WO2002050439A1

WO2002050439A1 - Structure de raccordement d'un boulon a resistance elevee, procede de fixation d'un ecrou a ladite structure, boulon a resistance elevee et a couple, et procede de raccordement utilisant ledit boulon

Info

Publication number: WO2002050439A1
Application number: PCT/JP2001/011108
Authority: WO
Inventors: Nobuyoshi Uno; Masahiro Nagata; Hidetoshi Tamasaki; Seiichi Kanazawa; Kiyoshi Hatanaka; Toshio Miyagawa
Original assignee: Nippon Steel Corporation; Nippon Steel Bolten Co.,Ltd.
Priority date: 2000-12-18
Filing date: 2001-12-18
Publication date: 2002-06-27
Also published as: US20030021652A1; CN1229580C; US7204667B2; HK1052958B; CN1419634A; KR20020075440A; HK1052958A1; US20070177958A1; KR100618660B1; TW531597B; KR20060060066A

Description

明細書高力ポルト接合構造およびそのナットの固定方法、ならびにトルシァ形高力ボルトおよびこれを用いた接合方法技術分野

本発明は、例えば、鋼構造建築物を構築する際に角形鋼管や、鋼管のような角形断面または円形断面の箱形断面材を柱材とし、この箱形断面柱にスプリットティやエンドプレート、アングル材、添板などの接合金物を介して H形断面梁（圧延成形材ゃ溶接組立材）を取り付ける箱形断面柱と H形断面梁とのボルト接合構造において適用される、高力ポルト接合構造およびナツト固定方法、ならびにトルシア形高力ボルトおよびこのポルトを用いた接合方法に関するものである。背景技術

近年、中空角形断面を有する角形鋼管（板材や形材を溶接加工して得られたものを含む。）などの角形の箱形断面材による柱材と H 形鋼（板材や形材を溶接加工して得られたものを含む。）などの H 形断面梁を用いた両方向ラーメン構造が多用されており、接合構造としては通しダイヤフラム形式の接合構造が一般的に用いられている。この形式の接合構造では、箱形断面柱とダイヤフラムの接合、ダイヤフラムと H形断面梁の取付部との接合は溶接によって行われ、取付部と H形断面梁との接合は、添板を介してボルト接合によつて行われていた。

このような、通しダイヤフラム形式の接合構造においては、 H形断面梁に曲げモーメントが作用した場合に生じる上下フランジでの圧縮力および引張力を、接合部の剛性を低下させずに箱形断面柱に伝達させることができるものの、その構造は複雑であり加工工数が多大となる。また、ダイヤフラムの両面を箱形断面柱およびコラムコアに溶接する必要があり、溶接量が多くなるとともに高度の溶接技能が必要になる。

そのため、最近では、図 37に示すように、ダイヤフラムを用いず箱形断面柱 1にスプリットティ 2を特殊構造で高価なワンサイドボルト 3 (詳細図示省略）で接合し、このスプリットティ 2に H形断面梁 4を高力ボルト 5で接合することにより、溶接負担を軽減する接合構造が採用されるようになってきている。ここで用いられる高力ボルト 5 としては、日本鋼構造協会の規格（JSS I I 09 1996) に定められている構造用トルシア形高力ポルト · 六角ナツト ·平座金のセット（以下「トルシア形高力ポルト」という。）が多用されている。

このトルシア形高力ポルトは、ボルトに対して所定の張力を導入できる構造を備えた、図 38 ( a ) 〜図 38 ( c ) に示すような構造を有するものである。すなわち、このトルシア形高力ボルト 6は、外周形状が円形の頭部を有し、外周形状が六角形のナット 7の雌ネジに螺合する雄ネジ形成部の先端にブレークネック 10を介してトルクコントロール用のピンテール 9 を形成したものである。

このトルシア形高力ポルト 6を用い、例えば鋼材どうしをポルト接合する場合には、図 39 ( a ) に示すように、トルシア形高力ボルト 6を接合する鋼材 11と 12のボルト孔 13に揷入し、突出した雄ネジ部に座金 8を揷通してナツト 7を螺合し、ナット 7側を回して締め付けるようにしたものであり、この締め付けの際には、図 39 ( b ) に示すような特殊な締付具 14が使用される。

この締付具 14は、ナツト 7に係合させるアウタースリーブ 14 ο と、ピンテール 9を掴み一定のトルクを与えるインナースリーブ 14 i とを連動的に動作させる機構を備えたものであり、この締付具 14を用いてトルシア形高力ボルト 6を締め付ける場合には、インナースリ一プ 14 i でピンテール 9を掴みアウタースリーブ 14 oでナツト 7 を回すことにより、ナットの回転トルクを反力としてピンテール 9 のブレークネック 10に伝え、図 39 ( c ) に示すように、この部分をある一定のトルクで破断させるものである。このときの破断トルクで高力ボルトに導入する張力をコント口ールすることができるものである。

このトルシア形高力ポルトは、例えば、上記のような角形の箱形断面材と H形断面梁のポルト接合構造において、箱形断面柱にスプリットティをボルト接合する場合、あるいはスプリットティに H形断面梁を直接または添板を介してポルト接合する場合などに用いて、ピンテール形成側を接合部位の外部側にしてナツトを螺合し締め付けるようにしたものである。

一般に、ナットは、その高さが軸径と概ね同じ寸法になっており、締め付けが完了した状態で高力ポルトの雄ネジ部の先端がねじ山 X 3相当分程度外部に突出していることが通常であり、しかも座金を介在させる必要があることから、例えば軸径が 22mmの高力ポルトの場合では、座金の座面からピンテールのブレークネックの破断面までの寸法は 35mm程度になり、鋼部材ゃ接合金物の外面より大きく突出することになる。このような大きな突出部がある場合には、耐火被覆や仕上げ工事の際の支障になるとともに、裸鉄骨の場合では美観を損なうことにもなり意匠上でも好ましくない。

さらに、このような箱形断面柱とスプリットティの接合構造においては、一般の高力ボルト（例えば J I S B1186 に規定される摩擦接合用高力六角ボルトゃ日本鋼構造協会規格の構造用トルシア形高力ポルトなど）を用いた、通常のボルト接合では接合施工が不可能でめる。

そのため箱形断面柱の外部側から接合施工が可能なワンサイドボルトが開発され実用に供されるようになった。また、柱の建て方前に、工場または現場で事前に箱形断面柱の内部から一般の高力ボルトを特殊な道具により箱形断面柱に設けられたポルト孔に挿入し、スプリットティを箱形断面柱に当接して固定する方法も提案されている

しかし、前者のワンサイドポルトを使用した接合構造は高価であり接合部の費用が嵩むとともに、強度に限界があることに加え、ポルトに対する導入張力のコントロールが容易ではなく、大型構造の柱梁接合構造において安定したボルト接合構造を実現することができなかった。

また、後者の方法は、ワンサイドボルトに比較してコスト面や強度は改善できているが、上下のスプリットティが梁の取り付け前の柱に固定されていることから、現場での梁の取り付け作業方法に制約があり、施工スピードが落ちるという問題があり、結果的に建設コストの上昇につながつている。

そのため、 H形断面梁の下フランジを取り付ける下側のスプリットティのみを工場で取り付け、上側のスプリットティは現場で H形断面梁の取り付けを行う際にボルトを外部側から挿入して取り付けられるように、予め工場で箱形断面柱の内部側にナツトを固定しておき、 H形断面梁の取り付けの際に、上側のスプリットティを H形断面梁の上フランジに取り付け、下側のスプリットティで H形断面梁を支持した状態にして、箱形断面柱に上側のスプリットティを並行して取り付ける方法も採用されている。

例えば、特開平 6 - 33929号、特開平 6— 101284号、特開平 7— 14 5638号公報では、ナットを角形鋼管柱の内部側に固定し、ポルトを外部側から挿入して締め付けを行うことが開示されているが、このようなポルト接合構造においては、ナツトにカラーを一体成型して、この力ラーを角形鋼管柱の内部側からボルト孔に押し込み変形させる必要があるため、狭隘な角形鋼管柱の内部側で大きい力を付与する必要があり施工性に難がある。また、実質的には上記従来のトルシア形高力ボルトを使用することができず、ポルトに対して簡便な張力導入ができず、安定したポルト接合構造の実現が難しかった本発明は、従来の高力ボルト接合構造での問題点を解消するものであり、例えば、箱形断面材による柱材と接合金物としてのスプリットティの高力ポルト接合構造において、ナツトを箱形断面柱の内部側に固定し高力ボルトを外部側から挿入して、高力ポルトに対する張力導入のコントロールも容易に可能な高力ボルト接合構造および箱形断面柱内部へのナツト固定方法を提供すること、ならびにポルトの頭部側を回転させることにより締め付ける構造を有し、ボルト頭部側でポルトに対する張力導入を可能とし、外部側での頭部および座金による突出部高さを低くできるトルシア形高力ボルトとこのボルトを用いたポルト接合方法を提供することを目的とするものである。発明の開示

本発明は、上記の目的を達成するために、以下の（ 1 ) 〜（20) を要旨とするものである。

( 1 ) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当接したナツトの雌ネジ端に、この雌ネジ径より大径の雌ネジが別設され、外部側からポルト孔に挿入されたナツト保持部品のスリーブの雄ネジが螺合されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接した接合金物の外部側からポルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造。

( 2 ) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置したナツト側にスリーブが固着され、このスリ一ブが箱形断面材の内部側からポルト孔に揷入され外部側にあるナット保持部品のスリーブと接合されることによつて、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造。

( 3 ) 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットに、長さ方向にスリットを形成して外径を弾性的に拡縮可能にしたスリーブが固着され、このスリーブのスリット形成領域が箱形断面材の内部側からポルト孔に圧入されることによつて、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造

( 4 ) 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットに、先端に係止用突起部を有するスリーブが固着され、このスリ一ブが箱形断面材の内部側からボルト孔に挿入され箱形断面材の外部側に突出したスリ一ブの係止用突起部が拡開 · 折曲されて箱形断面材の外部側に係止されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

( 5 ) 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナツトの外周部にナツト保持部品の係止爪が係合され、このナット保持部品のスリーブが、箱形断面材の内部側からポルト孔に揷入され外部側に突出した先端部が拡開，折曲され箱形断面材の外部側に係止させることによって、ナツトが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

( 6 ) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナツトが箱形断面材の内部側に接着により固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からボルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定したナットと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

( 7 ) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当接したナツトの雌ネジ端に、係止縁を有する係合孔が設けられ、この係止縁に、ボルト孔に揷入されたナツト保持部品のスリーブ先端の係止鉤が押し込まれ係止されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接した接合金物の外部側からボルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

( 8 ) ( 1 ) 〜（ 7 ) のいずれかにおいて、用いられた高力ポルトが、頭部にトルクコント口ール機構を備え頭部座面に座金を当接して使用するものであることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造。

( 9 ) 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置するナットの雌ネジに、ナット設置ポルトの雄ネジを螺合して、ナット設置ポルトを箱形断面材の内部側からポルト孔に挿入して外部側に突出させた状態で、ナット設置ボルトに外部側から揷入したナツト保持部品により箱形断面材の内部側にナツトを固定することを特徴とする箱形断面材内部側へのナツト固定方法。

( 10) 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置するナットの雌ネジに、ナット設置ボルトの雄ネジを螺合して、ナット設置ポルトを箱形断面材の内部側からボルト孔に揷入し外部側に突出させた状態を保持して、箱形断面材の内部側にナツトを接着により固定することを特徴とする箱形断面材内部側へのナツト固定方法。

( 11) ( 9 ) または（10) において、ナットを箱形断面材の内部側に固定した後、ナット設置ボルトを回転させて取り外すことを特徴とする箱形断面材內部側へのナツト固定方法。

( 12) ( 9 ) または（10) において、ナットを箱形断面材の内部側に固定した後、ナツト設置ポルトに箱形断面材の外部側から仮止めナットを螺合して締め付け、ナット設置ポルトを仮止めして置くことを特徴とする箱形断面材内部側へのナツト固定方法。 ( 13) 雌ネジに螺合する雄ネジを有しィンナースリーブとァウタースリ一ブが連動的に動作する締結具を頭部側に係合して締め付け可能にした高力ボルトであって、頭部先端にトルクコント口ール用のピンテールを形成し頭部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成したものであり、ポルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、頭部外周径ょり大径の外周角形の座金を介揷 · 当接し、ピンテールを締結具のィンナースリーブで掴み座金をアウタースリーブに係合して締め付けるように構成したことを特徴とするトルシア形高力ボルト。

( 14) ( 13) において、ボルト強度が 800N Zmm²以上であることを特徴とするトルシア形高力ボルト。

( 15) ( 13) または（14) において、少なくともボルトの頭部座面およびネジ部が潤滑処理されていることを特徴とするトルシア形高カボノレト。

( 16) ( 13) または（14) において、ボルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介揷 · 当接される座金のボルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とするトルシア形高力ポルト。

( 17) ( 13) または（14) において、少なくとも、ボルトの頭部座面およびネジ部が潤滑処理され、さらに、ポルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介揷 · 当接される座金のボルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とするトルシア形高力ポルト。

( 18) 頭部先端にトルクコント口ール用のピンテールを形成し、頭部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成した（13 ) 〜（17) のいずれかのトルシア形高力ポルトを用いた鋼材のボルト接合方法であって、雄ネジを固定側になる雌ネジに螺着してボルトを締め付ける際に、ボルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、該頭部外周径ょり大径の外周角形の座金を介揷 · 当接し、インナースリーブとアウタースリーブが連動して動作する締結具を用い、ィンナースリーブでピンテールを掴んで回すことによりアウタースリーブを介して座金の反力として得られる回転トルクによって一定の破断トルクで破断させるブレークネックによつてボルトに導入する張力を制御することを特徴とするトルシア形高力ポルトを用いたポルト接合方法。

( 19) ( 18) において、用いるトルシア形高力ポルトが通しボルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものがナツトであることを特徴とするトルシア形高力ポルトを用いたポルト接合方法

( 20) ( 18) において、用いるトルシア形高力ポルトがタップボルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものが接合対象の鋼材であることを特徴とするトルシア形高力ボルトを用いたボルト接合方法。図面の簡単な説明

図 1 は、本発明の実施例 1における箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ポルトによる接合構造例で、本締め付けが完了した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 2 ( a ) は、図 1 で用いたナットの構造例を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 2 ( b ) は、図 2 ( a ) の Aa— Ab矢視説明図である。

図 3 ( a ) は、図 1で用いたナット保持部品の正面説明図である図 3 ( b ) は、図 3 ( a ) の一部切欠断面側面説明図である。図 4 ( a ) は、図 1 で用いた本発明のトルシア形高力ボルトとボルト頭部側の座金の構造例を示す側面説明図である。図 4 ( b ) は、図 4 ( a ) の Ba— Bb矢視説明図である。

図 5 ( a ) は、箱形断面柱の内部側にナットを固定するために用いるナツト設置ボルトの構造例を示す側面説明図である。

図 5 ( b ) は、箱形断面柱の内部側にナットを固定するために用いる他のナツト設置ボルトの構造例を示す側面説明図である。

図 6は、図 1の高力ボルト接合構造を得る過程での固定方法例に用いるナツト設置ポルトにナツトを螺合した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 7 ( a ) は、図 1 の高力ポルト接合構造を得る過程での図 5のナツト設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、図 6 のナツト設置ポルトを箱形断面柱のボルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 7 ( b ) は、図 1 の高力ボルト接合構造を得る過程での図 5のナツト設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナット設置ボルトを箱形断面柱のボルト孔に揷入しナツト側のスリーブに外部側からナツト保持部品を内装している状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 7 ( c ) は、図 1の高力ポルト接合構造を得る過程での図 5のナット設置ポルトを用いたナツ卜の固定手順を示す説明図で、ナットにナツト保持部品を螺合しナツト設置ボルトをナツトから外した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 8 ( a ) は、図 1の高力ポルト接合構造を得る過程でのナットを保持部品で固定した箱形断面柱とスプリットティの高力ポルト接合工法例を示す説明図で、箱形断面柱にスプリットティを当接した状態を示す側断面説明図である。

図 8 ( b ) は、図 1 の高力ポルト接合構造を得る過程でのナットを保持部品で固定した箱形断面柱とスプリットティの高力ポルト接合工法例を示す説明図で、スプリットティの外部側から座金を挿通したトルシア形高力ボルトをボルト孔に挿入している状態を示す側断面説明図である。

図 8 ( c ) は、図 1の高力ボルト接合構造を得る過程でのナットを保持部品で固定した箱形断面柱とスプリットティの高力ポルト接合工法例を示す説明図で、トルシア形高力ボルトをインナースリーブとァウタ一スリープを連動動作させる締結具で本締め付けしている状態（締め付け完了直前）を示す側断面説明図である。

図 9は、本発明の実施例 2における箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 10 ( a ) は、図 9で用いたスリーブ付きナットの構造例を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 10 ( b ) は、図 10 ( a ) の Ca— Cb矢視説明図である。

図 11 ( a ) は、図 9で用いたナット保持部品の正面説明図である。図 11 ( b ) は、図 11 ( a ) の一部切欠断面側面説明図である。

図 12は、図 9の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツトの固定方法例に用いるナツト設置ボルトにナツトを螺合した状態を示す側面説明図である。

図 13 ( a ) は、図 9の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツト設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ボルトを箱形断面柱のポルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 13 ( b ) は、図 9の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツト設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ボルトを引っ張ってナツト保持部品をナツト側のスリーブに内挿している状態を示す一部切欠断面側面説明図である。図 13 ( c ) は、図 9の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツト設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、箱形断面柱にナツトをナツト保持部品で固定後、ナツト設置ボルトをナツトから外した状態を示す一部切欠側断面説明図である。

図 14は、本発明の実施例 3における箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ポルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 15 ( a ) は、図 14で用いたナットの構造例を示す側面説明図でめる。

図 15 ( b ) は、図 15 ( a ) の Da— Db矢視説明図である。

図 16は、図 14の高力ポルト接合構造を得る過程でのナットの固定方法例に用いるナツト設置ポルトにナツトを螺合した状態を示す側面説明図である。

図 17 ( a ) は、図 14の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナット設置ポルトを箱形断面柱のボルト孔に揷入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 17 ( b ) は、図 14の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ボルトを引っ張ってナ'ットの座金相当部を箱形断面柱の内面に接着している状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 17 ( c ) は、図 14の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、箱形断面柱にナツトを接着 · 固定後、ナット設置ボルトをナットから外した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 18は、図 17 ( b ) の状態を経てナツト設置ボルトに仮止ナツトを螺合し軽く締め付けた場合の状攀例を示す側断面説明図である。図 19は、本発明の実施例 4における箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ポルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 20は、図 19の高力ボルト接合構造を得る過程でのナツトの固定方法例に用いるナット設置ポルトに、スリーブを固着したナツトを螺合した状態を示す側面説明図である。

図 21 ( a ) は、図 19の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナットの固定方法（手順）例を示す説明図で、ナツト設置ポルトを箱形断面柱のボルト孔に揷入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 21 ( b ) は、図 19の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナットの固定方法（手順）例を示す説明図で、ナツト設置ポルトを引っ張ってナツトの座金相当部に固着したスリ一ブを箱形断面柱のポルト孔に接着している状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 21 ( c ) は、図 19の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナットの固定方法（手順）例を示す説明図で、箱形断面柱にナツトを固定後、ナット設置ポルトをナツトから外した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 22は、本発明の実施例 5における箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 23 ( a ) は、図 22で用いたスリーブ付きナットの構造例を示す一部断面側面説明図である。

図 23 ( b ) は、図 23 ( a ) の Ea— Eb矢視説明図である。

図 24は、図 22の高力ポルト接合構造を得る過程でのナッ卜の固定方法例に用いるナツト設置ボルトに、スリーブを固着したナツトを螺合した状態を示す側面説明図である。

図 25 ( a ) は、図 22の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ポルトを箱形断面柱のポルト孔に揷入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 25 ( b ) は、図 22の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツト設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナット設置ボルトを引っ張って箱形断面柱の外面に突出させたスリーブの突起部を治具で拡開 · 折曲を開始する状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 25 ( c ) は、図 22の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、箱形断面柱の外面にナット側スリーブの突起部を拡開 · 折曲して係止 · 固定後、ナット設置ポルトをナットから外した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 26は、本発明の実施例 6における箱形断面柱とスブリットティのトルシア形高力ボルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 27 ( a ) は、図 26で用いたナットとナット保持部品の構造例を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 27 ( b ) は、図 27 ( a ) の Fa— Fb矢視説明図である。

図 28は、図 26の高力ポルト接合構造を得る過程でのナツトの固定方法例に用いるナツト設置ポルトに、ナツト保持部品を固着したナットを螺合した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 29 ( a ) は、図 26の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ポルトを箱形断面柱のポルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 29 ( b ) は、図' 26の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ポルトを引っ張って箱形断面柱の外面に突出させたナツト保持部品の突起部を治具で拡開 · 折曲を開始する状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 29 ( c ) は、図 26の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、箱形断面柱の外面にナツト保持部品のスリーブの突起部を拡開 · 折曲して係止 - 固定後、ナツト設置ボルトをナツトから外した状態を示す一部切欠側断面説明図である。

図 30は、本発明の実施例 Ίにおける箱形断面柱とスプリットティのトルシア形高力ポルトによる接合構造例で本締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 31 ( a ) は、図 30で用いたナットの構造例を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 31 ( b ) は、図 31 ( a ) 図の Ga— Gb矢視説明図である。

図 32 ( a ) は、図 30で用いたナット保持部品の構造例を示す正面説明図である。

図 32 ( b ) は、図 32 ( a ) 図の側面説明図である。

図 33は、図 30の高力ボルト接合構造を得る過程でのナツ卜の固定方法例に用いるナツト設置ボルトに、ナツト保持部品を固着したナットを螺合した状態を示す側面説明図である。

図 34 ( a ) は、図 30の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナット設置ポルトを箱形断面柱のポルト孔に挿入した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。図 34 ( b ) は、図 30の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト設置ポルトを引っ張って箱形断面柱の外面に突出させたナット設置ポルトに挿通したナツト保持部品をポルト孔に揷入している状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 34 ( c ) は、図 30の高力ボルト接合構造を得る過程でのナット設置ポルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、ナツト保持部品の係止鈎が座金の係止縁を通過中の状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 34 ( d ) は、図 30の高力ポルト接合構造を得る過程でのナット設置ボルトを用いたナツトの固定手順を示す説明図で、箱形断面柱にナットを固定後、ナット設置ポルトをナットから外した状態を示す一部切欠断面側面説明図である。

図 35 ( a ) は、本発明のトルシア形高力ポルトの使用例を示し、通しボルトとして用いた角形鋼管柱と接合金物とのボルト接合構造例での締め付け完了直前の状態を示す側断面説明図である。

図 35 ( b ) は、図 35 ( a ) の締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 36 ( a ) は、本発明のトルシア形高力ポルトの他の使用例を示し、タップボルトとして用いた鋼材と鋼材のポルト接合構造例での締め付け完了直前の状態を示す側断面説明図である。

図 36 ( b ) は、図 36 ( a ) の締め付けが完了した状態を示す側断面説明図である。

図 37は、従来の箱形断面柱と H形断面梁の高力ボルト接合構造例を示す立体説明図である。

図 38 ( a ) は、従来のトルシア形高力ボルトセットのポルトの説明図である。図 38 ( b ) は、従来のトルシア形高力ポルトセットのナツトの説明図である。

図 38 ( c ) は、従来のトルシア形高力ポルトセットの座金の説明図である。

図 39 ( a ) は、従来のトルシア高力ボルトによるポルト接合構造例でのポルト締め付け方法例を示す説明図で、ナットを 1次締め付けした状態を示す側断面説明図である。

図 39 ( b ) は、従来のトルシア高力ボルトによるポルト接合構造例でのボルト締め付け方法例を示す側断面説明図で、インナースリーブとアウタースリーブを連動動作させる締結具で本締め付けしている状態を示す側断面説明図である。

図 39 ( c ) は、従来のトルシア高力ボルトによるポルト接合構造例でのポルト締め付け方法例を示す側断面説明図で、締結具で本締め付けを完了した状態を示す側断面説明図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の高力ポルト接合構造およびナツトの固定方法は、主として、スプリットティやエンドプレート、アングル材、添板などの接合金物を用いた箱形断面柱と H形断面梁の高力ポルト接合構造において、特に箱形断面柱と接合金物を高力ポルト接合する場合に適用されるものである。

本発明の高力ポルト接合構造およびナツトの固定方法では、基本的には、ナット（ここでは、単独のナット、座金と一体成形されたナット、独立した座金と一体化したナットなどを含め、以下「ナツト」という。）を、予め箱形断面柱の内部側に固定しておき、箱形断面柱の外側にスプリットティ（以下、接合金物を「スプリットティ」で代表説明する。）を当接して高力ボルト接合する際に、高力ポルトを外部側からボルト孔に挿入し、雄ネジ部を内部側に固定したナツトの雌ネジに螺合して、外部側にある高力ボルトの頭部側を締結具で回転させて締め付けるものであり、高力ポルトとしては、頭部側にトルクコント口ール機構を備えたトルシア形高力ポルトを主に用いるものである。このようなトルシア形高力ボルトを用いる場合には従来の締付具とは異なる特殊な締結具を用いるものであるナットを箱形断面柱の内部に固定する場合には、例えば本件出願人の出願になる特開 2000— 213070号公報に開示されるような特殊な装置（ポルト搬送装置と引出治具）を用いることができる。この装置を用いる場合には、ナットを螺合したナット設置ボルトをボルトと'し、これを直立状態にしてポルト搬送装置によって箱形断面柱内のポルト孔の位置まで搬送し、外部側からボルト孔に挿入した引出治具により先端部を外部側に引き上げた状態にして、箱形断面柱の内部側でナット設置ポルトに螺合されているナットを、ナツト保持部品、スリーブ、接着などの固定手段により箱形断面柱の内部に固定することができる。

ここで用いるナット保持部品やスリーブは、主として金属製あるいはプラスチック製であり、ナツト保持部品が金属製で鍔部の表裏面が接合面になる場合には、この鍔部の外径をポルト軸径の 2〜 3 倍にすることが好ましい。

スプリットティを箱形断面柱に高力ポルト接合する場合には、ナット設置ポルトをナツトから取り外してスプリットティを箱形断面柱に当接し、高力ボルトを外部側からポルト孔に挿入して箱形断面柱の内部側に固定されたナツトに螺合し、ボルト頭部側を締結具で回転させることにより締め付け、スプリットティを箱形断面柱に接合することができる。箱形断面柱とスプリットティ（接合金物）の高力ボルト接合作業は、すべて工場で完了させることが可能であるが、建て方現場での梁材の取り付けの際の制約を緩和するために、例えば下側スプリツトティのみを接合して建て方現場に移動させ、上側スプリットティは建て方現場で梁材を取り付ける際に接合したり、あるいは上下のスプリットティを建て方現場で建て方前に、または梁材を取り付ける際に接合する場合などがあり、高力ポルトとしては、頭部側にトルクコント口ール機構を備えたトルシア形高力ポルトを主に用いるが、接合構造全体としては、一部にヮンサイドボルトゃ高力六角ポルトを用いることもできる。

(実施例 1 )

以下に、本発明の実施例 1を図 1〜図 8 ( c ) に基づいて詳細に説明する。

この実施例 1 は、角形断面の箱形断面材による柱（以下「箱形断面柱」という） 1 に、接合金物であるスプリットティ 2を介して梁材である H形断面梁（図示省略）を取り付ける箱形断面柱と H形断面梁の高力ボルト接合構造において、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ボルト接合構造に本発明を適用した場合のものである。図 1 は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カポルト接合構造例において、本発明のトルシア形高力ボルト 6 ひによる接合を完了した状態を示している。

なお、スプリットティ 2は、 H形断面梁を箱形断面柱 1に取り付ける場合には、 1本の H形断面梁に対して上下一対用いられるものであり、通常、 1個のスプリットティ 2は、複数本の高力ポルトによって箱形断面柱 1 に接合されるものであるが、ここでは、高カボルトとして、従来のトルシア形高力ボルトとは異なる、頭部にトルタコントロール機構を備えた本発明のトルシア形高力ボルト 6 αを用いたポルト接合構造例で、 1本のトルシア形高力ボルト 6 ひを中心に図示して代表説明する。なお、以下の実施例 2 〜 7の説明においても同様である。

図 1において、 15は箱形断面柱 1 の内部側に固定されたナツトで、図 2 ( a ) 、図 2 ( b ) に示すように、ここでは座金と一体に形成した形状であり、小径の雌ネジ 15 s を有し、座金相当部 15 z側には大径の雌ネジ 15 oを有するものである。 16は箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を保持するために用いるナツト保持部品である。このナット保持部品 16は金属製であり、図 3 ( a ) 、図 3 ( b ) に示すように、スリーブ部 16 a と鍔部 16 bからなり、スリーブ部 16 a先端部には雄ネジ 16 s を有するものである。

ナツト保持部品 16のスリーブ部 16 aは、箱形断面柱 1 の外側からボルト孔 17に挿入されており、雄ネジ 16 sがナツト 15の座金相当部 15 zの大径の雌ネジ 15 οに螺合され、鍔部 16 bが箱形断面柱 1の外部側に係止されている。ここでは、鍔部 16 bの表裏面は、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の内面との接合面になるため、安定した接合面とするために、その外径 doがトルシア形高力ボルト 6 αの軸径の 2〜 3倍になるように設定されている。

箱形新面柱 1 の外側でナツト保持部品 16の鍔部 16 bの外面に当接されたスプリットティ 2は、外部側からポルト孔 17に挿入されたトルシア形高力ポルト 6 _αを、箱形断面柱 1 の内部側に固定されたナット 15に螺合して頭部側を締め付けることによって、箱形断面柱 1 に接合されている。

このトルシア形高力ポルト 6 αは、ナット 15の雌ネジ 15 s に螺合する雄ネジ 6 s を有するものであり、図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) に示すように、頭部 6 t に張力コント口ール用のピンテール 18を形成し、頭部 6 t とピンテール 18間に破断溝によるブレークネック 19を形成したものであり、図 38 ( a ) 〜図 38 ( c ) に示した従来のトルシァ形高力ポルト 6 とは異なるものである。

このトルシア形高力ボルト 6 αの頭部 6 t の座面 6 f に外周形状が六角形の座金 20が介揷 · 当接されているが、この座金は、図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) に示すように、外周形状が六角形であり、ボルト頭部 6 t の外径より大径にして、締結具 21で締め付ける際にポルト頭部 6 t と干渉しないようにしたものである。

この座金 20は、トルシア形高力ボルト 6 ひを締結具 21 (図 8 ( c ) を参照）で締め付ける際に、この締結具 21のアウタースリーブ 21 oに係合させ、締結具 21のィンナースリーブ 21 i でボルト頭部 6 t のピンテール 18を掴み回して、座金 20からの反力としての回転トルクによってブレークネック 19を所定の破断トルクで破断させて、ボルトに対する導入張力をコントロールするために重要な役割を果すものである。

なお、このトルシア形高力ポ^^ト 6 ひの構成、および、これを用いた接合方法については、後段においてさらに詳述する。

この実施例 1 の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のボルト接合構造を得るための接合工法例について、図 5 ( a ) 、図 5 ( b ) 〜図 7 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕 '

( 1 ) ナット設置ボルトを用いる方法

この方法では、図 5 ( a ) に示すような一方の側に雄ネジ 22 s を形成し他方の側の端部に把持部 22 aを形成した設置ポルト 22 (または、図 5 ( b ) に示すような本体全面に雄ネジ 23 s を形成し、他方の側の端部に把持部 23 a を形成したナツト設置ボルト 23を用いてもよい。）を用い、図 6に示すように、雄ネジ 22 s にナツト 15の小径の雌ネジ 15 s を螺合し、このナツト設置ポルト 22の把持部側を箱形断面柱 1の内部側からボルト孔 17を経由して外部側に突出させた状態でナット 15を固定するものである。

そのために、ナット設置ポルト 22は、箱形断面柱 1の内部の所定位置（ポルト孔 17の直下）に移動させ、ボルト孔 17を経由して外部側に押し上げまたは引き上げる必要があるが、その手段として、例えば、前記本件出願人の出願になる特開 2000— 213070号公報に開示されるポルト搬送装置と引出治具（図示省略）を用いることができる。

すなわち、ナット設置ポルト 22は、把持部 22 aを上にした状態でボルト搬送装置に搭載し、箱形断面柱 1 の内部側の所定位置（ポルト孔 17の直下）まで移動させ、箱形断面柱 1のボルト孔 17に、予めナット保持部品 16 (スリーブ部 16 a ) を揷通してある引出治具 24の把持部 24 aを挿入し、図 7 ( a ) に示すように、ナット設置ボルト 22の把持部 22 a を把持して引上げ、図 7 ( b ) に示すように、ナツト 15の座金相当部 15 z の座面を箱形断面柱 1 の内面に押し付けた状態で、ナット保持部品 16のスリーブ部 16 a を、ポルト孔 17に挿入し、スリーブ部 16 aの雄ネジ 16 s をナツト 15の座金相当部 15 zの大径の雌ネジ 15 0に螺合して締め付ける。

この締め付けの完了によって、ナット保持部品 16の鍔部 16 bが箱形断面柱 1の外面に係止されることにより、図 7 ( c ) に示すようにナツト 15を箱形断面柱 1の内部側に確実に固定することができる。ナット設置ボルト 22は、ナット固定後に適時ナツト 15から取り外すものである。

( 2 ) 接合部位が作業者の手の届くところにある場合には、上記したナット設置ボルトを用いることなく、ナット 15を箱形断面柱 1 の内部側に固定することができる。

〔箱形断面柱内とスプリットティの高力ポルト接合工法〕上記のようにして、内部側にナツト 15を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合工法について、図 8 ( a ) 〜図 8 ( c ) に基づいて説明する。

図 7 ( c ) に示すように、ナット保持部品 16を用いてナット 15を箱形断面柱 1の内部側に固定し、ナット設置ボルト 22をナット 15から取り外した状態で、図 8 ( a ) に示すように箱形断面柱 1 の外側にスプリットティ 2を箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト孔 17 (双方のボルト孔 17の孔径は必ずしも同じでなくてもよい）を合わせるように当接し、座金 20を挿入したトルシア形高力ボルト 6 α を、図 8 ( b ) に示すように、スプリットティ 2の外側からスプリットティ 2のボルト孔 17、ナツト保持部品 16のスリーブ部： 16 a内を経由して挿入し、雄ネジ 6 s を箱形断面柱 1 の内部に固定したナツト 15の小径の雌ネジ 15 s に螺合して一次締めを行う。

一次締めを行った後、図 8 ( c ) に示すように、インナースリーブ 21 i とアウタースリーブ 21 οを連動して動作させる機構を備えた締結具 21によって本締め付けを行う。締結具 21は、例えば図 39 ( b ) 〜図 39 ( c ) に示す公知の締結具 14と基本的には同様の原理を利用したものであるが、トルシア形高力ポルト 6 ひのピンテール 18を掴み回転させるインナースリーブ 21 i と、トルシア形高力ポルト 6 aの頭部 6 t の座面 6 f に当接された座金 20に係合するアウタースリーブ 21 οを連動的に動作させる機構を備えたものであり、公知の締付具 14と同じものではない。

この締結具 21でトルシア形高力ボルト 6 αを締め付ける場合には、ィンナースリーブ 21 i でトルシア形高力ボルト 6 ο;の頭部 6 t に形成したピンテール 18を掴み、アウタースリ—ブ 21 o を座金 20に係合して、ピンテール 18を回し、アウタースリ一プ 21 o を介して座金 20からの反力としての回転トルクによって、ピンテール 18の破断溝によるブレークネック 19を所定の破断トルクで破断させるものであり、ポルトに対する導入張力を容易にコントロールして安定した高力ボルト接合構造を実現することができる。

なお、ナット保持部品 16は、トルシア形高力ボルト 6 αの締め付けを完了した状態では不要なものであるが、そのまま残しておいても支障はない。

この実施例 1 のトルシア形高力ボルト 6 ひを使用した、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、外部側でポルトの締め付けが行えるので、建て方現場でも高価なワンサイドボルトを使用する必要がなく、コストの大幅低減が可能である。また、ポルトの締め付け作業を、柱の建て方現場で箱形断面柱 1 に Η形断面梁をスプリットティ 2を介して取り付ける際に並行して行えることから、 Η形断面梁の取り付け作業に制約を与えることがなく、良好な施工性を確保できる。また、頭部 6 t側にトルクコントロール用のピンテール 18を有するトルシア形高力ボルト 6 αを用いているので、箱形断面柱 1の内部側にナット 15を固定し、外部側でボルト頭部 6 t側を回して締め付ける場合には、ボルトに対する導入張力を容易にコント口ールすることができ、安定した接合構造を実現することが可能になる。

(実施例 2 )

以下に、本発明の実施例 2を図 9〜図 13 ( c ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 2は、実施例 1 とは、ナツト 15の固定方法（構造）において異なる。実施例 1 と共通する部分については、詳細説明を省略する。

図 9は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カボルト接合構造例において、トルシア形高力ボルト 6 ひによる接合を完了した状態を示している。図 9において、 15は箱形断面柱 1の内部側に固定された雌ネジ 15 s を有するナットで、図 10 ( a ) 、図 10 ( b ) に示すように、ここでは座金相当部 15 z と一体に成形した形状で、座金相当部 15 z にスリーブ 25を固定したものである。

このスリープ 25は金属製であり、基端部を座金相当部 15 zの孔内に嵌入 · 接着して固定したもので、ポルト孔 17より僅かに小径の外径を有して箱形断面柱 1のポルト孔 17に挿入されており、この.スリーブ 25には、箱形断面柱 1の外側からポルト孔 17に揷入されたナツト保持部品 26のスリーブ部 26 aが内挿され、スリーブ 25の内周面とスリーブ 26 a部外周面が接着剤 bにより接合されている。

ナット保持部品 26は金属製のものであり、図 11 ( a ) 、図 11 ( b ) に示すようにスリーブ部 26 a と鍔部 26 b力らなるものであり、スリーブ部 26 aの内径は、トルシア形高力ボルト 6 αの軸径ょり僅かに大径であり、雄ネジ 6 s部を容易に挿入可能である。

また、鍔部 26 bは、ナット 15を箱形断面柱 1 の外面に係止するものであるが、ここでは、その表裏面が接合面になるため、安定した接合面とするために外径 doがトルシア形高力ボルト 6 αの軸径の 2 〜 3倍の径に設定されている。

スリーブ部 26 aは、ナツト 15側のスリ一ブ 25に揷入容易にするために僅かに先細りの形状にしてもよい。このナツト保持部品 26のスリーブ部 26 aが箱形断面柱 1 の外面側から座金相当部 15 zに固定したスリーブ 25に内挿 ·接着され、鍔部 26 bが箱形断面柱 1 の外面に係止されることによって、ナツト 15がスリーブ 25、ナツト保持部品 26を介して箱形断面柱 1の内部側に確実に固定される。

トルシア形高力ポルト 6 ひは、座金 20を挿入したもので、実施例 1 と同様のものであり、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からボルト孔 17に揷入され、雄ネジ 6 s を箱形断面柱 1の内部側に固定されたナツト 15の雌ネジ 15 s に螺合して、実施例 1 と同様の締結具 21により頭部 6 t側で締め付けることにより、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2を接合したものである。なお、ナット 15側のスリーブ 25とナツト保持部品 26は、トルシア形高力ボルト 6 αの締め付けを完了した状態では不要なものであるが、そのまま残しておいても支障はない。

この実施例 2 の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2 のポルト接合構造を得るための接合工法について、図 12〜図 13 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1 と同様の装置とナツト設置ポルト 22を用いる方法であり、図 12に示すように、ナット設置ポルト 22の雄ネジ 22 s に、座金相当部 15 ζにスリーブ 25を固定したナツト 15の雌ネジ 15 s を螺合し、このナツト設置ポルト 22を箱形断面柱 1の内部の所定位置に搬送する。

図 13 ( a ) に示すように、箱形断面柱 1のポルト孔 17の外部側から、予めナツト保持部品 26のスリーブ部 26 a を揷通した引出治具 24 の把持部 24 a を挿入してナツト設置ポルト 22の把持部 22 aを把持して引上げ、図 13 ( b ) に示すように、ナット 15側のスリーブ 25を箱形断面柱 1 のボルト孔 17に揷入しナツト 15の座金相当部 15 z を箱形断面柱 1 の内面に押し付ける。

この状態で、ナツト保持部品 26のスリーブ部 26 aを箱形断面柱 1 の外側からボルト孔 17に揷入してナツト側のスリーブ 25に内挿し、スリーブ部 26 aの外周面をナツト側のスリーブ 25の内周面に接着剤 bで接着する。十分に接着された状態になつてから、図 13 ( c ) に示すようにナット設置ボルト 22の把持部 22 a を回してナツト設置ポルト 22をナット 15から取り外す。このようにして、箱形断面柱 1の内部側にスリープ 25とナツト保持部品 26を介してナツト 15を固定することができる。

なお、接着力の発現が不十分な状態で現場に搬送する場合などには、搬送途中の衝撃による脱落防止のために、図 5 ( b ) に示す軸部に全ネジ 23 s を有するナット設置ポルト 23を用い、このナット設置ポルト 23を取り外さないで、外部側からナツト設置ポルト 23に仮止めナツトを螺合して手締め程度で締め付けて現場に搬送することもできる。

また、この実施例 2では、ナット 15側のスリーブ 25とナット保持部品 26のスリーブ 26 aを接着 . 固定しているが、スリーブ 25の内周に雌ネジを形成し、スリープ 26 a の外周に雄ネジを形成して螺合 ♦ 固定したり、スリ一プ 25の内周と、スリーブ部 26 a の外周に嵌合部 (凹凸）を形成して嵌合 · 回動して係止 ♦ 固定するようにしてもよレヽ _c

〔箱形断面柱内とスプリットティの高力ポルト接合工法〕上記のようにして、箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合工法については、実施例 1 の場合と概ね同様につき、説明を省略する。

この実施例 2 のトルシア形高力ポルト 6 αを使用した、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、実施例 1の場合に比較して部品数増に加え接着施工負担がやや大きいが、概ね同様の効果が得られる。

(実施例 3 )

以下に、本発明の実施例 3を図 14〜図 17 ( c ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 3は、実施例 1， 2 とはナット 15の固定方法 (構造）において異なる。実施例 1 , 2 と共通する部分については詳細説明を省略する。

図 14は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カボルト接合構造例において、トルシア形高力ポルト 6 aによる接合を完了した状態を示している。図 14において、 15は箱形断面柱 1の内部側に接着 · 固定された雌ネジ 15 s を有するナットで、図 15 ( a ) 、図 15 ( b ) に示すように座金相当部 15 z と一体に成形した形状であり、箱形断面柱 1の内部側に接着剤 bで接着され固定されているトルシア形高力ボルト 6 αは、座金 20を挿入したもので実施例 1 ， 2 と同様のものであり、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からボルト孔 17に挿入され、雄ネジ 6 s を箱形断面柱 1 の内部側に接着 · 固定されたナツト 15の雌ネジ 15 s に螺合して、実施例 1 と同様、締結具 21により頭部 6 t側で締め付けることにより、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2を接合したものである。

この実施例 3の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造を得るための接合工法について、図 16〜図 17 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1， 2 と同様の装置とナツト設置ポルト 22を用いる方法であり、図 16に示すように、ナット設置ポルト 22の雄ネジ 22 s に、座金相当部 15 zの座面に接着剤 bを施したナツト 15の雌ネジ 15 s を螺合し、このナット設置ボルトを箱形断面柱 1の内部の所定位置に搬送する。

図 17 ( a ) に示すように、箱形断面柱 1 のポルト孔 17の外部側から引出治具 24の把持部 24 aを挿入して、ナツト設置ポルト 22の把持部 22 a を把持して引上げ、図 17 ( b ) に示すように、ナツト 15の座金相当部 15 z を箱形断面柱 1の内面に押し付け座面を接着剤 bで接着 · 固定する。十分に接着 ' 固定された状態になつてから、図 17 ( c ) に示すように、ナット設置ボルト 22の把持部 22 aを回してナツト設置ポルト 22をナツト 15から取り外す。このようにして、箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を固定することができる。

なお、接着力の発現が不十分な状態で現場に搬送する場合などには、搬送途中の衝撃による脱落防止のために、例えば、図 18に示すように、軸部に全ネジ 23 s を有するナット設置ポルト 23を用い、このナツト設置ポルト 23を取り外さないで、外部側からナツト設置ボルト 23に仮止めナツト 27を螺合して手締め程度で締め付けて現場に搬送することもできる。

〔箱形断面柱内とスプリットティの高力ボルト接合工法〕上記のようにして、箱形断面柱 1の内部側にナット 15を固定した後の箱形断面柱 1内とスプリットティ 2の高力ポルト接合工法については、実施例 1〜2の場合と概ね同様につき、説明を省略する。

この実施例 3のトルシア形高力ポルト 6ひを使用した、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、ナット 15を箱形断面柱 1 の内部側に接着 · 固定するものであるため、実施例 1 ， 2に比較して、スリーブやナット保持部品を用いる必要がなく、構造が簡易であり、ナツトの固定作業も簡易である。他の効果は、実施例 1， 2の場合と概ね同様である。

(実施例 4 )

以下に、本発明の実施例 4を図 19〜図 21 ( c. ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 4は、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ボルト接合構造に本発明を適用した場合のものである。

図 19は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カポルト接合構造例において、ボルト接合を完了した状態を示している。この実施例 4は、箱形断面柱 1の内部側へのナツト固定構造において実施例 1〜実施例 3 と異なるものである。他の共通部分の詳細説明は一部省略する。図 19において、 15は箱形断面柱 1 の内部側に固定された雌ネジ 15 s を有するナットで、実施例 1〜 3 と同様、座金相当部と一体に成形した形状で、座金相当部 15 z にスリーブ 28を固定したものである。このスリーブ 28は金属製であり、基端部を座金相当部 15 zの孔内に嵌入 ·接着して固定したもので、ポルト孔 17より僅かに小径の外径を有し箱形断面柱 1 のボルト孔 17に嵌入され外周面が接着剤 bにより接着されている。なお、接着に際しては、通常の接着剤を用いて接着することができる。

トルシア形高力ボルト 6 ひは、座金 20を挿入したもので、実施例 1〜 3 と同様のものであり、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からポルト孔 17に挿入され、雄ネジ 6 s をスプリットティ 2のボルト孔 17、スリーブ 28の孔内を経由して箱形断面柱 1 の内部側に接着 · 固定されたナツト 15の雌ネジ 15 s に螺合し、実施例 1〜 3 と同様、締結具 21により頭部側で締め付けることにより、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2を接合したものである。

この実施例 4の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造を得るための接合工法について、図 20〜図 21 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1〜 3 と同様の装置とナット設置ボルト 22を用いる方法であり、図 20に示すように、ナット設置ボルト 22の雄ネジ 22 s に、座金相当部 15 z に外周面に接着剤 bを施したスリーブ 28を固定したナット 15の雌ネジ 15 s を螺合し、箱形断面柱 1の内部の所定位置に搬送する。

図 21 ( a ) に示すように、ボルト孔 17の外部側から引出治具 24の把持部 24 aを揷入してナツト設置ボルト 22の把持部 22 a を把持して引上げ、図 21 ( b ) に示すように、ナット 15の座面相当部 15 z を箱形断面柱 1 の内面に押し付けた状態で、スリープ 28の外周面を箱形断面柱 1 のボルト孔 17の内面に接着剤 bにより接着 · 固定する。十分に接着 · 固定された状態になつてから、図 21 ( c ) に示すように、ナツト設置ポルト 22の把持部 22 a を回してナツト設置ポルト 22をナット 15から敢り外す。このようにして、箱形断面柱 1 の内部側にナット 15を固定することができる。

接着力の発現が不十分の状態で現場に搬送する場合などには、搬送途中の衝擊による脱落防止のために、例えば、前記図 18に示すように、軸部に全ネジ 23 s を有するナット設置ポルト 23を用い、ナツト設置ボルト 23を取り外さないで、外部側からナツト設置ボルト 22 に仮止めナツト 27を螺合して手締め程度で締め付けて現場に搬送することもできる。

〔箱形断面柱とスプリットティの高力ボルト接合工法〕

上記のようにして箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合工法については、実施例 1〜 3の場合と概ね同様であるので説明を省略する。

この実施例 4のトルシア形高力ボルト 6 aを使用した箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、箱形断面柱 1 の内部側へのナット 15の固定は、ナット 15側のスリ一ブ 28を箱形断面柱 1 のボルト孔 17に嵌入して、その外周面を接着 · 固定するようにしており、ナツト保持部品を用いる実施例 1， 2に比較して、構造が簡易であり、ナットの固定作業も簡易である。他の効果は、実施例 1〜 3の場合と同様である。

(実施例 5 )

以下に、本発明の実施例 5を図 22〜図 25 ( c ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 5は、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合構造に本発明を適用した場合のものである。図 22は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カポルト接合構造例において、ボルト接合を完了した状態を示している。この実施例 5は、箱形断面柱 1の内部側へのナツト固定構造において実施例 1〜実施例 4 と異なるものである。他の共通部分の詳細説明は一部省略する。

図 22において、 15は箱形断面柱 1 の内部側に固定された雌ネジ 15 s を有するナットで、実施例 1 〜 4 と同様、座金相当部: 15 z と一体に成形した形状であり、図 23 ( a ) 、図 23 ( b ) に示すように座金相当部 15 z にスリーブ 29を固定したものである。このスリーブ 29は金属製であり、基端部を座金相当部 15 zの孔内に嵌入 · 接着したもので、ボルト孔 17より僅かに小径の外径を有し先端部側に複数の突起部 29 kを形成したものである。

この突起部 29 kは、先端部を拡開 · 折曲するものであり、スリーブ 29を箱形断面柱 1 のポルト孔 17に揷入した後、箱形断面柱 1 の外側に突出した突起部 29 kを拡開 · 折曲して係止することによって、ナット 15を箱形断面柱 1 の内部側に固定している。

スリーブ 29は、その突起部 29 kの先端が、箱形断面柱 1の外面から数 mm、好ましくは 3〜 5 mm程度、突出するような長さとし、突起部 29 kの長さは、突起部 29 kの谷底が箱形断面柱の柱内に位置するように、上記の突出長さよりやや、好ましくは 1 程度、長いものとする。

トルシア形高力ポルト 6 αは、座金 20を挿入したもので、実施例 1〜 4 と同様のもので、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からボルト孔 17に揷入され、スプリットティ 2のポルト孔 17、スリーブ 29の孔内経由で、雄ネジ 6 s を箱形断面柱 1の内部側に固定されたナツト 15の雌ネジ 15 s に螺合して、実施例 1 と同様、締結具 21により頭部側で締め付けることにより、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2を接合したものである。

この実施例 5の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合構造を得るための接合工法について、図 24〜図 25 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1 〜 4 と同様の装置とナツト設置ボルトを用いる方法であり、図 24に示すように、ナット設置ポルト 22の雄ネジ 22 sに、座金相当部 15 z を一体に成形したナツト 15の雌ネジ 15 s を螺合し、箱形断面柱 1の内部の所定位置に搬送する。

図 25 ( a ) に示すように、箱形断面柱 1 のボルト孔 17の外部側から引出治具 24の把持部 24 a を挿入して、ナツト設置ボルト 22の把持部 22 aを把持して引上げ、図 25 ( b ) に示すように、ナット 15の座面相当部 15 z の座面を箱形断面柱 1の内面に押し付けた状態で、箱形断面柱 1の外側に突出したスリーブ 29の先端の突起部 29 kを適宜の折曲治具 30を用いて拡開 · 折曲させて箱形断面柱 1 の外面に係止 • 固定する。係止 · 固定後、図 25 ( c ) に示すように、ナット設置ポルト 22の把持部 22 aを回してナツト設置ポルト 22をナット 15から取り外す。このようにして、箱形断面柱 1の内部側にナット 15を固定することができる。

〔箱形断面柱とスプリットティの高力ボルト接合工法〕

上記のようにして、箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ボルト接合工法については、実施例 1〜実施例 4の場合と概ね同様であるので説明を省略する。

この実施例 5のトルシア形高力ボルト 6 ひを使用した箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、箱形断面柱 1 の内部側へのナツト 15の固定は、ナツト 15側のスリーブ 29を箱形断面柱 1 のポルト孔 17に挿入して、その突起部 29 kを拡開 '折曲して、係止 · 固定するようにしており、接着施工が少なく固定作業が簡易である。他の効果は、基本的には、実施例 1〜 4の場合と概ね同様である。

(実施例 6 )

以下に、本発明の実施例 6を図 26〜図 29 ( c ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 6は、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合構造に本発明を適用した場合のものである。

図 26は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カポルト接合構造例において、トルシア形高力ポルト 6 ひによる接合を完了した状態を示している。この実施例 6は、箱形断面柱 1 の内部側へのナツト固定構造において実施例 1〜実施例 5 と異なるものである。他の共通部分の詳細説明は一部省略する。

図 26において、 15は箱形断面柱 1 の内部側に固定された雌ネジ 15 s を有するナットで、座金相当部 15 z と一体に形成した形状であり、図 27 ( a ) 、図 27 ( b ) に示すように座金相当部 15 zの外周に、ナット保持部品 31の複数の係止脚 32の係止部を係合したものであるこのナツト保持部品 31は金属製であり、ボルト孔 17より僅かに小径の外径を有するスリーブ部 31 aの先端部側に複数の突起部 31 kが形成されたものである。係止脚 32は容易に弾性変形し係止部をナツト 15の座金相当部 15 z の外周に容易に着脱可能である。この係止脚 32は箱形靳面柱 1の内部側およびナット（座金相当部）との接合面を有するものであるため、十分な摩擦力を確保できる面積を有し接合面に高摩擦処理を施すことが好ましい。

また、突起部 31 kは、先端部を拡開 · 折曲するものであり、スリーブ部 31 aを箱形断面柱 1 のポルト孔 17に挿入した後、箱形断面柱 1 の外側に、突出した突起部 31 kを拡開 · 折曲して係止することによって、ナツト 15を箱形断面柱 1 の内部側に固定している。

トルシア形高力ポルト 6 αは、座金 20を挿入したもので、実施例：! 〜 5 と同様のものであり、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からボルト孔 17に挿入され、スプリットティ 2 のボルト孔 17、ナツト保持部品 31のスリープ部 31 aの孔內経由で、雄ネジ 6 s を箱形断面柱 1の内部側に固定されたナツト 15の雌ネジ 15 s に螺合して、実施例 1 と同様、締結具 21により頭部側で締め付けることにより、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2を接合したものである。

この実施例 6の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合構造を得るための接合工法について、図 28〜図 29 ( c ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1〜実施例 5 と同様の装置とナツト設置ポルトを用いる方法であり、図 28に示すように、ナット設置ボルト 22の雄ネジ 22 s に、座金相当部 15 zの外周にナツト保持部品 31の複数の係止脚 32の係止部を係合したナット 15の雌ネジ 15 s を螺合して、箱形断面柱 1内部の所定位置に搬送する。

図 29 ( a ) に示すように、ボルト孔 17の外部側から引出治具 24の把持部 24 aを挿入してナツト設置ボルト 22の把持部 22 a を把持して引上げ、図 29 ( b ) に示すように、ナット保持部品 31の係止脚 32を箱形断面柱 1 の内面に押し付けた状態で、箱形断面柱 1 の外側に突出したナツト保持部品 31の突起部 31 kを折曲治具 30を用いて拡開 · 折曲させて箱形断面柱 1 の外面に係止 · 固定する。係止 · 固定後、図 29 ( c ) に示すように、ナット設置ボルト 22の把持部 22 aを回してナット設置ボルト 22をナツト 15から取り外す。このようにして、箱形断面柱 1 の内部側にナツト 15を固定することができる。

〔箱形断面柱とスプリットティの高力ボルト接合工法〕

上記のようにして、箱形断面柱 1の内部側にナツト 15を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ボルト接合工法については、実施例 1 〜 5 と概ね共通するので、説明を省略する。

この実施例 6のトルシア形高力ボルト 6 ひを使用した箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のポルト接合構造においては、箱形断面柱 1 の内部側へのナツト 15の固定は、係止脚 32とスリープ部 31 a と突起部 31 kからなるナツト保持部品 31を用い、ナツト 15の座金相当部 15 z の外周部に係止脚 32を係合し、突起部 31 kを箱形断面柱 1 の外側に拡開 · 折曲させて係止 · 固定するようにしており、ナット 15側へナツト保持部品 31を容易に着脱可能に係合 · 固定でき、接着剤 bを用いる実施例 2 ， 3 , 4に比較して、接着剤施工を必要としないので、ナットの固定作業も簡易である。他の効果は、基本的には、実施例 1 〜 5の場合と概ね同様である。

(実施例 7 )

以下に、本発明の実施例 7を図 30〜図 34 ( d ) に基づいて詳細に説明する。この実施例 7は、実施例 1 〜 6 とは、ナット ·座金構造とナット固定方法（構造）において異なるものである。

図 30は、本発明による箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高カポルト接合構造例において、トルシア形高力ポルト 6 ひによる接合を完了した状態を示している。実施例 1 と共通する部分については、詳細説明を省略する。図 30において、 33は箱形断面柱 1 の内部側に固定されたナットであり、図 31 ( a ) 、図 31 ( b ) に示すように、雌ネジ 33 s を有するもので座金 34が溶接（例えば、スポット溶接 sw ) により固定されている。

座金 34は、図 31 ( a ) 、図 31 ( b ) に示すように、係合孔 34 aのスプリットティ 2側に係止縁 34 eが形成されたものであり、この係止縁 34 eは箱形断面柱 1のポルト孔 17と同径または僅かに小径の内径を有し、箱形断面柱 1 の外部側からボルト孔 17に挿入されたナツト保持部品 35の係止鉤 35 f を係止するようになっている。このナツト保持部品 35はプラスチック製であり、図 32 ( a ) 、図 32 ( b ) に示すように、スリット（切込でも可） s t付きのスリープ部 35 a と鍔部 35 bからなり、スリーブ部 35 aの先端部に係止鉤 35 f を形成したものであり、係止鉤 35 f の外径 do、内径 diは、スリット s tによる効果で弹性的に拡縮可能である。

スリーブ部 35 a内には、ト ^/シァ形高力ボルト 6 の雄ネジ 6 s 部を容易に揷入可能である。ここでは、鍔 35 bは、箱形断面柱 1 の外面に係止するものであり、その外径は、通常、ポルトの孔径より若干、好ましくは、 1 〜 2 mm程度大きくするものであるが、その表裏面が接合面になる場合には、安定した接合面とするために鍔部 35 b を金属製にして外径 Dをトルシア形高力ボルト 6 αの軸径の 2 〜 3倍程度にすることも有効である。

このナツト保持部品 35のスリーブ部 35 aは、箱形断面柱 1 の外側から挿入され、鍔部 35 bが箱形断面柱 1 の外面に係止され、スリーブ 35 a先端部の係止鉤 35 f が箱形断面柱 1の内部側に当接された座金 34の係合孔 34 aの係止縁 34 eに押し込み係止されることにより、座金 34に固定されたナツト 33が箱形断面柱 1 の内部側に確実に固定されている。

トルシア形高力ポルト 6 aは、座金 20を挿入したもので、実施例 1 〜 6 と同様のものであり、雄ネジ 6 s部は、箱形断面柱 1の外側に当接されたスプリットティ 2の外側からポルト孔 17に挿入され、スプリットティ 2のポルト孔 17、ナット保持部品 35のスリーブ部 35 a 内、座金 34の係合孔 34 a内を経て箱形断面柱 1の内部側に固定されたナツト 33の雌ネジ 33 s に螺合することによって、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2が確実に接合されている。なお、ナット保持部品 35は、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2 の接合が完了した状態では不要なものであるが、そのまま残しておいても支障はない。

この実施例 7の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のボルト接合構造を得るための接合工法について、図 33〜図 34 ( d ) に基づいて説明する。

〔箱形断面柱内部へのナツト固定方法〕

実施例 1〜 6 と同様の装置とナツト設置ボルトを用いる方法であり、図 33に示すように、ナット設置ポルト 22の雄ネジ 22 sに、座面側に座金 34を溶接したナツト 33の雌ネジ 33 s を螺合して箱形断面柱 1の内部の所定位置に搬送する。

図 34 ( a ) に示すように、箱形断面柱 1 のポルト孔 17の外部側から、予めナツト保持部品 35を揷通した引出治具 24の把持部 24 a を挿入して、ナット設置ボルト 22の把持部 22 aを把持して引上げ、図 34 ( b ) に示すように、ナット保持部品 35のスリーブ部 35 aを箱形断面柱 1 のポルト孔 17に挿入し、ナット 33を固定した座金 34の座面を箱形断面柱 1 の内面に押し付けた状態で、図 34 ( c ) に示すように、ナット保持部品 35のスリーブ部 35 aを押し込む。

スリーブ部 35 aを押し込むと、スリット s t効果で係止鉤 35 f の外径が縮径して座金 34の係止縁 34 eを通過し、通過と同時に、図 34 ( d ) に示すように、係止鉤 35 f の外径が拡径（復元）して座金 34の係合孔 34 aの係止縁 34 eに係止し、ナット 33は箱形断面柱 1の内部側に確実に固定される。ナット 33を固定後、ナット設置ボルト 22を回してナット 33から取り外す。

〔箱形断面柱内とスプリットティの高力ボルト接合工法〕上記のようにして、箱形断面柱 1 の内部側にナツト 33を固定した後の箱形断面柱 1 とスプリットティ 2の高力ポルト接合工法については、実施例 1〜 6の合と概ね同様につき、説明を省略する。

この実施例 7のトルシア形高力ポルト 6 aを使用した、箱形断面柱 1 とスプリットティ 2のボルト接合構造においては、実施例 1 の場合に比較して、座金の加工、ナット 33と座金 34の固定、ナット保持部品の加工が必要であるが、ナットの固定作業は簡易である。ナットを箱形靳面柱の内部に固定して得られる効果については他の実施例 1〜 6 と概ね同様である。

上記の実施例 1〜 6においては、ナツト 15を座金相当部 15 z と一体に成形しているが、ナットと座金を独立して成形した後一体化させてもよいし、ナットのみを単独で用いてもよい。

また、上記実施例 2， 4， 5においては、ナット（座金相当部）にナツト保持部品としてスリーブを嵌入 · 接着により固定しているが、ナット（座金相当部）に揷し込むスリーブの基部にスリットを形成してスリットの径を弹性的に拡縮可能にして、圧入して固定するようにしてもよい。この場合、接着を併用してもよい。あるいは、実施例 1の場合のように螺合してもよい。

本発明の高力ボルト接合構造およびナツトの固定方法は、上記の実施例の内容のみに限定されるものではない。例えば、上記の実施例は、本発明を角形断面の箱形断面材を柱材として用い、この柱材料に接合金物としてのスプリットティを高力ポルト接合する場合のものであるが、本発明は、例えば円形鋼管（箱形断面材）を柱材として用い、接合金物としてのスプリットティを高力ポルト接合する場合にも適用可能である。この場合、座金（座金相当部）の座面、スプリットティの箱形断面柱との接合面を曲面に形成することによつて対応可能である。また、箱形断面材を梁材として用いて接合金物と高力ポルト接合する場合にも本発明の適用が可能であり、箱形断面材とスプリットティ以外の接合金物や梁材の高力ボルト接合においても適用可能である。

上記の実施例における箱形断面柱とスプリットティのボルト接合構造を得るための、ナット固定作業は、基本的には、工場で行うものであるが、建て方現場で建て方前に行うこともできる。また、ポルトの締め付け作業は、工場で完了させてもよいし、建て方現場,で建て方前または建て方の際に行うこともできる。

また、上記の実施例における箱形断面柱とスプリットティのボルト接合構造では、箱形断面柱の内部へのナット固定方法として、特開 2000— 213070号公報記載のボルト搬送装置と引出治具とナツト設置ポルトを用いるナツト固定方法を一例的に記載したが、他のナツト固定方法を用いてもよい。

また、高力ポルトとしては、トルシア形の高力ポルト 6 ひに限定されるものではなく、ボルト頭部側で締め付ける他の高力ポルトを用いてもよいし、その場合には、座金 20の使用は不可欠ではない。また、高力ポルトの頭部形成条件、ピンテールおよび破断溝（ブレークネック）の形成条件、ネジ形成条件、頭部側の座金形成条件、ナツトおよび座金形成条件、ナット保持構造（ナットとスリープとの固定手段、材質を含む）、各接合面に対する高摩擦処理などについては、接合対象物、接合部位、材料強度、設計強度などに応じて、変更しうるものである。

次に、本発明のトルシア形高力ポルトおよびその接合方法について説明する。

本発明のトルシア形高力ポルトおよびこれを用いたボルト接合方法は、ナツトゃ鋼材に形成された雌ねじに螺合する雄ネジを有し締結具を頭部側に係合して締め付け可能にした高力ボルトであって、頭部先端にトルクコント口ール用のピンテールを形成し、頭部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成したトルシア形高力ポルト（本発明のトルシア形高力ポルトはボルト頭部側の座金を不可欠とするが、タップポルトとして用いる場合には、雄ネジ側のナット、座金は不可欠ではない）で、頭部と反対側の先端にピンテールを形成した従来のトルシア形高力ボルトとは別異のトルシア形高力ボルトであり、主として、通しボルト（重ね合わせた接合対象鋼材を貫通させ雄ねじ部に座金を挿入し雄ネジ部にナツトを螺合するボルトを意味する。以下「通しポルト」という）あるいはタップポルト（ボルトの雄ネジ部を直接に接合対象鋼材に螺合するボルトを意味し、ポルトが、重ね合わせた接合対象鋼材を貫通しても貫通しなくてもよい。以下「タップポルト」という）として使用するものである。

本発明のトルシア形高力ボルトは、雄ネジを螺合するナットが、例えば角形鋼管のような箱形断面材の内部側にある場合、あるいは狭隘な場所にある接合部位でナツトを内部側で締め付けるのが困難な場合に用いて特に顕著な効果を奏するものであるが、ナットが外部にあって締め付けが可能な場合にも、図 38 ( a ) 〜図 38 ( c ) に示した従来のトルシア形高力ボルトに遜色なく用いることができる本発明のトルシア形高力ポルトは、 J I S で定める F8T 以上、すなわち、引張強度が 800N Z mm²以上であることが要求される鋼構造建築物を構築する場合に用いるものであり、例えば、箱形断面材として角形鋼管を柱材とし、この柱材にスプリットティやエンドプレート、添板などの接合金物を介して H形鋼梁を取り付ける角形鋼管柱と H形鋼梁とのポルト接合構造、あるいは建て方の際にナツトの締め付けが困難な狭隘な場所にある高力ボルト接合構造において主として用いられるものである。この本発明のトルシア形高力ポルトは、インナースリーブとァゥタースリープが連動して動作する公知の締結具と同様の基本原理を利用する締結具を用いて頭部側で締付けるものである。なお、本発明で用いる締結具は、インナースリーブをピンテールに、アウタースリーブを座金に係合させ、ピンテールを掴み回して、アウタースリーブに係合した外周形状が角形の座金の反力として得られる回転トルクでピンテールのブレークネックを破断する機構を備えたものであり、従来のものとは異なる。

こうすることにより、この締結具のィンナースリーブでピンテールを掴んで回しアウタースリーブを介して、座金の反力として得られる回転トルクによってピンテールの破断溝によるブレークネックを一定の破断トルクで破断させて、ボルトに対する導入張力を容易にコント口ールして安定したポルト接合構造を実現することができる。

本発明のトルシア形高力ポルトを使用した接合構造物においては、特に構造物の外面側で頭部と座金による突出高さを極力低くして、耐火被覆や仕上げ工事の際の支障を緩和し、裸鉄骨の場合では美観の低下を緩和するものである。その上で、例えば、上記のように中空の角形（箱形）断面を有する角形鋼管を柱材とし、接合金物を介して、 H形鋼梁を取り付ける角形鋼管柱と H形鋼梁との接合構造において、内部側にナットを固定し、外部側でボルトの頭部側を回して締め付ける場合にも、ポルトに対する導入張力を容易にコント口ールすることができる。

従来、角形鋼管などの箱形断面材に接合金物をポルト接合する場合に、ポルトを外部側から挿入して締め付けられるワンサイドボル卜が多用されているが、このワンサイドポルトは極めて高価であり、ポルトに対する導入張力のコントロールが容易にできない難点があることから、角形鋼管柱の内部側にナツトを固定して他種のボルトを外部側から揷入し外部側で締め付けることが試みられており、角形鋼管の内部側へのナツト固定手段として簡易な手段の出現によつて、ワンサイドボルトより安価でポルトに対して導入する張力のコントロールも容易にでき、安定した接合構造を実現することが可能になる。

以下に本発明のトルシア形高力ポルトおよびこれを用いたボルト接合方法について詳細に説明する。

本発明のトルシア形高力ポルトは、主として、冷間鍛造と転造によつて加工成形後、熱処理して容易に得られる 800N Zmm²以上の強度を有するものであり、頭部の外周形状は、本締め付けの際には、丸形、楕円、角形のいずれであってもよいが、一次締めの際、解体や補修（含む交換）の際などのことを考慮すれば、一般に用いられる手動式または電動式のスパナなどの回動具を係合して回動できることが好ましい。その意味では六角形が一般的と言えるが、四角形その他の多角形状、楕円形などであってもよい。頭部サイズは、基本的には従来のポルト頭部より若干薄型のものにすることが好ましレ、。

また、頭部の座面に当接する座金は、 JI S や JSS に定める標準的な材質で形成したものでよく、インナースリーブとアウタースリーブが連動して動作する前述の締結具を用いて本締め付けする場合に

、上記したように、アウタースリーブを確実に係合して、座金の反力として得られる回転トルクによってピンテールの破断溝によるプレークネックを一定の破断トルクで破断させるために機能するもので、アウタースリーブを回さないようにするものである。

この座金は、締結具のアウタースリーブに係合されるため、インナースリーブでピンテールを回すとき支障にならないようにするため、最小外周径をポルト頭部の最大外周径ょり大径に形成される。なお、この座金はアウタースリーブを回さないようにするものであるため、剛性を確保する熱処理や、特に接合対象鋼材側の座面に対して粗面化などの高摩擦処理や接着処理が施される。また、外周形状は、締結具のアウタースリープを確実に係合する関係上、六角形が一般的であるが、四角形その他の多角形状とすることもできるピンテールは、断面形状が多角形や、円形の外周面に多数の軸方向溝を形成したものが主体である。これは外周面を上記の締結具のインナースリーブで掴み回す必要があるため、外周面に軸方向溝による滑り止め機能を形成するためである。このピンテールは、締結具のインナースリーブで掴む必要があり、基本的には外径がポルト軸径と同等または軸径より小さいものにすることが好ましい。

ボルト頭部とピンテール間に形成する破断溝は、座金の反力として回転トルク一定の破断トルクで破断させるブレークネックを形成するものであり、ボルト強度に応じて、ポルトに対して所定の張力を導入するためのトルクが作用したときピンテールの原形を維持した状態で破断させるためのものであり、溝形状は、与える破断トルクで精度良く破断できる小径部（溝深さ）を有する V字形状、 U字形状などが好ましい。

本発明のトルシア形高力ポルトは、ピンテール、破断溝の形成とともに、例えば冷間鍛造と転造によって量産可能であり安価に得られるものである。

本発明のトルシア形高力ポルトを通しボルトとして使用する場合には、雄ねじにはナットが螺合されるが、このナットは、ボルトの強度の 6〜 7割の強度を有するものであればよく、基本的には、締め付ける際には回わさないものであるため、ポルト頭部側を回して締め付ける場合に回らないようにする必要がある。そのための手段として、ナットと座金を独立させる場合には、座金の両面、ナットの座面に対して粗面化などの高摩擦処理や接着処理を施し、また、座金とナツトを一体成型する場合には、座金相当部の座面に対して粗面化などの高摩擦処理や接着処理を施すものである。ナツトの外周形状は、六角形が一般的であるが、丸形、他の角形のいずれであつてもよレヽ。

ナットと座金を一体に成型する場合には、座面の面積を大きくして摩擦力を高める意味で、座金の座面の面積をナットの面積より大きくすることが有効であるが、両者の外周形状が同一であっても差支えない。このナット側の座金は、省略する場合もあり、不可欠なものではない。

なお、従来のトルシア形高力ポルト使用の場合には、安定した張力導入のためにナツトのネジおよび座面に潤滑処理を施すのが一般的であるが、本発明のトルシア形高力ボルトの場合にはナツトに潤滑処理を行うと、ボルトに張力導入時にポルトの回転に伴いナツトが共回りを起こし、円滑で安定した張力導入が困難になる。

本発明のトルシア形高力ポルト使用の場合には、原則として、ポルトの雄ネジが螺合する雌ネジを形成したナットや鋼材は、固定される必要がある。また、ポルト頭部の座面と接合対象の鋼材間に介揷 · 当接される座金は、回らないようにする必要がある。この条件が容易に満たされるために、ボルト頭部の座面と座金間、およびナットや鋼材に形成される雌ネジに螺合する雄ネジに潤滑処理を行うことが有効である。この潤滑処理によって、円滑かつ安定的な張力導入が可能である。また、ポルトとナットの共回りを防止するとともに高張力導入の場合の雄ネジと雌ネジ間の焼き付きを防止することができる。潤滑処理には、潤滑剤塗布（含む浸漬）、シート状潤滑剤の貼布または介挿などの処理手段を用いることができる。

(実施例 8 )

以下に本発明のトルシア形高力ボルトの実施例を図に基づいて説明する。

図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) は、構造（形状）例を、また図 35 ( a ) 、図 35 ( b ) 、図 36 ( a ) 、図 36 ( b ) は、使用例を示すものである。

図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) において、 6 αは本発明のトルシア形高力ボルトであり、頭部 6 t 、軸部 6 g と、固定されるナツトゃ鋼材に形成された雌ネジ（後述）に螺合する雄ネジ部 6 s を有するものであり、頭部 6 t には外周面に滑止 18 c を有するピンテール 18がー体に形成され、ピンテール 18と頭部 6 t の境界部の外周には V形の破断溝によるトルクコントロール用ブレークネック 19が形成されたものである。このブレークネック 19に対して、締め付けの際に一定のトルクが作用したとき、このブレークネック 19を破断させるようにして、所定の破新トルクを与えることによって高力ボルト 6 ひに対する導入張力をコントロールできる。

20は、外周形状が角形の座金で、ポルト頭部 6 t の座面 6 f 側に挿入 · 当接して、接合対象鋼材（図示省略）間の摩擦力を破断トルクの発生に利用するものである。

この本発明のトルシア形高力ボルト 6 αは、頭部 6 t側を、インナースリーブ 21 i とアウタースリーブ 21 oが連動して動作する、例えば図 35 ( a ) に示すような締結具（詳細は図示省略） 21によって回して締め付けることを前提とした構造を有し、締め付けの際には、頭部 6 t の座面 6 f に挿入 . 当接した座金 20と接合対象鋼材間の摩擦力を破断トルクの発生に利用するものである。

この効果を確実にする摩擦力をより安定的に確保するために、座金 20の接合対象鋼材側の座面に対して粗面化などの高摩擦処理を施すものであり、雄ネジ部 6 s側に図 35 ( a ) に示すように、ナット (座金）を用いる場合、回らないようにするためナット（座金）の座面に対しても同様の処理や接着処理を施すことができる。

また、本発明のトルシア形高力ボルト 6 αには、予めまたは使用する際にボルト頭部 6 t の座面 6 f と雄ネジ部 6 s に潤滑処理を行うことにより、高張力導入の場合に雄ネジ部 6 s と螺合するナツトまたは接合対象鋼材の雌ねじとの間の焼き付きを防止して円滑で安定した張力導入が可能であり、ナットを使用する場合でナツトを固着しないときには、ナットの共回りを防止することもできる。

例えば、接合金物としてスプリットティを用いる角形鋼管柱と H 形鋼梁の高力ポルト接合構造において、図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) に示した本発明のトルシア形高力ポルト 6 αを通しポルトとして用いる場合には、図 35 ( a ) に示すように、高力ボルト 6 ひを、重ね合わせ角形鋼管柱 1のポルト孔 1 a、スプリットティ 2のボルト孔 2 aに揷入して、雄ネジ部 6 s を角形鋼管柱 1 のポルト孔 1 aの出側、すなわち角形鋼管柱の内部側に、座金 36とともに予め固定されたナット 37の雌ネジ 37 s に螺着して、手動または電動スパナ（図示省略）を用いて高力ポルト 6 αの頭部 6 t側を回わして一次締め付けを行う。

一次締め付け後に、締結具 21のィンナースリーブ 21 i でピンテール 18を掴むとともに、アウタースリーブ 21 0を座金 20の外周に係合し、インナースリーブ 21 i でピンテール 18を回し、アウタースリープ 21 οを回すことによって、座金 20の回転トルクを反力としてピンテール 18のブレークネック 19を一定の破断トルクで破断させて、高力ポルト 6 ひに対する導入張力を容易にコントロールすることができる。図 35 ( b ) は、ブレークネック 19が破断してピンテール 18が除去された状態を示しており、スプリットティ 2の外部側に高力ポルト 6 aの頭部 6 t と座金 20が位置し、スプリットティ 2 の外側表面から高カポルト 6 ひの頭部 6 t の先端、ここではブレークネック 19の破断面までの突出高さ haは、角形鋼管柱 1の内部側の表面から高力ボルト 6 αの先端面までの突出高さ hの 60 %程度まで低くすることができる。

また、図 36 ( a ) に示すように、例えば、鋼材 11と鋼材 12のポルト接合構造において、図 4 ( a ) 、図 4 ( b ) に示した本発明のトルシア形高力ボルト 6 ひをタップポルトとして用いる場合には、この高力ポルト 6 αを、重ね合わせた鋼材 12のポルト孔 12 aに挿入し、雄ネジ部 6 s の先端を鋼材 11の雌ネジ 11 s に螺着して、手動または電動スパナ（図示省略）を用いて高力ボルト 6 αを頭部 6 t側で回わして一次締め付けを行う。

一次締め付け後に、締結具 21のィンナースリーブ 21 i でピンテール 18を掴むとともに、アウタースリーブ 21 oを座金 20の外周に係合し、インナースリーブ 21 i でピンテール 18を回しアウタースリーブ 21 οを回すことによって、座金 20の回転トルクを反力としてピンテール 18のブレークネック 19を一定の破断トルクで破断させて、高力ポルト 6 aに対する導入張力を容易にコントロールすることができる。図 36 ( b ) は、ブレークネック 19が破断してピンテール 18が除去された状態を示している。

なお、本発明のトルシア形高力ポルトを用いた接合構造においては、実際には、複数のトルシア形高力ポルトが用いられるが、上記図 35 ( a ) 、図 35 ( b ) 、図 36 ( a ) 、図 36 ( b ) の場合では、便宜的に、その内の一本のトルシア形高力ボルトを主体にしたポルト接合構造例で示した。本発明のトルシア形高力ポルトは、上記のように、通しポルトとして用いた場合も、タップポルトとして用いた場合にも、ボルトに対する導入張力を容易にコント口ールすることができ、安定したポルト接合構造の実現に寄与できるものである。

なお、本発明のトルシア形高力ポルトを通しポルトとして、角鋼管柱とスプリットティとの接合部位や、ナツトの取り付けが困難な狭隘な接合部位などに用いた場合では、ナットを、予め、角鋼管柱の内部側や、狭隘な場所にある接合部位（内部側）に固定して外部側からポルトを挿入してポルト側で締め付けるようにし、外部側においてポルトに対する導入張力を容易にコントロールして安定したポルト接合構造を実現できる。

また、外部側のボルトと座金による突出高さを、ナットを用いた従来のトルシア形高力ボルトの場合より格段に低くすることができ、耐火被覆や仕上げ工事の際の支障を緩和し、裸鉄骨の場合では美観の低下を緩和することができる。

本発明のトルシア形高力ボルトおよびその接合方法は、上記の実施例の内容のみに限定されるものではない。上記では、本発明のトルシア形高力ボルトは、箱形断面材の例として角形鋼管柱と H形鋼梁の高力ポルト接合構造に使用する場合を主体にして説明しているが、この接合構造に使用が限定されるものではなく、梁材として H 形鋼梁以外の各種形鋼を用いる場合にも使用が可能である。

ボルト頭部形成条件、ピンテールおよび破断溝（ブレークネック ) の形成条件、ネジ形成条件、頭部側の座金形成条件、ナットおよび座金形成条件、高摩擦処理部位および処理条件、潤滑処理部位および処理条件などについては、接合対象物、接合部位、材料強度、' 設計強度などに応じて、変更しうるものである。産業上の利用可能性

本発明のボルト接合構造は、例えば、箱形断面柱とスプリットティのボルト接合において、特殊で高価なヮンサイドボルトを用いない高力ポルトのみによるポルト接合が可能になることから、以下の効果が期待できる。

( 1 ) 柱梁接合部の建設コストの低減が図れる。

( 2 ) より大型構造物の柱梁接合が高力ボルト引張接合によって可能になる。その結果、溶接構造とせざるを得なかった接合部が高力ポルトで行えるために、より力学品質の安定が図れ、施工性がよく、構造安定性の高い構造物ができる。

( 3 ) 外部側でボルトの頭部側を回して締め付ける場合にポルトに対する導入張力を容易にコントロールできるトルシア形高力ボルトを用いることもでき、高強度で安定したポルト接合構造を実現することができる。

また、本発明によるトルシア形高力ポルトは、これを通しポルトとして使用した接合構造物においては、特に構造物の外面側でボルト · ナットによる突出高さを極力低くして、耐火被覆や仕上げ工事の際の支障を緩和し、裸鉄骨の場合では美観の低下を緩和することができる。

また、例えば、箱形断面材の例として角形鋼管を柱材とし、接合金物を介して、 H形鋼梁を取り付ける角形鋼管柱と H形鋼梁との高力ポルト接合構造、あるいは、ナットの締め付けが困難な接合部位において、予め内部側にナットを固定し、外部側でポルトの頭部側を回して締め付ける場合、さらにナットを用いないタップボルトとして使用した場合も、ポルトに対する導入張力を容易にコントロールすることができ、安定した高力ポルト接合構造を実現することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当接したナットの雌ネジ端に、この雌ネジ径より大径の雌ねじが別設され、外部側からポルト孔に揷入されたナツト保持部品のスリーブの雄ネジが螺合されることによつて、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ボルトが箱形断面材の外側に当接した接合金物の外部側からポルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造

2 . 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置したナツトにスリーブが固着され、このスリ一ブが箱形断面材の内部側からポルト孔に挿入され、外部側にあるナツト保持部品のスリーブと接合されることによつて、ナットが箱形断面材の內部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造

3 . 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットに、長さ方向にスリットを形成して外径を弾性的に拡縮可能にしたスリーブが固着され、このスリーブのスリット形成領域が箱形断面材の内部側からボルト孔に圧入されることによつて、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に揷入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

4 . 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナツ卜に、先端に係止用突起部を有するスリーブが固着され、このスリ一プが箱形靳面材の内部側からボルト孔に挿入され箱形断面材の外部側に突出したスリ一ブの係止用突起部が拡開 · 折曲されて箱形断面材の外部側に係止されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造。

5 . 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナツトの外周部にナツト保持部品の係止爪が係合され、このナット保持部品のスリーブが、箱形断面材の内部側からポルト孔に揷入され外部側に突出した先端部が拡開 · 折曲され、箱形断面材の外部側に係止させることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に揷入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合構造。

6 . 箱形断面材と接合金物の高力ポルト接合部位の少なくとも複数部位で、ナットが箱形断面材の内部側に接着により固定され、高力ポルトが箱形断面材の外側に当接された接合金物の外部側からポルト孔に挿入され、雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定したナツトと螺合されていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

7 . 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に当接したナットの雌ネジ端に、係止縁を有する係合孔が設けられ、この係止縁に、ボルト孔に揷入されたナツト保持部品のスリーブ先端の係止鈎が押し込まれ係止されることによって、ナットが箱形断面材の内部側に固定され、高カボルトが箱形断面材の外側に当接した接合金物の外部側からポルト孔に挿入され雄ネジ部が箱形断面材の内部側に固定されたナツトと螺合きれていることを特徴とする箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。 -

8 . 用いられた高力ボルトが、頭部にトルクコントロール機構を備え頭部座面に座金を当接して使用するものであることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 7項のいずれか 1項に記載の箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合構造。

9 . 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置するナットの雌ネジに、ナツト設置ボルトの雄ネジを螺合して、ナット設置ポルトを箱形断面材の内部側からボルト孔に揷入して外部側に突出させた状態で、ナット設置ボルトに外部側から揷入したナツト保持部品により箱形断面材の内部側にナツトを固定することを特徴とする箱形断面材内部側へのナツト固定方法。

10. 箱形断面材と接合金物の高力ボルト接合部位の少なくとも複数部位で、箱形断面材の内部側に配置するナットの雌ネジに、ナツト設置ボルトの雄ネジを螺合して、ナット設置ポルトを箱形断面材の内部側からポルト孔に挿入し外部側に突出させた状態を保持して、箱形断面材の内部側にナツトを接着により固定することを特徴とする箱形断面材内部側へのナツト固定方法。

11. ナットを箱形断面材の内部側に固定した後、ナット設置ポルトを回転させて取り外すことを特徴とする請求の範囲第 9項または第 10項に記載の箱形断面材内部側へのナツト'固定方法。

12. ナットを箱形断面材の内部側に固定した後、ナット設置ボルトに箱形断面材の外部側から仮止めナツトを螺合して締め付け、ナット設置ポルトを仮止めして置くことを特徴とする請求の範囲第 9 項または第 10項に記載の箱形断面材内部側へのナツト固定方法。

13. 雌ネジに螺合する雄ネジを有しィンナースリーブとアウタースリープが連動的に動作する締結具を頭部側に係合して締め付け可能にした高力ポルトであって、頭部先端にトルクコント口ール用のピンテールを形成し頭部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成したものであり、ポルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、頭部外周径より大径の外周角形の座金を介揷 · 当接し、ピンテールを締結具のインナースリーブで掴み座金をアウタースリーブに係合して締め付けるように構成したことを特徴とするトルシア形高力ボルト。

14. ボルト強度が δΟΟΝ Ζηπη²以上であることを特徴とする請求項 1 に記載のトルシア形高力ポルト。

15. 少なくともボルトの頭部座面およぴネジ部が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項または第 14項に記載のトルシァ形高力ボルト。

16. ポルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介挿 · 当接される座金のボルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項〜第 14項のいずれか 1項に記載のトルシア形高カボルト。

17. 少なくとも、ボルトの頭部座面およびネジ部が潤滑処理され、さらに、ポルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介揷 · 当接される座金のポルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項又は第 14項に記載のトルシア形高力ボルト。

18. 頭部先端にトルクコントロール用のピンテールを形成し、頭部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成した請求の範囲第 13項〜第 17項のいずれか 1項に記載のトルシア形高力ポルトを用いた鋼材のポルト接合方法であって、雄ネジを固定側になる雌ネジに螺着してポルトを締め付ける際に、ボルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、該頭部外周径ょり大径の外周角形の座金を介揷 • 当接し、インナースリーブとアウタースリーブが連動して動作する締結具を用い、インナースリーブでピンテールを掴んで回すことによりアウタースリーブを介して座金の反力として得られる回転トルクによって一定の破断トルクで破断させるブレークネックによつてポルトに導入する張力を制御することを特徴とするトルシア形高力ボルトを用いたポルト接合方法。

19. 用いるトルシア形高力ポルトが通しボルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものがナツトであることを特徴とする請求の範囲第 18項に記載のトルシア形高力ポルトを用いたボルト接合方法。

20. 用いるトルシア形高力ポルトがタップポルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものが接合対象の鋼材であることを特徴とする請求の範囲第 18項に記載のトルシア形高力ボルトを用いたボルト接合方法。

補正書の請求の範囲

[2002年 5月 29日（29. 05. 02) 国際事務局受理：出願当初の請求の範囲 14, 16 及び 18は補正された；他の請求の範囲は変更なし。（3頁） ]

12. ナットを箱型断面材の内部側に固定した後、ナット設置ボルトに箱型断面材の外部側から仮止めナツトを螺合して締付け、ナツト設置ポルトを仮止めして置くことを特徴とする請求の範囲第 9項または第 10項に記載の箱型断面材内部側へのナツト固定方法。

13. 雌ネジに螺合する雄ネジを有しィンナースリーブとアウタースリーブが連動的に動作する締結具を頭部側に係合して締付け可能にした高力ボルトであって、頭部先端にトルクコント口ール用のピンテールを形成し頭部とピンテールの間に破断溝によるプレータネックを形成したものであり、ポルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、頭部外周径より大径の外周角形の座金を介揷 · 当接し、ピンテールを締結具のィンナースリーブで掴み座金をァゥタースリーブに係合して締付けるように構成したことを特徴とするトルシア形高力ポルト。

14. (補正後）ポルト強度が 800N /mm²以上であることを特徴とする請求の範囲 l3項に記載のトルシア形高カボノレト。

15. 少なくともポルトの頭部座面およびネジ部が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項または第 14項に記載のトルシァ形高力ポルト。

16. (補正後）ポルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介挿 - 当接される座金のボルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項又は第 14項に記載のトノレシァ形高カボノレ

17. 少なくとも、ボルトの頭部座面およびネジ部が潤滑処理され、さらに、ポルトの頭部座面と接合対象鋼材との間に介揷 · 当接される座金のポルト頭部側座面が潤滑処理されていることを特徴とする請求の範囲第 13項又は第：項に記載のトルシア形高力ボルト。

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篛正された用紙 (条約第 19条》

18. (補正後）頭部先端にトルクコントロール用のピンテールを形成し、頭

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播正された用紙 (条約第 19条部とピンテール間に破断溝によるブレークネックを形成した請求の範囲第 13項または第 14項に記載のトルシア形髙カボルトを用いた鋼材のボルト接合方法であって、雄ネジを固定側になる雌ネジに螺着してポルトを締め付ける際に、ボルト頭部の座面と接合対象鋼材との間に、該頭部外周径ょり大径の外周角形の座金を介揷 · 当接し、インナースリーブとアウタースリーブが連動して動作する締結具を用い、インナースリーブでピンテールを掴んで回すことにより、ァウタースリーブを介して座金の反力として得られる回転トルクによつて一定の破断トルクで破断させるブレークネックによってポルトに導入する張力を制御することを特徴とするトルシア形高力ボルトを用いたポルト接合方法。

19. 用いる前記トルシア形高力ボルトが、通しポルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものがナツトであることを特徴とする請求の範囲第 18項に記載のトルシア形高力ポルトを用いたボルト接合方法。

20. 用いる前記トルシア形高力ポルトが、タップボルトであって、雄ネジを螺合する雌ネジを形成したものが接合対象の鋼材であることを特徴とする請求の範囲第 18項に記載のトルシア形高力ポルトを用いたボルト接合方法。

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鶴正された用紙 (条約第 19条)

条約 1 9条に基づく説明書

特許協力条約第 1 9条（ 1 ) の規定に某づく説明書差し替え用紙に記載した請求の範囲は、最初に提出した請求の範囲と以下のように関連する。

( 1 ) 請求の範囲第 14項、第 16項及び第 18項を補正した。

( 2 ) 他の請求の範囲は補正しない。