WO2007013324A1

WO2007013324A1 - 有機過酸ポリマー組成物およびその製造方法

Info

Publication number: WO2007013324A1
Application number: PCT/JP2006/314169
Authority: WO
Inventors: Yasunari Kawabata; Yasushi Hiramatsu
Original assignee: Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.
Priority date: 2005-07-27
Filing date: 2006-07-18
Publication date: 2007-02-01
Also published as: TW200712200A; TWI396735B; US20100143491A1; JP5369376B2; CN101243133A; KR101290547B1; KR20080039385A; CN101243133B; JPWO2007013324A1; US8110603B2

Abstract

　安定性が良く、臭いがせず、十分な水溶性を持っており、殺菌剤、漂白剤、洗浄剤として好適に用いられる有機過酸ポリマー組成物を提供することを課題とし、有機酸ポリマー、過酸化水素および無機酸を混合溶解し、１０～８０°Cで１時間から１ヶ月間保持することにより、有機過酸ポリマー（２～５０重量％）、及び場合により過酸化水素（２～５０重量％）並びに無機酸（０．１～１０重量％）を含有する有機過酸ポリマー含有組成物を得る。

Description

明細書

有機過酸ポリマー組成物およびその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、殺菌、漂白、洗浄効果に優れる有機過酸ポリマーを含む組成物に関する。

背景技術

[0002] 従来から、殺菌 ·漂白 ·洗浄用組成物として、種々の過酸ィ匕物が用いられてきた。そのうち有機過酸としては、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸、過酪酸、過マロン酸、過コハク酸、過ダルタル酸、過アジピン酸、過酒石酸、過クェン酸、過安息香酸、過フタル酸等が知られている。これらの過酸は殺菌剤、漂白剤、洗浄剤、エポキシ化剤等の用途で有用である。し力しながらこれらの有機過酸は、安定性、臭い、水溶性等の点から必ずしも満足の、くものではな!/、。

[0003] 特許文献 1にお、て、過酸ィ匕物と有機ポリマーを含有するカビ取り剤組成物が開示されているが、ここで用いられる過酸ィ匕物は十分な殺菌 ·漂白 '洗浄性能を有していないという欠点を有する。

特許文献 1：特開昭 61— 158907号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 本発明は、優れた殺菌及び漂白能力を有し、安定性が良ぐ臭いが少なぐ十分な水溶性を持つ有機過酸ポリマー含有組成物を得ることを課題とする。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1部がペルォキシカルボキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを含む組成物が、優れた殺菌、漂白、洗浄能力を有し、安定性が良ぐ臭いが少なぐ十分な水溶性を持つことを見出した。

また、力かる有機過酸ポリマーを含む組成物を製造する際に、有機酸ポリマーと過酸化水素に加え、酸触媒として無機酸を用いることにより、有機酸ポリマー中のカルボキシル基の過酸ィ匕水素によるペルォキシカルボキシル基への変換を効率よく進めることができることを見!ヽだ'した。

[0006] すなわち、本発明は、以下の（1)〜（21)に示す殺菌 '漂白'洗浄用組成物及びその製造方法に関するものである。

(1)有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1部がペルォキシ力ルポキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを有効成分として含有することを特徴とする、殺菌 ·漂白 ·洗浄用組成物。

(2)前記有機過酸ポリマーにおけるカルボキシル基のペルォキシカルボキシル基への変換割合が 5%以上である、請求項 1記載の組成物。

[0007] (3)前記有機過酸ポリマーの分子量が 500〜 100, 000であることを特徴とする、請求項 1又は 2記載の組成物。

(4)前記有機過酸ポリマーが、過ポリアクリル酸、過ポリメタクリル酸、過ポリマレイン酸、過アクリル酸コポリマー、過メタクリル酸コポリマーおよび過マレイン酸コポリマー、並びにそれらの塩からなる群から選ばれる 1種以上である、請求項 1〜3のいずれかに記載の組成物。

[0008] (5)前記有機過酸ポリマーの濃度が 2〜50重量％であることを特徴とする、請求項 1 〜4の、ずれかに記載の組成物。

(6)さらに過酸ィ匕水素及び無機酸を含有してなることを特徴とする、請求項 1〜5のいずれかに記載の組成物。

[0009] (7)前記無機酸が硫酸、オルトリン酸およびピロリン酸力なる群力選ばれる 1種以上である、請求項 6記載の組成物。

(8)さらに安定剤を含有してなることを特徴とする、請求項 1〜7のいずれかに記載の組成物。

(9)前記安定剤がオルトリン酸塩、 1—ヒドロキシェタン一 1, 1—ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩およびジピコリン酸力選ばれる 1種以上である、請求項 8記載の組成物。

[0010] (10)有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1部がペルォキシカルボキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを含有する組成物を製造する方法であって、少なくとも下記成分 (i)〜 (iv)を混合する混合工程を含むことを特徴とする、有機過酸ポリマー含有組成物の製造方法。

(i)構成単位中にカルボキシル基を有する有機酸ポリマー

(ii)過酸化水素

(m)無機酸

(iv)水

[0011] (11)前記混合工程において、混合物を 1時間〜 1ヶ月間保持することを特徴とする、請求項 10記載の製造方法。

[0012] (12)前記混合工程において、有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基力 5

%以上の変換割合でペルォキシカルボキシル基へ変換されることを特徴とする、請求項 10又は 11記載の製造方法。

(13)前記有機酸ポリマーの分子量が 500〜100, 000であることを特徴とする、請求項 10〜 12のいずれかに記載の製造方法。

[0013] (14)前記有機酸ポリマー力ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、アタリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマーおよびマレイン酸コポリマー、並びにそれらの塩力なる群力も選ばれる 1種以上である、請求項 10〜13のいずれかに記載の製造方法。

(15)前記混合工程における成分 (i)〜 (iv)の混合割合が、有機酸ポリマー； 3〜60 重量％、過酸化水素； 2〜60重量％、無機酸； 0. 1〜10重量％、及び水； 20〜90 重量％であることを特徴とする、請求項 10〜14のいずれかに記載の製造方法。

[0014] (16)前記無機酸が硫酸、オルトリン酸およびピロリン酸力なる群力選ばれる 1種以上である、請求項 10〜 15のいずれかに記載の製造方法。

(17)前記混合工程において、さらに安定剤を混合することを特徴とする、請求項 10

〜16のいずれかに記載の製造方法。

[0015] (18)前記安定剤がオルトリン酸塩、 1—ヒドロキシェタン一 1, 1—ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩およびジピコリン酸力選ばれる 1種以上である、請求項 17記載の製造方法。

(19)前記混合工程の後、さらに希釈剤を添加する希釈工程を含むことを特徴とする、請求項 10〜18のいずれかに記載の製造方法。

[0016] (20)請求項 10〜 19のいずれかに記載の製造方法で製造された有機過酸ポリマー含有組成物であって、有機過酸ポリマー 2〜50重量％、過酸化水素 2〜50重量％および無機酸 0. 1〜10重量％を含有することを特徴とする、有機過酸ポリマー含有組成物。

(21)請求項 20記載の有機過酸ポリマー含有組成物を希釈して得られる有機過酸ポリマー含有希釈組成物。

[0017] なお、上記特許文献 1には過酸ィ匕物と有機ポリマーを含有するカビ取り剤組成物が開示されているが、有機過酸ポリマーについては記述されていない。また、特許文献 1にお、て過酸ィ匕物として過酸ィ匕水素、有機ポリマーとして有機酸ポリマーを用いたとしても、酸触媒としての無機酸を含まな、場合の有機過酸ポリマーの生成は僅かであり、有機過酸ポリマーとしての性能は発現し得ない。

発明の効果

[0018] 有効成分として有機過酸ポリマーを含む本発明の組成物は、従来の殺菌 '漂白'洗浄用に用いられてきた有機過酸等の過酸ィ匕物を含む組成物や、単に有機酸ポリマ一と過酸ィ匕水素を混合したもの等に比べ、優れた殺菌 '漂白'洗浄能力を有し、同じ有効酸素濃度で比較しても高い殺菌 ·漂白 ·洗浄効果を示す。さらに、本発明の組成物は有機過酸ポリマーが分解しに《安定性が良いので、長期保存しても殺菌 '漂白 •洗浄効果が低下しない。また、本発明で用いられる有機過酸ポリマーは臭いが少なぐし力も十分な水溶性を持っため希釈して用いる場合も使用し易い。そのため実用性に優れ、産業用のみならず一般家庭用にも快適に使用し得る。

[0019] また、本発明の製造方法によれば、酸触媒として無機酸を用いるため、有機酸ポリマー中のカルボキシル基の過酸ィ匕水素によるペルォキシィ匕反応（平衡反応）がペルォキシカルボキシル基生成の方向へ迅速に進行し、ペルォキシカルボキシル基の割合が高いところで平衡状態となる。このため、有機酸ポリマーを高濃度に含む水溶液を用いて高濃度の有機過酸ポリマーを生成することができる。よって、十分な量の有機過酸ポリマーを含む組成物を得ることができる。

[0020] また、上記平衡反応は有機酸ポリマーが低濃度の状態では進行しにくいため、比較的水分量が多い低濃度の有機過酸ポリマー組成物を効率よく得ることは容易でないが、本発明の方法を用いれば上記平衡反応を高濃度で効率よく進行させて十分な量の有機過酸ポリマー組成物を生成させることができるため、このようにして得られる有機過酸ポリマー組成物を希釈することにより、任意の濃度の有機過酸ポリマー組成物を効率よく取得することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0021] 1.殺菌，漂白，洗浄用組成物

本発明の殺菌，漂白'洗浄用組成物は、有効成分として有機過酸ポリマーを含有する。

(1)有機過酸ポリマー

本発明における有機過酸ポリマーは、構成単位中にカルボキシル基を有する有機酸ポリマーにお、て、その少なくとも一部のカルボキシル基がペルォキシカルボキシル基に置き換わった (変換した)構造を有するものを、う。

具体例として、過ポリアクリル酸、過ポリメタクリル酸、過ポリマレイン酸、過アクリル酸コポリマー、過メタクリル酸コポリマー若しくは過マレイン酸コポリマー、またはそれらの塩が挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。本発明の有機過酸ポリマーは、これら力なる群力選択される 1種以上であり、 1種のみでも 2種以上を併用しても良い。

[0022] カルボキシル基のペルォキシカルボキシル基への変換割合は、下限が好ましくは 5 %、より好ましくは 7%、さらに好ましくは 10%であり、上限が好ましくは 90%、より好ましくは 70%、さらに好ましくは 50%である。変換割合が低すぎるものは有機過酸としての殺菌 '漂白'洗浄効果が十分発揮されず、変換割合が高すぎるものは製造が困難な場合がある。

[0023] 有機過酸ポリマーの分子量は、好ましくは 500〜100, 000、より好ましくは 2000〜 20, 000である。有機過酸ポリマーの分子量が低すぎると有機過酸としての殺菌 '漂白'洗浄効果が十分発揮されず、分子量が高すぎるものは製造が困難な場合がある

[0024] 本発明の殺菌 ·漂白 '洗浄用組成物における有機過酸ポリマーの濃度は、好ましくは 2〜50重量％、より好ましくは 2〜15重量％である。すなわち、本発明の殺菌'漂白'洗浄用組成物においては、有機過酸ポリマーを比較的高濃度で含有させることができる。有機過酸ポリマーの濃度が高すぎるものは製造が困難である。また、有機過酸ポリマーの濃度が低すぎると有機過酸としての殺菌 ·漂白'洗浄効果が十分発揮されない場合がある。ただし、本発明の殺菌 ·漂白 ·洗浄用組成物は、有機過酸ポリマーの殺菌 ·漂白'洗浄能力が優れて、るため、希釈してもその優れた殺菌 ·漂白' 洗浄効果を十分発揮させることができる。よって、上記有機過酸ポリマー濃度は、特に限定されるものではない。

[0025] ここで、本発明の有機過酸ポリマーの濃度は、以下の数式（1)により求めることができる。また、数式（1)より、カルボキシル基のペルカルボキシル基への変換割合（％) を求めることができる (数式 (2)参照)。

[0026] (数 1)

P = Q XR/100 X (C+ 16) /C · · · (1)

R= (P/Q) X C/ (C + 16) Χ ΙΟΟ· · · (2)

[0027] 上記数式（1)中、 Pは有機過酸ポリマー濃度 (重量％)、 Qはペルォキシィ匕される前の有機酸ポリマー濃度（重量％)、 Rはカルボキシル基のペルカルボキシル基への変換割合 (％)、 Cは有機酸ポリマーのカルボキシル基一個あたりの分子量を、それぞれ表す。

[0028] (2)その他の成分

<過酸化水素 >

本発明の組成物中には、上記有機過酸ポリマーのほかに、過酸化水素が含まれていても良い。本発明の組成物中には、通常、該組成物の製造時に有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基をペルォキシ化してペルォキシカルボキシル基へ変換するために用いられる過酸ィ匕水素が含まれている。過酸化水素自体、殺菌，漂白，洗浄能力を有するため、組成物全体の殺菌，漂白'洗浄効果を高めるのに寄与するだけでなぐ有機酸ポリマーとの平衡反応により十分な量の有機過酸ポリマーの生成及び維持 (水溶液中における安定性）に寄与している。よって、有機過酸ポリマーと過酸ィ匕水素との組み合わせにより、さらに本発明の組成物の殺菌 ·漂白 '洗浄効果を高めることができる。

[0029] 本発明の組成物中における過酸化水素の濃度は、好ましくは 2〜50重量％、より好ましくは 5〜30重量％である。過酸ィ匕水素の濃度が低すぎると有機酸ポリマーとの平衡反応により生成する有機過酸ポリマーの量が十分でなぐ本発明の殺菌'漂白 · 洗浄効果が十分に発揮されない場合がある。一方、過酸化水素の濃度が高すぎても前記効果は高まらず、力えって安全性に問題が生じる場合がある。

[0030] <無機酸 >

無機酸は、本発明の組成物中の有機過酸ポリマーの濃度を高める効果を顕著なものにする。その理由は、無機酸の影響で有機酸ポリマー中のカルボキシル基の解離が抑えられることによりカルボキシル基のペルカルボキシル基ィ匕が促進されることによると考えられる。すなわち、無機酸非存在下では、本発明のような高濃度の有機過酸ポリマー組成物を得ることは困難となる。

無機酸としては硫酸、オルトリン酸、及びピロリン酸からなる群から選択されるものが好適である。これらは 1種のみを使用しても、また 2種以上を併用しても良い。無機酸の濃度は、 0. 1〜10重量％、好ましくは 0. 3〜5重量％である。無機酸の濃度が低すぎると十分な前記効果が得られず、高すぎても前記効果は高まらな、。

[0031] <安定剤 >

本発明の組成物は、安定剤を含むことが好ましい。安定剤を入れることにより、有機過酸ポリマーおよび過酸ィ匕水素の安定性が向上する。安定剤としては、過酸の安定剤であればいずれも使用できる力特にオルトリン酸塩、 1ーヒドロキシェタン 1, 1 ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩、及びジピコリン酸力なる群力選択するのが好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、より好ましくはナトリウム塩である。これらは 1種のみを使用しても、また 2種以上を併用しても良い。

安定剤の濃度は、好ましくは 0. 01〜5重量％、より好ましくは 0. 02〜3重量％である。安定剤は必要に応じて使用すればよいが、安定剤の濃度が低すぎると十分な過酸安定ィ匕効果が得られない場合がある。一方、安定剤の濃度が高すぎても安定化効果は高まらない。 [0032] <その他の成分 >

本発明の殺菌，漂白 ·洗浄用組成物には、さらに必要に応じて、一般的な殺菌 '漂白 ·洗浄用薬剤等に使用される添加剤など、例えば界面活性剤、増粘剤、香料、着色剤等が適宜配合されていてもよい。本発明の殺菌 ·漂白 '洗浄用組成物中、有機過酸ポリマー、過酸化水素、無機酸および必要に応じて添加する安定剤その他の添加剤以外の残分は、主として水である。

[0033] 本発明の殺菌 ·漂白'洗浄用組成物の pHは 3以下であり、好ましくは pHl以下である。 pH3を超えると有機過酸ポリマー濃度の高い組成物が得られない場合がある。本発明の組成物に無機酸が含まれていれば、通常は PH3以下となる。

なお、本発明の殺菌 ·漂白'洗浄用組成物は、任意の有機過酸ポリマー濃度に希釈して使用することができる。希釈剤としては、水、アルコール水溶液等が挙げられる。希釈倍率は特に限定されないが、好ましくは 1. 1〜： LOOOO倍、より好ましくは 1. 1 〜 1000倍である。

[0034] 2.有機過酸ポリマー組成物の製造方法

次に、本発明の有機過酸ポリマー含有組成物の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1 部がペルォキシカルボキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを含有する組成物を製造する方法であって、少なくとも下記成分 (i)〜 (iv)を混合する混合工程を含むことを特徴とする。

(i)構成単位中にカルボキシル基を有する有機酸ポリマー

(ii)過酸化水素

(iii)無機酸

(iv)水

[0035] (1)混合工程

前記混合工程においては、有機酸ポリマー、過酸化水素、無機酸、及び水を混合溶解し、得られる混合液を好ましくは 1時間から 1ヶ月間（より好ましくは 4時間〜 20日間)保持する。混合工程での混合溶解温度は特に限定されないが、好ましくは 10〜 80°C、より好ましくは 20〜70°Cである。 [0036] 混合工程では、上記各成分を混合溶解すると、有機酸ポリマー中のカルボキシル基が過酸化水素と反応し、徐々にペルォキシカルボキシル基に置き換わっていく。この有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素との反応は、有機過酸ポリマー、過酸化水素及び有機酸ポリマーの平衡反応として進行し、概ね 1時間〜 1ヶ月後に最大の置換割合となり、その後置換割合はほぼ一定となる。過酸化水素の濃度を高くすると置換割合は高くなる。すなわち、有機酸ポリマー及び過酸化水素の濃度を高くするほど高濃度の有機過酸ポリマーが生成する。

[0037] <有機酸ポリマー >

本発明の製造方法で用いられる有機酸ポリマーは、その構成単位中にカルボキシル基を有するポリマーであれば特に限定されないが、具体的にはポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマーおよびマレイン酸コポリマー、並びにそれらの塩力なる群力選ばれるものであり、 1種のみでも、あるいは 2種以上を併用しても良い。

[0038] 前記有機酸ポリマーの分子量は、好ましくは 500〜100, 000、より好ましくは 2000 〜20, 000である。有機酸ポリマーの分子量が低すぎると、十分に高い殺菌'漂白 · 洗浄効果をもつ有機過酸ポリマーが得られな、場合がある。分子量が高すぎるものを用いると、有機過酸ポリマー含有組成物の製造が困難な場合がある。

[0039] 有機酸ポリマーの仕込み量 (使用量または混合割合)は、仕込み原料 (混合原料）全体に対し、好ましくは 3〜60重量％、より好ましくは 5〜40重量％である。有機酸ポリマーの使用量が少なすぎると、得られる有機過酸ポリマー含有組成物中における有機過酸ポリマーの濃度が低くなり、該有機過酸ポリマー含有組成物の殺菌 '漂白- 洗浄効果が十分に発揮されない場合がある。一方、有機酸ポリマーの使用量が多すぎても有機過酸ポリマー濃度は必ずしも使用量に応じて上昇しない。

[0040] <過酸化水素 >

本発明の製造方法で用いられる過酸ィ匕水素は、本発明の上記殺菌 '漂白'洗浄用組成物に含まれる過酸ィ匕水素と同様のものを使用することができる。また、過酸化水素は、長期保存安定性を高めるため、予め精製したものを使用するのが好ましい。精製の方法としては、イオン交換榭脂あるいはキレート榭脂に接触させる方法等が挙げられる。

[0041] 過酸ィ匕水素は、それ自体、殺菌 '漂白'洗浄能力を有するため、得られる有機過酸ポリマー含有組成物全体の殺菌.漂白'洗浄効果を高めるのに寄与するだけでなぐ有機酸ポリマーとの平衡反応により十分な量の有機過酸ポリマーの生成及び維持に寄与している。よって、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素とを組み合わせて混合することにより、高濃度の有機過酸ポリマーを含有する組成物を得ることができる。

[0042] 過酸化水素の仕込み量は、好ましくは 2〜60重量％、より好ましくは 5〜40重量％である。過酸ィ匕水素の使用量が少なすぎると、有機酸ポリマーとの平衡反応により生成する有機過酸ポリマーの量が十分でなぐ本発明の殺菌 ·漂白 '洗浄効果が十分に発揮されない場合がある。一方、過酸ィ匕水素の濃度が高すぎても有機過酸ポリマ一濃度は必ずしも使用量に応じて上昇しない。

[0043] <無機酸 >

無機酸は、本発明の製造方法で得られる有機過酸ポリマー含有組成物中の有機過酸ポリマーの濃度を高める効果を顕著なものにする。その理由としては、無機酸の影響で有機酸ポリマー中のカルボキシル基の解離が抑えられることで、カルボキシル基のペルカルボキシル基ィ匕が促進されることによると考えられる。すなわち、無機酸非存在下では、高濃度の有機過酸ポリマー含有組成物を得ることは困難な場合がある。

[0044] 本発明の製造方法で用いられる無機酸は、本発明の上記殺菌 '漂白'洗浄用組成物に含まれる無機酸と同様のもの、すなわち無機酸としては硫酸、オルトリン酸、及びピロリン酸力もなる群力も選択されるものを用いることができる。これらは 1種のみを使用しても、また 2種以上を併用しても良い。

無機酸の仕込み量は、好ましくは 0. 1〜： LO重量％、より好ましくは 0. 3〜5重量％である。無機酸の使用量が少なすぎると、十分な濃度の有機過酸ポリマーが生成しない場合がある。一方、無機酸の使用量が多すぎても有機過酸ポリマー濃度は必ずしも高まらない。

[0045] <安定剤 >

本発明の製造方法では、必要に応じて安定剤を使用することもできる。安定剤を入れることにより、生成される有機過酸ポリマーおよび過酸ィ匕水素の安定性が向上する。安定剤としては、過酸の安定剤であればいずれも使用できる力本発明の上記殺菌 '漂白'洗浄用組成物で用いられるものと同様の、オルトリン酸塩、 1—ヒドロキシェタン—1, 1 ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩、及びジピコリン酸力なる群力選択するのが好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、より好ましくはナトリウム塩である。これらは 1種のみを使用しても、また 2 種以上を併用しても良い。

[0046] 安定剤を加える場合は、前記混合工程において有機過酸ポリマー生成後の有機過酸ポリマー、過酸ィ匕水素及び無機酸を含む組成物に加えても良いが、有機酸ポリマー、過酸化水素、無機酸の混合時に同時に加えるのが好ましい。

[0047] <その他の成分 >

なお、本発明の製造方法における原料成分中、有機酸ポリマー、過酸化水素、無機酸および必要に応じて添加する安定剤以外の残分は、主として水である。水の仕込み量は、好ましくは 20〜90重量％、より好ましくは 30〜70重量％である。本発明の製造方法においては、さらに殺菌 ·漂白 '洗浄用薬剤等に添加して使用される一般的な添加剤、例えば界面活性剤、増粘剤、香料、着色剤等を適宜添加することができる。

[0048] 本発明においては、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素との平衡反応により有機過酸ポリマーが生成する。このため、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素の仕込み比を、好ましくは有機酸ポリマー：過酸化水素 = 10〜90 : 90〜10とするのがよい。また、酸触媒として機能する無機酸の仕込み量は、有機酸ポリマーの仕込み量に対し、好ましくは 0. 5〜30%とするのがよい。

[0049] 前記混合工程において、有機酸ポリマーのカルボキシル基のペルォキシカルボキシル基への変換割合は、下限が好ましくは 5%、より好ましくは 7%、さらに好ましくは 10%であり、上限が好ましくは 90%、より好ましくは 70%、さらに好ましくは 50%である。本発明の製造方法によれば、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素との平衡反応に無機酸を触媒として使用することにより、高濃度の有機過酸ポリマーを生成させることができる。この変換割合が低すぎるものは、得られる有機過酸ポリマー含有組成物の殺菌 •漂白'洗浄効果が十分発揮されず、変換割合が高すぎるものは製造が困難な場合がある。

[0050] (2)希釈工程

本発明の製造方法では、前記混合工程の後、さらに希釈剤を添加する希釈工程を含めることができる。希釈剤としては、水、アルコール水溶液等が挙げられる。希釈倍率は特に限定されないが、好ましくは 1. 1〜： LOOOO倍、より好ましくは 1. 1-1000 倍である。

本発明におヽては、まず高濃度の有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素とを含む混合液を調製し、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素との平衡反応により高濃度の有機過酸ポリマ一を含む組成物を得た後、これを希釈することにより、任意の濃度の有機過酸ポリマ一を含む組成物を効率よく製造することができる。最初力も低濃度の有機酸ポリマー混合液を用いて有機過酸ポリマー含有組成物を得ようとすると、有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素との平衡反応が速やかに進行せず、任意の濃度の有機酸ポリマーを含む組成物を効率よく製造することが困難な場合がある。

[0051] 3.有機過酸ポリマー含有組成物

本発明においては、上記製造方法によって、有機過酸ポリマーを高濃度に含有する有機過酸ポリマー含有組成物を得ることができる。この有機過酸ポリマー含有組成物は水溶液であり、少なくとも有機過酸ポリマー、過酸化水素及び無機酸を含む。該組成物中における有機過酸ポリマーの濃度は 2〜50重量％、好ましくは 2〜15 重量％であり、過酸化水素の濃度は 2〜50重量％、好ましくは 5〜30重量％であり、無機酸の濃度は 0. 1〜10重量％、好ましくは 0. 3〜5重量％である。

有機過酸ポリマーの濃度が低すぎるものは有機過酸としての殺菌 ·漂白'洗浄等の効果が十分に発揮されず、濃度が高すぎるものは製造が困難である。過酸化水素の濃度が低すぎると十分な殺菌 '漂白'洗浄効果が得られず、高すぎても前記効果は高まらない。無機酸の濃度が低すぎると十分な殺菌 ·漂白'洗浄効果が得られず、高すぎても前記効果は高まらな、。

また、前記有機過酸ポリマー含有組成物には、安定剤をはじめとするその他の任意成分を含んでいても良い。 [0052] 本発明の有機過酸ポリマー含有組成物は、有機過酸ポリマー、過酸化水素及び無機酸を上記濃度で含む組成物を、さらに希釈して、これらの成分を任意の濃度で含む有機過酸ポリマー含有希釈組成物を適宜調製することができる。

希釈剤としては、水、アルコール水溶液等が挙げられる。希釈倍率は特に限定されなヽカ S、好ましく ίま 1. 1〜： LOOOO倍、より好ましく ίま 1. 1〜： LOOO倍である。

[0053] 4.殺菌、漂白、又は洗浄方法

本発明の殺菌 ·漂白 ·洗浄用組成物又は有機過酸ポリマー含有組成物は、 1. 1〜 10000倍に希釈または希釈せずに、殺菌、漂白、洗浄に用いることができる。例えば

、医療用器具、飲料食品容器、工業排水、空調設備の冷却水、衣類、調理器具、食器、浴室、台所、洗濯槽、風呂釜、家具、ペットの殺菌、漂白、洗浄等に用いることができる。

実施例

[0054] 以下に本発明を用いて行った実施例を示す。この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。

く実施例 1〜11、比較例 1 >

表 1〜 2に示す各原料を 20〜 30°Cで混合溶解し、得られた組成物中の有機過酸ポリマー及び過酸化水素濃度の経時変化推移を測定した。各実施例における原料の仕込み比は表 1〜2に示す通りである。結果を表 3〜4に示す。なお、比較例 1については、 0. 01〜lN— NaOHを使用して pHを 7に調整した。

ここで過酸ィ匕水素と有機過酸ポリマー濃度の算出方法について説明する。組成物に過マンガン酸カリウム溶液を過マンガン酸のピンク色が消えなくなるまで入れることにより、過酸ィ匕水素濃度を滴定により求める。続いてョードメトリーによりペルォキシ力ルポキシル基の濃度を測定した。有機過酸ポリマー濃度はペルォキシカルボキシル基濃度力もポリマー構成単位（-RCOOOH-)に基づき算出した。例えば過ポリアクリル酸の場合はそのポリマー構成単位（— CH CHCOOOH- ,分子量 88)に基

2

づき算出した。

[0055] 具体的には、以下に示す計算式で算出することができる。ここで、下記計算式中、 Pは有機過酸ポリマー濃度 (重量％)、 Mは上記滴定で得られたペルォキシカルボキシル基モル濃度 (molZD、 Wは（ポリマーのカルボキシル基 1個当たりの分子量 + 1

6)をそれぞれ表す。

[0056] (数 2)

P = M XWZ (1000 X組成物比重） X 100 (%)

[0057] なお、実施例中「％」は、「重量％」を意味する。また、使用した各原料は以下の通りである。また、希釈剤はいずれも水である。

(1)有機酸ポリマー

ポリアクリル酸、 Mw5000 :和光純薬工業製

ポリアクリル酸、 Mw2000 :Aldrich製

ポリアクリル酸（商品名「アクアリック HL415」、 45%水溶液）、 MwlOOOO :日本触媒製

アクリル酸マレイン酸コポリマー、 Mw3000、 50%水溶液: Aldrich製

ポリアクリル酸 Na、 Mw2700— 7500：和光純薬工業製

(2)過酸化水素

工業用過酸化水素 (35%)：三菱瓦斯化学株式会社製

(3)無機酸

硫酸 (95. 0%)：小宗化学薬品製犬印

[0058] [表 1] 表 1

[0059] [表 2] 表 2

[0060] [表 3]

表 3

[0061] [表 4] 表 4

比較例 1は NaOHで中和し _PH7に調

[0062] <実施例 12 >

実施例 7の仕込み 7日後の組成物を希釈し、 0. 01〜： LN— NaOHを使用して pH を 7に調整した有効酸素濃度 0. 047%の有機過酸ポリマー含有溶液を試験液として用いて、下記漂白試験を実施した。結果を表 5に示す。

[0063] ここで、「有効酸素濃度」とは、過酸ィ匕水素あるいは有機過酸ポリマーが分解し、水あるいは有機酸ポリマーとなるときに理論上放出される酸素の組成物全体に対する濃度を意味し、ここでは過酸ィヒ水素由来分と有機過酸ポリマー由来分との合計となる。過酸化水素由来分は過酸化水素濃度 X 16Z34、有機過酸ポリマー由来分は有機過酸ポリマー濃度 X 16/ (有機酸ポリマーのカルボキシル基一個あたりの分子量 + 16)で算出される。実施例 7の仕込み 7日後の組成物では、過酸化水素由来分の有効酸素濃度が 23. 5 X 16Z34で 11. 1%、有機過酸ポリマー由来分の有効酸素濃度が 7. 2 X 16Z (72+ 16)で 1. 3%となり、合計で有効酸素濃度は 12. 4%となる。本実験では、このような有効酸素濃度 12. 4%を有する実施例 7の組成物を 263 倍に希釈し、有効酸素濃度 0. 047の有機過酸ポリマー含有溶液を得た。

[0064] (漂白試験）

試験液 100mlに 5cm角の汚染布 3枚を 25°Cにて 30分間浸漬した後、水道水で濯ぎ、自然乾燥させた。漂白前後の反射率 (457nm)を色差計で測定し、次式により漂白率を求めた。反射率は汚染布 3枚の表裏計 6点の平均値を用いた。

漂白率 (％) = ( (R -R ) / (R R ) ) X 100

2 1 0 1

R

0は汚染していない白布の反射率を、 R

1は漂白前の汚染布の反射率を、 R

2は漂白後の汚染布の反射率を表す。汚染布には、商品名「EMPA # 112」（ココア汚染布；

EMPA Testmaterials社 (スイス）製）、商品名「EMPA# 114」（赤ワイン汚染布； EMP

A Testmaterials社 (スイス）製）を用いた。

[0065] <比較例 2>

0. 01— NaOHを使用して pHを 7に調整した 0. 1%過酸化水素（有効酸素濃度 0

. 047%)を用いて、実施例 12と同様の漂白試験を実施した。結果を表 5に示す。

[0066] [表 5]

漂白試験結果（漂白率)

[0067] <実施例 13 >

実施例 7の仕込み 7日後の組成物を 6. 9倍に希釈した有効酸素濃度 1. 8%の有機過酸ポリマー含有溶液、および 17. 7倍に希釈した有効酸素濃度 0. 7%の有機過酸ポリマー含有溶液を、各々試験液として用いて、下記殺菌試験を実施した。結果を表 6に示す。

[0068] (殺菌試験）

試験菌液（1) ;枯草菌芽胞 NBRC3134 約 10⁸個 Zml 試験菌液（2)；クロコウジカビ IF06341 約 10⁸個 Zml

試験液 5mlに菌液 0. 05mを添加、混合し、 20°Cにて 30分間作用後にその 0. lm

1を、（1)は SCDLP培地（レシチン 'ポリソルベート 80をカ卩えたソィビーン 'カゼイン'ダイジェスト'ブロス培地；日本製薬製）、（2)は GPLP培地（レシチン ·ポリソルベート 80 を加えたブドウ糖'ペプトン培地；日本製薬製）に接種し培養後、培地の混濁の有無により菌の生死を判定した。

[0069] <比較例 3 >

10. 5%過酸化水素水（有効酸素濃度 4. 9%)および 2. 1%過酸化水素水（有効酸素濃度 1. 0%)を用いて、実施例 13と同様の殺菌試験を実施した。結果を表 6に示す。

[0070] [表 6]

殺菌試験結果

[0071] 上記実施例からも明らかなように、本発明の有機酸ポリマー、過酸化水素及び無機酸を混合して組成物を調製する方法によれば、仕込み後 7日〜30日程度保持することにより、有機過酸ポリマーの濃度が最大となり、高濃度の有機過酸ポリマーを含む組成物が得られる。

また、本発明の有機過酸ポリマーを含有する組成物は、同じ有効酸素濃度をもつ過酸ィ匕水素を用いた場合に比べ、格段に優れた漂白能力及び殺菌能力を示す。産業上の利用可能性

[0072] 本発明の組成物は、単に有機酸ポリマーと過酸ィ匕水素を混合したものに比べ十分な量の有機過酸ポリマーを含むため、優れた殺菌、漂白、洗浄能力を有し、し力も安定性が良ぐ臭いが少なぐ十分な水溶性を持つ。そのため実用性に優れ、産業用のみならず一般家庭用にも快適に使用し得る。

本発明の組成物は、 1. 1〜： L0000倍に希釈または希釈せずに、殺菌、漂白、洗浄に用いることができる。例えば、医療用器具、飲料食品容器、工業排水、空調設備の冷却水、衣類、調理器具、食器、浴室、台所、洗濯槽、風呂釜、家具、ペットの殺菌、漂白、洗浄等に用いることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1部がペルォキシカルボキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを有効成分として含有することを特徴とする、殺菌 '漂白'洗浄用組成物。

[2] 前記有機過酸ポリマーにおけるカルボキシル基のペルォキシカルボキシル基への変換割合が 5%以上である、請求項 1記載の組成物。

[3] 前記有機過酸ポリマーの分子量が 500〜： LOO, 000であることを特徴とする、請求項 1又は 2記載の組成物。

[4] 前記有機過酸ポリマーが、過ポリアクリル酸、過ポリメタクリル酸、過ポリマレイン酸、過アクリル酸コポリマー、過メタクリル酸コポリマーおよび過マレイン酸コポリマー、並びにそれらの塩からなる群から選ばれる 1種以上である、請求項 1〜3のいずれかに記載の組成物。

[5] 前記有機過酸ポリマーの濃度が 2〜50重量％であることを特徴とする、請求項 1〜

4の、ずれかに記載の組成物。

[6] さらに過酸化水素及び無機酸を含有してなることを特徴とする、請求項 1〜5のいずれかに記載の組成物。

[7] 前記無機酸が硫酸、オルトリン酸およびピロリン酸力なる群力選ばれる 1種以上である、請求項 6記載の組成物。

[8] さらに安定剤を含有してなることを特徴とする、請求項 1〜7のいずれかに記載の組成物。

[9] 前記安定剤がオルトリン酸塩、 1—ヒドロキシェタン— 1, 1—ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩およびジピコリン酸力選ばれる 1種以上である、請求項 8記載の組成物。

[10] 有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基の少なくとも 1部がペルォキシカルボキシル基へ変換されてなる有機過酸ポリマーを含有する組成物を製造する方法であって、少なくとも下記成分 (i)〜 (iv)を混合する混合工程を含むことを特徴とする、有機過酸ポリマー含有組成物の製造方法。

(i)構成単位中にカルボキシル基を有する有機酸ポリマー (ii)過酸化水素

(m)無機酸

(iv)水

[ii] 前記混合工程において、混合物を 1時間〜 1ヶ月間保持することを特徴とする、請求項 10記載の製造方法。

[12] 前記混合工程において、有機酸ポリマーの構成単位中のカルボキシル基力 5% 以上の変換割合でペルォキシカルボキシル基へ変換されることを特徴とする、請求項 10又は 11記載の製造方法。

[13] 前記有機酸ポリマーの分子量が 500〜100, 000であることを特徴とする、請求項

10〜 12のいずれかに記載の製造方法。

[14] 前記有機酸ポリマー力ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマーおよびマレイン酸コポリマー、並びにそれらの塩力なる群力も選ばれる 1種以上である、請求項 10〜13のいずれかに記載の製造方法。

[15] 前記混合工程における成分 (i)〜 (iv)の混合割合が、有機酸ポリマー； 3〜60重量

%、過酸化水素； 2〜60重量％、無機酸； 0. 1〜10重量％、及び水； 20〜90重量

%であることを特徴とする、請求項 10〜14のいずれかに記載の製造方法。

[16] 前記無機酸が硫酸、オルトリン酸およびピロリン酸力なる群力選ばれる 1種以上である、請求項 10〜 15のいずれかに記載の製造方法。

[17] 前記混合工程において、さらに安定剤を混合することを特徴とする、請求項 10〜1

6の、ずれかに記載の製造方法。

[18] 前記安定剤がオルトリン酸塩、 1—ヒドロキシェタン一 1, 1—ビス (ホスホン酸)又はその塩、ピロリン酸塩、へキサメタリン酸塩およびジピコリン酸力選ばれる 1種以上である、請求項 17記載の製造方法。

[19] 前記混合工程の後、さらに希釈剤を添加する希釈工程を含むことを特徴とする、請求項 10〜18のいずれかに記載の製造方法。

[20] 請求項 10〜 19のいずれかに記載の製造方法で製造された有機過酸ポリマー含有組成物であって、有機過酸ポリマー 2〜50重量％、過酸化水素 2〜50重量％および無機酸 0. 1〜10重量％を含有することを特徴とする、有機過酸ポリマー含有組成物

[21] 請求項 20記載の有機過酸ポリマー含有組成物を希釈して得られる有機過酸ポリマ一含有希釈組成物。