WO2005075163A1 - ウエブの加工装置および加工方法 - Google Patents

Abstract

　本発明は、軸線Ｘ１の周りを回転する複数のパッドＰi と、連続ウエブＷを切断するカッタ３０と、カッタ３０を受ける複数のアンビルＡi とを備えたウエブの加工装置に関する。前記パッドＰi が前記連続ウエブＷを受け取り、第１の相対レベルＬ１に位置するアンビルＡi と協働して、前記カッタ３０が前記連続ウエブＷを切断する。前記パッドＰi が旋回して前記パッドＰi の姿勢を変更しながら軸線Ｘ１の周りを回転して、切断されたウエブＷ２の姿勢を変更しながら前記切断されたウエブＷ２を搬送する。前記パッド３０が姿勢を変更する際に前記パッドＰi の姿勢変更の動作を妨げないように、前記アンビルＡi が第２の相対レベルＬ２に相対的に移動する。

Description

明 細 書

ウェブの加工装置および加工方法

技術分野

[0001] 本発明は、連続ウェブを切断した後、切断されたウェブの姿勢を変更してウェブを 搬送するウェブの加工装置および加工方法に関するものである。

背景技術

[0002] 下記の特許文献 1には、弾力性を持つ材料をパッドで搬送しながら、前記パッド間 において前記材料を引き延ばした状態でカツタで切断し、その後、前記パッドを旋回 させて、前記材料の姿勢を変更する処理システムが開示されている。

前記特許文献 1の装置は、アンビルを有していない。弾力性を持つ前記材料は、ァ ンビルを用いなくても切断されることができる。

特許文献 1 :特表平 10-513086号公報（W096/23475) (FIG. 47)

[0003] 一方、下記の特許文献 2, 3には、連続ウェブをパッドで搬送しながら切断して切断 ウェブを生成し、切断ウェブ同士の間を拡げる装置が開示されている。

しかし、前記特許文献 2， 3には、切断ウェブの姿勢を変更する点については開示 されていない。

特許文献 2 :特表平 11_513647号公報( 〇97/14387) (要約書）

特許文献 3：特表 2003—508243号公報 (WO01/017473) (要約書）

発明の開示

[0004] 従来、 1つの回転体において、連続ウェブを切断した後、姿勢を変更して搬送する 装置では、ウェブの切断時にカツタをパッドもしくはパッドと一体となったアンビルで 受けている。しかし、そのような構成では、ウェブの切断時の負荷がパッドにかかり、 パッドの寿命が短くなるという問題がある。ウェブの切断時の負荷をパッドにかけない ために、カツタを受けるアンビルをパッドとは別に設けると、パッドが回転する際にアン ビルがパッドの姿勢変更の動作を妨げることとなる。

本発明の目的は、 1つの回転体において、カツタおよびアンビルによってウェブを 切断し得ると共に、ウェブの姿勢を変更し得るウェブの加工装置および加工方法を 提供することである。

[0005] 本発明のあるウェブの加工装置は、軸線の周りを回転する複数のパッドと、連続ゥ エブを切断するカツタと、前記カツタを受ける複数のアンビルとを備えたウェブの加工 装置である。本加工装置では、前記パッドが前記連続ウェブを受け取り、前記カツタ と接触することが可能なように前記パッドの表面に対する第 1の相対レベルに位置す るアンビルと協働して、前記カツタが前記連続したウェブを切断する。前記パッドの表 面に沿って前記パッドが旋回して、前記パッドの姿勢を変更しながら前記軸線の周り を回転して、前記切断されたウェブの姿勢を変更しながら当該ウェブを搬送する。前 記パッドが姿勢を変更する際に前記パッドの姿勢変更の動作を妨げないように前記 パッドの表面に対する第 2の相対レベルに前記アンビルが移動する。

[0006] 本発明の別のあるウェブの加工装置は、連続ウェブの先端部を受取位置において 受け取り、前記先端部から切り取った切断ウェブの姿勢を変更しながら前記切断ゥェ ブを前記受取位置の下流の渡し位置まで搬送し、該渡し位置において前記切断ゥ エブを下流の搬送装置に渡すウェブの加工装置であり、回転体とカツタとを備える。 前記回転体は、前記回転体の周りに交互に配置され概ね前記回転体の周方向に沿 つて回転する複数のパッドおよび複数のアンビルを有する。前記カツタは、前記アン ビルと協働して前記連続ウェブの先端部を前記受取位置の下流の切断位置におい て切断することが可能である。前記切断位置においては、前記カツタが前記アンビル と協働して、隣接する 2つのパッドに保持された連続ウェブの先端部から所定長の切 断ウェブを切り取れるように、前記 2つのパッドの間のアンビルの表面のレベルが前 記パッドの表面のレベルに近似した第 1の相対レベルとなるように設定される。前記 各パッドが概ね回転体の径方向に沿った線の周りに旋回可能に設けられている。前 記切断位置から前記切断位置よりも下流の渡し位置に到るまでの間に、前記各パッ ドが旋回して前記切断ウェブの姿勢変更を行うのを許容するために、前記旋回する 各パッドに隣接するアンビルの表面が前記パッドの表面に対し前記第 1の相対レべ ルよりも前記回転体の内方に向って退避した第 2の相対レベルとなるように設定され ている。

[0007] 本発明においては、ウェブを切断する際には、アンビルの表面のレベルがパッドの 表面のレベルに近似した第 1の相対レベルに設定されている。したがって、カツタが アンビルと協働してウェブを切断することができる。なお、前記「相対レベル」は、ある 部材の他の部材に対する相対的なレベルまたは回転体の径方向に沿った位置を意 味する。前記第 1および第 2の相対レベルは、パッドの表面に対する相対的なレベル または回転体の径方向に沿つた位置である。

一方、パッドが旋回する際には、アンビルの表面のレベルがパッドの表面のレベル 力、ら回転体の内方に向って退避した第 2の相対レベルに設定されている。したがって 、パッドの旋回が許容されるので、パッドの旋回によりウェブの姿勢を変更することが できる。

[0008] このように、 1つの回転体の回りにパッドが回転してウェブを搬送する間に、ウェブ の切断および姿勢変更の 2つの動作を実現することができる。したがって、加工装置

また、前記ウェブが弾性部材を有しているために、前記連続ウェブの搬送方向に 前記連続ウェブが収縮力を有してレ、る場合には、切断されてレ、なレ、連続ウェブの状 態でウェブが前記パッド上に受け取られることにより、切断後にウェブが縮むのを防 止できる。このように、ウェブが縮むのを防止し得るので、前記ウェブの切断後の加 ェが容易である。

[0009] 本発明において、アンビルのパッド（パッドの表面）に対する相対レベルまたはパッ ド（パッドの表面）のアンビルに対する相対レベルの変更は、アンビルをパッドに対し て回転体の径方向の内方に移動させて実現されてもよいし、パッドをアンビルに対し て回転体の径方向の外方に移動させて実現されてもよい。また、かかる相対レベル の変更は、アンビルおよびパッドの双方を回転体の径方向に移動させて実現されて あよい。

[0010] 前記アンビルのパッドに対する相対レベルまたは前記パッドのアンビルに対する相 対レベルを変更する機構としては、前記アンビルまたはパッドが回転する際に、前記 アンビルおよび/またはパッドの回転の軌跡を規制する案内手段が採用されてもよ いし、あるいは、前記アンビルおよび/またはパッドが所定の位置まで回転した後に 、前記アンビルおよび Zまたはパッドを回転体の径方向に沿って移動させるエアシリ ンダなどの駆動部が採用されてもよい。すなわち、切断位置よりも下流で、かつ、渡し 位置よりも上流の位置において、アンビル及びパッドのレベルを変更させるレベル変 更手段が設けられてもよい。

[0011] 本発明の好適な実施例においては、前記複数の各パッドは前記ウェブを保持する 保持面を有し、前記保持面における前記回転体の軸線の方向に沿った形状が前記 渡し位置において概ね直線的である。

[0012] このように、パッドの保持面が平坦であると、前記パッドが 90° 旋回した後にパッド の前記回転体の軸線に沿った方向の両端が下流の搬送装置の表面に近接する。そ のため、ウェブの受け渡しが容易になる。

[0013] 一方、本発明のある加工方法は、回転体とカツタとを用レ、、連続ウェブの先端部を 受取位置において受け取り、前記先端部から切り取った切断ウェブの姿勢を変更し ながら前記切断ウェブを前記受取位置の下流の渡し位置まで搬送し、該渡し位置に おいて前記切断ウェブを下流の搬送装置に渡すウェブの加工方法である。本方法 に用いられる前記回転体は、前記回転体の周りに交互に配置され概ね前記回転体 の周方向に沿って回転する複数のパッドおよび複数アンビルと有する。本方法に用 レ、られる前記カツタは、前記アンビルと協働して前記連続ウェブの先端部を前記受 取位置の下流の切断位置において切断することが可能である。本方法は、前記パッ ドが前記連続ウェブを受け取る工程と、前記カツタと接触することが可能なように前記 パッドの表面に対する第 1の相対レベルに位置するアンビルと協働して、前記カツタ が前記連続ウェブを切断する工程と、前記パッドの表面に沿って前記パッドが旋回し て、前記パッドの姿勢を変更しながら前記軸線の周りを回転して、前記切断されたゥ エブの姿勢を変更しながら当該ウェブを搬送する工程と、前記パッドが姿勢を変更 する際に前記パッドの姿勢変更の動作を妨げないように前記パッドの表面に対する 第 2の相対レベルに相対的に前記アンビルが移動する工程とを備える。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明の一実施例にかかるウェブの加工装置を示す概略側面図である。

[図 2]ウェブの姿勢変更の状態を示す概略斜視図である。

[図 3]パッドの姿勢を示す展開図である。 [図 4]図 4(a)、図 4(b)および図 4(c)は、それぞれ、アンビルおよびパッドの相対レべ ルの変化を示す加工装置の部分側面図である。

[図 5]図 5 (a)は受取位置および渡し位置における加工装置の概略横断面図、図 5 (b )はウェブの変更姿勢の状態の一例を示す展開図、図 5(c)は同状態の他の例を示 す展開図である。

[図 6]受取位置および渡し位置におけるパッドの姿勢を示す概略斜視図である。 符号の説明

[0015] 20:回転体

30:カツタ

200:保持面

A：アンビノレ

P：パッド、

L1:第 1の相対レベル

L2:第 2の相対レベル

XI：第 1軸線

X2:第 2軸線

CP:切断位置

RP:受取位置

SP:渡し位置

W:連続ウェブ

W1:先端部

W2:切断ウェブ

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理 解されるであろう。し力しながら、実施例および図面は単なる図示および説明のため のものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の 範囲は請求の範囲のみに基づいて定められる。添付図面において、複数の図面に おける同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。 [0017] 以下、本発明の一実施例が図面にしたがって説明される。

図 1は、本発明の一実施例に力かる加工装置の概略側面図である。

図 1に示すように、本装置は、連続した連続ウェブ Wの先端部 W1を受取位置 RP において受け取り、受取位置 RPの下流の切断位置 CPにおいて、連続ウェブ Wを切 断する。更に、図 2に示すように、本装置は、連続ウェブ Wが切断されて形成された 切断ウェブ W2の姿勢を変更させながら、切断ウェブ W2を下流の渡し位置 SPまで 搬送する。その後、本装置は、前記渡し位置 SPにおいて図 1の下流の搬送装置 100 に切断ウェブ W2を渡す。

[0018] 図 1に示すように、本装置は、複数のパッド P、複数のアンビル（刃物台) Aおよび カツタ 30を備えている。

前記カツタ 30は、たとえば、カツタロール 32に固定された、少なくとも 1つの刃 31を 有している。複数個の刃 31がカツタ 30に設けられていてもよい。

前記アンビル Aは、前記刃 31を受けるものであり、回転体 20の周囲に固定されて

i

いてもよい。複数個のアンビル A ί 回転体 20の周囲に等角度ピッチで配置されて

i

いてもよい。

[0019] 前記回転体 20は、第 1の方向 D1に回転する。一方、カツタ 30は回転体 20と同期し て、前記第 1の方向 D1とは反対の第 2の方向 D2に回転する。すなわち、各アンビノレ Aが切断位置 CPに到達するときに、刃 31がアンビル Aに当接するように、回転体 2 0およびカツタロール 32が回転する。カツタロール 32が所定角度（たとえば 360° 、 すなわち 1回転）回転する毎に、切断位置 CPにおいて刃 31がアンビル A (A )に当

i 1 接し、連続ウェブ Wの先端部 W1を次々に切断して切断ウェブ W2を生成する。

[0020] 前記パッド Pおよびアンビル Aは、前記回転体 20の周りに交互に配置され、回転 体 20と共に該回転体 20の周方向に沿って回転する。パッド Pは、たとえば、後述す る第 1軸線 XIを概ね中心として回転する。一方、アンビル Aは、前記第 1軸線 XIに 平行で、かつ、前記第 1軸線 XIから位置ズレした第 2軸線 X2を概ね中心として第 1 の方向 D1に回転する。第 2軸線 X2は、たとえば、回転体 20の回転中心であってもよ レ、。

[0021] 各パッド Pは、連続ウェブ Wの先端部 W1や切断ウェブ W2を該パッド Pの表面に

i i 吸着して保持してもよいし、パッド の表面に設けた針などによってウェブ Wを引つ かけて保持してもよレ、。たとえば、バキュームにより、ウェブ W, Wl , W2が吸引され る構造である場合、各パッド Pの表面には、図示しない複数の吸引孔がそれぞれ開 口していてもよい。

[0022] 前記パッド Pは、受取位置 RPにおいて連続ウェブ Wの先端部 W1を受け取った後 、前記受取位置 RPから第 1の方向 D1に回転する。この受け取り後、切断位置 CPに おいて、アンビル Aとカツタ 30とが協働して連続ウェブ Wの先端部 Wlが切断され、 切断ウェブ W2が生成される。該切断後、パッド P上の切断ウェブ W2は、渡し位置 S Pまで搬送される。渡し位置 SPにおいては、ノ ノド Pの吸引孔からエアを吹き出させ

I

て、切断ウェブ W2がパッド P力も離れ易くしてもよい。

i

[0023] 前記回転体 20には、複数の第 1アーム 11が放射状に固定されている。各第 1ァー ム 11の先端部分には、第 2アーム 12が該第 1アーム 11に対して回転可能に設けら れている。第 2アーム 12の先端には、パッドフレーム 13が取り付けられている。回転 体 20が回転すると、該回転体 20の回転に第 1および第 2アーム 11, 12が追従し、パ ッドフレーム 13が回転体 20と共に第 1の方向 D1に回転する。

[0024] 前記回転体 20の周囲には、二点鎖線で示す位置に、ノ ッド Pの円軌道を規制す る案内手段 21が設けられている。案内手段 21は前記第 1軸線 XIを中心とする円に 沿ってパッドフレーム 13を案内する。そのため、回転体 20の回転に伴いアーム 11 , 12を介してパッドフレーム 13が回転されると、パッドフレーム 13は、案内手段 21に案 内されて第 1軸線 XIを中心に回転される。したがって、第 1軸線 XIを中心に回転さ れるパッド Pと、第 2軸線 X2を中心に回転されるアンビル Aとは、互いに異なる軌跡 に沿った円運動を行う。

[0025] 前記パッド Pの回転半径は前記アンビル Aの回転半径よりも大きレ、。また、ノ ノド P i i i の回転中心である第 1軸線 XIはアンビル Aの回転中心である第 2軸線 X2よりも渡し i

位置 SPの方にズレて配置されている。そのため、パッド Pのアンビル Aに対する相 i i

対レベルは、切断位置 CPから渡し位置 SPに至るまでの間に回転体 20の外方に向 つて変位される。一方、ノ ノド Pが渡し位置 SPから切断位置 CP付近に至るまでの間 i

に、パッド Pのァンビル八に対する相対レベルは回転体 20の内方に向って変位され る。

なお、前記アンビル ^に対するパッド の径方向の相対変位は、前記案内手段 21 の他に、たとえば、エアシリンダやモータにより、ノ ッド Pを回転体 20の径方向に移 動させることで実現されてもょレ、。

[0026] 各パッド Pは、旋回部 14を介して各パッドフレーム 13に回転可能にはめ込まれて いる。各パッド Pは各パッド Pの表面に概ね直交する法線 r (概ね第 1の軸線 XIの放 射方向（各パッドの回転する円軌道の径方向）に沿った法線 r)、すなわち、概ね回転 体 20の径方向に沿った線の周りに旋回可能である。これにより、切断ウェブ W2の姿 勢を変更させることが可能である。

[0027] 図 3は受取位置 RPから渡し位置 SPまでのパッド Pの旋回動作を示す概略展開図 である。

図 3に示すように、ノ ッド Pは切断位置 CPを通過した後、前記アンビル Aが内方へ 向って相対変位した後に、旋回を開始して姿勢変更を開始し、渡し位置 SPに至るま でに所定角度（たとえば、 90° )旋回される。したがって、ノ ッド P上の切断ウェブ W 2は、前記所定の角度だけ旋回された状態（姿勢)で下流の搬送装置 100 (図 1)に 渡される。なお、パッド Pは、図 1の渡し位置 SPから受取位置 RPに至るまで（戻るま で）の間に、更に所定角度（たとえば、 90° )回転され、連続ウェブ Wを受け取り可能 な姿勢となる。

なお、各パッド Pは、受取位置 RP、切断位置 CPおよび渡し位置 SPにおいては旋 回せずに、すなわち、同じ姿勢を保ったまま、第 1軸線 XIを中心に回転を続ける。

[0028] ここで、カツタ 30がウェブ Wを切断する際には、図 4 (a) , (b)に示すように、アンビ ノレ Aの表面 Asのレベルが、ノ ノド Pの表面 Psのレベルに近似した第 1の相対レべ ル L1に位置しており、これにより、刃 31によるウェブ Wの切断を可能としている。前 記切断位置 CPなどにおいては、パッド Pはアンビル Aに当接してしまうので旋回す

i i

ることができなレ、。なお、前記第 1の軸線 XIから第 1の相対レベル L1にあるアンビル Aの表面 Asまでの距離は、前記第 1の軸線 XIからパッド Pの表面 Psまでの距離に i i

概ね等しレ、ように設定してもよレ、。

一方、前記切断位置 CPから渡し位置 SPに至るまでに、図 3の旋回するパッド Pの

i 角部 Pcがアンビル ^に当接しないように、図 4 (c)のように、アンビル ^の表面 Asが パッド Pの表面 Psに対し回転体 20 (図 1)の内方に向って退避した第 2の相対レベル L2となるように変化させている。力かる相対レベルの変化がパッド Pの旋回を許容す る。なお、前記第 1の軸線 XIから第 2の相対レベル L2にあるアンビル Aの表面 Asま での距離は、前記第 1の軸線 XIからパッド Pの表面 Psまでの距離よりも小さくなるよ うに設定してもよい。

[0029] すなわち、図 1のパッド Pは、切断位置 CPから渡し位置 SPに至るまでの間に、アン i

ビル Aの表面 Asのレベルよりも外方に向って相対的に移動される。したがって、アン i

ビル Aの表面 Asが、パッド Pの表面 Psに対して内方に退避した第 2の相対レベル L i i

2に相対的に移動されることにより、パッド Pの法線 rの周りにパッド Pが旋回すること i I

が許容される。

[0030] 一方、渡し位置 SPから受取位置 RPないし切断位置 CP付近までの間には、パッド Pの表面 Psが回転体 20の内方に向ってアンビル Aの表面 Asに対して相対的に移 動され、前記第 1の相対レベル L1まで移動される。したがって、切断位置 CPにおい て、アンビル Aの表面 Asが、パッド Pの表面 Psのレベルに近似した前記第 1の相対 レベル L1に戻るから、カツタ 30がアンビル Aと協働して連続ウェブ W力 切断ウェブ W2を切り出すことが可能となる。

[0031] 前記相対レベル LI, L2を変化させる方法としては、前述したパッド Pを回転体 20 の径方向に変位させる方法の他に、アンビル Aを変位させる方法や、アンビル Aと パッド pの双方を変位させる方法が用いられてもよい。

[0032] つぎに、前記案内手段 21等の一例について、図 5 (a)の横断面図を用いて説明す る。

図 5 (a)に示すように、案内手段 21は、固定円筒部 50に固定された突条部 21aと、 該突条部 21aに嵌合する溝部材 21bとで構成されてもよい。前記パッドフレーム 13は 、前記第 2アーム 12および前記溝部材 21bに連結されている。

[0033] 前記固定円筒部 50は、図示しない設備のフレームに固定されており、回転体 20の 回転軸 20aを回転可能に支持している。前記固定円筒部 50および案内手段 21の中 心は第 1軸線 XIであり、一方、前記回転体 20の回転中心は前記第 2軸線 X2である 。したがって、パッドフレーム 13は、第 2軸線 X2に対して偏心した状態で設けられた 第 1軸線 XIを中心として回転する。

なお、前記突条部 21aおよび溝部材 21bの配置は逆にしてもよい。すなわち、前記 固定円筒部 50に溝部材 21bが固定され、パッドフレーム 13が突条部 21aに連結さ れていてもよい。

[0034] つぎに、ノ ッド Pを旋回させる旋回手段にっレ、て説明する。

前記固定円筒部 50の外周面には、カム溝 51が形成されている。このカム溝 51に は、各パッド Pの旋回部 14に設けたコロ 15が嵌合している。前記パッド Pが第 1軸線

XIのまわりを受取位置 RPから渡し位置 SPまで回転すると、コロ 15がカム溝 51に沿 つて軸線 XIに沿った方向に移動することにより旋回部 14およびパッド Pが約 90° 旋回する。これにより、ノ ッド P上の切断ウェブ W2の姿勢が変更される。

なお、前記旋回手段については、特開平 1一 272803号ゃ特開 2002— 96808号に 開示された構造などが採用されてもよい。

[0035] つぎに、本装置の動作が説明される。

図 4 (a)に示すように、供給された連続ウェブ Wは、受取位置 RPにおいて、その先 端部 W1がパッド Pに保持され、第 1の方向 D1に回転されるパッド Pによって下流の D1方向に搬送される。図 4 (b)に示すように、ウェブ Wの先端部 W1が切断位置 CP を通過すると、切断位置 CPにおいて、前記第 1の相対レベル L1のアンビル Aの表 面 Asにカツタ 30の刃 31が当接し、該刃 31が連続ウェブ Wを切断してウェブの先端 部 W1を切り出す。これにより、切断ウェブ W2が生成される。

[0036] 前記切断後、図 4 (c)に示すように、パッド Pの表面 Psは、第 1の方向 D1に回転さ れながら、アンビル Aの表面 Asに対して回転体 20の外方に向って徐々に相対移動 される。すなわち、アンビル Aがパッド Pの下方に相対的に変位する。したがって、 パッド Pが前記法線 rの周りに旋回することが可能となる。この状態でパッド Pが旋回 を開始し、渡し位置 SPに到達するまでの間に、パッド Pの姿勢が変更され、パッド P 上の切断ウェブ W2の姿勢が変更される。

[0037] 図 1のパッド Pは、渡し位置 SPにおいて、切断ウェブ W2の保持を解除し、姿勢の 変更された切断ウェブ Wを下流の搬送装置 100に渡す。なお、この搬送装置 100は 切断ウェブ W2を吸着するパッドを備えていてもよいし、コンペャの上に切断ウェブ W 2を載せて運んでもよい。その後、ノ ッド Pは、第 1の方向 D1に回転されながら回転 体 20の内方に向ってアンビル Aに対して相対的に移動されると共に更に旋回され、 前記受取位置 RPに至るまでの間に元の姿勢に復帰する。

[0038] このように、本加工装置では、刃 31がアンビル Aの表面 Asに当接してウェブ Wの 切断を行うことができると共に、パッド Pの旋回を許容するから、 1つの回転体 20上に おいてウェブ Wの切断および姿勢変更の両方の動作を行うことができる。したがって 、加工装置のコストダウンおよびコンパクトィ匕を図ることができる。

また、パッド Pおよびアンビル A力 それぞれ、 2つの軸線 XI， X2を中心とした円

i i

運動を行うようにすれば、ノ ッド Pおよびアンビル Aのレベルを容易に相対変位させ ること力 Sできる。

[0039] 図 5 (b)および図 5 (c)は、切断ウェブ W2の配列を示す。

図 5 (b)に示すように、切断ウェブ W2が千鳥状に配列されるように、前記パッド P の姿勢が変更されてもよい。この場合、各パッド Pは幅方向 D3の第 1方向（図 5 (b)

i

における下方向）と前記第 1方向と反対の第 2方向（図 5 (b)における上方向）とに交 互に変位して、切断ウェブ W2 、 W2 が千鳥状に配列される。すなわち、切断ゥェ

i i+1

ブ W2は幅方向 D3の第 1方向寄りに配置され、前記切断ウェブ W2に隣接する W2 は幅方向 D3の第 2方向寄りに配置される。

i+1

また、図 5 (c)に示すように、各ウェブ W2は一列に整列されてもよい。

[0040] 図 6はパッド Pを示す概略斜視図である。

各パッド Pは切断ウェブ W2を保持する保持面 200を有する。前記保持面 200は 前記渡し位置 SPにおける前記回転体 20の周方向 D1に沿った形状が外方に向って 凸の湾曲面である。一方、前記保持面 200は、前記渡し位置 SPにおける前記回転 体 20の第 1軸線 XIに沿った形状が概ね直線的である。すなわち、渡し位置 SPにお いて、第 1軸線 XIに平行な断面線で取られたパッド Pの断面図においては、前記保 持面 200が概ね直線状に現れる。

[0041] ここで、前記渡し位置 SPにおいて、前記保持面 200の第 1軸線 XIに沿った方向の 両端部 201にテーパ面が形成されていると、この両端部 201が下流の前記搬送装置 100から若干離れた位置となるので、保持面 200上に保持した切断ウェブ W2の両 端部を前記搬送装置 100が吸着して受け取る際に切断ウェブ W2の両端部に皺が 生じ易くなる。これに対し、本実施例のように、保持面 200の第 1軸線 XIに沿った形 状が直線的であると、保持面 200の前記両端部 201が保持面 200の中央部 202と同 様に搬送装置のパッドに近接する。したがって、切断ウェブ W2の受け渡しが容易に なって、切断ウェブ W2の両端部に皺などの生じるおそれがない。

[0042] 一方、前記受取位置 RPにおける前記保持面 200は、前記回転体 20の周方向 D1 に沿った形状が直線的である。図 1に示すように、本装置は切断前の前記連続ゥェ ブ Wを前記パッド Pが受け取るので、前記保持面 200が直線的な形状であっても前

i

記連続ウェブ wの受け取りが可能である。

[0043] 以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、 本明細書を見て、 自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。 たとえば、切断位置において、アンビルの表面のレベルはパッドの表面のレベルよ りも回転体の外方に突出していてもよいし、パッドの表面のレベルと同一であってもよ いし、あるいは、パッドの表面のレベル力 若干退避していてもよい。

また、パッドの表面は円弧状の曲面で形成されていてもよい。

さらに、パッドの回転軌跡は、円である必要はなぐ楕円やその他の形状であっても よい。

また、パッドやアンビルは必ずしも軸線 XI, X2のような定位置を中心とした回転運 動を行う必要もない。

また、パッドは必ずしも法線を中心に旋回する必要はなぐパッドの表面に交差する 線の周りに旋回してもよい。

したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内 のものと解釈される。

産業上の利用可能性

[0044] 本発明は、生理用品や使い捨てパンツ、ォムッなどの使い捨て着用物品、被覆材 のような医療用資材、断熱材のような建築用資材などのウェブの加工装置に利用で きる。

Claims

請求の範囲

[1] 第 1の軸線の周りを回転する複数のパッドと、連続ウェブを切断するカツタと、前記 カツタを受ける複数のアンビルとを備えたウェブの加工装置であって、ここにおいて、 前記パッドが前記連続ウェブを受け取り、

前記カツタと接触することが可能なように前記パッドの表面に対する第 1の相対レべ ルに位置するアンビルと協働して、前記カツタが前記連続したウェブを切断し、 前記第 1の軸線から前記パッドに向って延びる線の周りに前記パッドが旋回して、 前記パッドの姿勢を変更しながら前記軸線の周りを回転して、前記切断されたウェブ の姿勢を変更しながら当該ウェブを搬送し、

前記パッドが姿勢を変更する際に前記パッドの姿勢変更の動作を妨げないように 前記パッドの表面に対する第 2の相対レベルに前記アンビルが移動する、ウェブの 加工装置。

[2] 請求項 1において、前記パッドが前記第 1の軸線を概ね中心として回転し、前記ァ ンビルが第 2の軸線を概ね中心として回転し、

前記第 1の軸線と前記第 2の軸線とが互いに概ね平行で、かつ、位置ズレした位置 に設定されており、

前記第 2の相対レベルのアンビルの方力 前記第 1の相対レベルのアンビルに比 ベて、前記第 1軸線に近い内方の位置に設定されているウェブの加工装置。

[3] 請求項 1において、前記複数の各パッドは前記ウェブを保持する保持面を有し、前 記保持面における前記第 1の軸線の方向に沿った形状が前記渡し位置において概 ね直線的であるウェブの加工装置。

[4] 連続ウェブの先端部を受取位置において受け取り、前記先端部から切り取った切 断ウェブの姿勢を変更しながら前記切断ウェブを前記受取位置の下流の渡し位置ま で搬送し、該渡し位置において前記切断ウェブを下流の搬送装置に渡すウェブの 加工装置であって、

回転体とカツタとを備え、ここにおいて、

前記回転体は、前記回転体の周りに交互に配置され概ね前記回転体の周方向に 沿って回転する複数のパッドおよび複数のアンビルを有し、 前記カツタは、前記アンビルと協働して前記連続ウェブの先端部を前記受取位置 の下流の切断位置において切断することが可能であり、

前記切断位置においては、前記カツタが前記アンビルと協働して、隣接する 2つの パッドに保持された連続ウェブの先端部から所定長の切断ウェブを切り取れるように 、前記 2つのパッドの間のアンビルの表面のレベルが前記パッドの表面のレベルに近 似した第 1の相対レベルとなるように設定され、

前記各パッドが概ね前記回転体の径方向に沿った線の周りに旋回可能に設けられ 前記切断位置から前記切断位置よりも下流の渡し位置に到るまでの間に、前記各 パッドが旋回して前記切断ウェブの姿勢変更を行うのを許容するために、前記旋回 する各パッドに隣接するアンビルの表面が前記パッドの表面に対し前記第 1の相対レ ベルよりも前記回転体の内方に向って退避した第 2の相対レベルとなるように設定さ れてレ、るウェブの加工装置。

[5] 請求項 4において、前記パッドが前記回転体の第 1の軸線を概ね中心として回転し 、前記アンビルが前記回転体の第 2の軸線を概ね中心として回転し、

前記第 1の軸線と前記第 2の軸線とが互いに概ね平行で、かつ、位置ズレした位置 に設定されており、

前記第 2の相対レベルのアンビルの方力 前記第 1の相対レベルのアンビルに比 ベて、前記第 1軸線に近い内方の位置に設定されているウェブの加工装置。

[6] 請求項 4において、前記複数の各パッドは前記ウェブを保持する保持面を有し、前 記保持面における前記回転体の軸線の方向に沿った形状が前記渡し位置において 概ね直線的であるウェブの加工装置。

[7] 回転体とカツタとを用レ、、連続ウェブの先端部を受取位置において受け取り、前記 先端部から切り取った切断ウェブの姿勢を変更しながら前記切断ウェブを前記受取 位置の下流の渡し位置まで搬送し、該渡し位置において前記切断ウェブを下流の搬 送装置に渡すウェブの加工方法であって、

前記回転体は、前記回転体の周りに交互に配置され概ね前記回転体の周方向に 沿って回転する複数のパッドおよび複数アンビルを有し、前記カツタは、前記アンビ ルと協働して前記連続ウェブの先端部を前記受取位置の下流の切断位置において 切断することが可能であり、

前記パッドが前記連続ウェブを受け取る工程と、

前記カツタと接触することが可能なように前記パッドの表面に対する第 1の相対レべ ルに位置するアンビルと協働して、前記カツタが前記連続ウェブを切断する工程と、 前記パッドが概ね前記回転体の径方向に沿った線の周りに旋回して、前記パッドの 姿勢を変更しながら前記軸線の周りを回転して、前記切断されたウェブの姿勢を変 更しながら当該ウェブを搬送する工程と、

前記パッドが姿勢を変更する際に前記パッドの姿勢変更の動作を妨げないように 前記パッドの表面に対する第 2の相対レベルに相対的に前記アンビルが移動するェ 程とを備えた、ウェブの加工方法。