構成材料としては、 特に限定されず、 例えば、 ステンレス鋼、 ァ ルミニゥムまたはアルミニウム合金、 チタンまたはチタン合金、 鉄、 ニッケル合 金、 銅または銅系合金等の各種金属材料や、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポ リブタジエン、 エチレン一酢酸ビニル共重合体等のポリオレフイン、 ポリ塩化ピ ニル、 ポリウレタン、 ポリスチレン、 ポリメチルメタクリレート、 ポリ力一 ポネート、 ポリアミド、 ポリエチレンテレフ夕レー卜、 ポリブチレンテレフ 夕レート等のポリエステル、 アクリル系樹脂、 AB S樹脂、 A S樹脂、 アイオノ マー、 ボリァセタール、 ボリフエ二レンサルフアイド、 ポリエーテルエーテルケ トン等の各種樹脂材料や、 各種ゴム材料、 各種熱可塑性エラストマ一等が挙げら れ、 これらの材料を 2種以上組み合わせて使用してもよい。

筒状部材 6の構成材料を各種ゴム材料や各種熱可塑性エラストマ一を含むもの とした場合には、 第 2の姿勢においてカバー部 2 6が筒状部材 6の先端開口に対 してより密着し、 針先 4 1の周りや内部に残留した血液 （体液） が垂れ落ちるの をより効果的に防止することができる。

<プロテク夕の第 3実施形態 >

図 5および図 6は、 それぞれ、 本発明の第 3実施形態のプロテク夕を有する穿 刺具 （注射針） を示す側面図である。 なお、 以下の説明では、 図 5および図 6中 の針先側を 「先端」 、 ハブ側を 「基端」 とし、 先端を上にした場合の左側を 「一 端」 、 右側を 「他端」 として説明する。

以下、 これらの図を参照して本発明のプロテク夕の第 3実施形態について説明 するが、 前述した実施形態との相違点を中心に説明し、 同様の事項はその説明を 省略する。

本実施形態のプロテク夕 2 Cは、 前記横ずれ防止部材としての筒状部材の形状 が異なること以外は、 前記第 2実施形態のプロテク夕 2 Bと同様である。 すなわ ち、 本実施形態のプロテク夕 2 Cは、 前記第 1実施形態のプロテク夕 2 Bと同様 のプロテクタ本体 （本体部） 2 ' 'と、 筒状部材 6とで構成されている。

また、 本実施形態の穿刺具 1 Cは、 このようなプロテク夕 2 Cと、 前記第 1実 施形態と同様の針管 4および八ブ 5とで構成されている。

前記横ずれ防止部材としての筒状部材 6は、 針管 4が貫通 （挿通） 可能な中空 部を有する円筒状をなし、 プロテク夕本体 2 ' 'の第 3の部位 2 3に形成された第 3の孔 3 3と第 1の部位 2 1に形成された第 1の孔 3 1との間に位置してい る。

すなわち、 図 5に示す第 1の姿勢 （使用状態） においては、 針管 4は、 プロテ クタ 2の第 2の孔 3 2、 第 1の孔 3 1、 筒状部材 6の中空部および第 3の孔 3 3 をこの順に貫通した状態となっている。

この筒状部材 6の基端面は、 針管 4と垂直な面に対して傾斜した傾斜面 6 1と なっている。 この傾斜面 6 1の傾斜方向は、 図 6に示す第 2の姿勢 （針先収納状 態） における第 1の音 立 2 1の傾斜方向と同じになっている。 なお、 図示を省略するが、 プロテク夕 2 Cには、 筒状部材 6のプロテク夕本体 2 ' 'に対する回転を防止する回転防止手段が設けられている。

このような構成により、 本実施形態のプロテク夕 2 Cでは、 前記第 1実施形態 のプロテク夕 2 Aと同様の効果が得られるとともに、 前記第 2実施形態のプロテ クタ 2 Bと同様に、 第 2の姿勢において釙先 4 1が横方向 （長手方向と垂直な方 向） にずれることが防止される効果が得られる。

さらに、 本実施形態においては、 第 2の姿勢においてプロテク夕 2 Cに対し図 6中の矢印 Cで示すような押圧力が作用したとき、 すなわち筒状部材 6の先端部 を基端方向に押圧したときに、 第 1の部位 2 1 (第 1の孔 3 1近傍の板状部材） に対し、 第 1の部位傾斜角度 0 ' がより小さくなるような力を作用する手段 （傾 斜面 6 1 ) を有する。

すなわち、 前記押圧力 Cは、 筒状部材 6の傾斜面 6 1を介して第 1の部位 2 1 に伝達され、 第 1の部位傾斜角度 が小さくなるように作用する。 これに より、 第 1の孔 3 1の内面と針管 4の外周面との間の摩擦力 （プロテク夕 2 Cに 作用する制動力） がさらに増大して押圧力 Cに対抗し、 プロテク夕 2 Cの移動を より確実に禁止 （阻止） する。 このため、 押圧力 Cを加えた場合にも、 針先 4 1 がプロテク夕 2を超えて突出することがより確実に防止され、 特に安全性が 高い。

なお、 本実施形態においても前記第 2実施形態と同様に、 第 2の姿勢において カバー部 2 6が筒状部材 6の先端開口を封止するような構成としてもよい。

<プロテク夕の第 4実施形態 >

図 7および図 1 0は、 本発明の第 4実施形態のプロテク夕を示す断面側面図で あり、 図 8および図 9は、 それぞれ図 7に示すプロテク夕の側面図と斜視図 である。 なお、 以下の説明では、 図 7、 図 8および図 1 0において、 針先側 を 「先端」 、 ハブ側を 「基端」 とし、 先端を上にした場合の左側を 「一端」 、 右 側を 「他端」 として説明する。

これらの図において、 プロテク夕 7 Aは、 先端部に鋭利な針先 4 1を有し、 そ の基端部がハブ （示されていない） に固定された針管 （釙体） 4に装着されて穿 剌具の一部をなしている。

図 7ないし図 9において、 本実施形態のプロテク夕 7 Aは、 上記第 1〜第 3の 実施形態のプロテク夕の第 1の姿勢に相当する姿勢、 すなわち、 釙管 4の長手方 向 （軸方向） に沿って相対的に移動可能な姿勢 （本実施形態を含めて以下の実施 形態でも第 1の姿勢と呼ぶ。 ） で示されている。

一方、 図 1 0において、 本実施例のプロテク夕 7 Aは、 上記第 1〜第 3の実施 形態のプロテクタの第 2の姿勢に相当する姿勢、 すなわち、 針管 4の針先 4 1を 覆った状態で、 釙管 4の長手方向に沿った相対的な移動が禁止される姿勢 （本実 施形態を含めて以下の実施形態でも第 2の姿勢と呼ぶ。 ） で示されている。 本実施形態のプロテク夕 7 Aは、 金属材料で構成された板状部材を変形し て （曲げ加工して） 形成されたプロテクタ本体 7 ' と、 該プロテク夕本体 7 ' に 固定 （固着） されたプラスチック部材 1 0とを有している。

図 7に示すように、 プロテク夕本体 7 ' は、 第 1の孔 （孔） 8 1が形成された 第 1の部位 （ブレーキ部） 7 1と、 該第 1の部位 7 1の基端側 （針元側） に設け られ、 第 2の孔 8 2が形成された第 2の部位 7 2と、 第 1の部位 7 1と第 2の部 位 7 2との他端部同士をつなぐ第 3の部位 7 3とを有している。 すなわち、 側面視 （図 7 ) において、 第 1の部位 7 1と、 第 2の部位 7 2と、 第 3の部位 7 3とは、 全体として略 「コ J 字状 （または略 「CJ 字状） をなすよ うに形成されている。

第 1の孔 8 1および第 2の孔 8 2には、 針管 4が貫通している。 第 1の孔 8 1 の形状は、 円形であることが好ましい。

また、 プロテク夕本体 7 ' は、 第 1の部位 7 1の一端部から先端方向に延びる ように設けられた第 4の部位 7 4と、 該第 4の部位 7 4の両方の側部からそれぞ れ他端方向にほぼ平行に延びるように設けられた第 5の部位 7 5、 7 5とを有し ている。

すなわち、 図 7の側面視に対して針先側から正面視した場合に、 第 4の部 位 7 4と、 第 5の部位 7 5、 7 5とは、 全体として略 「コ」 字状をなすように形 成されており、 両第 5の部位 7 5、 7 5は、 針管 4を両側から挟むように位置し ている。 これらの位置関係は、 図 9に明確に示されている。

図 8および図 9に示すように、 第 5の部位 7 5、 7 5には、 それぞれ、 略長方 形状 （楕円形状） の長孔 7 5 1が形成されている。

' また、 図 7ないし図 9に示すように、 本実施形態では、 第 4の部位 7 4は、 第 1の姿勢において先端方向に向かって針管 4に近づくように傾斜して設けられて いる。 これにより、 図 1 0に示すように、 第 2の姿勢に変位 （変形） したと きに、 第 4の部位 7 4が外側に張り出すことがないため、 プロテク夕 7 A全体の 小型化に寄与する。

このようなプロテク夕本体 7 ' は、 金属材料で構成されている。 これにより、' 第 2の姿勢において、 第 1の孔 8 1の内面と、 針管 4の表面との摩擦力が十分に 大きくなり、 第 1の部位 7 1 (ブレーキ部） のブレーキ作用が確実に発揮さ れる。 プロテク夕本体 7' を構成する金属材料としては、 特に限定されないが、 例えば、 ステンレス鋼、 アルミニウムまたはアルミニウム合金、 鉄、 ニッケル合 金、 チタンまたはチタン合金、 銅または銅系合金等の各種金属材料が挙げら れる。

なお、 本実施形態では、 プロテク夕本体 7' は、 その各部が一体的に形成され たものとなっているが、 本発明では、 プロテク夕本体 7' が 2以上の部品で構成 されていてもよい。

プロテク夕本体 7 ' の両第 5の部位 7 5、 7 5の間には、 プラスチック部 材 10が設置されている。 図 7に示すように、 プラスチック部材 10は、 第 5の 部位 75、 75の内側にそれぞれ配置された側壁部 101、 101と、 両側壁部 101、 101の他端部同士を連結する連結壁 102とを有している。

側壁部 101、 101は、 それぞれ、 第 5の部位 75、 75とほぼ平行に設け られている。 すなわち、 側壁部 101、 101と、 連結壁 102とは、 正面視し た場合に、 全体として略 「コ」 字状をなすように形成されている。

このような構成により、 本実旗形態のプロテクタ 7 Aは、 側壁部 1 0 1、 101と、 連結壁 102とで囲まれて形成される針先収納空間 9を有している。 図 10に示すように、 第 2の姿勢のとき、 針管 4の釙先 41は、 この釙先収納空 間 9に収納される。

また、 針先 41は、 第 2の姿勢において釙先収納空間 9に収納されたとき、 第 1の部位 71と、 第 4の部位 74と、 側壁部 101、 101と、 連結壁 102と によって、 はぼ全周から覆われる。 これにより、 針先 41の表面や内部に残留し た血液などが作業者や周囲の物に付着することが防止され、 汚染を防止すること ができる。

側壁部 1 0 1、 1 0 1からは、 外側に突出する突出部 1 0 5、 1 0 5がそれぞ れ設けられている。 図 8および図 9に示すように、 この突出部 1 0 5は、 第 5の部位 7 5の長孔 7 5 1に対応した形状をなしており、 各突出部 1 0 5、 1 0 5は、 それぞれ、 長孔 7 5 1、 7 5 1に挿入 （嵌合） している。 これに より、 プラスチック部材 1 0は、 プロテク夕本体 7 ' に対し固定 （固着） されて いる。 なお、 プラスチック部材 1 0とプロテク夕本体 7 ' との固定方法は、 この ような構成に限らず、 例えば、 接着剤による接着等、 いかなる方法であってもよ いことは言うまでもない。

プラスチック部材 1 0は、 さらに、 釙先収納空間 9を先端側から覆う先端壁 1 0 3を有している。 図 9および図 1 0に示すように、 この先端壁 1 0 3の図 7中 の上側には、 切欠き部 1 0 6が形成されている。 第 1の姿勢のとき、 針管 4は、 この切欠き部 1 0 6を通過して、 プロテクタ 7 Aから先端方向に突出する。 切欠き部 1 0 6の縁部は、 第 1の姿勢のとき針管 4に当接する釙体当接部 1 0 4となっている。 針体当接部 1 0 4は、 釙体表面に対応するような円弧状の 湾曲面形状であることが好ましい。

針体当接部 1 0 4は、 第 1の姿勢のとき、 針管 4に当接する。 すなわち、 後述 するように、 プロテク夕本体 7 ' の第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3との一部の 弾性 （パネ性） により、 プラスチック部材 1 0は、 図 7中の反時計方向に回動す るような方向に付勢されており、 この付勢力により、 第 1の姿勢のとき、 針体当 接部 1 0 4は、 針管 4に圧接された状態になっている。 なお、 プラスチック部材 1 0は、 図示のような構成に限らず、 例えば、 針体当 接部を孔として有する筒状の形状をなすようなものであってもよい。

このような針体当接部 1 0 4を含むプラスチック部材 1 0は、 樹脂材料 （合成 樹脂材料） で構成されている。 これにより、 第 1の姿勢において、 針体当接 部 1 0 4と針管 4の表面との間の摩擦抵抗が軽減され、 プロテク夕 7 Aの針管 4 に対する摺動抵抗が小さくなる。 その結果、 第 1の姿勢のとき、 プロテク夕 7 A は、 釙管 4の長手方向 （軸方向） に沿って円滑に （比較的小さい操作力で） 移動 することができる。

プラスチック部材 1 0 (針体当接部 1 0 4 ) を構成する樹脂材料としては、 特 に限定されないが、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリウレタン、 ポリスチレ ン、 ポリカーボネート、 ポリエステル、 A B S樹脂、 A S樹脂、 フッ素系樹脂、 ポリァセタール等の各種樹脂材料が挙げられる。

なお、 本発明では、 好ましくは、 少なくとも針体当接部 1 0 4が前述したよう な樹脂材料で構成されていればよい。 また、 例えば前述したフッ素系樹脂のよう な特に摩擦係数 （摩擦抵抗） の小さい材料で針体当接部 1 0 4の表面を構成 （被 覆） してもよい。

なお、 針体当接部 1 0 4の針管 4に対する接触面は、 例えば、 平面状、 「V」 字状、 「コ」 字状などであってもよい。

このようなプロテクタ 7 Aは、 穿刺具の使用時 （生体などに穿刺するとき） に は、 図 7ないし図 9に示す第 1の姿勢で、 針管 4の釙元側に位置した状態とされ る。

この第 1の姿勢においては、 針管 4は、 第 2の孔 8 2および第 1の孔 8 1を貫 通し、 さらに、 針先収納空間 9および切欠き部 1 0 6を通過してプロテク夕 7 A の先端から突出する。

また、 第 1の姿勢のとき、 第 1の部位 7 1と、 第 2の部位 7 2とは、 それ ぞれ、 針管 4に対しほぼ垂直な姿勢になっている。

プロテク夕 7 Aは、 このような第 1の姿勢から図 1 0に示す第 2の姿勢に変位 (変形） して、 針先 4 1を覆うことができる。 この第 2の姿勢においては、 プロ テク夕本体 7 ' における第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3とのなす角度が第 1の 姿勢のときよりも小さくなる。 すなわち、 プロテク夕 7 Aは、 第 1の部位 7 1と 第 3の部位 7 3とが閉じるように （第 1の部位 7 1が第 3の部位 7 3に近づくよ うに） 変形することにより、 第 1の姿勢から第 2の姿勢に変位 （変形） する。 このような第 1の姿勢から第 2の姿勢への変位 （変形） は、 プロテクタ本 体 7 ' における第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3との一部の弾性 （弹性力） によって生じるようになつている。

すなわち、 プロテクタ 7 Aに外力を付与しない自然状態 （プロテクタ 7 Aを針 管 4に装着していない状態） においては、 第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3との なす角度は、 図 1 0に示す状態よりもさらに小さくなつており、 プロテク夕 7 A は、 このような自然状態から第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3とが開くよう に （第 1の部位 7 1が第 3の部位 7 3から遠ざかるように） 変形 （弹性変形） し た状態とされて釙管 4に装着されている。

このような構成により、 プロテク夕 7 Aが針管 4に装着された状態では、 第 1 の部位 7 1は、 針管 4に対する傾斜角度 （図 8中の 0 i および図 1 0中の 0 で示す角度） が小さくなるような方向に付勢されている。 すなわち、 プロテク夕 7 Aにおける第 1の部位 7 1と第 3の部位 7 3との一部は、 その弾性によって第 1の部位 7 1の針管 4に対する傾斜角度 Θが小さくなるような方向に第 1の部位 7 1を付勢する付勢手段となっている。

図 7に示すように、 第 1の姿勢においては、 針体当接部 1 0 4が針管 4の表面 に当接していることにより、 前記付勢手段の付勢力によって第 1の部位傾斜角度 が小さくなるようにプロテク夕 7 Aが変形することが阻止されており、 これによ り、 前述したように第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 は、 ほぼ直角に 保たれている。 本明細書において、 「第 1の部位 7 1の針管 4に対する傾斜 角度」 は、 上記第 1実施形態における 「第 1の部位 2 1の針管 4に対する傾斜角 度」 と同様に定義する。

よって、 第 1の姿勢では、 第 1の孔 8 1と、 釙管 4との間には、 隙間が形成さ れており、 第 1の孔 8 1の内面と、 針管 4の表面との間の摩擦力は、 実質的に作 用していないか、 または、 比較的小さい状態になっている。 すなわち、 第 1の姿 勢では、 第 1の部位 7 1がブレーキ作用を生じないようになつている。

このように、 針体当接部 1 0 4は、 第 1の姿勢のとき針管 4に当接することに より、 第 1の部位傾斜角度が小さくなる （変化する） ことを防止して、 第 1の部 位 7 1のブレーキ作用を留保する機能を有している。

すなわち、 第 1の姿勢では、 プロテク夕 7 Aは、 針体当接部 1 0 4が針管 4に 当接することにより、 ブレーキ作用留保状態になっている。

このように、 第 1の姿勢では、 針体当接部 1 0 4は、 前記付勢手段の付勢力に より、 針管 4の表面に圧接された状態となっているが、 本発明では、 前述したよ うに針体当接部 1 0 4が樹脂材料で構成されていることから、 プロテクタ 7 Aは、 針管 4に対し円滑に （比較的小さい操作力で） 移動可能になっている。 第 1の姿勢から、 プロテク夕 7 Aを針管 4に対し相対的に先端方向に移動させ ていき、 針体当接部 1 0 4が針先 4 1を通過すると、 針体当接部 1 0 4が針管 4 から離反 （離間） する。 これにより、 プロテクタ 7 Aは、 ブレーキ作用留保 状態が解除され、 前記付勢手段の付勢力によって、 弾性的に第 2の姿勢に変 位 （変形） する。

第 2の姿勢では、 プロテク夕 7 Aは、 第 1の姿勢のときと比べ、 第 1の部 位 7 1が第 3の部位 7 3 (釙管 4 ) に対し図 7および図 8中反時計方向に回動す るように変位 （変形） している。 これにより、 図 1 0に示すように、 第 1の部位 傾斜角度は、 第 1の姿勢のときょり小さくなつており、 0 i ' なる 0 となっている。

これに伴なつて、 第 4の部位 7 4、 第 5の部位 7 5およびプラスチック部 材 1 0、 第 3の部位 7 3 (釙管 4 ) に対し変位 （回動） しており、 針先 4 1の先 端は、 先端壁 1 0 3によって先端側から覆われた状態となっている。

このような第 2の姿勢においては、 プロテクタ 7 Aの第 1の部位 7 1が針管 4 に対してブレーキとして機能することにより、 プロテク夕 7 Aは、 針管 4の長手 方向に沿った相対的な移動が禁止 （阻止） される。 すなわち、 前記付勢手段の付 勢力によって第 1の部位傾斜角度が第 1の姿勢のときょり小さくなることに より、 第 1の孔 8 1の内面が針管 4の表面 （外周面） に圧接され、 第 1の孔 8 1 の内面と針管 4の表面 （外周面） との間の摩擦力が発生または増大する。 この摩 擦力が、 プロテク夕 7 Aに制動力として作用し、 針管 4の長手方向に沿ったプロ テク夕 7 Aの移動を禁止 （阻止） する。 このような構成により、 針先 4 1が針先収納空間 9に収納される （第 2の姿勢 になる） と、 針先 4 1は、 プロテク夕 7 Aを超えて突出することがない。

第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 Θ！ は、 特に限定されないが、 6 0 ° 以上であるのが好ましく、 本実施形態のようにほぼ直角であるのがより好ま しい。

また、 第 1の孔 8 1の内径 Dは、 釙管 4の外径 dによってもその好ましい大き さは異なるが、 通常、 針管 4の外径 dより 0 . 0 l〜l mm程度大きいのが好ま しく、 0 . 0 5〜0 . 2 mm程度大きいのがより好ましい。

第 1の姿勢における第 1の部位傾斜角度 0 や第 1の孔 8 1の内径 Dが前記範 囲にあることにより、 第 2の姿勢において、 第 1の孔 8 1の内面と針管 4の表面 との間の摩擦力 （プロテクタ 7 Aに作用する制動力） が大きくなり、 針管 4の長 手方向に沿った相対的な移動がより確実に禁止 （阻止） される。

なお、 本発明においては、 第 1の孔 8 1は、 周方向の一部が欠損したもの （C 字状のものなど） であってもよい （第 2の孔 8 2についても同様） 。

また、 第 2の孔 8 2の形状は、 針管 4に対し摺動可能であれば円形に限らない が、 円形である場合には、 その内径は、 第 1の姿勢における摺動抵抗を軽減する 観点から、 第 1の孔 8 1の内径 Dより 0 . 0 5〜 l mm程度大きいのが好ま しい。

また、 本発明では、 第 2の孔 8 2の近傍の部位 （針管 4との接触面） を前述し たような樹脂材料で構成したり、 曲げ加工を施すこと等により針管 4との接触面 を滑らかにしてもよい。 これにより、 第 2の孔 8 2の内面と、 針管 4の表面との 間の摩擦力が軽減される。 よって、 第 1の姿勢におけるプロテク夕 7 Aの針管 4 に対する摺動抵抗をより軽減することができ、 その結果、 プロテク夕 7 Aを針管 4に対し相対的に先端方向に移動する操作 （プロテク夕 7 Aで釙先 4 1を覆うす る操作） をさらに容易、 円滑に行うことができる。

プロテク夕本体 7 ' を形成する板状部材 （特に、 第 1の部位 7 1 ) の厚さ は、 その構成材料や針管 4の外径等によってもその好ましい値は異なるが、 通常、 0 . 0 5〜2 mm程度であるのが好ましく、 0 . 0 6〜0 . 2 mm程度で あるのがより好ましい。 前記範囲において、 比較的厚いものとした場合には、 第 2の姿勢においてプロテク夕 7 Aに作用する制動力や針先 4 1の保護性が特に優 れたものとなり、 比較的薄いものとした塲合には、 加工性や第 1の姿勢における 針管 3に対する摺動のし易さが特に優れたものとなる。

このようなプロテク夕 7 Aは、 第 2の姿勢においてその先端部 （プラスチック 部材 1 0等） を基端方向に押圧したとき、 第 1の部位 7 1 (第 1の孔 8 1近傍の 板状部材） に対し、 第 1の部位傾斜角度 0 i 'がより小さくなるような力を作用す る手段を有する。

すなわち、 例えばプラスチック部材 1 0の先端部に対し図 1 0中の矢印 Aで示 すような押圧力を加えたとき、 この押圧力 Aは、 第 4の部位 7 4を介して第 1の 部位 7 1に伝達され、 第 1の部位傾斜角度 0 ' が小さくなるように作用する。 これにより、 第 1の孔 8 1の内面と針管 4の表面との間の摩擦力 （プロテク夕 7 Aに作用する制動力） がさらに増大して前記押圧力 Aに対抗し、 プロテク夕 7 A の移動をより確実に禁止 （阻止） する。

なお、 特に強い押圧力 Aが作用して、 プロテク夕 7 Aが万一基端方向に僅かに 移動した場合にも、 針先 4 1は、 連結壁 1 0 2と先端壁 1 0 3との角部の内 側 （釙先受け部） に当接するため、 針先 4 1がプロテク夕 7 Aを超えて突出する ことはない。

次に、 プロテク夕 7 Aの使用方法の一例について、 詳細に説明する。

[ 1 ] 第 1の姿勢にあるプロテク夕 7 Aを釙管 4の基端側に位置させた状態 で、 釙管 4を患者の血管 （生体） 等に穿刺し、 血液の採取や薬液の注入を行 。

[ 2 ] 血液の採取あるいは薬液の注入を終了したら、 針管 4を患者の血管か ら抜き取る。

[ 3 ] 次いで、 手またはピンセット等を用いて、 プロテク夕 7 Aを針管 4に 対し先端方向に移動させる。 このとき、 本発明では、 前述したように、 針体当接 部 1 0 4が樹脂材料で構成されていることにより、 プロテク夕 7 Aを比較的小さ い操作力で針管 4に対し先端方向に移動させることができ、 この操作を円滑、 迅 速かつ容易に行うことができる。

[ 4 ] プロテクタ 7 Aの先端方向への移動により、 針体当接部 1 0 4が針先 4 1を通過して、 針管 4から離反すると、 プロテクタ 7 Aは、 弾性的に （自身の 弹性により） 変形して、 図 1 0に示す第 2の姿勢となる。

プロテク夕 7 Aが第 2の姿勢となると、 第 1の部位 7 1のブレーキ作用によつ て、 プロテクタ 7 Aは、 釙管 4の長手方向に沿った移動が禁止 （阻止） され、 針 先 4 1が第 1の孔 8 1を通過する前に針管 4に対し停止 （静止） する。

[ 5 ] 釙管 4の針先 4 1がプロテク夕 7 A内 （針先収納空間 9 ) に収納され たら、 これらは、 廃棄に供される。

このとき、 前述したように、 針先 4 1は、 プロテク夕 7 A内に収納されて おり、 針先 41がプロテク夕 7 Aを超えて突出したり、 プロテクタ 7 Aが針 先 41から離脱することがない。 これにより、 廃棄処理等に際し、 針先 41 で誤つて手指等を刺すという事故が防止される。

くプロテク夕の第 5実施形態 >

図 11は、 本発明の第 5実施形態のプロテク夕を示す断面側面図であり、 プロ テク夕は第 2の姿勢で示されている。

以下、 同図を参照して本発明のプロテク夕の第 5実施形態について説明す るが、 前述した第 4実施形態との相違点を中心に説明し、 同様の事項はその説明 を省略する。

本実施形態のプロテク夕 7 Bは、 プラスチック部材 10 (針体当接部 104近 傍の部位） を覆うカバー部 1000、 1000を有していること以外は、 前記第 4実施形態と同様である。

カバ一部 1 000、 1000は、 第 2の部位 72の一端部から先端方向に 延びるように設けられた第 6の部位 76の両方の側部からそれぞれ他端方向 (図 10中の下方向） に延びるように設けられており、 第 1の部位 7 1や第 2の部位 72等に対してほぼ垂直に配置されている。 すなわち、 両カバー部 1000、 1000は、 ぼは平行に設置されている。

すなわち、 第 6の部位 76と、 カバー部 1000、 1000とは、 正面視で、 全体として略 「コ」 字状をなしている。

このカバー部 1000、 1000は、 それぞれ、 第 1の部位 71、 第 4の部位 74、 第 5の部位 75およびプラスチック部材 10を側方から覆っている。 このようなカバー部 1000、 1000は、 第 2の姿勢のときに針体当接 部 1 0 4近傍の部位を先端方向に移動させる操作を妨げる機能を有する。

すなわち、 プラスチック部材 1 0の先端部 （針体当接部 1 0 4近傍の部位） に 対し、 例えば図 1 1中の矢印 Bで示すような引っ張り力を指などで加えようとし たとき、 プラスチック部材 1 0の先端部は、 その側方がカバー部 1 0 0 0、 1 0 0 0に覆われているため、 これを指などで触れることはできず、 よって、 こ の操作を行うことはできない。

このような構成と異なり、 プラスチック部材 1 0の先端部に前記引っ張り力 B を加えることが可能である場合には、 この引っ張り力 Bは、 第 4の部位 7 4を介 して第 1の部位 7 1に伝達され、 第 1の部位傾斜角度 0 'が大きくなるように作 用する。 これにより、 第 1の孔 8 1の内面と針管 4の表面との間の摩擦力 （プロ テク夕 7 Bに作用する制動力） が減少し、 プロテクタ 7 Bが針管 4から離脱する (抜ける） ことが起こり得る。

これに対し、 プロテク夕 7 Bでは、 前述したように、 カバー部 1 0 0 0、 1 0 0 0が設けられていることにより、 前記引っ張り力 Bのような外力を加える 操作が妨げられるため、 上述したようなプロテク夕 7 Bの離脱を防止することが できるという利点がある。 よって、 プロテクタ 7 Bでは、 例えば、 故意に針管 4 から離脱させようとしたような場合であっても、 針管 4からの分離を防止するこ とができ、 特に安全性が高い。

また、 このようなプロテク夕 7 Bは、 第 2の姿勢においてカバ一部 1 0 0 0、 1 0 0 0に基端方向または先端方向の外力が作用したときに、 第 2の部位 7 2 (第 2の孔 8 2近傍の板状部材） の前記針管 4に対する傾斜角度が小さくな るような力を作用する手段を有している。 すなわち、 例えばカバ一部 1 0 0 0、 1 0 0 0の先端部に図 1 1中の矢印じで 示すような引っ張り力が付加されることによりカバ一部 1 0 0 0、 1 0 0 0に先 端方向の外力が作用すると、 この引っ張り力 Cは、 第 6の部位 7 6を介して第 2 の部位 7 2に伝達され、 第 2の部位 7 2の針管 4に対する傾斜角度 （図 1 1中の ]3で示す角度） が小さくなるように作用する。

これにより、 第 2の孔 8 2の内面と針管 4の表面との間の摩擦力 （プロテク夕 7 Bに作用する制動力） が発生または増大して引っ張り力 Cに対抗する。 すなわ ち、 第 1の部位 7 1に加えて第 2の部位 7 2も針管 4に対するブレーキ作用を奏 し、 プロテク夕 7 Bの移動をより確実に禁止 （阻止） する。 なお、 プロテク 夕 7 Bの基端部に対し例えば図 1 1中の矢印 Eで示すような押圧力を加えたとき にも、 同様に、 第 2の部位 7 2の針管 4に対する傾斜角度) 3が小さくなるように 作用する。

また、 前記引つ残り力 ま、 第 2の部位 7 2から第 3の部位 7 3を介して第 1 の部位 7 1に伝達され、 第 1の部位傾斜角度 ' がより小さくなるようにも作 用する。

なお、 第 2の孔 8 2の大きさを適宜選択することで、 前記傾斜角度 α、 /3を任 意に調節することができる。

このようなことから、 本実施形態では、 カバ一部 1 0 0 0、 1 0 0 0に対し先 端方向の外力が作用した場合にも、 プロテク夕 7 Βが針管 4から離脱するような ことがより確実に防止される。

なお、 カバ一部 1 0 0 0、 1 0 0 0は、 少なくとも針体当接部 1 0 4近傍の部 位を覆うものであればよい。 <留置針組立体の実施形態 >

図 1 2および図 1 3は、 それぞれ、 本発明の留置釙組立体の実施形態を示 す縦断面図である。 なお、 以下の説明では、 図 1 2および図 1 3中の針先側 を 「先端」 、 ハブ側を 「基端」 とし、 先端を上にした場合の左側を 「一端」 、 右 側を 「他端」 として説明する。

以下、 これらの図を参照して本発明の留置釙組立体の実施形態について説明す るが、 前述したプロテク夕の実施形態との相違点を中心に説明し、 同様の事項は その説明を省略する。

これらの図に示す留置針組立体 1 1は、 外針と内針とを備えるもので、 特に、 輪液用の留置針組立体を構成するものであり、 留置針である外針 1 2 1と、 外針 1 2 1の基端側に設けられた外針ハブ 1 2 2とで構成されたハブ付き外 針 1 2と、 外針 1 2 1内に挿入して使用される内針 1 3 1と、 内針 1 3 1の基端 側に設けられた内針八ブ 1 3 2とで構成されたハブ付き内針 1 3と、 内針 1 3 1 に装着された前記第 4実施形態のプロテクタ 7 Aとを備えている。 以下、 各部の 構成について説明する。

外釙 1 2 1は、 中空状をなし、 ある程度の可撓性を有するものが好ましく用い られる。 外針 1 2 1の構成材料としては、 特に限定されないが、 例えば、 ェチレ ンーテトラフルォロエチレン共重合体 (E T F E) 、 ポリウレタン、 ポリエーテ ルナイ口ン樹脂等の各種軟質樹脂が好ましい。

外針 1 2 1の先端部は、 生体への穿刺を容易かつ低侵襲で行うために、 外径が 先端方向に向かって漸減するテ一パ状をなしている。

外釙 1 2 1の基端部には、 外釙ハブ 1 2 2が液密に固着され、 外針 1 2 1の内 腔と外針ハブ 1 2 2の内部とが連通している。 外針ハブ 1 2 2は、 ほぼ筒状の部 材であり、 基端方向に向かつてその外径および内径が漸増するテーパ状をなして いる。

内針 （針体） 1 3 1は、 前記第 1実施形態における針管 4と同様の材料、 形状 等からなる。

この内針 1 3 1は、 外針 1 2 1の内腔に揷入された状態、 すなわち図 1 2に示 す状態で使用される。 以下、 この状態を 「組み立て状態」 と言う。

内針 1 3 1の長さは、 組み立て状態としたとき、 少なくとも針先 1 3 1 1が外 針 1 2 1の先端開口 1 2 1 1から突出する程度の長さとされる。

内針 1 3 1の基端部は、 内針ハブ 1 3 2の先端部と固着され、 内針 1 3 1の内 腔は、 内針八ブ 1 3 2の内部空間と連通している。

内針ハブ 1 3 2は、 ほば円筒状の中空部材で構成されており、 本体部 1 3 2 1 と、 該本体部 1 3 2 1の先端側に設けられ、 本体部 1 3 2 1より細径な細径 部 1 3 2 2とを有している。

この内針八ブ 1 3 2は、 好ましくは透明 （無色透明） 、 着色透明または半透明 の樹脂で構成され、 内部の視認性が確保されている。 これにより、 針先 1 3 1 1 が血管を確保した際、 内釙 1 3 1を介して流入する血液のフラッシュバックを目 視で確認することができる。

また、 内針ハブ 1 3 2の基端部の開口には、 該開口を覆うように、 気体は透過 するが液体は遮断する性質を有する通気フィルタ 1 4が設置されている。

外針八ブ 1 2 2および内針ハブ 1 3 2の構成材料は、 特に限定されず、 各種樹 脂材料が使用できる。 プロテク夕 7 Aは、 内釙 1 3 1に装着されており、 図 1 2に示すように、 組み 立て状態においては、 外釙ハブ 1 2 2の内部空間に収納されている。

本実施形態の留置釙組立体 1 1は、 組み立て状態においてプロテク夕 7 Aと外 針ハブ 1 2 2とを連結する連結手段 1 5を有している。 この連結手段 1 5は、 円 筒状をなす円筒部材 （当接部材） 1 5 1と、 該円筒部材 1 5 1と外針ハブ 1 2 2 とを連結するテープ 1 5 2とを有している。

円筒部材 1 5 1は、 基端開口を有しており、 組み立て状態においては、 該基端 開口から円筒部材 1 5 1の内側に内針ハブ 1 3 2の細径部 1 3 2 2が挿入、 遊嵌 した状態になっている。

円筒部材 1 5 1の先端部には、 先端壁 （底部） 1 5 1 1が設けられている。 先 端壁 1 5 1 1の中央には、 孔が形成されており、 内針 1 3 1は、 該孔を貫通して いる。

組み立て状態においては、 円筒部材 1 5 1の先端側の一部は、 外釙ハブ 1 2 2 の内側に挿入、 遊嵌した状態になっている。 また、 組み立て状態においては、 円 筒部材 1 5 1の先端部 （先端壁 1 5 1 1の外面） は、 プロテク夕 7 Aの基端部に 当接または近接した状態になっている。

テープ 1 5 2は、 可撓性を有するシート状の部材であり、 例えばポリェチ レン、 ポリプロピレン、 ポリエステル、 紙、 不織布などから構成され、 その 基端部は、 円筒部材 1 5 1の外面に熱融着または粘着されており、 その先端 部は、 外針ハブ 1 2 2の外面に熱融着または粘着されている。 すなわち、 テープ 1 5 2は、 外針ハブ 1 2 2の基端外周に設けられたフランジ 1 2 2 1をまたぐよ うに設けられている。 テープ 1 5 2には、 プロテク夕 7 Aと外針ハブ 1 2 2とが分離するときに破断 する破断部として、 ミシン目 1 5 2 1がテープ 1 5 2を横断するように形成され ている。

このような構成により、 組み立て状態では、 外釙ハブ 1 2 2とプロテク夕 7 A とは、 連結手段 1 5を介して連結されている。

このような連結手段 1 5が設けられていることにより、 留置針組立体 1 1の組 み立て状態からハブ付き内針 1 3をハブ付き外針 1 2に対し相対的に基端方向に 移動すると ひ、ブ付き内針 1 3の内針 1 3 1をハブ付き外釙 1 2の外針 1 2 1力、 ら引き抜くと） 、 プロテク夕 7 Aは、 円筒部材 1 5 1の先端部に当接することに より基端方向への移動が防止され、 ハブ付き外針 1 2の方に残存する。 すな わち、 プロテクタ 7 Aは、 内針 1 3 1に対しては、 第 1の姿勢を維持しつつ相対 的に先端方向に移動し、 内針 1 3 1の針先 1 3 1 1が針体当接部 1 0 4を通過す ると、 該第 1の姿勢から、 内釙 1 3 1の針先 1 3 1 1を覆う第 2の姿勢へと変位 する。

プロテク夕 7 Aは、 前述したように、 第 2の姿勢になると、 内針 1 3 1に対す る相対的な移動が禁止 （阻止） される。 よって、 プロテク夕 7 Aが第 2の姿勢と なった状態から、 さらにハブ付き内針 1 3をハブ付き外針 1 2に対し相対的に基 端方向に移動すると、 その操作力 （引き抜き力） が円筒部材 1 5 1を介してテー プ 1 5 2に作用し、 ミシン目 1 5 2 1が破断する。 これにより、 プロテクタ 7 A は、 ハブ付き外釙 1 2 (外釙ハブ 1 2 2 ) から分離して、 内釙 1 3 1の先端に残 存し、 その針先 1 3 1 1をガードする （覆う） 。

このように、 留置釙組立体 1 1では、 ハブ付き内針 1 3をハブ付き外針 1 2に 対し相対的に基端方向に移動する操作のみによって、 プロテク夕 7 Aで内針 1 3 1の針先 1 3 1 1を覆うことおよびプロテク夕 7 Aをハブ付き外釙 1 2から 離反することができ、 プロテク夕 7 Aで内針 1 3 1の針先 1 3 1 1を覆うための 別途の操作が不要である。 これにより、 内針 1 3 1の針先 1 3 1 1をプロテク夕 7 Aで極めて容易かつ確実に覆う （収納する） ことができる。

次に、 留置針組立体 1 1の使用方法の一例について、 詳細に説明する。

[ 1 ] 留置針組立体 1 1を組み立て状態とし、 内釙ハブ 1 3 2等を手で把持 しつつ、 内針 1 3 1および外針 1 2 1を患者の血管 （静脈または動脈） に穿刺す る。

[ 2 ] 内針 1 3 1の針先 1 3 1 1が血管に穿刺されると、 血管の内庄 (血圧） により血液が内針 1 3 1内を基端方向へ逆流し、 内針ハブ 1 3 2内に導 入され、 視認性を有する内針ハブ 1 3 2を介してこのフラッシュバックを視認す ることができる。 これにより内針 1 3 1の釙先 1 3 1 1が血管を確保したことを 知ることができる。

なお、 この血液の流入に伴い、 内針ハブ 1 3 2内の空気は、 通気フィルタ 1 4 を通って排出されるが、 血液は、 通気フィルタ 1 4を通過できず、 外部への漏れ 出しは生じない。

[ 3 ] さらに内針 1 3 1および外針 1 2 1を微小距離先端方向へ進めると、 外針 1 2 1の先端開口 1 2 1 1が血管内に挿入される。 これにより、 外針 1 2 1 が血管を確保する。

[ 4 ] 血管に留置されている外針 1 2 1を手で押さえつつ、 他方の手で内針 ハブ 1 3 2を把持し、 基端方向へ引っ張る。 これにより、 内針 1 3 1が外針 121から抜き取られる。 このとき、 プロテクタ 7Aは、 外針ハブ 122と連結 されていることから、 ハブ付き外針 12の方に残存する。 すなわち、 プロテク夕 7 Aは、 内針 131に対しては、 相対的に先端方向に移動する。

本発明では、 前述したようにプロテク夕 7 Aが針管 4に対し円滑に移動可能に なっていることから、 僅かな操作力で内針 131を外針 121から抜き取ること ができ、 この操作を容易、 迅速に行うことができる。 また、 プロテク夕 7 Aが第 2の姿勢になる前に連結手段 1 5による連結が解除されてしまう （ミシン目 1521が破断してしまう） ような不都合を防止することもできる。

[5] さらに内釙ハブ 132を基端方向へ引っ張ると、 前述したように、 内 針 131の釙先 1311が針体当接部 104を通過し、 針体当接部 104による ブレーキ作用留保状態が解除される。 これにより、 プロテク夕 7 Aは、 弾性的に

(自身の弹性により） 変形して、 図 13に示す第 2の姿勢となる。

プロテク夕 7 Aが第 2の姿勢となると、 第 1の部位 71のブレ一キ作用によつ て、 プロテクタ 7 Aは、 針先 131 1力 S第 1の孔 81を通過する前に内釙 131 に対し停止 （静止） する。 これにより、 プロテク夕 7Aは、 内針 131の長手方 向に沿った移動が禁止 （阻止） され、 内針 131の針先 1311を覆った （収納 した） 状態を維持する。

[6] プロテクタ 7Aが第 2の姿勢となった状態から、 さらに内針ハブ 1 32を基端方向に引っ張ると、 その引っ張り力が連結手段 1 5に作用し、 ミシン目 1 521が破断する。 これにより、 プロテク夕 7 Aは、 ハブ付き外 釙 12 (外針ハブ 122) から分離して、 内釙 131の先端に残存する （図 13 参照） 。 [ 7 ] 内針 1 3 1が抜き取られたハブ付き外釙 1 2の外釙ハブ 1 2 2には、 輪液セットのコネクタ等 （図示せず） を素早く接続し、 定法に従い、 輪液の投与 を開始する。

このようにして外針 1 2 1から内釙 1 3 1を抜き取った後は、 ハブ付き内 針 1 3は不要となるため、 廃棄処分に供される。

以上説明したように、 この留置針組立体 1 1によれば、 ハブ付き外釙 1 2から 取り外されたハブ付き内針 1 3の針先 1 3 1 1がプロテクタ 7 A内に収納され、 特に、 針先 1 3 1 1がプロテク夕 7 Aの先端から突出することや、 プロテク 夕 7 Aが内針 1 3 1から外れてしまうことがないため、 廃棄処理を行う者等が釙 先 1 3 1 1で誤って手指等を刺すという事故が防止される。

図 1 4は、 プロテク夕の他の構成例を示す図であり、 図 1 2のプロテク夕 7 A の代わりに、 第 1実施形態のプロテクタ 2 Aが使用されている。 このように、 留 置針組立体 1 1は、 前記第 1実施形態ないし第 3実施形態および第 5実施形態の プロテク夕を備えるものであってもよい。

図 1 5は、 連結手段の他の構成例を示すための図であり、 組み立て状態におけ る外釙ハブ付近の縦断面図である。

以下、 同図を参照して本発明の留置針組立体における連結手段の他の構成例に ついて説明するが、 前述した実施形態との相違点を中心に説明し、 同様の事項は その説明を省略する。

本実施形態の留置針組立体における連結手段は、 内釙 1 3 1が貫通 （揷通） す る孔 1 5 3 1を有する円環状 （円板状） または略 C字形状のリング部材 1 5 3で 構成されている。 このリング部材 1 5 3の外周部は、 組み立て状態においては、 外針ハブ 1 2 2 の内側に形成された凹部 1 2 2 2 (溝部） に挿入 （係止） しており、 その先端面 は、 プロテク夕 7 Aの基端部に当接または近接している。 また、 リング部材 1 5 3は、 プロテク夕 7 Aに基端側から当接し得る当接部材としての機能をも有 するものである。

このような組み立て状態からハブ付き内釙 1 3をハブ付き外針 1 2に対し相対 的に基端方向に移動すると、 プロテク夕 7 Aは、 リング部材 1 5 3の先端面に当 接することにより基端方向への移動が防止され、 ハブ付き外針 1 2の方に残存す る。 すなわち、 プロテク夕 7 Aは、 内釙 1 3 1に対しては、 第 1の姿勢を維持し つつ相対的に先端方向に移動し、 内釙 1 3 1の釙先 1 3 1 1が針体当接部 1 0 4 を通過すると、 該第 1の姿勢から、 内釙 1 3 1の釙先 1 3 1 1を覆う第 2の姿勢 へと変位する。

この状態からさらにハブ付き内針 1 3をハブ付き外針 1 2に対し相対的に基端 方向に移動すると、 その操作力 （引き抜き力） により、 リング部材 1 5 3は、 み かけの外径が小さくなるように変形し、 凹部 1 2 2 2力 ^ら外れ、 外針ハブ 1 2 2 に対し基端方向に移動する。 この移動により、 リング部材 1 5 3の外針ハブ 1 2 2に対する係止が解除され、 プロテクタ 7 Aは、 外針ハブ 1 2 2から分離し て、 内釙 1 3 1の先端に残存し、 その針先 1 3 1 1をガードする。

以上、 本発明のプロテク夕および留置針組立体を図示の実施形態について説明 したが、 本発明は、 これらに限定されるものではなく、 プロテク夕および留置針 組立体を構成する各部は、 同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換する ことができる。 例えば、 前記第 1実施形態ないし第 3実施形態のプロテク夕の本体部は、 全体 形状としてほぼ S字状のものに限らず、 例えばほぼ 「の」 字状のものなどであつ てもよい。

また、 前記第 1実施形態ないし第 3実施形態のプロテク夕についても、 プロテ クタの本体部が、 複数の部品で構成されるようなものであってもよい。 例えば、 板状のブレーキ部と、 該ブレーキ部を針体に対する傾斜角度が小さくなる方向に 付勢する付勢部材 （パネ） とが別部品で構成されるようなものでもよい。

また、 本発明のプロテクタは、 各種注射針に限らず、 例えば、 留置針 （外釙） と組み合わせて用いる留置釙組立体にも装着して使用することができる。

また、 本発明の留置釙組立体における連結手段は、 図示のような構成に限 らず、 プロテク夕が第 1の姿勢から第 2の姿勢に変位 （変形） するまでプロテク 夕と外釙ハブとの連結状態を維持することができるものであれば、 いかなるもの でもよい。 また、 そのような連結手段を有しないものであってもよい。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 先端に鋭利な釙先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な 第 1の姿勢と、 前記針体の針先を覆った状態で、 前記針体の長手方向に沿った相 対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 前記針体が貫通可能な孔が形成された板状のブレーキ部を有し、

前記第 2の姿勢のとき、 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり小さくなることにより、 前記ブレーキ部の孔の内面と前記針 体の外周面との間の摩擦力が発生または増大し、 これにより前記針体の長手方向 に沿った相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテ クタ。

2 . 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が小さくなるように前記ブ レーキ部を付勢する付勢手段と、

前記第 1の姿勢のとき、 前記針体に対する前記ブレーキ部の傾斜を規定する傾 斜規定手段とを有し、

前記針体の先端部まで移動したときに前記傾斜規定手段による規定が解除 され、 これにより前記第 1の姿勢から前記第 2の姿勢になるよう構成されている 請求の範囲第 1項に記載のプロテク夕。

3 . 先端に鋭利な針先を有する針体の長手方向に沿って相対的に移動可能な 第 1の姿勢と、 前記針体の針先を覆った状態で、 前記針体の長手方向に沿った相 対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 弾性を有する板状部材を変形してなる本体部を有し、 前記本体部に、 前記針体が貫通可能な第 1の孔および第 2の孔がそれぞれ形成 されており、

前記本体部の針先側に、 前記針体が貫通可能な貫通部が形成されており、 前記第 1の姿勢のとき、 前記針体が前記第 1の孔、 前記第 2の孔および前記貫 通部を貫通しており、 その状態から前記針体に対して先端方向に移動して前記貫 通部と前記釙体との係合が解除されることにより、 前記針体に対する前記第 1の ？し近傍の板状部材の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり小さくなるように弾性 的に変形して前記第 2の姿勢となり、 これにより前記第 1の孔の内面と前記針体 の外周面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った相対 的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテクタ。

4. 前記第 2の姿勢のとき、 前記本体部の先端部が前記針体の針先を覆う請 求の範囲第 3項に記載のプロテクタ。

5 . 前記本体部は、 全体形状としてほぼ S字状をなし、 前記第 1の孔は、 前 記本体部の中央部に形成されており、 前記第 2の孔は、 前記本体部の針元側に形 成されている請求の範囲第 3項または第 4項に記載のプロテク夕。

6 . 前記貫通部と前記第 1の孔との間に位置し、 前記第 2の姿勢において前 記針体の釙先を覆うキヤップ部材を有する請求の範囲第 3項ないし第 5項のいず れかに記載のプロテクタ。

7 . 前記第 2の姿勢において前記プロテク夕の先端部を基端方向に押圧した とき、 前記ブレーキ部または前記第 1の孔近傍の板状部材に対し、 前記傾斜角度 がより小さくなるような力を作用する手段を有する請求の範囲第 1項ないし第 6 項のいずれかに記載のプロテクタ。

8 . 先端に鋭利な釙先を有する針体の長手方向に沿つて相対的に移動可能な 第 1の姿勢と、 前記針体の針先を覆った状態で、 前記針体の長手方向に沿った相 対的な移動が禁止される第 2の姿勢とに変位可能なプロテク夕であって、 金属材料で構成され、 前記針体が貰通可能な孔が形成された板状のブレーキ部 と、

前記ブレーキ部の前記釙体に対する傾斜角度が小さくなるように前記ブレーキ 部を付勢する付勢手段と、

前記ブレーキ部より針先側に設けられ、 前記第 1の姿勢のとき前記針体に当接 することにより前記ブレーキ部の前記針体に対する傾斜角度が変化することを防 止する機能を有し、 樹脂材料で構成された針体当接部とを備え、

前記第 1の姿勢から、 前記釙体に対して相対的に先端方向に移動し、 前記針体 当接部が前記針先を通過して前記針体から離反することにより、 前記付勢手段に よって前記釙体に対する前記ブレーキ部の傾斜角度が前記第 1の姿勢のときょり 小さくなるように変形して前記第 2の姿勢となり、 これにより前記孔の内面と前 記針体の表面との間の摩擦力が発生または増大して前記針体の長手方向に沿った 相対的な移動が禁止されるよう構成されていることを特徴とするプロテク夕。

9 . 前記付勢手段は、 前記ブレーキ部から連続する板状部材であり、 その弹 性力によって付勢力を発揮する請求の範囲第 8項に記載のプロテクタ。

1 0 . 前記第 2の姿勢において、 前記針先を先端側から覆う針先受け部を有 する請求の範囲第 8項または第 9項に記載のプロテク夕。

1 1 . 前記ブレーキ部より針元側に、 前記針体が貫通可能な第 2の孔が形成 されている請求の範囲第 8項ないし第 1 0項のいずれかに記載のプロテクタ。

1 2 . 先端に鋭利な釙先を有する内針と、

前記内針に装着された請求項 1ないし 1 1のいずれかに記載のプロテク夕と、 前記内針の基端側に設置された内針八ブと、

前記内針が挿入可能な中空の外針と、

前記外針の基端側に設置された外針ハブとを備えることを特徴とする留置針組 立体。