WO2009119265A1 - 塗布装置及びプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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幸一 坂井
貴子 石崎
勝昭 内田
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Definitions

  • the present invention also provides a method of manufacturing a plastic lens including a spin coating process.
  • the method for producing a plastic lens disclosed herein includes a step of wet-coating a coating material by a spin coating method, in which the coating atmosphere reduces the partial pressure of volatile components derived from the coating material. It is characterized by being.
  • the partial pressure of a volatile component should just be lower than the vapor pressure of the coating material in normal atmospheric pressure, and the partial pressure value changes with kinds of solvent. For example, when a coating material containing a volatile component having a vapor pressure of 6000 Pa at 30 ° C. is used, the partial pressure of the volatile component is preferably lowered from 6000 Pa in order to form a film under the condition of 30 ° C.
  • the funnel-shaped partition wall 23 is provided at the bottom of the processing tank 11 and is formed so as to be inclined downward toward the hole 24 near the center, whereby the excess coating material 30 is recovered in the storage tank 13. Can be made easier. Further, as described above, by reducing the area of the hole 24 as much as possible within a range in which the coating material 30 can flow out in a short time, the net 14 indicates that the volatile components of the coating material in the storage tank 13 enter the processing tank 11. As compared with the case of providing, it can be greatly suppressed. Thus, by making the solvent vapor of the coating material 30 accommodated in the storage tank 13 difficult to enter the processing tank 11, the increase in the partial pressure of the volatile component in the processing tank 11 is not limited to during the processing step. Can be suppressed. Therefore, in this embodiment, combined with the effect of providing the partial pressure reducing means and the gas introducing means, it is possible to form a more uniform coating film more reliably in the coating process.

Abstract

 処理槽内を密閉して外部からの塵埃の混入を防ぐと共に、複数枚の塗布処理を行う場合に膜厚のばらつきを抑えることを目的とする。  内部が密閉可能とされる処理槽11と、処理槽11内に設けられる基板保持部19と、基板保持部19を回転する回転機構と、基板保持部19に保持される基板40に向けて塗布材料を噴出するノズル17と、処理槽11内の塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させる分圧低下手段(排気管)18と、を備える。

Description

塗布装置及びプラスチックレンズの製造方法
 本発明は、例えば眼鏡用のプラスチックレンズ等の表面に保護膜やハードコートなどの材料を塗布するスピンコート機等の塗布装置とプラスチックレンズの製造方法に関する。
 レンズ等の基板表面の湿式加工として、スピンコート法を採用する技術がある(例えば特許文献1及び2参照)。
 特許文献1においては、レンズ等の被塗布基板に対して下側にノズルを配置し、ノズルから上側に向けて塗布材料を噴出する装置において、塗布材料によるノズル噴出口の汚れを回避するため、ノズルを鉛直方向から傾ける構成が提案されている。
 また、特許文献2においては、塗布液を霧状にして噴霧する方法が提案されている。
 特許文献1及び2に提案されているスピンコート法を採用することで、膜厚のばらつきを抑えて基板上に塗布材料を塗布することが可能となる。
特開平09-094519号公報 特開2000-140745号公報
 上述したようにレンズ等の基板に対してスピンコート法により塗布を行う場合、外部から塵や埃が混入すると、塗膜に欠陥点が生じてしまい、この欠陥点を起点として膜の剥がれや亀裂等が生じてしまう。このため、スピンコートを密閉環境内で行うことが望ましい。特に、透明体であるプラスチックレンズは、クリーンな密閉環境でコートされることが好ましい。
 しかしながら、密閉環境下でスピンコートを行うと、塗布した膜の膜厚を十分大きくすることができないという問題がある。これは、塗布材料や塗布面から生じる溶媒の蒸気がコートを行う処理槽内に充満するためであることがわかってきた。例えば複数枚のレンズの表面加工をスピンコートで連続的に行う場合、数枚目以降、具体的には例えば3枚から5枚目以降のレンズでは、処理槽内に溶媒蒸気が充満してしまう。このような状況下では、複数枚目に形成された塗膜の膜厚が薄くなってしまい、結果的に多数枚の処理を行う場合は、膜厚にばらつきが生じてしまい、また膜厚分布がうまくとれない現象が生じていた。
 このような現象が起こる理由は定かではないが、溶媒蒸気が充満した状態では塗布材料がかけられる前に基板の加工面の表面に気化した溶媒が吸着し、溶媒の分子レベルの被膜が形成されてしまうことが予測される。加工面の表面に分子レベルの被膜が形成されると表面状態が変わるので、同一の条件下でコート処理をしても、異なる仕上がりの塗膜となってしまうものと考えられる。
 以上の問題に鑑みて、本発明は、処理槽内を密閉して外部からの塵埃の混入を防ぐと共に、複数枚の塗布処理を行う場合に膜厚のばらつきを抑えることを目的とする。
 上記課題を解決するため、本発明による塗布装置は、内部が密閉可能とされる処理槽と、処理槽内に収容されて回転可能に配置される基板保持部と、基板保持部に保持される基板に向けて塗布材料を噴出するノズルと、処理槽内の塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させる分圧低下手段と、を備える構成とする。
 なお、本明細書において、「密閉」とは、外側からの液体や気体や粉塵などの不測成分の侵入を防止している状態を示している。したがって、外部から液体(具体的には塗布材料)や気体(具体的には導入ガス)を故意に導入すること、及び、内部から液体(具体的には余剰の塗布材料)や気体(具体的には減圧手段によって排出される気体)を故意に排出することについては、ここで言う「密閉」の概念に含まれない。
 上述したように、本発明の塗布装置においては、内部を密閉してレンズ基板等への塗布処理を行うことにより、外部からの塵埃等が混入して基板表面に付着することを回避することができる。更に、塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させる分圧低下手段を備えることによって、揮発性成分の分圧が高くなることによる塗膜の厚さのばらつきを抑制することができる。
 本発明は、ノズルから噴出される塗布材料を収容する収容槽が設けられていると好ましい。ノズルから噴出されてコーティングに要されなかった余剰の塗布材料を回収し、また、後の塗布材料として再利用することができるため、塗布材料の消費量を大幅に削減することができる。
 本発明は、収容槽の底部に凹条の溝が形成されていると好ましい。溝の断面形状は特に限定されず、矩形断面であっても、角部に丸みを帯びた矩形断面であっても、又は、半円形の断面であっても良い。
 ノズルから噴出されてコーティングに要されなかった余剰の塗布材料は、収容槽の底部に流れ込む。底部に凹条の溝が形成されていると、余剰の塗布材料は溝に優先的に流れ込む。溝に一時的に収容されることで、余剰の塗布材料が外気に接触する面積が格段に狭くなり、揮発性成分の発生を削減することができる。
 本発明は、スピンコーティング工程を含むプラスチックレンズの製造方法も提供する。
 ここに開示されるプラスチックレンズの製造方法は、スピンコーティング法により塗布材料を湿式コーティングする工程が含まれており、その工程においてコーティング雰囲気は塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させていることを特徴とする。
 なお、揮発性成分の分圧は、通常の大気圧における塗布材料の蒸気圧よりも低くあれば良く、溶媒の種類によってその分圧値は異なる。例えば、30℃における蒸気圧が6000Paの揮発性成分を含む塗布材料を使用した場合、30℃の条件下で成膜するには揮発性成分の分圧を6000Paよりも低下させると良い。蒸気圧に僅かでも低い環境で行うことにより、プラスチックレンズ基板の表面に良質な塗膜を形成することができる。また、連続して複数枚のプラスチックレンズ基板に塗布しても、塗布装置の塗布回数によらず反復して良質な塗膜が形成される。
 本発明によれば、処理槽内を密閉して外部からの塵埃の混入を防ぐと共に、複数枚の塗布処理を行う場合に、塗布材料の揮発性成分の分圧が高くなることによる膜厚のばらつきを抑えることができる。
本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置の概略断面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置における処理槽の底部の概略平面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置における処理槽の底部の概略平面構成図である。 本発明の実施例に係る塗布装置における処理槽の底部の概略平面構成図である。
 以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。以下の例においては、眼鏡用のプラスチックレンズ等の各種レンズ基板にプライマー層、ハードコート、保護層等を塗布処理する場合に適用する例を示すが、本発明は眼鏡用レンズに塗布処理を行う塗布装置に限定されるものではなく、その他種々の基板に対して塗布処理を行う塗布装置に適用することができる。
(1)第1の実施例
 図1は本発明の第1の実施例に係る塗布装置の概略構成図である。この処理装置10は、例えば略円筒形状の処理槽11と、その上部を密閉して覆う蓋12と、処理槽11の下部に接続して設けられ、塗布材料を収容する収容槽13とより構成される。収容槽13は、例えば処理槽11よりも径の小さい略円筒形状とされる。そして処理槽11の底部に収容槽13の上側開口部が接続され、処理槽11と収容槽13との間の開口には例えば異物等が収容層13に混入しないようにネット14が設けられることが望ましいが、この限りではない。
 一方、蓋12には、その略中心位置に、眼鏡用等のプラスチックレンズなど、塗布処理を行う基板40を保持する基板保持部19が配置される。本例においては、基板保持部19の先端に吸着パッド19aが設けられており、この吸着パッド19aによりレンズの被塗布面とは反対側の面が吸着されてレンズ40が保持されるようになっている。またこの基板保持部19は、図示しない外部の回転機構に接続され、塗布処理時に基板40を所定の回転数で回転駆動する構成とされる。更に、基板保持部19の内部に設けられる貫通孔を介して外部の排気手段によって排気する構成とすることによって、吸着パッド19aの保持力を確保する構成としてもよい。
 なお、基板40の保持態様は図示の例に限定されるものではなく、その他の保持態様を採ることも可能である。また、基板保持部19は蓋12ごと、或いは蓋12から取り外して処理槽11の外部に移動可能とし、基板40の取り付け及び取り外し作業を処理装置の外部で行われる構成とすることが望ましい。
 そして、収容槽13内には、例えば底部に配管15が接続され、モータ等の駆動部16によって収容槽13内に収容されている塗布材料30を、ノズル17に供給する構成とする。ノズル17は駆動部16から収容槽13内を貫通して、処理槽11の中心部に突出し、その先端は基板40の処理面に対向する位置に配置される。
 また、本発明においては、処理槽11に、塗布材料30に由来する揮発性成分の分圧を低下させる分圧低下手段が設けられている。本実施例においては、この分圧低下手段として収容槽11の側面の下部に排気管18が設けられ、図示しない真空ポンプ等の排気手段に接続されるようになっている。排気管18には、目詰まり防止用のフィルター20を設けてもよい。
 この塗布装置10による塗布処理工程の際には、基板40を保持する基板保持部19を図示しない回転機構により回転させると共に、排気管18を介して内部を排気する。そして駆動部16によって塗布材料30をノズル17の先端から噴射させる。噴射態様は液状でも霧状でもよい。塗布材料30は基板40の処理面に塗布され、塗膜される材料以外の余剰な材料は、処理槽11の下部に分散して落下し、ネット14を通して収容槽13内に回収される。
 この例においては、収容槽13を設けて塗布材料30が循環するシステムとして構成されるが、収容槽13を省いて余剰な材料を循環することなく排出する構成としてもよい。その場合は、ノズル17への塗布材料の供給は外部からの配管により行う構成とすることもできる。
 本例においては、塗布処理中に塗布材料30の溶媒の揮発成分が発生するが、処理槽11内に溜まることなく、排気管18を通じて外部に排出される。したがって、溶媒の蒸気圧が高くなることを抑制ないしは回避することができる。そして、複数の基板40の塗布処理を行う場合に、処理毎に溶媒の蒸気圧が変動しにくいので、処理する基板毎における塗布膜の厚さのばらつきを抑制することができる。
 なお、排気管18を配置する箇所は、塗布処理時の塗布材料がノズル17から噴射されて基板40の塗布処理面上を移動し、その後落下して移動する際の流れを妨げないような位置に設けられていればよい。なお、排気手段による排気は、実際にノズル17から基板40に向けて塗布材料を噴射しているときには停止するようにしてもよい。
 更に、排気管18の設置位置としては、発生する蒸気が有機溶剤等の空気よりも重い材料である場合には、処理槽11の比較的低い位置に設置することが好ましく、逆に空気よりも軽い材料である場合には処理槽11の上方の位置に設置することが好ましい。
 図1に示す例においては、基板40の塗布処理面を処理槽11内において下向きに保持して回転し、下側に配置するノズル17から塗布材料を噴射する構成とする場合を示すが、塗布材料の噴射は処理面の上側から噴射する構成としてもよい。このように、上側から塗布材料を落下させて基板40の回転により塗布処理を行う塗布装置においても、本実施例におけるように排気管18を設けることによって、同様に揮発成分の分圧の増加を抑制することができる。したがって、塗布膜厚のばらつきを抑えることができる。
(2)第2の実施例
 次に、本発明の第2の実施例に係る塗布装置について説明する。本例の塗布装置の概略断面構成図を図2に示す。図2において、図1と対応する部分には、同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、第1の実施例と同様に、分圧低下手段として処理槽11の下部に排気管21を設けると共に、処理槽10内の全圧が一定になるように、処理槽11の上側の位置に不活性ガスや空気等の気体を導入する気体導入手段として導入管22を設ける。このように処理槽11内の気体を排気する分圧低下手段のみではなく、気体導入手段を設けることによって、処理槽11内の分圧構成もより均質にすることができる。したがって、塗布処理毎にばらつきを抑えて塗膜を形成することが可能となる。
 なお、導入管22と排気管21との位置関係に特に限定はないが、導入する不活性ガスの重さと積極的に排出したい溶媒等から揮発されるガスの重さの関係から、適宜選定すればよい。例えば、導入ガスの重量が溶媒ガスの重量よりも重い場合は、排気管21を下方に備え、導入管22を上方に備えればよく、その逆の場合は排気管21を上方に、導入管22を下方に配置すればよい。このような構成とすることにより、溶媒等に由来する揮発性ガスの排出を、不活性ガス等の導入ガスに押される形で促進することができる。
 なお、不活性ガスや空気を導入するにあたって、フィルターを介した気体を用いることによって、より塵埃等の混入を抑制することが可能となる。このため、図2に示すように、導入管22にフィルター27を設けることが望ましい。また、排気管21にも、目詰まりを抑制するためのフィルター26を設けてもよい。
(3)第3の実施例
 次に、本発明の第3の実施例に係る塗布装置について説明する。この例では、第1及び第2の実施例において説明した塗布装置において、処理槽11と収容槽13との間にネット14に代えて隔壁23を設ける構成とするものである。図3においては、第1の実施例において説明した塗布装置に適用した例、図4においては、第2の実施例において説明した塗布装置に適用した例をそれぞれ示す。図3及び図4において、図1及び図2と対応する部分には、それぞれ同一符号を付して重複説明を省略する。
 この例においては、処理槽11の底部の収容槽13との隔壁23が、中心に向かって下側に窪む漏斗状とされる。そしてその中央部に、塗布材料30を流出する孔部24が設けられる。この孔部24は、余剰の塗布材料30が収容槽13に流出し、すなわち再回収可能な程度の大きさで、且つなるべく面積を小さくすることが望ましい。なお、孔部24は隔壁23近傍でノズル17の周囲を取り囲む形状としてもよく、その他ノズル17の一側に設けられるとか、或いは複数の孔部が点在する構成としてもよい。
 このように、処理槽11の底部に漏斗状の隔壁23を設け、中央付近の孔部24に向けて下方に傾斜するように形成することによって、余剰の塗布材料30を収容槽13に回収し易くすることができる。また上述したように、塗布材料30が短時間で流出できる範囲でなるべく孔部24の面積を小さくすることによって、収容槽13内の塗布材料の揮発成分が処理槽11に入り込むことを、ネット14を設ける場合と比較して大幅に抑制することができる。このように、収容槽13に収容されている塗布材料30の溶媒蒸気を処理槽11に入りにくくすることによって、処理槽11内における揮発性成分の分圧の上昇を、処理工程中以外にも抑制することができる。したがって、本実施例においては、分圧低下手段や気体導入手段を設ける効果と相俟って、塗布処理工程において、より確実に均質な塗膜を形成することが可能となる。
(4)第4の実施例
 次に、本発明の第4の実施例に係る塗布装置について説明する。この例では、第3の実施例において説明した塗布装置において、処理槽11と収容槽13との間の漏斗状の隔壁23の処理槽11側の壁面に凹条の溝31を形成したものである。図5、6に本例に係る塗布装置を示す。また、図7は、本例における隔壁23の処理槽11側の壁面の概略平面図を示す。図5、図6及び図7において、図3及び図4と対応する部分にはそれぞれ同一符号を付して重複説明を省略する。
 この例においては、処理槽11の底部である隔壁23に、処理槽11の側壁との界面に沿った平面がほぼ円環状で断面が凹状の溝32と、この溝32から中央の孔部24に向かう形状、すなわち孔部24から放射状に伸びる凹条の溝33が形成されている。
 このように、溝32が処理槽11の側壁面に沿って形成されていると、コーティング時に振り切られた余剰の塗布材料で処理槽11の側壁面を伝って流れ落ちてきたものを溝32で回収することができる。また、放射状に形成された溝33は溝32に接続しており、溝32に回収された塗布材料は、溝32を通じて孔部24に導かれる。さらに、溝33は、隔壁23(底部)に直接落ちてきた余剰の塗布材料を回収し孔部24に向けて導くことができる。本形態によれば、余剰の塗布材料が溝32,33を通じて確実に収容槽13に導かれるため、処理槽11の底部(隔壁23)の他の部分に余剰の塗布材料が溜まりにくい。底部(隔壁23)での塗布材料の露出面積を狭くすることができるので、余剰の塗布材料から発生する揮発性成分を最小限に抑制することができる。
 本例は、隔壁23の効果をより高めたものであり、塗布処理工程において、より確実に均質な塗膜を形成することが可能となる。
(4-a)第4の実施例の変形例1
 上述の例においては、隔壁23に設ける溝32と孔部24との間の凹条の溝33を4本とし、孔部24から上下左右に、互いにほぼ90度の間隔をもって配置した例を示すが、この本数は4本に限定されるものではなく、例えば図8に示すように6本とすることも可能である。図8において、図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図8においては、6本の凹条の溝33を互いにほぼ60度の間隔で孔部24から放射状に設ける例を示す。このように、溝33の本数は塗布材料が流れやすい形状であればその本数を変更可能であり、更にはその幅や断面形状等についても、塗布材料を流れ易くするために適宜変更することが可能である。
(4-b)第4の実施例の変形例2
 図9に示す例は、溝32と溝33との接続部において塗布材料が滞留せずに流れ易くなるように、溝32と溝33との接続部分における角部を切除してほぼY字状に変形した例を示す。図9において、図7及び図8と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。このように、溝32及び溝33の形状は、隔壁23に落下した塗布材料が処理槽11内に残留せずに、確実に孔部24に導かれる形状であればよく、種々の変形が可能である。図9に示す例では溝32と溝33との間の角部を直線状に切除した例を示すが、曲線状に角部を除去してもよく、この部分に余剰材料が滞留しにくい形状であればよい。
 またこの他、例えば溝33の形状を放射状に限られず曲線状とし、例えば基板保持部19が回転する際の回転方向に合わせて螺旋状とするとか、或いは落下した余剰材料の流れの進行方向に沿って枝状に分岐する形状等としてもよい。
 なお、図5~図9においては、処理槽11の下部に塗布材料を収容する収容槽13を設ける例において、処理槽11と収容槽13との間の隔壁23に溝32及び凹条の溝33を設ける場合を説明したが、溝32、33は収容槽13を設ける場合に限定されない。例えば処理槽11の底部に余った塗布材料を排出する排出口を設け、この排出口に向かって塗布材料が流出し易いように、収容槽13の底部に同様に溝32、33を設けることも可能である。
(5)第5の実施例(プラスチックレンズの製造)
 第4の実施例において示した塗布装置で排気手段を備えているものを用いて、眼鏡用プラスチックレンズを連続して100枚製作し中心部の塗膜の膜厚について評価した。膜厚は2μm~3.5μmを合格とした。プラスチックレンズの評価は、開始直後の5枚は続けて行い、その後は抜き取り評価に切り替えて行った。結果を下記表1に示す。
 レンズの材料はポリカーボネートとし、表面にコートする塗布材料はハードコート液とした。ハードコート液はシリカ、アクリル樹脂を含み、溶媒はPGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を用いた。塗布は、レンズの凹面側に行った。
 塗布時の排気は真空ポンプを用いており、排気は30L/分の能力で行った。
 スピンコートにおける塗布時の回転数は最初に500rpmで20秒、その後1500rpmで50秒として、レンズ1枚を60秒のサイクルで塗布処理を行った。
 塗布後のプラスチックレンズに、紫外線照射を30秒行って硬化処理した。
 比較例として、第1の実施例で示した塗布装置で排気手段を備えていないものを用いて眼鏡用プラスチックレンズを連続して製作し、中心部の塗膜の膜厚について評価した。レンズ材料、塗布材料及び塗布時の回転条件は、第5の実施例と同様に行った。
 この結果を下記の表1に示す。なお、表1において膜厚単位はμmであり、この場合設定膜厚は2.0μm以上3.5μm以下であれば「可」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 上記表1に示したように、実施例のサンプルは連続して100枚製作した場合も膜厚は設計値を上回ることはなかった。実施例のサンプルにおいて100枚付近から膜厚の上昇が見られた。これは排気手段により塗布材料の揮発性成分(溶媒)が排気された事で溶媒の成分が減少し、塗布材料の粘度が上昇したことによる。
 一方、比較例では、連続塗布を開始してすぐに膜厚の減少が見られ、3枚目には設計値を下回る膜厚となった。これは、処理槽内に揮発性成分が充満したため、塗布材料がプラスチックレンズ表面に付着しにくくなったものと思われる。
 以上説明したように、本発明によれば、塗布材料に由来する気化した溶媒等の揮発性成分を、処理槽内に過剰に存在しないように、すなわち揮発性成分の分圧を低く維持することができる。このため、このような揮発性成分の分圧が高まることによって生じる塗膜のばらつき、膜厚の低下や、不測に膜厚の分布が生じることを確実に抑制することができる。
 精密さが求められる光学製品の表面処理では、このような膜厚分布は好ましくないので、本発明によれば、膜厚の低下やばらつき、予期しない膜厚分布を抑え、所望の膜厚の塗膜を確実に行うことができる。
 なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変型例または応用例を含むものであることはいうまでもない。
引用符号の説明
 10.塗布装置、11.処理槽、12.蓋、13.収容槽、14.ネット、15.配管、16.駆動部、17.ノズル、18.排気管(分圧低下手段)、19.基板保持部、19a.吸着パッド、21.排気管(分圧低下手段)、22.導入管(気体導入手段)、23.隔壁、24.孔部、30.塗布材料、32,33.溝、40.基板
 

Claims (10)

  1.  内部が密閉可能とされる処理槽と、
     前記処理槽内に収容されて回転可能に配置される基板保持部と、
     前記基板保持部に保持される基板に向けて塗布材料を噴出するノズルと、
     前記処理槽内の塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させる分圧低下手段と、を備える
     塗布装置。
  2.  前記分圧低下手段が排気手段である、請求項1に記載の塗布装置。
  3.  前記処理槽に気体を導入する気体導入手段が設けられる、請求項1又は2に記載の塗布装置。
  4.  前記気体導入手段からフィルターを通した気体が導入される、請求項3に記載の塗布装置。
  5.  前記処理槽の底部には、凹条の溝が形成されている、請求項1~4のいずれかに記載の塗布装置。
  6.  前記処理槽の下部に、前記ノズルから噴出される塗布材料を収容する収容槽が設けられる請求項1~5のいずれかに記載の塗布装置。
  7.  前記処理槽と前記収容槽との間には漏斗形状の隔壁が設けられている、請求項6に記載の塗布装置。
  8.  前記処理槽と前記収容槽との間に隔壁が設けられており、前記隔壁の一部に、前記塗布材料が流出可能な孔部が設けられる請求項6又は7に記載の塗布装置。
  9.  前記隔壁の処理槽側壁面が処理槽の底部であり、前記隔壁の収容槽側壁面は収容槽の天井部である請求項7又は8に記載の塗布装置。
  10.  プラスチックレンズの製造方法であり、
     プラスチックレンズ基板の表面にスピンコート法で塗布材料を湿式コーティングする工程が含まれており、
     前記湿式コーティングする工程において、
     コーティング雰囲気の塗布材料に由来する揮発性成分の分圧を低下させる
     プラスチックレンズの製造方法。
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